オフラインレポート

第9回寒河江オフレポート+(6月30日-7月1日)


今年も寒河江オフを開催しました。当HPも今年まもなく10周年を迎えますが、寒河江オフも早や9回目。最近はおなじみのメンバーさん達で、釣り談義にC&R区間の釣り、それに近くの堰堤プールの釣りを楽しんでいます。今回は前日に南東北地方でちょっとした集中豪雨が有り、少々心配されましたが、寒河江川の魚たちはいつも通りに我々を暖かく迎えてくれました。おまけで、その後の堰堤プールの釣りの状況についても、少しだけお伝えします。

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【6月30日(土)】

前日の大雨も上がってもっくん8寸クラスが良く釣れた

例年、この時期に寒河江オフを開催している訳ですが、開催日が近づくと毎回のことですが、空模様がとても気になります。過去には梅雨の豪雨でキャンプ場が水浸しになることもありましたが、なぜこの時期かと言うと、堰堤プールの魚影が最も濃くなる時期でもあるからです。ただ最近は付近の堰堤プールがサッパリ釣れなくなってきており、もう少し早い時期に開催日ずらしても良いのかも知れません。そして、今年も前日の金曜夜に付近で50mm/時を超える集中豪雨があり、今回もヒヤリとさせられてしまいました。

Buuさん 風玉さん

しかし幸いに雨は金曜夜だけで、この日は、曇空ではありましたが、雨は無し。まずまずの天候にほっとしたものです。朝早くから近くの渓を攻めておられた方もいて、午前中は釣りにならなかった様子なのがとても残念でしたが、夕方には会場のキャンプ場の横を流れる寒河江川本流の濁りも薄らぎ、逆にルアーフィッシングには最高の状態になっていて、結構な数の魚たちが皆を楽しませてくれていました。キャンプ場のすぐ横で大きなニジマスやとても奇麗なイワナが釣れるのは、なによりもありがたいものですね。今年も寒河江C&R区間は健在の様でした。

たかちゃんK++なべちゃん
夕方は皆で宴会の準備もっくん、K++風玉さん、なべちゃん、Buuさん

夜は寒河江オフ本命の宴会です。普段私は県内だけでなく、新潟や福島へもしょっちゅう遠征しているため、現地でお世話になっている皆さんに、年に一度くらいは寒河江で遊んで頂こうということで始めた寒河江オフですが、最近は常連さんばかりの呑み会に代わってきています。しかし、顔見知りのメンバーでの深夜までの釣り談義も楽しいもので、これはこれで止められません。準備や皆の役割分担もほぼ決まっていて、細かなことを何も伝えなくとも、自然と宴会が始まり、心地よい時間が流れ始めます。

たかちゃん、もっくんかのかの虫さん・Buuさんの高級モルトお決まりの米沢牛BBQ

宴会はいつもの米沢牛のBBQを中心に、皆さんが持ち寄ったものを楽しんでいます。今年も「かのかの虫」さんがとても高そうなウィスキーを持参して来られました。Buuさんもおいしいモルトを1本持って来られ、この3本(写真上中央)でお値段はいったい幾らくらいになるんでしょうね。私も少しだけご相伴に預かりましたが、うーん、ロックを日本酒の様にスィスィと呑めてしまうウィスキーって、なんだか凄いものですね。お陰で知らないうちに呑みすぎてしまい、少々ろれつが回らなくなってしまうほどでした。

たかちゃん、かのかの虫さんイワナ塩焼き風玉さんのコーンとミネステローネ
夜更けまで釣り談義に花が咲きまくりお隣のキャンパーとも

途中、気が付くと、風玉さんが我々の隣りで一人でキャンプをされていた宮城県の方としきりに釣り談義をされていました。お互い釣り好きなもの同士、酒を酌み交わせばすぐに仲間同士になってしまう様で、いろいろとフライやルアーの楽しい話も聞かせて頂きました。この日は暑くも無く寒くも無く、まだうるさいアブや蚊も全く見られず、カラリとした空気の中で、翌朝の釣りのことも忘れて深夜0時過ぎまで騒いでしまいました。

ヤナギタンポポヤマブキショウマコナスビ

【7月1日(日)】

翌朝はご覧(写真下左)の様な青空も時折見えるカラリとした気持ちの良い日でした。私は8時頃まで夢枕でしたが、早朝から起き出してC&Rで釣りをされていたメンバーもおられました。この日も結構な活性の高い日だった様子で、皆さんとても良く釣れていた様です。大昔はどこのキャンプ場でも、すぐ横でこんな風にイワナやヤマメが良く釣れたものですが、現在ではこんな環境はC&R区間くらいしかなくなっており、いつまでもこの風景が途絶えることのない様に祈るばかりです。写真下右の女性アングラーも、結構なサイズのニジマスを釣っておられましたね。

翌朝は晴れカラリとして気持ち良い女性ルアーマンも
  左から、なべちゃん、風玉さん、Buuさん、K++、もっくん、たかちゃん

遅い朝食の後、最後に皆で記念撮影をして、とりあえずの解散となりました。参加の皆さん、お疲れ様でした。また、ありがとうございました。

そして、もう時計は10時を回っていましたが、残った5人でその後は近くの堰堤プールに繰り出しています。実はこの時点ではまだ気が付いていなかったのですが、この日は豪雨の直後で活性がとても高く、皆で入った堰堤プールの選択が間違っていたことにだいぶ後で気づくことになります。大物のチャンスも十分にあった様なのです。

 もっくんに尺イワナBuuさん

最初に入った堰堤プールは、2年前に同じ寒河江オフでなべちゃんさんが55cmのイワナを釣り上げた思い出の場所でした。しかし、昨年も今年もこの釣り場では大物の話はサッパリで、どうやら堰堤の土砂の埋まり具合で大物は姿を消してしまった様なのです。皆で期待してルアーを投げますが、釣れてくるのは小物ばかりで少々ガッカリでした。この日はもっくんがアタリの日だった様で、彼一人が何尾ものイワナを釣り上げ、1尾だけ尺物も混じっていました。それでも、なんとか全員に釣果を見ることができ、まずまず満足のうちに次の釣り場へと向かいました。

風玉さん、もっくん、Buuさん、たかちゃんたかちゃん

ここでホームの堰堤か、近くの別の堰堤に行くか、大いに迷いました。ホームの堰堤はフローターが便利なところですが、今回は全員がフローターを持参している訳ではなく、ホームは諦め、すぐ近くの別の堰堤プールに移動しています。時間は既に13時を回っていて、この釣り場が皆さんにとってこの日の最後の釣り場になりましたが、うーん、ここでもやはり釣れてくるのはおチビちゃんばかりで、どうも今回のオフは、大物とは縁が遠い様です。結局、午後3時頃の解散まで、数こそ出たものの、今回は大物に恵まれることはありませんでした。

風玉さん 遅い昼食も河原で

さて、寒河江オフが終わると、ほどなくして梅雨も明け、本格的な夏がやってきます。堰堤の釣りも梅雨明けと同時に完全に終了となり、源流の釣りにバトンをタッチすることになります。今年のダムや堰堤プールでは、季節の移り変わりが異常で、予想外の出来事ばかりで大いに苦労させられましたが、それでもまずまずの釣果を上げて来られたのは、様々な情報を持ち寄って頂いた仲間の皆さんのお陰だと感謝しています。また来年も寒河江でお会いできることを楽しみにしています。

タマガワホトトギスヒヨドリバナヤマアジサイ

さて、今期の堰堤プールの釣りについては、「盛期の堰堤プールの釣り(6/9-18)」で既にお伝えしていますが、その後も県内の堰堤プールには何度か出かけており、その様子を少しだけお伝えします。

【6月24日(日)】

6月24日にも、今年新しく見つけた堰堤プールに出かけています。この日はシーズンの最盛期だったらしく、40cmを越える様な大物こそ出ませんでしたが、非常に数多くの中型に恵まれた日でした。お天気は快晴で雲一つ無い状態でしたが、プール全体が濁っていて、Dコン50Sのハンドトローリングで、真昼間に何尾ものイワナが釣れています。日差しがきつい日には、堰堤プールの底の泥砂に様々な虫が湧くらしく、イワナたちは非常に広いプールの底付近を縦横に移動しながら捕食活動をしている様です。

36、34、31、30cm 36、34、31、他

餌はかなり豊富に有る様子で、イワナたちは釣れた瞬間にそのデップリとしたお腹から、砂混じりの茶色い糞を盛んに出していました。炎天下のプールでフローターをゆっくりと漕ぎながら、底ギリギリをDコン50S鮎で小ストロークのストップ&ゴーをかけていると、真昼間にも関わらず、ときおりゴツゴツというアタリがあり中型のイワナ達がヒットしてきます。こんな釣り方のできる堰堤プールはとても珍しいものですね。この日は午前中に36cmを頭に尺上4尾、午後からも同サイズの尺上を5尾釣っていて、1日中飽きることがありませんでした。

堰堤プール上流上流でも31cmまでは釣れた最後に来た37cm

またお昼ころ、少しだけプールの源流部を釣っていますが、ここでも31cmまでのプール育ちと思われる斑点の大きなイワナが釣れています。既にイワナ達は遡上を開始していますが、この時点では、まだその多くはプール内に留まっていた様でした。そしてもう一点、面白いことに気が付きました。昼間はプールの底で活動をしていたイワナ達ですが、夕方5時を過ぎるとピタリと釣れなくなるのです。不思議に思いながら、昼間全く反応の無かったプール脇の木立の付近を攻めてみると、いきなり37cmがヒットしてきたのです。帰り際にプール脇を攻め続けると、あれよあれよと言う間に尺上3尾と全部で6尾のヒット。どうやらイワナたちは夕方にはプール脇の寝床に帰ってくる様なのです。

【7月1日(日)】

夕暮れ近いホーム堰堤41、39、37cm41cmと私

翌週は寒河江オフでした。レポートの途中にも書きましたが、この週の金曜に集中豪雨があり、日曜は非常に活性の高い状態になっていた様です。この2週間前と3週間前にも同じ堰堤に来ていたのですが、あまりにも魚影が薄く、オフでも釣れないだろうと判断して参加者の皆さんと入渓する堰堤プールの選定を間違ってしまったのです。オフでは数こそ出たものの大物は出ませんでした。しかし、皆さんが帰られた後、私一人で夕暮れ近くに入ったホームの堰堤では、たった1時間ほどの時間だったにも関わらず、なんと41、39、37cmが連続してヒットし、全部で5尾の釣果がありました。オフに参加の皆さん、本当に申し訳ありませんでした。

【7月7・8日(土・日)】

そして翌週ももう一つの失敗をしています。堰堤プールの釣果を聞いて、この週にも風玉さんがわざわざ新潟からやってこられたのです。しかし、土曜夕方に入ったホームの堰堤では大物の姿は全く無く、私にチビイワナが2尾だけの釣果しかありませんでした。大物はどこへ消えてしまったのでしょう。状況を理解できないまま、翌日は大きく移動して件の新しく見つけた堰堤プールに入渓しました。しかし、こちらでも魚影は非常に薄く、まだ薄暗い早朝の時間から入渓したにも関わらず、釣れたのは11時ころに私の竿にヒットした37cm1尾だけでした。これには参りました。風玉さんには申し訳ないことをしてしまいました。

風玉さん7寸クラスが2尾だけ 

そして今思えば、一つの謎が解けた様な気がします。北海道のアメマスや鮭も、8月に入った大雨の後に海から一気に遡上を開始しますが、同様に堰堤プールのイワナ達も同時期の大雨の後に大挙して遡上を始めてしまう様なのです。水温の低い時期の洪水は源流部から堰堤プールへと多くのイワナ達を運びますが、水温がある程度高くなると、イワナ達の源流部からの流下が無くなるということが以前から判っていました。しかし、むしろその逆の現象が起きているのです。今年は降雪が少なかったため、いつもより早い6月29日(金)の集中豪雨の後の多い水量が、一気にイワナ達を遡上させてしまったのではないかと考えています。

37cmと私 31cmは堰堤育ちか

そして雨後の遡上開始のその水温の境目は、ダム湖のイワナの遡上と同じ「昼間の流入水温=8℃付近」ではないかと考えています。しかし、それにしてもイワナ達の生態には、まだまだ良く判らないことが多過ぎますね。もう何十年もこの釣りを続けている私でさえ、こんな間違いを犯してしまうのですから。人生の全てを掛けてでも、どうやらイワナたちの本当の姿は理解できそうにもありません。イワナたちの謎解きゲームは、まだまだ終わりそうにはありません。

【今回使用のタックル】
Wellner 8ft TroutRod、Shimano SensiLite MG2500、Kureha SeagerAce1号(6lb)、
D-contact50/63S/鮎/ヤマメ/TS、他