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単独釣行レポート

北海道釣行日誌2022(3)(8月21日〜31日)


今夏の北海道は雨に祟られているかの様な状況でしたが、お盆を過ぎてようやく晩夏らしい気候に戻ってきた様です。ただ、お盆休みに道南部を中心に降った記録破りの豪雨で、北海道の南半分の渓では未だに泥濁りの流れが続いていて、今しばらくは釣りにならない状況となっているようです。また増水で渓相が大きく変化し、大物の付く深場も埋まってしまい、暫くの間はポイント探しに終始することになりそうです。一方、早くも鮭やカラフトマスの遡上が始まり、道内の釣り師たちにとっては、一年で一番忙しい季節が近づいている様です。(下写真は、大増水後の十勝のニジマスの渓)

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【8月21日(日)・22日(月)】

20日まで車の修理のため札幌に滞在していましたが、道南部の渓はどこも泥濁りの状態が続いていて、付近の渓では全く釣りになりません。そのため、この日は札幌に近い道南のカルデラ湖でボート釣りを楽しむ事にしました。午前中は移動のみで、午後14時ころから出船し、レッドコアシステムでトローリングを開始しました。しかし、暗くなる18時半ころまで5時間近くも粘ったものの、1回の魚信すら全くないという信じられない様な状況でした。もともとこのカルデラ湖での魚影は薄く、これまで6回の釣行でブラウンは4尾だけ、他の魚種を含めても12尾しか釣れておらず、これは阿寒湖や道東のカルデラ湖の平均的な釣果の1/4程度しかありません。

水深15m付近に魚影や小魚が見えるが暗くなる18時半過ぎまで粘ったが・・日高は豪雨5日目でも濁流が治まらない

加えて、この湖は極めて透明度が高いためか、過去6回の経験でもPカンの明るい日は殆ど釣れていません。この日も朝から暑くて非常に明るい快晴の日であったことが、釣果無しの結果を招いた様に思われます。本当は翌22日も同湖で釣りを楽しむ予定でしたが、翌日は更に気温の高い快晴の予報だったため、100%絶対に釣れないだろうと予想されたため中止しました。22日は移動の日としましたが、途中の苫小牧や日高の渓は、右上写真の様に、豪雨から既に5日も経過しているにも関わらず、強い濁りの残る状況でした。特に上部にダムのある渓(写真下)では、未だにゴウゴウと濁流の流れる状況が続いていて、場合によっては更に数週間の間、釣りは不可能ではないかと思われました。

【使用タックル】
TrollingRod110、チタノス舟GT3000、MasonLeadCore18lb、NanodaxShockLeader20lb、
Dコンタクト63S/鮎/チャート、TrollingPepper100#056、RedPepperBaby013、他

【8月23日(火)】

道南や日高の渓は濁りで全く釣りにならないため、またまた十勝へと大移動しました。この日は昨年見つけていた十勝の湧水の渓の下見を行いました。源流域から中流部までの合計3ヶ所のポイントを試し釣りしてみましたが、なぜかどこも水量がやたら多く、どうやら先日の豪雨で大幅に水量が増えている様子でした。最初に入ったポイントでも、水深10p以上もある場所に草が生えていて、普段より15p程度も増水している様でした。ただ、湧水の渓のため、濁りはほとんどありません。湧水と言えど、この渓の水源は日高山脈と十勝平野に降った雨が地下を通って湧き出しているものであり、豪雨の後は湧き水も大幅に増える様です。

一つ目のポイントはやたら水量が多い岸辺の草がなぎ倒されている二つ目のポイントはバイカモの渓

そのため、激流でポイントが絞れず、ルアーで頑張りましたが、チビニジマスが3ヶ所で5尾釣れただけ。ただ、途中で出会った地元の釣り師の情報によると、こんな上流部のバイカモの渓でも、70pちょっとまでの大ニジマスがときおり釣れているとのこと。そう言えば、釧路地区の湧水の渓でも70pクラスが釣れている様で、湧水の渓は水量や水温が安定しているため、水棲昆虫が豊富に育ち、魚も大きくなると言う事の様です。ただ、大物で有名なのか、この日は平日にも関わらず、都合4人もの釣り人に出くわしました。どうも入渓したポイントは、どこも攻められた後だった様です。でもま、水量が落ち着いたら、また挑戦してみたいと考えています。

三つ目のポイントはトンデモない激流平日なのに意外にも釣り人が多い三か所で釣れたのはチビニジマス5尾

【使用タックル】
ShimanoCarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE25lb(1.5号)+NanodaxShockLeader17.5lb、
Ryuki50/45/赤腹ヤマメ/Tシャッド、他

【8月24日(水)】

前日の十勝の湧水の渓が増水でほとんど釣りにならなかったため、この日は再び北見方面へと大移動しました。移動途中に、いつもの十勝のニジマスの渓の様子を見てみると、案の定、豪雨から8日も経過しているのに、下中央写真の様に、水量がハンパなく多く、結構な濁りが残っていました。これでは、十勝では今しばらくの間、釣りになりません。しかも、大増水で渓の流れが大きく変わり(写真下左と下中央)、これまでのポイントが台無しになってしまったのが良く判ります。流れが落ち着き釣りが楽しめる様になるには、あと最低でも1週間以上は必要ではないかと思われました。

8月12日の状況、雨後で濁っている15日の豪雨で景色が大幅に変わった移動途中に適度な濁りの渓を発見
しかしここではニジマス31p1尾だけ更に源流部でロッドをだしてみる型の良い?オショロが10尾ほど出た

そして、時間はタップリと有ったため、釣りながら移動することにしました。なにせ十勝から北見への街道沿いには、如何にも釣れそうな渓が沢山あるからです。まず最初に入渓したのは、ルアーに最適そうな濁りの入った渓でした。上部に小さなダムがあり、溜まっている濁った水が放流されている様でした。しかし、1時間以上も粘った割には、釣れたのは左上写真の尺ニジマスが1尾だけ。次に入渓したのは、同じ渓の数km上流の最源流部でした。こちらでは濁りは完全に取れていてジンクリアに近い状況でしたが、まずまずのサイズのオショロコマがバタバタと10尾ほども釣れてくれました。

8月17日に良型イワナの出たポイントへやはりサクラマスが10尾ほど見えるサクラを避け下流部のチャラ瀬で釣る

そして最後に入渓したのは、8月17日に良型のイワナやサクラマスが釣れた峠の小沢でした。前回は結構な濁りが残っていましたが、この日は濁りは無くジンクリアで、しかも殆どは深さ10pほどのチャラ瀬になっていました。ただ良くみるとやはりサクラマスが10尾ほどもトンネル下に溜まっています。そのため、サクラを避けて下流部のチャラ瀬でミノーを逆引きしてみることに・・・すると、そこそこのサイズのイワナやヤマメにオショロ達が調子良くヒットしてきます。ただ、調子に乗って釣っていると、あれれ、深さ10pほどのチャラ瀬にもサクラが潜んでるんですね、またしてもやってしまいました。しかも今回は55cmの大物?で、メチャクチャ大暴れされて参りました。

こんなイワナが2尾ヒット綺麗なヤマメも喰い付いて来たしかし、またまたやってしまった

【使用タックル】
ShimanoCarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE25lb(1.5号)+NanodaxShockLeader17.5lb、
Ryuki50/45/赤腹ヤマメ、Sukari50ssDeep/イブキ/アクアマリン、他

【8月25日(木)】

前日に北見入りしていた私は、ボート釣りを試みようと、近くの某ダム湖へ向かいました。しかし、豪雨からもう10日近くも経過しているのに、ダム湖水はかなり濁ったままでした。だいぶ前にこのダム湖には来たことがあり、その時の透明度はジンクリアに近い状態でしたが、この日の透明度はせいぜい1mほど。これではトローリングはとても無理なのです。仕方なく、14日にも訪れたダムの源流部にある堰堤でお茶を濁してしまいました。ただ、前回はかなり濁りが出ていてルアーに良く反応してくれましたが、今回はジンクリア。そのためフライで釣りましたが、2尾も釣るとすぐにスレてしまい、フライを交換し続けなければ相手にしてくれません。

北見の某ダム湖は未だ濁りが強いお茶を濁しに14日にも訪れた堰堤へイワナ・ヤマメ・ニジマスがヒット

ただそれでも、オショロ君だけはとても愛想が良く、同じフライで次々と入れ食い状態でした。こういった堰堤の下では、フライをアウトリガーニンフで沈め、ゆっくりと左右に泳がして誘う事で魚たちが喰い付いてきます。基本的にルアーとなんら変わりませんね。そして、北見の本流はこのダム湖から濁った水が放流されていて釣りにならないため、午後は少し移動して、この本流の大支流を釣ってみることにしました。移動途中の峠にも釣れそうな小沢が沢山あり、少しだけ竿を出してみています。ただ、こんな源流部でもニジマスが蔓延っていて、オショロは皆無でガッカリでした。北海道のオショロ達は、あと何年かのうちにニジマスに喰い尽くされそうです。

オショロコマだけは入れ食いだった移動途中に見つけた小渓で浮気しかし、ニジマスが蔓延っていた

そして、その大支流に到着してみると・・・あれれ、平日だというのに、釣り人らしき車がアチコチに停まっていて入渓する場がありません。一昔前までは北見の渓など誰も見向きもしない時代がありましたが、最近では70pクラスのニジマスの釣果が聞かれる様になり、釣り人が激増している様です。実際、私も14日に本流で65cmを釣り上げていますので、超大物がそこかしこに泳いでいるのは間違いでは無いのでしょう。しかし、この日の大支流はジンクリアに近い状況でこの釣り人の数ですから、そりゃ大物が泳いでいても釣れる訳がありませんよね。おチビちゃんばかりがそれでも5尾ほど釣れて、無理やり満足して納竿してきました。ガッカリでした。

北見の渓の大支流も釣ってみた釣り人だらけでおチビちゃんだらけ北見は今、玉ねぎの収穫の最盛期だ

【使用タックル】
ShimanoCarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE25lb(1.5号)+NanodaxShockLeader17.5lb、
Ryuki50/赤腹ヤマメ、Sukari50ssDeep/リフレクトグリーン、他
ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、GrandMaxFx2.0号、プリンスニンフ管付きチヌ3号、Kマラブー管付チヌ5号、他

【8月26日(金)】

お盆の豪雨の後遺症で、ダム湖を擁する本流筋は未だ釣りになりません。かと言って、支流の有望な釣り場は釣り人だらけ。源流の釣りもそろそろ飽きてきて、やる気が起きません。そのため、この日は風の弱い予報だった事もあり、急遽、北見から1時間ちょっと移動して阿寒湖でボート釣りを楽しむことにしました。ただ、予報ではこの日は曇天で、終日南の風・風速2mと出ていましたが、ボートを出した途端に小雨が降り出し、しかもどうみても真逆の北風で風速も4mほどもありそうな荒れた状況に・・・またまたWNIに騙されました。しかも気温は18℃前後と肌寒く、今季初めて真冬用の防寒具を着込んで釣る事に。

阿寒湖のボートの入漁券、2000円也終日、曇天の肌寒い日だった釣り始めて5分程で釣れたおチビちゃん

のんびり9時ころから、レッドコアシステム+Sukari60Deepで釣り始めましたが、こんな寒い日はお魚さんも元気が出ないのか、出港後、すぐに小さなアメマスがヒットしてきたものの、その後はなぜかまるで反応がありません。時折り白波が立つほどの風が吹き続け、疲れるばかりでもう早めに撤収しようかと思い始めた12時ころになって、ようやく2尾目の44pがヒット。辺りを良くみると、雨が上がり明るくなって風も落ち着き、ほんの少しだけ暖かくなった瞬間にヒットしてきた様です。イワナは「防寒着を脱ぎたくなる時が時合い」と我々の仲間内では良く言っていますが、寒い日の阿寒湖のアメマスも同じ様なタイミングで時合いが来る様です。

水深15m程に魚影が見えるが釣れないワカサギはなぜかまだ小さい水深5m付近にワカサギの魚影か?

そして、その後はポツポツと魚信が出始め、47、48、45、45cmと、なぜか40p台のアメマスばかりが30分置き程度にヒットしてきます。釣り場は主に溶岩末端崖の海岸線と大島西岸で、水深はレッドコア8色+5号錘(恐らく深度15m程度)の釣りでした。そして、少し薄暗くなった16時ころになり、ようやく50p超えの金アメマスがヒット。ニジマスが出なかったのは残念ですが、終わってみればこの時期の阿寒湖の平均的な釣果でした。ただ、この日は大問題が発生しました。ボートのトランサムの板が割れ、高速でボートを走らせると、船外機が落水しそうになるのです。お天気の良い日に、修理する必要があります。旅行中のため、ネットで大物を買い替える事は出来ません。

40p台が何本かヒット後、16時にようやく50p超えの良型がヒットしてきた金アメマス52pと私

【使用タックル】
TrollingRod110、チタノス舟GT3000、MasonLeadCore18lb、NanodaxShockLeader20lb、TrollingPepper100(SBL改)、Sukari60deep/イブキ/OB鮎(SBL改)、他

【8月28・29日(日・月)】

27日も警報級の大雨との予報でしたが、幸いにも今回は前線が南へズレて通過してくれたため、一日半もの長い間、ジトジトと降り続いただけで、殆どの河川が酷い濁流になることはありませんでした。28日は午後から雨が上がってくれたため、27日の阿寒湖で発覚したボートのトランサムの破損を修理しました。ただ半日では修理できず、29日の午前中まで時間を要しました。ジョイクラフトのラポッシュ290と言うボートを使っていますが、このボートのトランサムには、なぜか水を吸いやすい安物のクラフト合板が使われていて、5年目ともなるとトランサムの中身はボロボロに腐った状態となっていました。

トランサムの合板が縦にヒビ割れ硬いアカシアの耐水の合板に取り換えたついでにボートのピンホールも修理

そのため、硬いアカシアの集成材に耐水塗料を塗ったものをトランサムの形に切り取り、切り口と周囲には更に耐水のベージュの塗料を塗り、元の合板と取り換えました。これでもう数年は安心して使えそうです。29日はお天気が良かったため、ついでにボートのピンホールも修理しています。29日の午後は再び十勝方面へ大きく移動しましたが、途中、道東のアメマス遡上河川へ様子を見に寄り道しています。まだ時期が少し早いかと思われましたが、たった1時間ほどの釣行で、小さなアメマス4尾、ヤマメ2尾がヒット。鮭類の姿はまだ見えませんでしたが、アメマスは既に産卵遡上が始まっている様でした。1ヵ月程度後に、再び入渓してみたいと考えています。

少し時期が早いが道東のアメマスの渓へ20pほどのチビアメマスが4尾小さなヤマメ2尾にウグイも釣れた

【使用タックル】
ShimanoCarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE25lb(1.5号)+NanodaxShockLeader17.5lb、
Ryuki50S/赤腹ヤマメ、Sukari50SSdeep/イブキ、他

【8月30日(火)】

17日ぶりに十勝のニジマスの渓へ舞い戻りました。平日でも変わらぬ釣り人の多さには辟易とします。16日の豪雨以来、2週間後のこの日の透明度は1m程度と、十分に釣りの可能な状態に戻っていました。ただ、16日の豪雨で、12日に訪れた時から更に河川形状が大きく変化していました。深い淵はほぼ全て土砂で埋まり、浅い流れが連続するばかりで、これでは大物がどこに着いているか、さっぱり判りません。それでも、流れが集まって幾分深くなったポイントを重点的にフライで攻めましたが、これがなぜかおチビちゃんばかり。大物たちは一体、どこへ行ったのでしょうか。

17日ぶりに十勝のニジマスの渓へ16日の豪雨で更に河川が大きく変化なぜかおチビちゃんばかりヒット

午後からは同渓の源流部に近い釣り場へ移動。このポイントでは、これまで良型のニジマスやイワナ、オショロなどが釣れていますが、ここでもやはり釣れるのはニジマスのおチビちゃんばかり。結局、2か所のポイントで10尾のおチビちゃんだけで、尺物すらお目にかかれませんでした。渓の透明度は十分に上がってくれましたが、未だに水量は非常に多く、中流部では渓を渡渉するのがほぼ不可能な状況が続いていて、ポイント移動にも難儀させられます。今後の雨の状況が改善し、水量が落ち着くまでは、大物の釣果は難しいかも知れません。昨年の定点観測地点も、今ではただの石河原になってしまいました。

午後からは源流に近い渓へ移動しかしここでもおチビちゃんのみ十勝は玉ねぎ、豆類、イモ類の最盛期だ

【使用タックル】
ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、GrandMaxFx2.0号、プリンスニンフ管付チヌ3号、クロカワ虫フライTMC3761#8、Kフライ管付グレ3号、他