豪雪の影響で貧果で始まり、GWには直前の豪雨で濁りが取れずに手こずらされていた今シーズンのダム湖の釣りですが、5月も中盤に入ると、濁りも次第に治まり、水温の上昇とともに、大型のイワナが良く釣れる様になっています。昨年のこの時期、私ともっくんに自己記録を更新するサイズのイワナが釣れましたが、今年も私には更に記録を更新するサイズの潜水艦の様なイワナがヒットしてくれました。ただ、昨年と今年と、なぜ超大型のイワナ達がヒットしてくるようになったのか、理由を探ると少しばかり複雑な気持ちにならざるを得ないのでした。 【5月11日(水)】 GW直前の4月29日未明に降った豪雨の影響で、下越のダム湖は強い濁りの入った状況が続き、釣りには随分と手こずらされました。多少の雨であれば、冷たく重い渓水は暖かく軽いダムの湖水の下を通り過ぎるだけで、湖水には殆ど濁りは入りません。しかし、豪雨によって湖水が掻き混ぜられ全体が濁ってしまうと、雨後に綺麗な渓水が入ってきても、やはり湖水の下部を通り過ぎるだけで、なかなか湖水の濁りは取れてくれません。この日で豪雨から既に2週間近くが経過していましたが、未だ湖水の濁りは残っていて、特にトローリングには不向きな状況が続いていました。GWにも数少ないながらも大物は釣れていますが、概ね緩い流れの中でのキャスティングによる釣果でした。
この日も未だ濁りは残っていて、トローリングには辛い状態でした。いつもの様に9時過ぎに出船し、10時ころから釣り始めましたが、しかし、未だに釣り場の透明度は1m足らずで、ウグイ以外は反応がありません。しつこくトローリングとキャスティングを繰り返していると、もう13時近くになってようやく反応が出て、もっくんにトローリングで良く太ったイワナ43cmがヒット。少しして、今度はキャスティングで48cmの良型がヒットしてきました。その後も14時前になり、やはりキャスティングでもっくんにイワナ44pがヒット。私はと言うと、小さなサクラマスとウグイが1尾づつという、なんとも最低の日でした。
【5月13日(金)】 下越のダム湖の透明度がちっとも上がらないため、この日は少し趣向を変えて、山形県内のダム湖へもっくんと2人で出かけています。このダム湖はもう30年近くも前に、長年に渡って私のイワナの記録魚となっていた53cmを釣り上げた思い出深い釣り場です。ただ、53cmを釣った後は、何度か通いましたが大物はサッパリ釣れず、そのうち、より釣れる下越のダム湖へとシフトして行った記憶があります。たまには変わった釣り場でリクレーションを兼ねてボートを出すのも良いだろうと、この日もほとんど期待せずに入渓してみたという訳でした。
そして、9時半ころから釣り始めましたが、しかし驚いた事に、これが何の反応もありません。渓魚はおろか、ウグイすら姿を見せてはくれないのです。ただ、イワナやサクラマスが僅かながら棲息しているのは間違い無い様で、12時前になって、インレットの下流200mほどの場所で、ようやくもっくんに下写真のイワナ28cmがヒット。その後も14時ころになって、今度は25cmほどのサクラマスがヒットしてきましたが、こちらは残念ながらバレてしまいました。どうやらこのダム湖の上流には幾つかの村があり、入渓しやすく人の多い源流部が続いているため、釣り切られてしまっている様でした。それにしても、私は2日連続のオデコで、ガッカリでした。
【5月16日(月)】 さて、5月も半ばとなると、いよいよダム湖の釣りも最盛期となってきます。昨年も1番の大物は5月の中旬に釣れています。この日、釣り場に到着してまず驚いたのは、5日前までかなり濁っていたインレット下部の流れが、かなり青い水に変化していたことでした。透明度はようやく1mを超え、トローリングでもぎりぎり釣りになる状況でした。このところ雨は全く降っておらず、雪代も落ち着いてきていて、ダムの無い渓流では非常にクリアな渓水となっていますが、巨大なダム湖では18日目のこの日でも、濁りは未だ完全には消えてはいないのでした。
さて、前回と前々回の2釣行は、もっくんばかりにヒットが続き、私は横で見ているばかりでした。ところがこの日はまるで逆でした。11時前にトローリングでまず私のロッドが大きく曲がり47cmがヒット。続いてもっくんにも45pがヒットしてきましたが、その後は私ばかりにヒットが続くという変な日でした。11時半ころにはサクラマス32cm、続いてイワナ42cm、35cmと続き、12時過ぎには待望の51cmの大物がヒット。次に私がイワナ41cmを追加したところで、もっくんにも強烈な魚信が出ましたが・・・なんと巨大なニゴイでした。同じ様なミノーを使っていても、日によって2人のうち片方だけが良く釣れる事は良くありますが、この日は顕著でした。
そしてこの傾向にトドメを刺したのは12時半過ぎにヒットしてきた下写真の超大物でした。流れの殆ど無い水深3mほどの場所をSukari60Deepイブキでトローリングしていた時、ごく小さな魚信が出て合わせると、一呼吸置いてから突然、大暴れし始めました。その大物は下顎の大きく張り出した、まるで潜水艦の様な57cm。自己記録を2cmほど更新するサイズでした。そしてこの大物を最後に、私は暫くの間、ロッドを納めました。私は既に50p台2尾、40cm台3尾、合計7尾を釣り上げていて、もう十分であり、あとはもっくんに任せる事にしたのです。時間は13時前と、時合いはまだまだ続いている様でした。
そしてもっくんが釣り始めると、まずは13時過ぎにイワナ36cm、30分ほど空けて同じく36cmと続いた後、2時間ほど前に私が51cmを釣り上げたと全く同じポイントにSukari60Deepリフレクトグリーンをキャスティングで投入すると、すぐにこれまでに無い様な強烈な魚信が出て、下写真の丸々と太った非常にパワフルな56cmがヒット。あまりにも大暴れしたため、随分と手こずらされましたが、なんとかランディングに成功。もっくんもようやく溜飲が下がった様です。そして最後にはもっくんが32cmを追加して、15時過ぎには2人とも大満足のうちに納竿する事ができました。
【5月18日(水)】 この日も2日前よりも更にダム湖の透明度は上がっていました。お天気はほぼ快晴のとても暖かい日で、魚たちの活性も高かった様です。ただ、余りにも明るすぎる日だったためか、尾数は稼げたものの、超大物には恵まれない日でした。いつもの本命のダム湖には9時過ぎには到着しましたが、インレット下流部の水温は未だ5℃台と低く、暫くは魚信がありません。それでも時合いの訪れるのをジッと待ちながら、場を荒らし過ぎない様に休みを入れながら静かにトローリングとキャスティングを繰り返していると、11時頃になってようやくもっくんのロッドに小さなサクラマスがヒット。そして、この1尾を皮切りに、次々と渓魚たちがヒットしてきました。
まずはもっくんに49cmの良型イワナがヒット。続いて私のロッドにイワナ44p、更にもっくんに34cmと続きました。12時を過ぎると更に活性が上がったのか、もっくんに43p、私に32cm、もっくんに34cmと続き、12時半過ぎに遂に私のロッドに50pジャストの大物がヒット。更にその後も、もっくんにサクラ26cm、イワナ33cm、今度は私にサクラ37cm、イワナ43pと続き、更にもっくんにイワナ43p、私にイワナ35cmと31cmと、15時ころまで万遍なく釣れ続いてくれました。結局、私には50p1尾、40cm台2尾、合計7尾、もっくんには40cm台3尾、合計8尾の釣果となり、数の上では今年一番の大漁でした。
それにしても不思議なのは、3年前までは付近のダム湖では、50pを超える大物は滅多に釣れませんでした。それがこの2年は驚く程の大物が次々と釣れている事です。その理由を考えてみると、たった一つしか思い付きません。実は、我々が日々釣行しているダム湖には、県内外の多くの釣り人が訪れています。本命のダム湖でも、以前はボートを持ち込み釣りをする人達を良く見かけました。しかし、コロナ禍で20年はほとんどのダム湖が通行止めで入れませんでした。そして昨年も今年も県外からの釣り人は自粛されているのか、激減している様です。釣り人が減れば大物が育つのは当たり前。ただ、その原因がコロナとは、なんとも複雑な心境にならざるを得ないのでした。 過去に釣ったイワナの年度別-サイズ別の尾数(40cm以上)
【今回使用のタックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE30lb+GrandMaxFX2号、 Sukari60DeepOB鮎/イブキ、D-Contact72チャートヤマメ、Pintail-FSM、他 |