2023年の渓流釣りシーズンが始まりました。コロナ禍もほぼ終息し、3年ぶりに晴ればれとした気分でシーズンを迎える事ができました。今年は2月後半以降に全国的な高温状態が続いていて、中山間部の残雪は既に殆どない状態であり、桜前線や野草の開花も例年より2週間程度も早く推移しています。シーズン初は残雪でも入渓しやすいダム湖の釣りから始まりますが、この時期は型が小さく大物は望めません。例年まず最初に入渓する2つの小さなダム湖での釣果は、小型ばかりでしたが概ね例年通りであり、昨年8月の豪雨の影響も無かった様で、ひとまず安堵しました。 【アフターコロナの釣行開始】 今年も5月末ころまでは新潟下越へ、以後10月末頃までは北海道へと、キャンピングカーを利用した長期の遠征釣行を予定しています。今年も例年通りに4月の2週目から下越入りしましたが、今年の春は季節の移り変わりがとても早く、下越・山形では既に桜の満開を迎えていました。急激な気温上昇で野草花の開花も早く、ダム湖へ入る林道の残雪も、昨年より早く消失しています。 一方、コロナ禍はほぼ終息し、残るオミクロン株は健康な人にはほぼ害は無い様です。日本は同調圧力が強いため、未だにマスクを手放せない人が多い様ですが、海外の多くの国では、1年以上も前から全ての感染対策を撤廃したにも関わらず、何ら問題は発生していません。晴れてアフターコロナの中、今年はのびのびと釣りに専念できそうです。ただ、一方で1点だけ気になる事柄があります。昨年8月4日未明に発生した線状降水帯による豪雨災害により、下越地方の一部のダム湖で渓魚たちが死滅した可能性が有るのです。13年7月の山形県の豪雨後は、付近のダム湖からほぼ3年間、魚影が消えました。 なお、今年6月に72歳となる私ですが、頻繁なWebサイトの更新作業が体力的・精神的に辛くなりつつあります。そのため、今シーズンよりレポートの方法を簡素化しようかと考えています。具体的には、従来の様に全ての釣行を記録するのではなく、何か特別な出来事や大物の釣果のあった時などに限る事にしたいと思っています。レポート頻度が大幅に低下する可能性がありますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
【素早く通り過ぎた桜前線】 シーズン初のレポートでは、その年の積雪や気温などの状況を確認することにしています。下表は私の主に釣行する南東北と道東地域での今冬の気温と降水量の平年差ですが、ご覧の通り、降雪は12月に多かったものの、その後は少ないか平年並みでした。しかし、3月の気温が非常に高く、平地での残雪はあっと言う間に消えてしまいました。特に道東では3月に異様な高温となった様であり、今後に何らかの影響を残すのではないかと心配です。(データは気象庁電子閲覧室) 南東北(肘折・大井沢・小国・下関・津川・守門)の平均気温との差(℃)、平均降水量との比(%) 念のため、下表に南東北と道東の3月の最深積雪(概ね3月初の残雪量)を調べて見ましたが、2月後半から高温が続いたためか、殆どの観測地点で非常に低い値になっています。高温状態は4月現在も続いており、東北の多くの河川では既に雪代が轟音を立てて流れています。ただ、標高の高い山上では、気温が氷点下に成り辛く、また、12月の降雪が多かったため、例年と変わらない残雪が残っているようです。 南東北・道東の各地点の3月の最深積雪の平年比(%)- 赤いほど例年より残雪が多かった事を示す 【4月14日(金)】 下越入りは例年通りでしたが、林道へは車で入れないため、当初はもっぱら山や野草花の写真撮影と温泉巡りに専念していました。そしてこの日、初めて新潟のもっくんと初釣りに挑みましたが、このダム湖の入口にはしっかりと鍵が掛けられていて、仕方なく30分ほどの徒歩で釣り場へ入りました。この日は気温が高く曇天で、この時期のダム湖の釣りには最適の条件でした。釣り始めたのは10時半ころからでしたが、11時半ころになって、もっくんの竿が大きく曲がり、いきなり40pの良型イワナがヒット。ただこのイワナ君、良く太っていてとても元気で、写真を撮影しようとしていると、大きく跳ね回ってダム湖へポチャンと逃げて行ってしまいました。
時合い到来とばかりに私も同じポイントで釣り続けると、なんと10分も経たないうちに、この時期にしてはまずまずの35pがヒット。ただ、このポイントでは後が続かず、少し移動して再び釣りを開始すると、またまた私のロッドに魚信が出て38pの非常に綺麗なイワナを追加。その後は更に、ダム湖のインレットに近いポイントまで移動して釣りましたが、どうやら時合いは終わってしまった様で、反応が途絶えてしまいました。暖かい日とは言え、この時期はまだ水温が5度前後と低く、時合いは真昼間のごく短い時間だけしか続かない様です。15時頃まで粘りましたが、その後の釣果はありませんでした。
【4月18日(月)】 この時期の釣りは体力的に厳しいため、もっぱら新潟のもっくんの休日に合わせて釣りをし、他の日は写真撮影や温泉巡りに当てています。2日ほど前から寒波がやってきていて、この日も朝から寒い日でした。ただ、午後から寒波が抜けるとの予報で、のんびりと10時半ころから今年初のボート釣りを試みました。午前中は寒波で予想通りにトローリングにもキャスティングにも全く反応が無く、あっと言うまにインレットへ。インレットの水温も5度前後と、これまた全くの期待薄。それでも付近で山菜のウルイが山の様に収穫でき、素晴らしい景色の下でお昼を食べ、なんとなく満足して午後の釣りに突入。
勝負はここからでした。13時過ぎ、前線(渓の冷たい水がダム湖の暖かい水の下に潜り込む地点)の少し下流側(水温8度)で、私のミノーに中型のイワナが追い掛けてきました。ボート下を泳いで反対側へ逃げていったため、すぐに逃げた方向にミノーを投げ込むと、直後に38pをヒット。活性が上がったのか、続いて13:30時ころ、もっくんにキャスティングで36p、10分後に31p、更に5分後に37cm、更に10分後に31pと、なんともっくんばかりに4連続ヒット。私にも14時ころ、45p近い大物のトレースが見られましたが、残念ながら喰い付いてはくれませんでした。
14時半ころから雨が降り始めたため、トローリングしながら帰路に着くと、14時40分ころ、私に36pがヒット。その後は雨が強くなり、納竿しました。さて、今回の2つの小さなダム湖は、昨年8月の豪雨災害地とは少し離れた地区にある釣り場でした。そのためか、小型ではありますが、魚影は十分に保たれている様であり、一安心でした。初春のこの時期の釣果はなぜか小型が中心で、40cmを超える様な良型はほとんど釣れません。大物は月末以降の大きなダム湖の釣果に期待するしかありませんが、問題は本命のダム湖が豪雨災害地にかなり近かったと言うことです。はたして魚影は保たれているのか、今後の釣行が非常に気になるところです。
【今回使用のタックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE30lb+GrandMaxFX2号、 Sukari60Deepリフレクトグリーン/オレンジベリー鮎、他 |