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ミニオフレポート

奇跡のダブル大イワナ(4月14-24日)


4月中旬以降、異様な高温の日が周期的にやってきて、寒暖差に悩まされる日が続いています。この時期はまだダム湖に通じる林道が全ては開放されておらず、釣り場が限られるため、ボートの出せる小さなダム湖で釣りを楽しんでいます。急激に気温が上がる日は水温も急激に上がるためか、イワナ達にとっては活性が一気に上がる日がある様です。これまで大物の滅多に釣れなかった小さなダム湖で、ビックリするような大物が連続して釣れるという奇跡の様な1日がありました。一方で今シーズンのダム湖の魚影は極端に薄く、将来が思いやられる結果ともなっています。

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【4月14(日)】

多くのダム湖では未だに水位が低く、ボートを出せるダム湖が限られます。それでももっくんに手伝って貰い、この日は9時半ころからなんとか某ダム湖でトローリングを開始する事ができました。ところが、幾つかのポイントを通過しても、全く反応が有りません。この日は14時頃に20℃を超えましたが、早朝の気温は5℃ほどと寒暖差が激しく、朝早くから出艇しても活性が上がっていない様でした。それでも10時頃には急に暖かくなり、小さな虫が飛び始めました。10時過ぎになり、湖面に沈んだ椿の木の下から、40cmジャストの元気なイワナ君が飛び出してくれました。

9時頃からもっくんと某ダム湖へ新緑の始まったばかりのダム湖畔10時過ぎ、まず私にイワナ40cm

ただ、その後も反応はサッパリで、あっと言う間にインレットに到着してしまいました。気温はグングンと上昇しており、インレットの水温は既に7℃を超えていて、イワナが居れば釣れる筈です。まずはもっくんがインレット付近でミノーを投げ始めましたが、あれれ、なぜかすぐに根掛かりして万事休す。根掛かりを外しに行くと場が荒れるため、仕方なく、私が付近を先に釣ってしまう事にしました。まず、インレット直下を釣りますが、なぜか全く反応がありません。ガッカリしながら、インレット上流側の激流にミノーを投げますが、今度は圧倒的な水圧に押されて釣りになりません。

暑くなりそうためインレットへ直行インレットは既に7℃台で激流12時頃、大岩の裏にEden50Hを投入

更に上流側に目を向けると激流の対岸に大きな岩が有り、その裏側に緩流帯が見えたため、何気なくEden50Hを投げ込むと・・・岩陰からヘビの様なものが追い掛けてきてミノーに喰らい付くのが見えました。激流に流され危うくバラしそうになったものの、幸いにも魚が上流側に泳いで来てくれたため、なんとかランディングに成功。サイズを測ってみて仰天しました。このダム湖へはもう20年以上も通っていますが、56cmのイワナはこのダム湖の過去最大のサイズでした。なお、釣り上げたポイントはインレットのすぐ上流側の渓流域であり、まぁ細かな分類などどうでも良いのですが、私の渓流域でのキャスティングによるイワナの自己記録更新サイズとさせて頂くことにしました。

渓流域での自己記録更新サイズとなった大イワナ56cm(Click拡大)奇跡の大イワナ56cmと私
渓畔に咲く紫のキクザキイチゲ早くもカタクリが満開になっていたミズバショウも1週間ほど開花が早い

この時点でもっくんにはまだ釣果が無かったため、私は竿を置いて、もっくんに釣って貰う事に。ただ、インレットの上流側でも直下でも、隈なくミノーを投入していましたが、やはり反応は全くなく、なぜ56cmもの大イワナが1尾だけ泳いでいたのかが不思議でなりません。仕方なく、再びボートを出してインレットと前線(冷たい渓水がダム湖の暖かい水の下に潜る地点、流木などのゴミが溜まる場所)の間の数百mほどの区間でトローリングをする事に。すると、お昼前に到着した時よりも雪代が出ていて、透明度がかなり下がり、先ほどまでまるで反応が無かったのがウソの様に、小さなイワナが追い掛けてくるのが見え始めました。やはり適度な濁りは大切ですね。

上流の激流を釣り上がるが反応は無い再びインレット直下をトローリング14時過ぎ、もっくんにも39cmがヒット

ただ、魚は見えるもののなかなかヒットに繋がりません。仕方なく、その数百mの区間を2往復もすると、ようやくもっくんに39cmのイワナがヒット。もっくんにも釣果が出たので一安心して、3往復目の往路でそろそろ切り上げ時かなと思った時でした。広々とした開きのド真ん中をゆっくりとした速度でトローリングしていると、もっくんが「ぁ、根掛かり・・・」と叫んだのですが、すぐに強い魚信だと判り、大慌てでネットを取り出しランディング。そのサイズを見て、再び仰天しました。先ほどの大イワナと全く同サイズの56cmだったのです。

2尾目の大イワナ56cmともっくん15時過ぎ、トローリングでヒットした2尾目の奇跡の大イワナ(Click拡大)

そしてこの日は最後の最後に、もう一つ仰天する出来事がありました。2人でトローリングをしながらの帰り道、今度はまたまた私のロッドが強烈に曲がり、ドラグがジャァァーーーーっと唸り始めました。スワッ超大物!かと思ったのですが、こちらは金色に光る63cmほどの鯉でした。ただ、この時にロッドに強い負荷が掛かり過ぎたためか、その数分後にちょっとした根掛かりが起きた瞬間に、バキッと音を立て、バットからロッドが折れてしまいました。それにしても、こんな事も有るものなのですね、20年も通っているダム湖で最大のサイズが2尾連発し、オマケに鯉まで釣れて、竿まで折れるとは・・・正に奇跡の1日でした。

更に下流部でまたまた私に強烈な魚信しっかりとミノーを咥えていたこの日の最大?は63cmの黄金の真鯉
群生する白のキクザキイチゲ水辺に鮮やかなショウジョウバカマアズマシロガネソウ

【4月20(土)】

もっくんの次の休日は20日でした。この日ももっくんに手伝って貰いながら、14日とは別の小さなダム湖でトローリングを楽しみました。こちらのダム湖はこれまで、超大物は出ないものの、45cmくらいまでのイワナが比較的多く釣れていた釣り場です。ただ、早朝は風が冷たく、どんよりとした寒い曇天でした。GW頃までのダム湖の釣りでは、良く晴れたポカポカ陽気の真昼間が良く釣れ、こういった寒い暗い日はあまり釣れません。それでもボートを漕ぎだすと、1時間もしないうちにもっくんにイワナ38cmがヒット。こりゃ案外イケるかも・・と思ったのですが、その後は想定通り?に無反応な時間が続きます。

この日の早朝はどんよりと寒い曇天10時前、もっくんに38cm11時過ぎ、青空が出て暖かくなった

ダム湖の岸沿いを延々とクルージングしますが、11時過ぎに青空が見え始め、暖かい空気が湖面を包み始めました。すると11時半前、まず私に41cmがヒット。その後20分ほどして、こんどはもっくんにも41cmが連発してヒット。ただ、青空は時折り曇天に代わり、天候が安定しません。この日は上空に寒気が入ってきており、大気不安定で、急に暖かくなったり寒くなったりの繰り返しでした。そのため、またまた反応の無い静かな時間が続きます。お昼過ぎからはインレット直下にも入りましたが、源頭部の標高の低い河川に作られたダム湖のためか、雪代の濁りが出ておらず、ルアーを見切られているのか、魚の姿は全く見えませんでした。

11:25時、ようやく私に41cmのイワナ11:45時、すぐにもっくんにも41cmインレットも攻めたがその後は反応無し
桜の季節も早くも終了(Click拡大)ひっそりと咲くコチャルメルソウ雪代の水面に芽を出したフキノトウ

【4月23(火)】

この日は前週に56cmの大イワナが連発したダム湖へ、もっくんと2人で再び入渓しました。風が強い日でしたが、気温は高く、終日晴れたり曇ったりの暖かい日で、この季節としては釣りにはとても良い条件の日と思えました。この日ものんびりと9時に待ち合わせトローリングを開始しましたが、しかし、時間が経過するにつれ、前週とはだいぶ様子が異なる事に気が付かされました。トローリングでもキャスティングでも、釣り開始から4時間近くもの間、全く何の反応も無かったのです。しかも、強い風で渓畔の枯葉などのゴミが大量に流れて来ていて、ルアーに頻繁にゴミが引っ掛かり、釣り辛くて仕方ありません。

前週に大イワナの釣れたダム湖へ再び無反応のままインレットに到着13時になりようやくもっくんに34cm

インレットでもしつこくキャスティングとトローリングを繰り返しましたが、おチビちゃんのトレースすら見えません。そして13時になって、インレットから1kmほども下流の地点で、もっくんに34cmのおチビちゃんがヒット。私にも一瞬だけ強烈な魚信が出ましたが、すぐにフックアウト。見るとフックには直径2cm近い鯉の鱗が刺さっていました。すぐに外れてくれたため助かりましたが、下手をするとまたまたロッドを折ってしまう所でした。結局、この日の私の釣果は下写真の小さなウグイが1尾だけと、前週のあの大物2尾は「一体何だったんだろう!?」と、首をかしげてしまうばかりでした。

魚影は薄かったが、新緑は綺麗だった13時、強烈な魚信かと思ったら鯉の鱗結局、この日の私の釣果はこの1尾だけ

さて、今シーズンの釣果ですが、初釣りは2人で1尾だけ、14日は大物が2尾出たものの尾数は4尾だけ、20日も2人で3尾だけ。そして今回もやはり2人でおチビちゃんが1尾だけでした。どうも魚影が例年に無く薄くなっている様に思えてなりません。この付近のダム湖で釣りを始めた20年ほど前は、1人で2桁も有り得る釣れっぷりでしたが、年々釣果が減り続けいます。もっとも、近年は釣れないために渓流釣り人口が激減していて、釣り道具屋さんの渓流釣り関連の売り場面積が縮小されっぱなしです。温暖化で源流部の水温が上昇すると、逃げ場の無い冷水性の魚は滅びるしかありません。私が老いいるのが先か、イワナの死滅が先か、どちらなんでしょうね。

【今回使用のタックル】
14日:ShimanoCardiffNX/S72L、20・23日:IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE30lb、
GrandMaxFX2.5号、Eden50Hチャートマーカー鮎(赤腹改)、Sukari60Deep/Rグリーン/OB鮎、他