皆さんにとって、2025年はどの様なシーズンでしたでしょうか。思い出に残るシーズンになったでしょうか。それとも、あまり良いシーズンではなかったのでしょうか。毎年、禁漁に入った時期に、そのシーズン全体を振り返ることを恒例にしています。さて、今年はどの様なシーズンだったのでしょうか? (注:本レポートは新潟県下越地方、及び北海道の釣りを想定しており、気候や水量等の状況は他府県と異なる可能性があります。) 猛暑と渇水が常識となった2025年 今年の日本の夏も記録的な高温となり、平年比+2.36℃という、前年までの記録を大幅に更新する暑い夏となりました。この3年間、平均気温は高温の記録を更新し続けていて、今年もまた史上最も暑い夏となりました。そのためか、西日本では梅雨入りが5月、明けが6月となり、北海道や東北も含め、統計開始以来最も早い梅雨入り・明けの記録となりました。特に北海道では、6〜8月にかけて過去最高の高温を記録し、渓水温は渓魚の生息限界を超え始めています。 猛暑に加え、釣り人の数も年々増加している様です。バス関連の人口が大幅に減少している一方で、トラウト関連のルアー・フライフィッシングの人口は、コロナ以降、増加しています。特に北海道ではフライフィッシングの人口が増加している様です。また、道外からのキャンピングカーを利用した長期滞在型の釣り客が増え、私の様な数か月単位で道内に滞在する釣り人も、珍しくありません。猛暑と釣り人の増加で、ますます渓魚を釣り上げるのは難しくなっている様です。 ![]()
雪上に桜の乱れ咲く小国玉川の渓谷 山形県小国町(4月27日) 下図は南東北と道東における、平均気温と降水量の平年値(過去30年間の平均)との差・比を見たものですが、ご覧の通り、この3年間は極端な気温上昇と渇水が起きている事が判ります。特に北海道では3年連続の渇水に見舞われ、真夏には相当な渓水温の上昇を招いていて、渓魚たちに強いダメージを与えているのでは無いかと心配しています。先日のCOP30(国連気候変動枠組条約締約国会議)においても、温暖化防止の議論には殆ど何の進展も無く、こういった気候の異常な状況は、悪化の一途をたどるしか無いと思われます。(データは気象庁電子閲覧室) 南東北(肘折・大井沢・小国・下関・津川・守門)の平均気温との差(℃)、平均降水量との比(%) ![]() 道東(帯広・糠平・白糠・川湯・中標津・根室)の平均気温との差(℃)、平均降水量との比(%)
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昨年夏の線状降水帯発生の影響か、新潟下越のダム湖では魚影が激減している様です。山形県内のダム湖で、2013年の集中豪雨後に渓魚の魚影が消えた事があり、同様の事態が下越でも起きた可能性が有ります。6月中旬になると、北海道では急激に気温が上昇し、6月17日に北海道入りしたものの、既に高水温で良い釣りができない状況でした。更に、7月は平年より+5℃という、史上最も暑くかつ大渇水の夏となり、ほとんど釣りにならない日々が続きました。 ただ、8月に入ると大気不安定による集中豪雨が頻発し、雨量としては大した事の無いものの、頻繁に良い濁りが出て、大ニジマスが連発し始めたのは幸いでした。10月に入ると、今度は一気に気温が下がり、秋らしい日が殆ど無く、釣り人たちをガッカリさせました。10月後半には例年には無い強い寒波が断続的に入り始め、釣りには厳しい日が続き、11月初には、例年より早い降雪となりました。なお、今年の他のトピックスは、以下の通りでした。 ・十勝川本流でメーター級のイトウがヒットしましたが、ライン切れで釣り上げる事ができませんでした。 ・別海の渓で、イワナかオショロコマか判別できない33cmの個体が釣れました。オショロの記録にはしていません。 ・7月末には利尻島へ初めて上陸することができました。 ・昨年に続き、今年も道東の渓で、アキアジ(シロザケ)、カラフトマスを見る事は一度も有りませんでした。 一方で、遡上サクラマスは昨年よりも数が激減し、釣りの邪魔をされる事も少なくなりました。 ・イトウ、アキアジ(シロザケ)、カラフトマス、ミヤベイワナの4種は、最後まで釣り上げる事はありませんでした。 ![]()
紅葉の十勝平野から冠雪の日高山脈を望む 北海道河西郡更別村(11月8日) さて、来年6月には私は75歳となり、後期高齢者となります。そのため、ますます体力的に厳しい状況となっています。健康が許せば来年も、新潟・北海道でこれまで通りに、長期に過ごしたいと考えていますが、次第に思う様な釣行ができなくなっているのも事実です。来年以降も、一層のマイペースで、のんびりと釣りを楽しみたい考えています。当サイトも、現在は私の個人的な釣り日誌となっています。ご了承下さい。 最後に、今シーズンも沢山の楽しい思い出をプレゼントして頂いた、釣り仲間の皆さん、下越や北海道でお会いした釣り人の皆さま、またFaceBook、Instagram、XなどSNSにてお付き合い頂いた皆さまに、この場を借りてお礼を申し上げます。お付き合い頂いた皆さま、本当にありがとうございました。
2025年の大物記録 上述の通り、下越のダム湖では魚影が殆ど見られず、かつ釣行回数も激減し、ここ数年で最悪の結果でした。一方、北海道では、今年は大ニジマスばかりを追いかけ続けたため、オショロコマやアメマスの釣果が大幅に減りました。50cmを超える大物の釣果尾数は、イワナ:21年4尾→22年4尾→23年1尾→24年2尾→25年ゼロ、アメマス:21→7→19→24→18尾、ニジマス:10→4→3→5→14尾と、大ニジマスのみが大幅に増えました。なお、釣魚は全て生きたままリリースしています。 東北のイワナ
アメマス
ニジマス 別海の湧水の渓で、大物の良く着く新たなポイントを発見し、大ニジマスを7尾も釣り上げる事ができました。また、阿寒湖では潜行板によるレイクトローリングで、効率的にニジマスを釣り上げる方法を編み出し、自己記録を更新するモンスターニジマスを釣り上げる事に成功しました。レイクトローリングでは、レッドコアの使用を止めました。そして、ほぼ全てのニジマスを、ルアーのみで釣り上げています。ただ、全部で14尾もの大ニジマスが釣れたにも関わらず、サイズは1尾を除いて全て50〜56cmと、なぜか振るいませんでした。
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