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単独釣行レポート

北海道釣行日誌2023(3)(7月1日〜10日)


大渇水となった6月と打って変わって、7月に入り蝦夷梅雨と言われる雨や曇天が続いています。渓は一息付いたかの様に生き返り、ルアー・フライマン達にも活気が戻ってきました。本格的な夏を間近に控え、渓流の釣りも前半最後の書き入れ時となっています。温暖化の影響により北海道にも本州と変わらぬ梅雨の大雨がやって来るようになりました。天候と健康に気を付けながら、引き続き、道内をのんびりと巡って行きたいと考えています。
(下写真は、初夏の道東の湧水の渓)


注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【7月2日(日)道東の湧水の渓】

暑い日の続く十勝を離れ、この日は道東の湧水の渓へ向かいました。この時期、通常の渓では水温が20℃近くになっていますが、この渓は湧き水主体のため、14℃ほどしかありません。夏用のウェーダーを履いて釣っていましたが、足が冷えてきて、快適を過ぎて難儀してしまいました。この渓では10年ほど前までは、小さなイワナが数多く釣れ、大きいものでは40cmを超える魚も釣れていました。しかし、ここ数年は魚影が薄くなり、サッパリ釣れていません。昨年は少しだけ魚影が回復したのですが、今年はどんな具合なのか、気になって仕方がなかったのです。

今期初めての道東の湧水の渓湧水の渓だけに、水温は未だこの通りこんなイワナが5尾だけ(Click拡大)

釣り始めたのはもう15時を回っていましたが、日曜とあって釣り人のものと思われる車が数台、見えました。私は最も奥の・・・恐らく朝から何人が釣った後だと思われますが、・・・ポイントへ入渓してみました。そして、想定通りとは言え、余りの魚影の薄さにガックリとしました。過去には2時間で60尾ほども釣れた渓だったのですが、この日は25p位までのイワナが5尾と、小さなブルックトラウトが1尾だけでした。ちなみに、この渓の魚影が薄くなった理由として、バケツに一杯も魚を持ち帰った餌釣り師がいたとか、ニジマスが増えすぎてイワナが駆逐されているなど、幾つかのウワサが流れています。実際はどうなんでしょうか。

ブルックも小さいが1尾だけ釣れた朱点の回りの青い輪がブルックの特徴最近はゴミの散乱が激しいらしい

ところで、去年あたりから上右写真の様に、タイヤなどを並べて駐車スペースに入れない様になっている場合があります。地権者の鮭鱒事業所に聞いたところ、最近はゴミの散乱が激しく、日によって立ち入りを制限しているそうです。私も含めて殆どの釣り人はゴミを投げたりはしませんが、ごく一部のタチの悪いヤカラのせいで、皆が迷惑する典型例です。事業所では釣り人たちのために、このスペースの草刈りまでやって頂いているのですが、本当に残念でなりません。

【使用タックル】
CarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、CastawayPE25lb(1.5号)+GrandMaxFx2.5号、Ryuki45/赤腹ヤマメ、他

【7月4・5日(火・水)イワナ・オショロコマの源流】

4日は、午前と午後に分けて2つの源流部を巡りました。まずは10時半ころから、大ニジマスの噂の有る源流へ、アウトリガーニンフ仕掛けで臨みました。最初は小さなイワナばかりでしたが、2つ目のポイントで粘っていると突然、イワナとは異なる魚信が出て、50cmほどの白っぽい魚体が暴れ始めました。「よっしゃぁー!大ニジマス来たー!」・・・っと大喜びしたのですが、・・・魚をネットにすくって良く見ると、あれま、銀ピカの釣ってはいけないお魚さんでした。時期が早いためか、まだブナ化(婚姻色)しておらず、遠目にはニジマスそっくりでした。ガッカリでした。

午前中はニジマスの釣れる源流へこんな小さなイワナが数尾銀ピカのサクラマスだった(Click拡大)

4日午後からはオショロコマの釣れる源流部へ移動。こちらでは軽快に20cm前後の良型?のオショロコマが連発して釣れ、楽しめました。ただ、なぜか小さなヤマメも同じくらい釣れてきます。なぜオショロの渓にわざわざヤマメを放流するのか、理解に苦しみます。オショロは、あっと言う間に10尾ほども釣れましたが、まだサイズは小さく最大でも22cmまででした。16時ころからは、同じ水系の別の支流に移動してオショロを狙いましたが、ここでビックリする事が・・・これまでこの辺りでは一度も釣れた事のなかったイワナが釣れたのです。

午後からはオショロコマの源流へこの日のオショロの最大は22cmほどなぜかこんなヤマメも多く釣れる

温暖化の影響はこんな所にも表れている様です。冷水性の最も強いオショロの生息域に、水温の上昇とともにイワナが入り込んで来ていると考えられました。そしてこの渓でもう一つビックリさせられたのは、と或る淵で、小さなミノーにサクラマスがぞろぞろと追い掛けてきて喰い付いてしまった事です。この地では例年、サクラマスの遡上は4月頃から始まり、ダラダラと8月ころまで続きます。しかし、源流部に多くのサクラマスが見える様になるのは7月下旬ころからでした。今年は早くもブナ化したサクラマスが多数、泳いでいたのです。ガッカリでした。

夕方はオショロコマの別の支流へこの渓でも初めてイワナが釣れたここでもサクラマスが邪魔をする

どうやら今年は予想以上にサクラマスの遡上が早そうなため、状況を確かめる目的も有って、翌5日は斜里町にある「さくらの滝」を見に行きました。さくらの滝の遡上のピークは、例年であれば7月後半らしいのですが、滝を見てビックリしました。これまで何度もこの滝を見に来ていますが、サクラの数はこの日が過去一番でした。滝下にはウジャウジャとサクラマスが犇めいていて、7月初旬にも関わらず、既に婚姻色をまとった個体も相当数見えました。どうりで付近の源流部でサクラが良くヒットしてくる訳です。左下に30秒足らずのビデオを用意しましたので、ぜひ全画面に拡大してご覧下さい。

さくらの滝は今がピークか?知床峠経由で羅臼方面へこちらの小渓では例年通りに釣れた

午後からは大きく移動し、知床ウトロで海鮮料理を食べた後、半島の反対側の羅臼近辺でもオショロコマ釣りを試みています。最初に入った渓では、いつもどおりに知床らしいオレンジ色の濃いオショロコマが多数ヒットしてくれ、楽しめました。ただ、2か所目に入った渓ではガッカリでした。なぜか小さなヤマメばかりが10尾以上も連発して釣れ、その間に釣れたオショロコマはたった1尾だけという、過去にも無かった状況でした。前日入った渓でもそうでしたが、オショロコマの渓にヤマメやニジマスをバカみたいに放流するのは、いい加減にして頂きたいものです。

知床らしい色の濃いオショロコマこちらの渓には本当にガッカリしたオショロ1にヤマメ11尾とヤマメばかり

注:サクラマスを始め、全ての釣魚は写真撮影後、生きたままリリースしています。

【使用タックル】
4日午前:Brookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、GrandMaxFx2.0号、プリンスニンフささめ管付きチヌ3号、他
他:CarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、CastawayPE25lb(1.5号)+GrandMaxFx2.5号、Ryuki50/45/赤腹ヤマメ、Dahlia30ss/TS/赤腹ヤマメ、Bretton#2銀赤、他

【7月7日(金)北見のモンスターニジマスの渓流】

前日にまた大きく移動し、北見市の渓流を目指しました。午前中は昨年、私の野生化ニジマスの記録である65cmを釣ったポイントへ入渓してみました。ただ、この渓は平水時は透明度が高く、大物はまず釣れません。2日前の雨で上流にあるダム湖が濁り、適度な濁りが入っているかも、と期待して入渓しました。しかし、この目算は外れていて、予想外に透明度が高く、結局は小さなニジマスが3尾とヤマメが1尾釣れただけでした。恐らく大物も深みに泳いでいたと思われるのですが、このポイントはのべつ幕なしに釣り人が入っている超有名なポイントであり、完全に無視されてしまいました。

昨年、モンスターの釣れたポイントへしかし、こんな小さなニジマスが3尾と・・・小さなヤマメが1尾釣れただけ

午後からは、ウサ晴らし?にと、上流にあるダム湖の上にある大きな堰堤で過ごしました。この堰堤の下にはダム湖から遡上してきた魚たちが溜まっていて、大物は望めませんが、小物の数釣りを楽しめます。この日は堰堤の上からフライで誘いながら釣ってみる事にしました。ただ、透明度が高いため、堰堤上から覗き込むと釣れなくなります。そこで堰堤上の泥混じりの砂をガサガサと足でかき混ぜ、堰堤下が適度に濁った状態にしてから釣ると、爆釣となりました。その結果、34cmまでのニジマス3尾、尺までのイワナ3尾、オショロコマ9尾、ヤマメ3尾と、バラエティに富んだ釣果になりました。

午後からはダム上の堰堤で遊んだ34cmまでのニジマス3尾にイワナ3尾オショロコマ9尾にヤマメ3尾

【使用タックル】
Brookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、GrandMaxFx2.0号、プリンスニンフささめ管付きチヌ3号、クロカワ虫ニンフTMC3761#8黒、他

【7月9日(日)猛暑下は涼しい大雪山旭岳へ】

この日からしばらくは北海道も猛暑になる予報となっていて、旭川市ではこの日33℃を記録し、北見では35℃を超える猛暑日でした。そのため、ロープウェーを利用して、涼しい大雪山旭岳へ写真目的で遊びに行ってきました。ただ、日曜とあって観光客が非常に多く、ロープウェーの駐車場は満杯で入れなくなる寸前でした。また、なぜか白人系の外国人観光客がやたらと多く、山上の散策路ではあちこちから英語やドイツ語などが聞こえてきます。お花畑は今、チングルマ、サクラソウ、ツガザクラなどの最盛期で、午前中はとても良いお天気にも恵まれ、綺麗な写真が沢山撮影できました。

エゾコザクラと満月沼(Click拡大)チングルマと旭岳(Click拡大)コエゾツガザクラ(Click拡大)

【使用タックル】
ありません

【7月10・11日(月・火)空知のブルックの釣れる渓へ】

10日は美瑛・富良野で写真を楽しむ予定でしたが、朝起きると暗い曇天だったため予定を変更。かねてより気になっていた空知のブルックの釣れる渓へ午後から向かいました。実は2日ほど前に、YouTuberの「りさらいず」さんが富良野近辺の渓でブルックを釣っている動画を投稿していて、これを見て気になっていた事を思い出したと言う訳です。ブルックは北海道では道東の湧水の渓と空知川の支流の2ヶ所だけしか釣れないらしく、ぜひとも釣ってみたいと思っていたのです。釣り場はネットで調べて、見当をつけて入渓してみました。

空知のブルックの釣れるという渓へ確かにブルックは2尾釣れた(Click拡大)こんな小さなイワナも6尾ほど釣れた

たまたま入渓した場所は、富良野市に近い小さな渓でしたが、釣り始めると小さなイワナやニジマスが次々とヒットしてきて、町に近い割には魚影がとても濃いと感じました。そして3尾目にはあっさりと小さなブルックトラウトが釣れてしまい、あっけなく目的達成してしまいました。ただ、サイズは20cmちょっとと小さく、りさらいずさんの釣っていた良型のブルックを見ていた私は、納得できずにそのまま釣り続けます。すると暫くして、いかにも大物の入っていそうな大場所が見えてきました。近づき過ぎない様に同じEden50Hを投げ込みますが、5投ほどしてもなぜか全く反応がありません。

淵の底をSukari50SSdeepでトレースすると喰って来た(Click拡大)久々の大ニジマス51cmと私

こういった場合、大物が餌場を占領していて、小魚が怖くて出てこれない事が多いものです。そこで、ミノーをSukari50SSdeepに替え、ポイントの底ギリギリをゆらゆらと泳がせて誘ってみる事に。腰をかがめながら、上流側から3m程の間隔を空けて下流側へ投げ進み、4投目でした。流心の真下でガッと根掛かりの様な魚信が出て、すぐに大物が暴れ始めました。ただ、釣り場は広々としたポイントで、数分で難なくランディング。獲物はニジマス51cmでしたが、今年初の50cm超えで、しかも、ルアーでこのサイズを釣ったのは数年ぶりのため、嬉しさもひとしおでした。

この淵で大ニジマスが出た(Click拡大)大ニジマスのリリースの瞬間(3秒)38cmも混じってニジマスは7尾釣れた

そして11日も午前中だけ同じ渓の少し上流部へ入渓しています。ただ、この日は雨模様で気温が少し下がったせいか、魚たちの反応はイマイチでした。この付近は滑(なめ=岩盤が露出している)が延々と続いていて、ところどころにトイ(岩盤が削れて水路状になっている)が出来ています。10時半ころ深さ1m以上もありそうなトイがあり、底にEden50Hを沈めてリーリングしてくると、44cmの良型ニジマスがヒット、大暴れしてくれました。それにしても、両日とも型の良いニジマスとブルックトラウトに出会え、りさらいず様様の大満足の2日間となってくれました。

翌日も午前中は同じ渓の少し上流へ入渓大暴れした太った44cm(Click拡大)相変わらず小さいイワナは良く釣れる

【使用タックル】
CarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、CastawayPE25lb(1.5号)+GrandMaxFx2.5号、Sukari50SSdeep/Rグリーン、Eden50H/TS/ヤマメ(赤腹改)、Ryuki50/赤腹ヤマメ、Bretton#2銀赤、他