ダム湖の釣りにおいて、今、異常な事態が起きている様に思えてなりません。当初は天候不順による不漁と考えていた下越のダム湖の釣りですが、その後も信じられない様な異常な状況が続いています。お天気のとても良いダム湖の釣り日和にも関わらず、もっくんと2人そろってノーフィッシュとなったり、ほとんど釣れなかった日が頻発しています。ダム湖のイワナたちは一体、どこへ行ってしまったのでしょうか。渓流、源流でもめっきり釣れなくなっている昨今、水系の繋がったダム湖でも、釣れなくなるのは時間の問題だったのでしょうか。 (右下に「拡大」と書かれた画像は、クリックすると大きな画像が表示されます) ![]() ![]() 【5月13(火)】 今年74歳になる私は、もっぱら新潟のもっくんに助けてもらいながらの釣行となっています。水際まで車の入れる釣り場なら良いのですが、多くは数10m〜100mほども重い荷物を運ばなければならず、今の私にはお手上げなのです。ただ、偶然ですが、もっくんの休みの日はなぜか天候が悪く、4月29日と5月11・22日は嵐の様な日で釣りを断念。他の日も非常に寒い曇天ばかりで、さっぱりでした。この日は今釣行の中では最高のお天気で、終日ほとんど快晴に近い暖かい日となってくれました。正にダム湖の釣り日和であり、朝9時ころから、もっくんと勇んで出漁しました。
ただ、出漁して1時間ほどで異変を感じました。例年であれば、こんな条件の良い日は、湖面をトローリングで一周する間に、何尾かのイワナやブラックバスがヒットしてくるものです。しかし、この日は全く何の反応もありません。水温の上がるお昼ころにはインレットへ向かいましたが、こちらでも水温が7℃台と最適な状況にも関わらず、ノーバイト。その後もまた湖面を一周したり、潜行板で底を釣ってみたり、キャスティングを試みたりと、2人でありとあらゆる釣り方を試してみましたが、結局、最後まで無反応。ボート釣りで2人揃ってオデコは、全くの初めてでした。
【5月15(木)】 この日は単独で、今年まだ入渓していなかったダム湖を攻めてみました。もっくんの5月の休みは残り少なく、このダム湖で釣る機会が無さそうなため、無理をしての入渓でした。ただ、天気予報が大きく外れ、晴れ間の出るハズが、終日曇天のとても寒い日でした。しかも、この日は無風状態で、広い湖面には細かなゴミ(浮遊物)がビッシリと浮かんでいて、トローリングをするとすぐにゴミが引っ掛かり、釣りになりません。ゴミの少ない場所を選んでキャスティングで釣りましたが、これが全くの無反応で、ガッカリでした。
水温の上がるお昼頃にはインレットに入りましたが、曇天で寒い日のためか、当初は水温5.8℃、2時間後でも6.3℃しかなく、しかも大量の雪代で激流となっていて、これでは活性は上がりません。それでも2時間ほどは粘ってみましたが、15時前には泥濁りに近い雪代水が流れ込んできて、万事休す。その後は諦め気味に、ゴミの少ない場所だけをトローリングで釣っていると、納竿直前の16時前になって、マグレで1尾だけ33cmがヒット。かろうじてオデコは逃れましたが、ここまで釣れない日は、このダム湖では初めてでした。
【5月16日(金)】 この日はもっくんから前夜に連絡があり、急遽、出漁できる様になったとのこと。前日のダム湖へは、もっくんはまだ今年、一度も入っておらず、そのため、同ダム湖へ2人で入渓することに。ただ幸いにも、この日は前日とは打って変わって、朝から良く晴れたとても暑い日で、絶好のダム湖日和でした。前日に前線(冷たい渓水が暖かい湖水の下に潜り始める地点、ゴミが溜まる場所)から400mほど下流部で33cmがヒットしており、その付近を重点的に釣る事に。すると、活性は高い様で、もっくんに40cmがヒット。私にも何度かイワナのトレースが見られました。
その後はインレットへ向かいましたが、残雪がまだまだ多いせいか、気温27℃にも関わらず水温は6℃台のまま。しかも、ゴウゴウと流れる激流です。もっくんがしつこくミノーを投げ続けると、それでも28cmのおチビちゃんが1尾だけヒット。ただ、この日も14時半を過ぎると、泥濁りに近い雪代が落ちて来て、お手上げに。その後は前線の下流部を再び釣りましたが、ここで思わぬハプニングがありました。ボートを停めてキャスティングしていると、大きな鯉がゆらゆらと泳いで来た・・・と思って良く見たら、白い斑点のある50cmほどもある立派な大イワナでした。
この時、前線の下流200mほどに停泊していましたが、どうやら表層の数十cmだけが透明度の高い暖かい湖水であり、その下は泥濁りの雪代になっていて、インレット下部にいた魚たちが、透明度の高い表層へ逃げて来ていた様なのです。慌てて2人でミノーを投げましたが、2人に2度づつ魚信が出たものの、ヒットには至りませんでした。恐らく魚からはこちらの姿が丸見えで、警戒心が高く、食いが浅かった様でした。ただ、見えた魚の数はそれほど多くは無く、このダム湖も魚影が随分と薄くなった様です。でもま、大イワナの姿をこの目で確認できたのは幸いでした。
【5月18(日)】 この日はもっくんと本命のダム湖へ3回目の入渓としました。ただ、この日も湖面にモヤが立ち込めていて、とても肌寒い曇天でした。しかも、前日の大雨で濁りが強く、加えて細かなゴミが大量に流れて来ていて、すぐにルアーに引っ掛かり、釣りになりません。どうも今年の本命のダム湖は、天候に恵まれません。この日は多量のゴミで潜行板の釣りもレイトロも殆ど出来ず、もっぱらキャスティングのみで対応させられました。釣れそうもない状況下でも、もっくんが丹念にDコンタクト85クレイジーヤマメを投げ続けていると、11時半ころになり、イワナ35cmがヒット。私にも2回ほど魚信が出ましたが、残念ながらヒットには至りませんでした。
結局、この日の釣果はこのもっくんの1尾のみで、15時頃には冷たい風が吹き始めたため、納竿となりました。しかし、それにしても一体、今年のダム湖の惨状はどうなっているんでしょうね。思い当たる原因を考えてみました。今年特有の短期的な原因(1と2)も大きいですが、3の中期や4の長期の原因も排除できません。
1.本命のダム湖については、天候に全く恵まれませんでした。出漁を予定していた6回のうち3回は悪天候のために断念。出漁した3回も気温の急低下した寒い曇天で、釣りに向かない日ばかりでした。ただ、他の小さなダム湖では天候も良く、不漁の原因が良く判っていません。
この数年、ダム湖での釣果は目に見えて悪化しており、この釣りが楽しめるのも時間の問題でしょう。以前、「私が老いいるのが先か、イワナが絶滅するのが先か」と、冗談めいて書いた事がありますが、どうやらイワナの絶滅の方が遥かに早そうです。悲しいです。
2.十数年ぶりに多い残雪と4月以降の高温のため、濁りの強い大量の雪代がゴウゴウと流れ続け、また、湖面の大量のゴミに邪魔をされ、釣り辛い状況が続きました。トローリングに向く日もほとんど有りませんでした。 3.また本命のダム湖では、昨年7月の豪雨で小沢から大量の土砂が流出し、ダム湖内の泥濁りの期間が長く続いた様です。2013年7月の山形豪雨後は、付近のダム湖から魚影が消え、3年間、何も釣れない状況が続きました。今回も同様の被害が考えられます。 4.近年、温暖化による異常気象で渓魚が激減し、魚影のほぼ消えた渓が多く見られます。産卵時期の豪雨で卵が流されたり、高温で源流の水温が上がり過ぎたりしているのが原因ではないかと考えています。源流でのイワナの生息数が激減すれば、水系の繋がったダム湖内の魚影も激減します。
【今回使用のタックル】 IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、SiglonPEx8(35lb/2号)、GrandMaxFx2.5号、 Sukari60Deep/Rグリーン/OB鮎/イブキ、JacksonG-Control20赤金、DaiwaChinookSフルチャート28g、他 CarddiffNX/S83ML、VanquishC3000、SiglonPEx8(35lb/2号)+Nanodax17.5lb、 潜行板(中サイズ)、RedPepperBabyキビナゴ、RedPepperMicroキビナゴ |