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単独釣行レポート

北海道釣行日誌2023(9)(9月1日〜10日)


9月になりました。北海道では渓流釣りの秋本番を迎えるはずですが、今シーズンの道東は未だに真夏日の予報が出ていて、渓水温も高いままです。加えて、遡上止めの無い河川では、今年も最源流部まで産卵遡上してきたサクラマスで溢れていて、まともな釣りになりません。更に今後は鮭やカラフトマスにも悩まされそうです。同じく遡上してきているアメマスの釣りも始まっていますが、思ったほどの釣果では無い様です。多くの釣り人がアキアジに向かうこの時期は、渓流師には良い時期のはずなのですが、今しばらく季節の移り変わりを待つ必要がありそうです。
(下写真は、往年の道東のアメマスの銘渓)


注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【9月2・3日(土・日)往年の道東のアメマスの銘渓へ】

両日に訪れた釧路地区の渓は、2012年ころまで超大型のアメマスで沸いた、往年の銘渓です。最大90cm超におよぶ遡上アメマス達が、淵を真っ黒に染めるほどに集まり、釣り人達を大いに楽しませてくれたものです。しかし、2013年頃からアメマスの小型化が始まり、5年ほど前からは小アメマスの数も激減し始め、今ではほとんど何も釣れない渓になってしまいました。ただそれでも、毎年数回は訪れ、アメマスの状況を確かめないと気が済まないのです。2年ほど前からほとんど釣れなくなって来ていますが、釣れないのを覚悟で入渓しています。


上表は私の過去の釣行データのうち、往年の銘渓である道東の2河川での釣果をまとめたものです。ご覧の様に、道東沖でマンボウやブリが獲れ始めた2012年を境に、アメマスの小型化が始まりました。その後は鮭の減少と時を同じくする様に、大きさ・数ともに劣化してきているのが判ります。ただ、鮭に関しては、昨年秋に数年ぶりにその数が大幅に増えました。そのため、アメマスも増えてくれないかと期待して臨みましたが、変化は有りませんでした。そして、今年は釧路沖の海水温が平年比+5℃と異常に高く、太平洋側のアメマスは絶望的ではないかと考えています。

夕方涼しい時間帯に少しだけ竿を出した産卵床の直下にも鮭がいた(Click拡大)この辺りでは釣れた事のないニジマス

さて、未だ真夏日の出る道東ですが、2日は水温の下がる夕方の2時間ほどだけ、入渓してみました。この釣りの基本は、鮭の産卵床を探し、流れてくる卵を狙って直下に集まるアメマスたちを釣る事です。橋の上から鮭の姿を探していると、冷たい沢水の落ち口にツガイが見えました。早速その直下を釣りましたが、アメマスは全く釣れません。しつこくミノーを投げ込んでいると、そのうちガガッと強烈な引きが出て、スレでしたが80cm近いシロザケが引っ掛かってきました。ツガイの後ろにどさくさに紛れて自分も射精しようと待っていたオスが泳いでいたのですが、波で見えなかったのです。その後は小さなニジマスが釣れただけでした。

翌朝は快晴で真夏日の予報だった9時半過ぎには既に23℃超えの渓水温釣り場の入口は釣り人らしき足跡だらけ

翌朝も9時ころから同渓を釣りましたが、魚の反応が全くありません。不思議に思い水温を測ってみると、23℃を軽く超えていて、これでは釣れるハズがありません。ただ、釣り場の降り口には釣り人のものと思われる足跡が無数にあり、相当な釣り人が入っている事が伺えました。この日は高水温で釣りになりませんでしたが、涼しくなってから、再度、挑戦してみたいと思います。ちなみに、橋の上から鮭・サクラマスの群れを探して見ましたが、昨年よりは数は多い様に思えました。下左写真のピンクの矢印はサクラマス、赤はシロザケの様です。

橋上から沢山の魚が見える(Click拡大)近くには産卵後?のシロザケこの日釣れたのはこのウグイ1尾のみ

注:鮭・サクラマスを始め、全ての釣魚は写真撮影後、生きたままリリースしています。

【使用タックル】
CarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、CastawayPE25lb(1.5号)+GrandMaxFx2.5号、Ryuki50/45/チャート、Eden50H/LCY、Sukari50SSdeep/イブキ、他

【9月4〜6日(月〜水)十勝は渓は未だに真夏だった】

久しぶりに十勝に入り、3日連続でニジマスを狙いました。大気不安定で十勝には大雨の予報が出ていて、濁りと水温低下でチャンスが来るかも、と期待しての入渓でした。しかし、ニジマスはおチビちゃんばかりで、代わりに源流部で大アメマスがヒットするという、番狂わせの結果になりました。まず4日は大雨の前日でしたが、帯広では未だに真夏日予報が出ていて、釣り場付近も朝9時ころには水温が20℃を超えしまい、おチビちゃんが3尾ほど釣れただけでした。11時ころには気温29℃、水温23℃超えになり、汗だくでこの日は切り上げました。

4日:9月なのに、水温23.3℃気温29℃いつものニジマスの渓へ行ったが・・こんなおチビちゃんが3尾だけ

翌5日は未明から午前中にかけて強い雨で、帯広近辺には50mmを超える降雨がありました。お昼頃には雨は止みましたが、下左写真の様に泥濁りで釣りになりません。ただ、電子閲覧室で確認すると、最源流部ではそれほど雨が降っておらず、ダム上の釣り場に移動してみる事に。こちらは適度な濁りで水温18℃台と快適で、釣れそうな予感がしました。すると15時過ぎに、いきなりでした。50cmはありそうなレッドバンドのニジマスが足元まで追い掛けてきて、一瞬、カツンとミノーをかじったものの、鉤に乗らずに体を翻して逃げられてしまいました。ここで大ニジマスを仕留めそこなったのは今期2回目で、下流のダムから大雨時に遡上して来た個体だろうと考えています。

5日:未明から大雨でお昼には泥濁り仕方なくまたまたダム上の涼しい渓へ今期最大のアメマス54cm(Click拡大)

自分の下手くそさに地団太を踏みながら釣り続けていると、16時過ぎになり、またまた強烈な魚信が出て「よし!今度こそ大ニジマス!」と喜んだのですが、寄せてきた魚は細身の54cmの大アメマスでガッカリ。ただ、このサイズは今期の渓でのアメマスの最大であり、なんとなく自分を満足させて納竿しました。そして、翌6日は大雨後の濁りと水温低下を期待して、少し早めの8時前から、いつもの十勝のニジマスの渓を攻めました。ただ、現場に到着して驚いたのは、意外にも透明度は普段と変わらないほどまでに回復していて、全くの期待外れでした。

6日AM:いつもの渓はイヌタデ地獄やはりこんなおチビちゃんが3尾10時頃には水温22℃超えで反応無し

しかも、8時過ぎの水温は19℃台と低めでしたが、時間とともに急速に水温が上昇し、10時ころには気温は26℃ほどしかないにも関わらず、水温は22℃を超えてしまいました。これは恐らく、長い間の渇水と高温で地面が焼けに焼けていて、多少の雨では何も変わらないと言う事の様でした。結局、入渓してすぐにチビニジマスが3尾ほど出ただけで、午前中は終了。午後からは水温の低い涼しい渓を求めて、またまたダム上へ移動。2日連続で同じ釣り場を釣りましたが、この日もまたアメマスの48cmが出て、結局、この3日間はアメマスばかりの日々でした。

6日PM:またまたダム上の涼しい渓へ結局アメマス48cmまで、ニジマスは×十勝は今、ジャガイモの収穫で大忙し

それにしても夏の大ニジマスは、本当に難しいですね。水温が上がると手のひらを返した様に無反応になります。早朝の水温の低い時間帯に活動しているのかと思っていましたが、YouTubeなどを見ていると、この非常に暑い時期は、早朝ですら小さなニジマスしか釣れていない様です。では一体、いつ彼らは食事をしているのか?、それは地元の餌釣り師の話にヒントがありました。深夜に餌の匂いに釣られて良型のニジマスが、それも簡単に釣れるそうです。どこまで本当の話か良く判りませんが、まぁ、ニジマス達も生きるためには必死なのでしょうね。でも夜は、ルアーやフライじゃ釣れませんわいな。

【使用タックル】
CarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、CastawayPE25lb(1.5号)+GrandMaxFx2.5号、Sukari50SSdeep/Rグリーン/イブキ/TS、Bretton#2銀赤、他

【9月7〜8日(月〜水)久々の超有名ポイントのダム放水口】

十勝のホームにしている渓は渇水と高水温で釣りにならないため、久しぶりに超有名なダム発電所放水口のポイントに行ってみました。この付近は今回で2回目ですが、前回行った時に或る事に気が付いていました。発電効率を高めるため、隣や更にその隣の河川の水を引いてきて、水量を増やしてるのです。水は地中の太いパイプを通って流れてくるため、夏でも冷たいのです。7日は夕方15時ころからルアーで釣り始めましたが、ダムの放水口の下流部では水温19℃台と、他河川より3〜4℃ほど低い状態でした。渓魚の適水温は18℃程度までですので、この差は大きいのです。

と或るダムの放水口の下流部へホームの渓より水温が3〜4℃低い2時間ほどでおチビちゃんばかり6尾

翌8日は下左写真の発電所放水口の直下の釣り場へ。ただ驚いたのは、この渓ではラフティングをやっていて、私がのんびり釣り始めようとしていると、あれれ、目の前に2艘のボートがやってきて、15人ほどの若者が河原に降りて大騒ぎ。そのうち写真下中の様に、放水口で波乗りを楽しみ始めました。東電とかなら何がなんでもガチガチに立ち入り禁止にしてくるところなんでしょうが、ホクデンさんはこんな危険な行為も許しているんですねぇ。北海道では、この様な放水口で釣りなどができる所が実に沢山あります。東電は横暴が過ぎますね。

放水口の直下も釣りが許されている波乗りに興ずるラフティングの人達3時間ほどで35cmまでニジマス8尾

ただ、この若者たちの大騒ぎのお陰?で、大物は鳴りを潜めてしまったのか、2時間ほどのルアー釣りで35cmまで8尾の釣果とガッカリ。夕方は更に奥にあるもう一つの放水口の直下に入渓してみましたが、こちらは更に水温が低く17℃台で、真夏だと言うのに渓魚には天国の様な状況でした。ただ、1つ目の放水口下もそうですが、超有名なポイントで、のべつ幕無しに釣り人が入っているせいか、小物は沢山釣れるのですが、大物はスレにスレていて簡単には釣れない様です。ま、想定通りと言えばその通りでした。

隣の河川からの放水口にも行ってみたこちらは更に水温が低く渓魚には天国小さいアメマスとニジマスが5尾ほど

【使用タックル】
CarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、CastawayPE25lb(1.5号)+GrandMaxFx2.5号、Bretton#2銀赤/金赤、Sukari50SSdeep/イブキ/TS、Eden50H/メッキ鮎、他

【9月10日(日)雨後の濁りを求めて十勝南部の渓へ】

9日は台風崩れの低気圧が北海道南岸を通過し、十勝の南部を中心に大雨が降りました。ホームの渓にはほとんど雨が降らなかったため、南部へ移動し、濁りの出た渓を探して入渓しました。入渓したポイントは、写真左下の様にかなり強い濁りが出ていて、透明度は50cmほどでした。ただこんな濁りでも、これまでもフライでしつこく誘う事で、釣れる可能性が十分あることが判っていましたので、あえて挑戦してみました。こんな増水の激流と濁りが出た場合、魚たちは写真右下の様な、倒木の下流側にできた淀みなどに退避しています。そんな場所を探して、フライでしつこく誘って釣る作戦です。

十勝南部で50mm前後の雨が降った14時ころの水温は未だ21℃超えこんな倒木の後の淀みでしつこく誘う

一つ気になったのは、14時ころの水温は21℃以上もあり、これでは釣れそうもありません。16時ころまで昼寝などしながら待っていると、夕方の涼しい風が吹いてきて、水温も20℃近くまで下がってくれました。上写真の淀みの手前3mほどの所にしゃがみ込み、アウトリガーでフライを底近くまで沈め、上下左右に何度も何度もゆっくりと誘います。すると、10回ほどフライを往復した所でおチビちゃんがヒット。大物もいるハズと、更にしつこく20回ほども誘い続けます。するとやがて小さな魚信が出て、合わせるといきなり魚が走りだしました。久々の良型ニジマスに、満足の1日となってくれました。

まずはこんなおチビちゃんがヒット足元からニジマス42cm(Click拡大)畦畔に咲く野生の紫のハッカ(薄荷)

【使用タックル】
Brookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、GrandMaxFx2.0号、プリンスフライささめ管付きチヌ3号、他