今シーズンは北海道でも季節の移り変わりがとても早く、十勝などでは6月中旬にして早くも真夏日を迎えています。6月初旬に非常に多かった降水も、この10日ほどはほとんど雨が降っておらず、逆に渇水状態となっています。渓の水温も急上昇しており、本来であればトップシーズンであるこの時期も、渇水と高温で苦戦している地域が多くなっている様です。そんな中ですが、健康が許す限り、引き続き道内の釣りを楽しんで行きたいと思っています。(下写真は、最盛期の十勝のニジマスの渓) 【6月21日(水)十勝の湧水の渓】 前日に尿路結石の治療をしてもらいました。病み上がりで無理はできないため、この日は1年ぶりに十勝南部の湧水の渓へ釣り場探し目的で訪れてみました。車で幾つかの入渓地点などを見て回り、夕方3時頃から少しだけ入渓してみましたが、これが全く酷い状況でした。釣り場はどこも釣り人の足跡だらけで、70cmオーバーも釣れていると言うのですが、この日も大型はおろかチビニジマスでさえほとんどヒットしてきませんでした。実は昨年もこの渓を訪れていますが、やはり足跡だらけの割には魚影は極端に薄く、ほとんど何も釣れていませんでした。
湧水の渓のため夏でも水温が低く、鱒類の生育には良いため、大型魚が育つであろう事は想像できますが、どうもそれ以上に釣り人が多く、魚影は思ったほど濃くはない様に思えてなりません。夕方の2時間足らずでしたが、小さなニジマスとヤマメ、それに尺オーバーの巨大なウグイがそれぞれ1尾づつ釣れただけでした。それにしても、私のホームグラウンドとしている十勝のニジマスの渓は、特別な存在の様です。川虫、特にクロカワ虫が他の渓では見られないほどに非常に豊富に生息しており、あれだけ釣り人が多くても、魚影を保ってくれている様に思えます。 【使用タックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE25lb+GrandMaxFx2.5号、円錐ウキ1号、噛み潰し錘3/4B、プリンスニンフささめ管付きチヌ3号、クロカワ虫ニンフTMC3761#8黒/オリーブ、他 【6月22日(木)冷涼快適な十勝の源流部】 このところ十勝では夏日が続いており、平野部では朝夕の涼しい時間帯以外は釣り辛くなっています。また、昼間は暑くて汗だくになるため、やる気も出ません。この日はいつものニジマスの渓の源流部へと、涼しさを求めて車を走らせました。ダムの上まで行くと、水温は16℃台、気温も22℃前後まで下がり、実に快適です。この状況は魚たちにとっても快適なハズ。午後13時半ころから釣り始めましたが、すぐに25cmの良型のオショロコマがヒット。その後も36cmまでのアメマスが3尾ヒット。最後には下のダムから遡上してきたであろう42cmの銀ピカのサクラマスまで釣れてしまいました。下界の釣り場では考えられない魚たちの反応ぶりで、最高に楽しめました。
この渓では試しに久しぶりにスピナーの釣りを試みてみました。私がルアー釣りを始めたころは、ブレットン一辺倒で釣っていたものです。良く釣れるのですが、一直線にタダ引きするだけで、釣りの楽しさの点ではミノーには敵わず、最近は出番がありませんでした。しかし、地元の釣り師たちの多くが小さなスピナーを良く使っており、ニジマス釣りには適している様です。虫を食べているニジマスに取って、小型スピナーは虫に見えるのかも知れませんね。ただ、古いブレットンを使ったためか、尺前後のニジマスが連続で2尾ヒットしたものの、どちらもバレてしまいました。釣れたのは唯一、写真のおチビちゃんだけでした。 【使用タックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE25lb+GrandMaxFx2.5号、 Sukari50SSdeep/60Deep/Rグリーン、Bretton#2金、他 【6月24・25日(土・日)阿寒湖のレイクトローリング】 阿寒湖では例年、6月の半ば過ぎにモンカゲロウのスーパーハッチが見られ、全国からの遠来の釣り人で賑わいます。同時期はハンドトローリングによるボート釣りにも最適な季節であり、まだ間に合うだろうと安易な気持ちで阿寒湖に向かいました。ちなみに、今年は人里でのヒグマの出没が相次いでいて、阿寒湖でも温泉街のコンビニや温泉地にヒグマが現れ、何度かの騒動になっていました。そのため、岸からの銘ポイントであるボッケやジカタ・大島前等は全て立入禁止になってしまい、多くの釣り人をがっかりさせていました。
初日はのんびりと8時半ころから出漁しましたが、魚探の水温計を見てガッカリしました。早朝の水温が既に18℃を上回っていたのです(写真右上)。過去の釣行時の同様の写真を調べて見ると、19年6月20日13.9℃、20年6月29日15.6℃、20年7月15日18.2℃、などとなっていて、明らかに季節が2週間以上も早い事が判りました。6月下旬にして、水面下は既に真夏になっていたのです。実際、岸からの釣り人たちに聞いたところ、アメマスがポツポツと出るだけで、大半がウグイばかりだった様です。また、今年のモンカゲのハッチは10日ころがピークだった様です。
それでもハンドトローリングで大ニジマスを釣りたい私は、釣れないのを覚悟でレッドコア仕掛けを車に置いたまま封じ込める事にしました。ニジマスは深場にいても果敢に表層近くの獲物を追い掛けてくることが有り、ワカサギに似せたミノーの高速トローリングであれば、18℃台でも釣れなくはないだろうと考えました。実際、10時から12時の間に、ニジマスを思わせる強烈な魚信が2回有りましたが、いずれもバレてしまいました。釣れたのは10時ころに55cm金アメマス、14時過ぎに59cmのアメマスと、他は小さなアメマス・ウグイだけでした。想定内だったとは言え、ガッカリでした。
翌日曜日は快晴の非常に明るい日となりました。時合いが早くなると考え、珍しく早朝6時半に出艇しましたが、これは間違いでした。夜明けの薄暗い時間帯に、短い時合いが来ることもありますが、概ね、虫のハッチする時間帯に小魚が動き、それを狙って大物が動きだすのが定石であり、この日も9時頃まで何の反応も有りませんでした。それに水温は18℃台で、多くの魚影が水深10m近辺に見えるため、この時点で仕方なくレッドコアタックルに交換する事に。レッドコアは正直、重たいだけで釣っていても楽しくありませんが、2日目であり、諦めました。
レッドコアは7色+5号錘、速度は4km/時で、恐らく水深8m前後の釣りでした。すると釣り始めてすぐに38cmの銅色のアメマスがヒット。その後も飽きることなく小さめのアメマスがヒットしてきます。午後からは更に自作の小型潜行板での釣りも試してみました。潜行板も水の抵抗が大きく、ロッドに大きな負荷が掛かりますが、レッドコアよりは操作がしやすく、引きもダイレクトに伝わってくるため、レッドコアよりは楽しめます。そして結局、レッドコア仕掛けでは46,43cm,他3尾、潜行版では56,46cm,他4尾の計11尾と、前日の貧果がウソの様な釣果となってくれました。阿寒湖は早くも真夏の釣りになっていました。
【使用タックル】 24日:SHIMANO_CarddiffN/S83ML、VanquishC3000、SunlineCastawayPE30lb(2号)+NanodaxShockLeader17.5lb、Ryuki70S赤腹ヤマメ(SBL改)、Sukari60Deep/Rグリーン/OB鮎(SBL改)、他 25日:TrollingRod110、チタノス舟GT3000、MasonLeadCore18lb、NanodaxShockLeader20lb、 SHIMANO_CarddiffN/S83ML、VanquishC3000、SunlineCastawayPE30lb(2号)+NanodaxShockLeader17.5lb、自作潜行板、Ryuki70S赤腹ヤマメ(SBL改)、他 【6月27日(火)猛暑の十勝のニジマスの渓】 尿路結石の治療が前日に完了し、この日はいつもの十勝のニジマスの渓で楽しむ事にしました。私は普段、大名出勤で、のんびりと8時以降に釣り始めるのが普通ですが、SNSを見ていると、早朝の薄暗い時間帯に良型を釣り上げているルアーマンがおられる様です。ほんの数日前のYouTubeビデオにも、私がいつも釣っているポイントで、朝4時ころに50cm近いニジマスを釣り上げているものもありました。そこで、この日は珍しく早朝5時に入渓して、久しぶりにルアーで釣ってみました。しかし、釣り始めると全く反応が無く、8時頃まで頑張りましたが、釣果はゼロでした。
8時以降はルアー式うきアウトリガーニンフで臨みましたが、それでも最初は全く反応が無く、最初のおチビちゃんがヒットしてきたのは、9時半ころでした。ところがこの1尾を皮切りに、おチビちゃんが連発して釣れ始め、あれよあれよと言うまに10尾ほども釣れてしまいました。そして、気温が30℃を超えはじめ、カンカン照りで汗だくになって来た11時10分になって、この日一番の42cmがヒット。水温は21℃もあるのに、ジャンプをしながらいつもの様にスリル満点の大暴れをしてくれました。結局、猛暑にも関わらず、時合いはいつもと何も変わらない真昼間だったと言う、定石通りの日でした。
イワナやヤマメであれば、こんな日は朝夕の2〜3時間ほどだけが時合いとなるものですが、ニジマスは虫を食べている魚のためか、最も大量に羽化する時間帯に活性が上がる様です。確かに早朝の薄暗い時間帯にもルアーでごく短い時合いが有る様ですが、透明度が高いと、明るさとともにすぐに釣れなくなってしまう様です。もっとも、老体の私には夜明けとともに釣り始めるのは体力的にとても辛く、ニジマスはその点、実に有難い魚種という訳です。それにしても驚いたのは、平日なのに9時を過ぎるとフライマンが続々とやってきたのは、地元の人たちは良く判っておられるんですねぇ。 【6月30日(金)続き】
さて、十勝ではもう1ヵ月近く、まとまった雨が降っていませんでしたが、29〜30日に20mm前後の待望の雨が降りました。雨で2日間も休養を取ったお陰ですっかり体調が良くなった私は、この日は再び十勝のニジマスの渓へ出漁しています。今回の目的として、本当に「早朝の薄暗い時間帯にルアーで良型が釣れている」のかを確かめるため、数年ぶりに早朝3時半に出漁してみました。しかしこれは失敗で、前日までの雨で透明度が1mも無い状態だったため、本当のところを確かめる事はできませんでした。ただ、3時半〜5時の時間帯でも、ブレットンに30cmまでのニジマスが3尾ヒットしてきて、朝一番にも少数ながら腹ペコのマスがいる様です。
その後は車に戻って8時過ぎまで二度寝し、9時ころから再び出漁しました。この日は最高気温28℃の予報で水温は既に20℃近くになっていました。それでも釣り始めると最初は何の反応も無く、1時間ほどしてからおチビちゃんが釣れ始めました。すぐに最初に入った大型の釣れそうな深みのあるブツカリのポイントへ舞い戻り、フライを投入し続けていると、もう11時近くになって強烈な魚信が出て、良型の魚が暴れ始めました。早朝の薄暗い時間帯に釣っている人も間違いなくおられる様ですが、不思議と私はいつもこのパターンです。私にとって、十勝のニジマスに関しては「早起きは3文の損」の様です。
ところで、6月10日に北海道入りして3週間ほどが経過しましたが、その間に十勝の渓で良型のニジマスを3尾釣り上げています。そのデータが以下の表ですが、いずれも11時から12時ころの真昼間に釣れています。いずれも非常に暑い日ばかりで、水温も20℃前後の高水温ばかりです。本州の管理釣り場であれば、水温が20℃を超えるとニジマスは殆ど釣れなくなり、もし釣れた場合も、その魚は殆どが死んでしまいます。しかし十勝の自然河川では、どうやら状況は全く異なる様です。水温20℃前後でも、凄い馬力でジャンプしながら大暴れし、我々釣り人を楽しませてくれます。しかも、同じ魚が同じ場所でまた釣れたりします。不思議ですね。
【使用タックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE25lb+GrandMaxFx2.5号 早朝:Bretton#2金/#1銀、Sukari50SSdeep/Rグリーン、他 午前:円錐ウキ1号、噛み潰し錘5B、プリンスニンフささめ管付チヌ3号、クロカワ虫ニンフTMC3761#8黒、他 |