トラウトルアーフィッシング

単独釣行レポート98年9月27日

98最終釣行、新潟県関川村

今シーズンの最後に、新潟県境の渓流に行ってきました。この時期の堰堤では大物は期待できない事を知りつつも、もう一度、自然の湖での釣りを楽しみたくて出かけてしまいました。この釣行を終わるといよいよ山形県も禁漁に入ります。また長い「禁断の季節」の始まりです。

９８年の渓流釣りシーズンもいよいよおしまいです。最後にもう一度、自然湖での釣りを楽しみたくて、新潟県と山形県の県境の渓流へ「堰堤プールの釣り」に出かけてきました。この時期、大物は産卵のために上流へ移動しており、堰堤プールでは中型までしか釣れません。それでも広い湖でのキャスティングは魅力的で、秋の気配を感じる山々に包まれながら、今年最後の一日を楽しんできました。
場所はご覧の様なごく小さな堰堤です。でもここはＶ字谷のため、堰堤プールは細長く５００ｍ近くにも及びます。透明度が高く、釣りそのものはかなりシビアな技術を要求されました。

こういう細長い堰堤プールでは、一体どの様にポイントを見定めたら良いのでしょうか。本サイトのマニュアル「堰堤プールの釣り」にその方法を書いていますが、最近になり新たに確信することがあります。それは大洪水の時にイワナ達はどうやって生き延びているかと言う事です。左と右下の写真の様に長い堰堤プールでは一見どこにでも魚がいそうなものですが、意外とそうではありません。実はワンドの奥に集まっている事が多いのです。なぜなら、大洪水の時に、彼らはワンドの奥の水流の緩くなる場所に逃げ込んで生き延びていると考えられるからです。

一度イワナ達が集まってしまうと、暫くはその付近で過ごすことが多い様です。そのため、ワンドの奥には常にイワナ達が集まっているらしいのです。下図をご覧下さい。ワンドの奥は水流が渦巻いて緩く流れているため、洪水で水位が増しても、比較的安全に洪水の治まるのを待っていることができる場所なのです。こういった「逃げ場」の無い源流部では、魚をいくら放流しても、洪水の度に流されて魚がいなくなってしまう事が良く知られています。ワンドの形状を見て、洪水の時に逃げ場となり得る様であれば、その付近で更に次のような場所を探します。

水深はなぜか１～２ｍが良く、これ以上深いと洪水時に逃げ場とはなり得ないのかも知れません。底は泥や砂地が良く、これは餌の状態に関係があると思われます。そして、最後にブッシュや枯れ枝、沈み木などのイワナ達が隠れる事のできるストラクチャーを探します。イワナ達はそういった場所に隠れて獲物を待っている様です。(新しい知見を踏まえて、近々マニュアルを改訂する予定です)

さて、釣りを始めて周囲を見回すと、ご覧の様なキノコのオンパレードでした。もう山はすっかり秋の真っ只中の様です。私はフローターで湖面上を移動しながら釣っていましたが、地元の人達がボートを繰り出してキノコ狩りに来ており、ビニール袋の中には１５ｃｍ程度の天然の舞茸が入っていました。写真のキノコ(ツキヨタケ他)は残念ながら食べられるものではありませんが、それにしても見事でした。

釣りに話を戻しますが、この日は透明度が高かったため日中は殆ど釣りにならず、釣れたのは夜明けと夕方の１時間だけ。昼間は近くの荒川本流の河原で昼寝をしていました。全部で１０尾の釣果でしたが、予想通り釣れてくるのはせいぜい２７ｃｍ止まりの小型ばかり。「お母さんを呼んできて」とリリースしましたが、どうやら母親は産卵のため出張中の様でした。

さて、この付近(荒川水系)で釣れるイワナ達にはちょっとした特徴があります。鳥取県の「ゴギ」ほどではありませんが、写真の様に頭部までかなりはっきりしたマダラ模様が見られます。放流したイワナにはこの模様が見られないため、天然物か放流物かの区別は一目瞭然です。釣れた１０尾は全て天然物の様で、ここでは放流はされていないのでしょうか。

昼間は付近の渓流や本流を見て回りましたが、ここ荒川本流ではご覧の様に「落ち鮎」の最盛期の様でした。釣り方は、大部分が掛け鉤でのコロガシ釣りでしたが、９月末だと言うのに友釣りで２０ｃｍ位の奇麗な鮎を釣り上げている人も見られました。また、近くの釣り人とノンビリと話をしてみましたが、主に荒川本流と各支流との合流点で、今年は何尾かのサクラマスが友釣り仕掛けに掛かってきているそうで、この川のサクラマスもまだまだ健在の様でした。そう言えば、今年は本流の釣りをしていませんでした。来年こそは、、、、

さて、今回の釣行で今シーズンの自然河川での渓流釣りは終了しました。１０月以降は管理釣り場での鱒釣り、海釣りへと移行します。引き続きレポートをお楽しみ下さい。

【本日使用したタックルなど】ロッド：ミッチェルTroutia7.3ft、リール：シマノBioMasterXT1000、ライン：呉羽シーガーエース0.8号(4lb)、ルアー：自作Ｋルアー黒/緑4cm3g、WavyMinnowS5cm、LwisCreekMinnow改造S4cm、BabyMinnowS4cm、RedRiverSpoon緑/金5gなど