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勝手気ままに書いてます  釣りの コラム


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嘆かわしい事自然環境 2014/11/10

 私が釣り場で嘆かわしいと思う事は沢山ありますが、一番は何と言っても乱獲でしょう。私が東北で堰堤の釣りをしている頃、白いトロ箱をボートに積み込んでイワナの餌釣りをしている釣り師を良く見かけました。それも、数人の同じ釣り人が毎週の様に同じ堰堤のプールに次々とやって来て、毎回何十尾もの大小のイワナを釣って持ち帰るのです。やがて数百〜数千尾の魚が全て釣り切られ、その川の源流部も含めて、魚影が殆ど見られなくなってしまったと言う事があちこちの渓で起こりました。

 堰堤の下でも異様な光景を目たことがあります。巨大な狩猟用?の網を持ち込み、堰堤下の大きなプールの端から端までを、泳ぎながら網を張り巡らすのです。初秋の産卵前の時期にこれをやられると、一回の網で魚影は翌年までゼロになります。北海道のニジマスで有名な河川でも、地元のオジサン達が橋の上まで自転車でやってきて、餌釣りで毎日の様に釣り上げて行きます。「昔は大きいのが釣れたんだけどねぇ・・」などと嘆いていますが、嘆かわしいのは魚を喰い尽してきた彼らの方です。


 別に餌釣り師だけを悪者扱いするつもりはありません。ルアーやフライマンでも、悪質な行為を繰り返す人は沢山います。ただ、ルアーやフライでは効率が悪く道具も高価なため、乱獲者は餌釣りを選ぶのです。それも、自転車や軽トラでやって来る様な地元の釣り師が殆どです。なぜなら彼らは釣りが目的では無く、捕れるものは何でも略奪してやれ、と言う事なのです。お金を掛けて遠くまで行かないのです。こういったごく少数の乱獲者が釣り場を荒廃させているのが現実です。なんと嘆かわしいことか。

 北海道と言えばサケに関して嫌な思い出があります。知床や斜里方面のサケ釣りです。正確には釣りではなく、引っ掛け(ガラ掛け)です。あからさまに引っ掛けをやると警察に捕まりますので、ジグに大きなフックを取り付けて、釣っている様に見せかけて引っ掛けているのです。しかも彼らはイクラを取り出すとサケを浜辺に捨ててゆきます。血だらけのサケの死体がゴロゴロ転がる凄惨な光景を思い出すと、今でも気分が悪くなります。嘆かわしいことです。

 そういえばもう一つ、北海道のアメマスに関してとても嫌な思い出があります。産卵期で淵に黒く群れをなすアメマスたちを、釣るのでは無く、ルアーや大き目のフライを魚に引っ掛けて捕ろうとする釣り人が後を絶ちません。実を言うと、遠くから良く観察すると、多くの釣り人がこっそりと引っ掛けをやっています。中にはジグに巨大なフックを取り付け、1日中同じ所で魚を引っ掛けて遊んでいる輩もいました。ただ最近は魚影が薄くなり、黒くなるほどの群れも見られ無くなり、引っ掛けも出来なくなった様です。


 乱獲の反対のケースもあります。釣り雑誌に釣り場が紹介されると大勢の釣り人が集まります。特に関西では渓流釣りの日釣り券が3千円前後と高額なため、少しでも釣り人が増えると大幅な収入増になります。そのため、漁協は雑誌の取材陣を必死で勧誘します。取材前日に渓魚を放流し、次の取材のためにとホテルで豪華宴会を開いたりします。雑誌を見て大勢の釣り人がやって来ると、漁協には例えば3000円/日×100人/日×1週間=210万円もの入漁料が入るのです。豪華宴会など問題にもなりません。

 同じ様な事は最近の管理釣り場でも当然の様に行われている様です。いまや管釣りでは「取材の直後は大物が釣れる」というのが常識とさえなっている様です。超大物を持った有名人の写真が雑誌に飾られると、翌日から沢山の釣り人がやってきます。1日券4000円以上が相場ですので、どれほど利益が増えるか想像に難く無いでしょう。釣り人の心理を利用した、こういった悪徳商法と言わざるを得ないやり方を、実に嘆かわしく思います。

 上記の事例は特にひどいと思われるものばかりですが、ちょっとした程度のものであれば、数え上げられないほどの沢山の嘆かわしい事例があります。釣り券を買って釣りをしているのは、東北では10人に1人もいません。人が釣っているすぐ上流側に堂々と入って来る釣り人が最近は随分と増えました。釣りに邪魔だからと河畔の大きな木を平気で切り倒す輩。ブルドーザーで河原を掘り返して魚を捕る輩。毒流しや認められていない網や罠で魚を捕り続ける地元の輩。などなど切りが有りません。

 海釣りや日頃の日常生活の中でも同じ様な事例は少なからず見られはしますが、どうも渓流釣りに関して言えば、その程度があまりにも酷く、事例数もとても多い様に思えます。それは恐らく「人目に付かない」という渓流釣りの特徴に起因しているのではないかと思います。加えて、日本の渓流釣りは、漁協の決めた自主規制と、誰も理解していない県条例によって規制されていて、ほぼ無法地帯です。やったもの勝ちの世界なのです。

 そして、この無法地帯を放置し続けた日本の風土にも問題はありそうです。嘆かわしい事だらけです。


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