10月も下旬となりました。寒波の訪れることも多くなり、気温も急降下しつつあります。道北や峠道では、早くも降雪の便りが聞かれ始めています。道東方面の紅葉は最盛期を迎えていますが、季節の移ろいは早く、ほどなく枯葉の季節を迎える事となります。屈斜路湖などではチップ(ヒメマス)釣りの最盛期です。阿寒湖では、産卵を終えた細い魚体のアメマスが中心となってきています。渓では釣り人の少なくなるこの時期からが、大物ニジマスを狙えるチャンスの季節となります。今年も残り数週間となった北海道遠征釣行を、心残りの無い様に過ごしたいと考えています。(下写真は、紅葉とチップ釣りで賑わう屈斜路湖) ![]() ![]() 【10月21日(火)恋の季節のチップなら寒波でも釣れる】 前々日午後から11月末なみの強烈な寒波が入っていて、デリケートなニジマスは勿論、アメマスやブラウンさえも釣れそうにありません。この時期、寒波でも釣れるお魚さんと言えば、チップ(陸封型ヒメマス/ベニザケ/ソッカイ)くらいです。チップ達は恋の季節に入っていて、恋ガタキを追い払うために、口を使っているからです。ただ、寒波が来ると活性はやはり下がるため、数は釣れなくなる様です。そんな訳で、今年2回目の屈斜路湖のチップ釣りに、またまた出かけてしまいました。ただ、天気予報がまた外れ、青空は遥か彼方。良い写真は殆ど撮れませんでした。
この日は平日とあって、前回の様な大混雑は無く、早朝8時半ころの時点で、釣り人は十数名しか見られませんでした。前回のレポートで、今年のチップは例年よりサイズが大きいと書きましたが、この日釣れたチップの最大は、実に39cmもありました。例年であれば35cm前後ばかりなのですが、これも温暖化の影響なのでしょうか。もっとも、阿寒湖では従来、40〜45cmの大型のチップが釣れています。阿寒湖はチップの原産地でもあり、やはり生息環境がチップに最適なのでしょう。そして、移動中に美幌峠から望んだ屈斜路湖は、いつも通りに雄大かつ壮観でした。
【使用タックル】 IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、SiglonPEx8(35lb/2号)+GrandMaxFx2.5号、 D-Contact85/チャート(赤着色改)、他 【10月22日(水)寒波が緩むと大ニジマスも動く】 東京では12月並みの寒さになった様ですが、北海道では強い寒波も3日目でピークを過ぎたらしく、この日の朝は前日より数度高く、過ごし易い朝でした。お魚さんたちも空腹に我慢できずに、そろそろ動いてくれるかもと、いつもの別海の湧水の渓へ向かいました。そもそも湧水の渓は、夏は水温が上がらず、冬は凍結もしません。大量の湧水で水温が安定していて、寒波で他の渓で釣りにならない状況下でも、可能性が高いのです。ただ、寒波の最中であることは変わらず、気温の最も上がる11時頃に、ごく短い時合いが訪れるのではと算段しました。
のんびりと釣り場に到着したのは、もう10時過ぎでした。ただ、同じ様に考える人は多い様で、平日にも関わらず、橋のたもとには何台かの車が停まっていて、釣り人も何人か見られました。しかし、私のお気に入りのポイントは人の入りたがらない藪の中。構わず入渓すると、11時前になり37cmのニジマスがヒット。その後もアメマスのおチビちゃんが続き、そして11時20分ころでした。いつもの深みにいつものミノーを投げ込むと、いつもの様にお魚さんが出てきてくれました。今年13尾目の大ニジマス51cmでした。それにしても、また50cmチョイ。なんなんでしょうね。
【使用タックル】 IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、SiglonPEx8(35lb/2号)+GrandMaxFx2.5号、 Sukari50ssDeep/OB鮎、Ryuki50S匠/チャート、Bretton#2/金赤、他 【10月23日(木)寒波でも怯まぬ阿寒湖の大ニジマス】 前日は一時的に寒波が緩んでラッキーだった様ですが、依然として寒波は居座っていて、この日の朝の阿寒湖畔はマイナス2℃でした。渓では寒波は釣れなくなりますが、大きな湖ではそれほど影響はありません。寒波で行くところが無いため、寒いのを覚悟して阿寒湖へ向かいました。水温は既に12℃まで下がっていて、表層のハンドトローリングが楽しめます。8時半には出漁しましたが、まずは前回同様に、チップの産卵接岸を見に行きました。幸いにも、今回はブナ化したチップが2尾だけ確認できました。温暖化のせいか、チップの数は減っている様ですが、未だ健在の様で安心しました。
この日は平日にも関わらず、岸釣り師の数が尋常ではありませんでした。大島には杉坂プロのご兄弟がツアーで来られていたそうで、ワカサギの撒き餌をして65cmのモンスターニジマスを釣られたそうです。撒き餌の釣りは好きではありませんが、この時期は産卵でアメマスも殆ど釣れないため、お客さんに釣らせるためには仕方ないのでしょうね。さて、私の釣りの方ですが、これまでニジマスは日に2尾までしか釣れて無かったのですが、この日はなんと5尾も釣れてしまいました。しかも、10:45時に38cm、11:05時に39cm、11:40時に40cm、13:10時に42cmと、時間とともに型が良くなり、14:20時にはついに52cmの大ニジマスが釣れてしまいました。こんな事は初めてです。
ただ、大ニジマスを釣った後しばらくして、なにやら冷たい風が吹き始め、ブルブルと震える寒さになってしまいました。見ると雌阿寒岳方面で雪が舞っている様子。寒気にそれほど影響されない湖のニジマスでも、流石にこれでは釣れなくなりそうなため、早めの15時には納竿としました。しかしなんですね、今年は既に50cm超えの大ニジマスを14尾も釣っていますが、なぜか大半が50〜53cmのギリギリサイズ。この日は5尾もニジマスが釣れているのに、やはり50cmチョイの微妙なサイズ。今年は一体、どうなってんでしょうね。
【使用タックル】 IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、SiglonPEx8(35lb/2号)+GrandMaxFx2.5号、D-Contact72/鮎(SBL改) CarddiffNX/S83ML、VanquishC3000、SiglonPEx8(35lb/2号)+Nanodax17.5lb、D-Contact72/ワカサギ(SBL改) 【10月24日(金)格言:爆釣の翌日は釣れない】 前日のニジマス爆釣の釣果に気を良くし、終日快晴で風の弱い天気予報だったため、またまた阿寒湖へ出漁しました。しかし、快晴だったのは朝の2時間ほどだけで、11時半ころからは冷たい風に加え、にわかに雲が湧いてきて、午後からは雪の吹き付ける、ブルブルと震える寒さになってしまいました。また騙されてしまいました。10時半ころに産卵後の細くなったアメマス45cmが釣れ、その後、11時前後に3回のどう見てもニジマスの魚信がありましたが、なぜか全てバレてしまいました。40cm程度以上のニジマスの魚信は、まずドラグが唸ってラインが何mか出てゆくので、違いがすぐに判ります。
そして、その2回目の魚信が出た時は、ラインが30mほども引き出された挙句、ボートの遥か後方で魚が大ジャンプ。その瞬間に鉤を外され、逃げられてしまいました。その姿はどう見ても大ニジマスか、ひょっとしたらモンスタークラスではなかったかと想像しています。シングルバーブレスではあの手の魚は太刀打ちできません。無念です。その後は雪が舞い始めたため、ピタリと魚信が途絶えてしまいました。あまりに反応が無いため、午後からは杉坂兄弟のツアーを、しばし見学させてもらいました。13名ほどのツアーでしたが、ニジマスが6尾ほど釣れていた様です。大勢の人が一斉にワカサギの撒き餌をすると、こんな日でも釣れちゃうんですね。
【使用タックル】 IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、SiglonPEx8(35lb/2号)+GrandMaxFx2.5号、D-Contact72/鮎(SBL改) CarddiffNX/S83ML、VanquishC3000、SiglonPEx8(35lb/2号)+Nanodax17.5lb、D-Contact72/ワカサギ(SBL改) 【10月25日(土)大アメマスのあの渓はどこへ?】 10月初にも別海の遡上アメマスの渓へ赴き、魚影の少なさを確認していました。しかし、本当に遡上数が少ないのか、或いは遡上が遅れているだけなのか、確信が持てないでいました。そのため、最後の最後にもう一度、遡上アメマスの渓を釣ってみることにしました。この日は最源流部と下流部の2ヶ所を釣ってみましたが、土曜とあって、相変わらず釣り人だらけで入るところが無くて困りました。それでも、この渓は牧場の適当な所からいくらでも入ることができるので、気にせずに入渓。
まずは最上流部へ入りましたが、魚影は10月初とほぼ同じで、尺足らずのアメマスが2尾釣れただけ。ただ、小さな魚影が走るのを結構な数、確認はできました。下流部では辛うじて1尾だけは釣れましたが、魚影はほぼゼロに近い状況でした。結論として、やはり遡上が遅れているのではなく、遡上数そのものが激減しているとしか思えませんでした。かつての音別・茶路川と同じ事がこの地でも起きているのは、やはり間違いない様です。大アメマスを狙える渓は、来年以降、もう無くなってしまうのでしょうか。寂しい限りです。
【使用タックル】 IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、SiglonPEx8(35lb/2号)+GrandMaxFx2.5号、Ryuki50S匠/ゴールドヤマメ 【10月26日(日)寒波が緩むとニジマスが動く】 この日は午後から通院のため十勝方面へ移動の予定でしたが、お昼頃の1時間半ほどだけ、別海の湧水の渓へ入ってみました。この日は日曜とあって、朝の早い時間帯には、橋のたもとに釣り師の車が何台か見られましたが、お昼頃には皆さん諦められたのか、早々にお帰りになった様子。ただ、この日は10時過ぎから南風が吹く予報で、気温の最も上がるのは12時過ぎでした。早い時間は非常に冷たい風で、恐らく釣りにならなかったハズ。時合いが来るまではニジマスは渓脇で休んでいるため、散々叩かれた後でも、時合いが来れば釣りになると考えています。
深い淵ではディープダイバー、浅いポイントではスピナーなどと使い分けていますが、この日は浅い所でもすぐに反応があり、珍しくブレットンに良型がヒット。ただ、スピナーはバレやすく、大型のニジマスはまず逃げられてしまうのですが、このニジマス君は唇の一番奥にしっかりフッキングしてくれ、なんとか取り込めました。ただ、サイズを測ってみて少々ガッカリでした。あと5mmか1cmほど足りない、泣き大ニジマスでした。でもま、時間も無いのに良くヒットしてくれたと感謝して、早々に納竿としました。それにしても、渓はもうすっかり冬支度です。光陰矢の如しです。
【使用タックル】 IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、SiglonPEx8(35lb/2号)+GrandMaxFx2.5号、 Sukari50ssDeep/OB鮎、Bretton#2/金赤(赤塗装)、Ryuki50S匠/ゴールドヤマメ 【10月29日(水)餌釣りには全く敵わない】 強い寒波が未だ居座っていましたが、午前中は久しぶりに良く晴れたので、ホームの渓に出漁してみました。釣り場に到着する前に、いつもの様に某橋の上から渓の写真を撮影しようと寄り道しました。するとその橋の下で、軽トラでやってきた地元の餌釣り師さんが釣っていました。見ると、目の前で40cmほどのニジマスをヒット。そのまま20分ほど眺めていると、おチビちゃんを2尾釣った後に、全く同じ場所で、またまた2尾目の40cmほどのニジマスをヒット。こりゃ今日は釣れそうだな、と期待してすぐ近くの釣り場に向かいました。
早速、1つ目のポイントでスピナーを投げまくりましたが、これが全く反応がありません。まるで魚が居ないかの様子。仕方なく、ポイントを移動して、今度は超久しぶりにフライロッドを取り出しました。しかし、こちらのポイントでも反応は全くありません。そのうち、上右写真の流れの殆ど無い淀みにフライを投げ込むと、ようやく魚信が出て、下左写真の37cmがヒット。この1尾までに実に2時間が経過していました。普段からそうですが、こんな寒波の入っている様な日でも、餌釣りだけは釣れちゃうんですね。その後は雪が舞ってきたため、退散しました。
【使用タックル】 IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、SiglonPEx8(35lb/2号)+GrandMaxFx2.5号、Bretton#2/金赤(赤塗装)、他 Brookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、GrandMaxFx2.0/2X号、 プリンスニンフささめ管付きチヌ3号、クロカワ虫ニンフTMC3761#8黒、他 【10月30日(木)ニジマスがダメでもブラウンは元気】 この日も朝から十勝晴れの良い天気になってくれたため、10時ころからホームの渓へ出漁してみました。ただ、なぜか、前日にも増して反応が無く、午前中は久々の完全なるオデコ。寒波が緩み、先行者が居たのかも知れません。釣り人の激増でホームの渓は、今ではスピナー以外のルアーでは、ほとんど何も釣れない状況になっています。時合いに先行者に叩かれると、全く魚が居ないかの様になってしまいます。仕方なく、午後からは久しぶりにブラウンの渓へ行ってみました。
もう15時を回ってからの入渓でしたが、上左写真の様な細い流れで、尺足らずのブラウンが元気良く喰い付いてきてくれました。しばらく進むと、上右写真の堰堤が現れ、その落ち込みの深みに、お魚さんたちが溜まっていました。最初は何の反応も無かったのですが、どうも深さが2m近くもある様で、ミノーを底まで落として踊らせると、尺までのブラウンやニジマスが、このポイントだけで4尾ほどヒットしてきました。ニジマスはデリケートで寒波が来るとピタリと釣れなくなりますが、ブラウンやアメマスなら多少は釣れると言うことの様です。
【使用タックル】 IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、SiglonPEx8(35lb/2号)+GrandMaxFx2.5号、 Ryuki50S匠/ゴールドヤマメ、Bretton#2/金赤、他 【10月31日(金)寒波は緩んだが、十勝の大物はどこへ】 この日はようやく寒波が緩み、久しぶりに過ごし易い朝でした。ホームの渓は釣り人だらけになりそうなため、1年ぶりに屈足地区の発電所放水口に行ってみました。このポイントで大ニジマスを釣った事はありませんが、いつもおチビちゃんたちが快くお相手をしてくれます。もうお昼近くでしたが、幸いにも先行者はおらず、貸切状態でした。釣り場に着いて放水口下の激流にスピナーを投げ込むと、なんと1投目と2投目に、連続して下写真の25cmほどのニジマスがヒット。こりゃ入れ食いになるんでは!?、と喜んだのですが、なぜか後が続きません。
それでも下流側へ移動しながらスピナーを投げ続けていると、34cmほどの元気なニジマス君が飛び出してくれました。結局、この34cmが最大で、ニジマスばかり5尾の釣果を楽しめました。その後は9月末に巨大なイトウを大バラシした別の放水口のポイントを釣ってみましたが、今回もイトウの魚信は全く有りませんでした。やはり、昨年から前回まで、3回連続でイトウがヒットしてきたのは、単なるラッキーだったのでしょうか。ただ、今年はもう無理ですが、また来年にチャンスがあれば、リベンジしてみたいと思っています。
【使用タックル】 IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、SiglonPEx8(35lb/2号)+GrandMaxFx2.5号、 Bretton#2/金赤、Sukari50ssDeep/OB鮎、他 ![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||