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オフラインレポート
フローターオフ 99年5月30日・6月5日
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もともとフローター(フロートチューブ、一人用簡易ボート)はブラックバス釣り用に使われ始めたものですが、堰堤などの小規模な止水には打ってつけの道具と成り得ます。最近になり、当ホームページビジターの皆さんの中にもフローターを購入された人が増えましたので、これを使った堰堤釣りのミニオフを企画しました。
フローターを購入されたのは3名ですが、残念ながらメンバーの日程が合わず、2週に分けて行うことになりました。第一日目は風の又三郎さん(東根市)、ばんちょさん(山形市)、第二日目はまさるさん(仙台市)とそれぞれご一緒させて頂きました。
【第一日目・5月30日(日曜)】
この日最初に訪れたのは、写真の某堰堤。先週は尺ヤマメを始め結構な釣果が有ったものの、この日は朝早いためか、雪代が少なく透明度が高い状態でした。そのためか釣れたのは写真の丸々と太った尺イワナ1尾だけ。結局ここではフローターの練習だけになってしまいました。
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しかたなく新潟にある穴場まで移動することにしました。この堰堤はすっかり雪代が終わっていますが、なぜか年中濁っていて、真っ昼間でもイワナが釣れます。しかも山奥のために人が少なく、大きなボートを出せないという条件からフローターユーザー以外は殆ど釣りにならない様です。
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しかし釣り場に着いて驚いたのは、雪代が完全に終わって大減水している事でした。左の写真は5月30日、右は5月8日ですが、連休の頃と比べて2m程度も減水している事が判ります。こんな風に堰堤の水位は雪代の状況により大幅に変わるのですが、この堰堤だけはそれでも釣れてくれます。
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予想通り、ここでは周囲の木立回りを丹念に攻める事で、3人に次々とイワナがヒットしてくれました。結局、全員に複数の釣果があり、3人で計22尾の釣果。ミノーのツィッチングは魚がある程度釣れてくれなければ練習になりませんが、お二人には非常に良い練習になった筈です。
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【第一日目・6月5日(土曜)】
明けて翌週の土曜にも、今度はまさるさんと別の堰堤に赴きました。ミノーのツィッチングを覚えて頂くのが最大の目的ですので、最初からイワナの魚影の濃い堰堤を選び概ね前週と逆のコースを辿りました。しかしこの日は午前中に雨模様で、しかも前日の雨で増水し、水位が50cmほど上がっていました。
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そのため、上の写真の小さな滝の下の透明度の有る場所で35cmが出た以外は、濁りがきつくて非常に釣り辛い状況でした。それでもまさるさんは尺クラスを含めて2桁の釣果を上げられ、なかなかの腕前です。ちなみに、彼にとってはフローターもツィッチングも始めての経験だった様です。
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お昼近くに濁りがきつくなり過ぎ、釣りを続けられる状況ではなくなってきたため、ゆっくりと付近のダム見物をし、今度は透明度の比較的高そうな某堰堤へと戻りました。お昼からはお天気も回復し、むしろ暑くなってきましたが、残念ながら午前中の低温で山の残雪がまだ溶け出していないのか、この堰堤はジンクリアに近い非常に透明度の高い状況で、堰堤の釣りはまず無理な状況。まさるさんと2人で釣りましたが、ここでは魚のトレースも僅かしか見られず、あまり良い練習場所とはならなかった様です。
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この日、どうやら魚たちは写真の様なルアーでも攻め切れない密な薮の中に入り込んでいる様でした。フローターが丸見えのため、逃げ込んだのでしょう、薮の中では盛んにライズしていました。結局この堰堤では私に31cmの尺ヤマメが1尾出ただけの寂しい結果になってしまいました。
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さて、以前から疑問に思っていた事柄のうち、幾つかの答が今回のオフで見えてきた様な気がしますので、皆さんの釣り姿をご覧頂きながら、少し考えてみたいと思います。
2週連続で同じ場所に赴きましたが、新潟の堰堤では魚の集まっていた場所がかなり異なりました。両日とも釣れた場所は水中に沈んだ木立の回りですが、透明度の比較的高い場所に限られていました。以前のレポートで、魚の付く場所として「洪水時の逃げ場となる場所」に魚が集まると書いたことがありますが、どうもここのイワナを見ているとそうでもない様です。(写真は左から、仙台市まさるさん、山形市ばんちょさん、K++、東根市風の又三郎さん)
雪代など濁った水が一気に入ってくると、魚達も見えないと困るのか、より見通しの利く透明度の高い場所に強制的に追いやられ、狭い範囲に逃げ込むのではないかと思いました。結果的にワンドの奥などの最後まで透明度の高いエリアに魚が集まってしまい、そこで濁りの取れるまで過ごしているのではないかと考えられました。
そして、透明度が上がってしまうと釣れなくなるのは、見通しが利くことから魚達が餌を求めてプール全体に散らばってしまい、魚の居場所が特定の場所に限られなくなってしまうからだと考えました。加えて、高透明度下では釣り人やラインが良く見えてしまうため、警戒心の強い渓流魚には、もうルアーは敵ではないのでしょう。ただ、ほとんどの堰堤ではそれほどダイナミックに水位が変化しないため「洪水時の逃げ場」と「最後まで透明度の高いエリア」はほぼ一致する様です。(写真は左から、K++、風の又三郎さん、まさるさん、ばんちょさん)
もう一点、ツィッチングのやり方について考えてみます。3人の釣り方を見ていて私のツィッチングのアクションがかなり派手であることに気がつきました。私はラインが水面や空気中で「ピシッ」と音がするくらい強くロッドを跳ね上げています。そうしないとなかなか釣れてくれません。またリーリングのスピードは異常に遅く、ハンドルを毎秒1〜2回転する程度でした。
私の場合、水中のミノーの動きを意識して操作しています。ミノーが左右上下に20cm程度も実に激しく狂った様に動き回る様にしています。これは普通の方から見ると、とんでもない目茶苦茶なやり方の様ですね。でも、これが釣れる秘訣の様です。
さて、話は代わりますが、今回ご一緒させて頂いた3名は、ご覧の丸型のフローターを購入されました。一方、私は上の写真の様なU字型のものを使用しています。概して丸型の方が価格が安いのですが、堰堤ではU字型のものの方が扱い易い様です。その点について説明しておきましょう。
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フローターでは足ヒレを使って泳ぎます。U字型では前の部分に障害物が無いため足ヒレを水上でも容易に脱着できるのに対し、O型では陸上で脱着しなければなりません。そのため、傾斜のきつい場所やぬかるんだ場所ではO型ではかなり不利になる事が判りました。加えて、中にタイヤチューブを使用したタイプでは、カバーとの間に水が溜まって使用後に相当な重さになります。もしフローターの購入を考えられているかたは、多少高価でもU字型を購入される事をぜひお勧めします。
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最後に、今回のオフでの一番の大物は風の又三郎さんの釣られた35cmのイワナ(左写真)でした。彼はフローターの経験はたった2回目。でも、釣り方さえ間違わなければ、岸からの釣りとは比べ物にならないほどの釣果が上がります。みなさんも試してみては如何でしょうか。
【今回使用したタックル】:Wellner 8ft TroutRod、シマノ BiomasterXT2000、シーガーエース1号(6lb)、AthleteMinnow7S/5.5S、WavyMinnow5S、他、フローターはCreekCompany社製U-BoatU
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風の又三郎さんの釣った35cm他尺上4尾、35/33cmのイワナ、31cmのパワフルヤマメ
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