皆さんにとって、2021年はどの様なシーズンでしたでしょうか。思い出に残るシーズンになったでしょうか。それとも、あまり良いシーズンではなかったのでしょうか。毎年、禁漁に入った時期に、そのシーズン全体を振り返ることを恒例にしています。さて、今年はどの様なシーズンだったのでしょうか? (注:本レポートは新潟県下越地方、及び北海道の釣りを想定しており、気候や水量等の状況は他府県と異なる可能性があります。) コロナ禍と猛暑の2021年 2021年のシーズンも、コロナ禍に始まりコロナ禍に終わりました。第4派の4月末から6月中旬までと、第5派の7月中旬から9月末まで発令された2回の緊急事態宣言では、県を跨ぐ移動を制限され、キャンプ場などの野外施設の多くが閉鎖されました。しかし、この期間は首都圏などからの釣り人が激減したため、地元の釣り人たちにとってはむしろ好都合となった様です。 そして、今年も記録破りの猛暑と渇水、極端な豪雨による大洪水、巨大で季節外れの台風、そして、極端な小雪や豪雪などが頻発しています。今シーズンは、昨年末に豪雪に見舞われたものの、3月以降に数年ぶりの高温が続いたため、中山間部や平野部では殆ど残雪の無い状態で今シーズンは始まりました。それでも、6月末頃までは平年並みの穏やかな気候が続いてくれたものの、7月に入ると、特に北海道では記録破りの猛暑に見舞われはじめ、渇水と高温が9月初ころまで続きました。
桜と新緑の東大鳥川から残雪の朝日以東岳を望む 山形県鶴岡市大鳥(4月21日) 温暖化の影響か、シーズンを通して気温が高く、春は季節が早く進み、秋は逆に季節が遅く進んだ様です。そのため、北日本では9月に入っても秋晴れの良いお天気はほとんど無く、まるで秋雨の様な季節が10月中旬ころまで続きました。10月末頃に北海道では綺麗な秋晴れの日が数日間続いたものの、今度は強い寒波が大波の様に押し寄せ始め、今年の秋らしい気候は、本当に短くなってしまいました。 こういった温暖化の影響を受けた気候の変化は、確実に渓魚たちの行動にも影響していると考えられます。道東のアメマスは更に数が減り続けています。十勝の大ニジマスで有名な渓では小型化が進み、代わりにヤマメやウグイが大幅に増えました。道内の多くの湖・河川でもウグイが増えています。道南・道央ではブラウントラウトの小型化に歯止めがかかりません。また、宗谷のイトウや道東のサケの大量死が報告されています。 渓魚たちは気候の変化に非常に敏感な生き物です。あと何年、北海道の釣りが楽しめるのでしょうか。 南東北(肘折・大井沢・小国・下関・津川・守門)の平均気温との差(℃)、平均降水量との比(%) 道東(帯広・糠平・白糠・川湯・中標津・根室)の平均気温との差(℃)、平均降水量との比(%)
平年値が1991〜2020年版に更新され、過去データも修正されています。 / 気象データ収集:
電子閲覧室>過去の気象データダウンロード
私の2021年 東北の渓流・源流でも何も釣れない釣り場が増えている様です。山形県へは写真撮影のために数回、訪れましたが、今年も竿を出す事は一度もありませんでした。また、堰堤の釣りも釣り場が無くなって久しく、釣行は皆無でした。そのため、今シーズン釣行した釣り場は、新潟県と北海道のみとなりました。一方で、コロナ禍で昨年入渓できなかったダム湖に入渓できる様になりました。一年間、誰にも釣られていなかったためか、魚影も型もすこぶる良く、春のダム湖の釣りは大いに楽しめました。 昨年に続き、今年もコロナ禍を避けて、夏の間も北海道に滞在し続けました。ただ、今年の北海道入りは自身のワクチン接種を待ったため、6月末となり、1ヶ月近く遅くなりました。そのため、最もハイシーズンとなる北海道の6月を、殆ど釣る事ができなかったのが悔やまれます。北海道では、ますます釣りの対象がニジマスへシフトしています。ニジマスの釣行回数も尾数も大幅に増えましたが、他の魚種の釣行が減ったため、全体の釣行回数・尾数はほぼ横ばいでした。
紅葉の輝く阿寒湖から初冠雪の雄阿寒岳を望む 北海道釧路市阿寒湖(10月25日) 昨年は冷夏ぎみで良い釣りができましたが、今年は7月中旬以降に一転して記録破りの猛暑となり、10月中旬頃まで貧果にあえぐ事になりました。特にニジマスは渓・湖ともに、10月に入り水況が戻るまで大物に恵まれることはありませんでした。また、道東のカルデラ湖では今年10月から動力船の使用が禁止されました。そのためトローリングは、10月以降、阿寒湖へとシフトしました。加えて、来年以降も道東のカルデラ湖ではトローリングができないため、今年は道南のカルデラ湖でのトローリングを試すこととなりました。 最後に、今シーズンも沢山の楽しい思い出をプレゼントして頂いた、山形渓遊会、釣り仲間の皆さん、下越や北海道でお会いした釣り人の皆さまに、またFaceBookなどSNSにてお付き合い頂いた皆さまに、この場を借りてお礼を申し上げます。お付き合い頂いた皆さま、本当にありがとうございました。
2021年の大物記録 今春は昨年入渓できなかったダム湖で大物に湧きました。イワナは私に55p、釣友のもっくんに60pと、二人揃って自己記録を更新できました。50p超えのイワナの大物も今期は4尾と、過去最高を記録しました。一方で、北海道では、猛暑の影響で50p以上の大物の釣果は、昨年と比べ大幅に減少しました。アメマスは昨年31尾→今年21尾、ニジマス20尾→10尾、イトウ4尾→無し、サクラマス1尾→無し、と激減しました。また、今年はブルックトラウト・イトウ・カラフトマスが全く釣れませんでした。記録更新はイワナ54cm→55p、オショロコマ27cm→29p、ブラウントラウト51cm→60pの3種でした。なお、釣魚は全て生きたままリリースしています。
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