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勝手気ままに書いてます  釣りの コラム


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森と遺伝子アウトドア 2014/11/30

 皆さんは、なぜ森が人を癒してくれるのか、お考えになったことはおありでしょうか。フィトンチッドやマイナスイオンの存在をその根拠とする説明などがみられますが、はたしてそれだけなのでしょうか。

 人は約40億年前の太古の海から発生した1つの微生物から進化し続け、誕生したとされています。40億年と一口に言っても、あまりにも長過ぎる年月のため、多くの人にはピンと来ないかもしれません。この40億年を1年に例えてみると判り易くなるかと思いますが、生物がどの様な進化の道を辿って来たのかを表す、そんな年表を作ってみました。

 さて、進化には様々な地球環境の変化が必要でした。そのため、35億年もの長い間、殆ど進化は進みませんでした。しかし環境が整ってきた今から5億5千万年前、つまり年表で言えば11月12日頃のカンブリア紀と呼ばれる時代に、爆発的な進化が始まります。その後、生命は順調に進化を進め、やがてサルから猿人が生まれます。そして、最初の人類である原人が現れたのは約250万年前(大晦日18時半)、現代のヒトであるホモサピエンスの誕生は、ほんの20万年ほど前(大晦日23時33分)でした。


 話は少し本題から外れますが、皆さんは生活習慣病と言う言葉をご存じでしょう。高血圧、糖尿病、脳卒中、ガンなどがその代表です。なぜ生活習慣病なのかと言えば、それは本来あるべき生活とは大きく異なった生活習慣をしている現代人に特有の病気だからです。飼い犬には糖尿病が見られますが、野生のオオカミには糖尿病はありません。では、ヒトの本来の生活というのは、一体どんな生活なのでしょう?

 その答えは上の年表を見ればすぐに想像が付くと思います。動物が陸上で生活するようになってから数億年もの間、全ての動物は喰うや喰わずの厳しい生活を強いられてきました。それはヒトでも同様であり、2000年前(大晦日23時59分44秒)に農耕という食料の革命が起きるまでは、ヒトも常に飢餓に晒されていたのです。そのため、ヒトも含めて動物には、空腹や運動に耐えるための様々な情報が、遺伝子の中に何重にも組み込まれてきました。

 ところが今からほんの100年ほど前(大晦日23時59分59秒)に、ヒトは空腹から遠ざかり始めます。特にこの30年ほどは、ヒトは机にかじりついて仕事をし、腹がへったら真夜中でもコンビニでオニギリが手に入る時代に突入してしまったのです。しかし、40億年もの間、現代の様に空腹も運動もほとんど無い時代は一度もありませんでした。つまり遺伝子の中には、空腹と運動には耐えられても、満腹と不動に耐えられる様な情報はほとんど入っていないのです。そのため、様々な現代の病気が生まれたと言う訳です。

 つまり、適度な空腹と運動を続けていれば、現代人でも上記の様な生活習慣病は起こらないと言うことになります。お医者さんがまず最初に勧めてくる「食事療法」と「運動療法」の大切さが、これでお判りかと思います。年に1度の健康診断で、血圧や血糖・脂質が高いと脅され続けているそこのあなた!! この年表を見て、ぜひ心を入れ替えて下さい。別に難しい事ではありません。ほんの少しだけ、原始時代に戻れば良いだけなのですから。


 さて、ここから本題に戻りたいと思います。ヒトは3億年前に陸上生活を始めた両生類から始まり、ネズミの仲間を経て、やがてサルからヒトへと進化してきました。植物もまた進化をしてきましたが、1億年前には種子植物が現れ、現在の森とさして変わらない森林を作っていた様です。陸上生物の中には、砂漠や水中で暮らすものも僅かにいますが、その多くは森の中で暮らしてきました。特にヒトは進化の過程で、この1億年ほどを森の中で過ごしてきています。

 ヒトの遺伝子には、空腹と運動に耐えるための沢山の情報が組み込まれていますが、同じ様に、森の中で生活するのに適した様々な情報も組み込まれているのではないかと想像できます。逆にヒトの遺伝子には、コンクリートで固められた町の中で暮らすための情報など、何も入ってはいないでしょう。例えば、ヒトは森林浴をすると、体内にナチュラルキラー細胞(NK細胞)という免疫細胞が増えるとの報告があり、ガンの防止効果があるとも言われています。

 また、先に述べたフィトンチッドやマイナスイオンは、ヒトが長い歴史の中で生きるために必要としてきた物質なのかも知れません。ヒトは進化の過程で森の生活に適応し、森は無くてはならない存在であったはずなのです。森のざわめきや光りの揺らぎ、そよ風の心地良さも、すべては数億年にわたる進化の過程において、それが必要なものであると遺伝子の中にしっかりと刻み込まれているのではないでしょうか。

 ブナの森に立つと心が洗われる様な清々しさを覚えます。心から癒されます。


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