北海道は今頃になって秋らしい綺麗な青空の広がる日が多くなっています。長期予報でも、北海道の11月は平年よりも気温がかなり高くなるとのこと。釣果の方は今夏の猛暑の影響が和らいできているのか、少しづつではありますが、上向いてきている様に思います。この時期は気温も低めで活動しやすく、渓魚たちの活性も上がって来ています。地元の釣り師たちに言わせれば、釣りは11月からが本番とのこと。例年であれば10月末頃に帰京しているのですが、今年はもう少しだけ、この地で釣りを楽しめそうです。 (下写真は、紅葉の日高のブラウンの渓) 【11月1日(月)】 この日は阿寒から十勝まで大きく移動し、10時ころ、定点観測地点へ向かいました。ところが、釣り場に到着してみると、あれれ、またまたどこかで見た事のある白いハイエースが停まっていました。この車の釣り人も、以前にお会いした事のあるHさんと言うかたでした。ひとしきり情報交換をさせて頂き、仕方なく別のポイントへ・・・ところが、上流側にも釣り人の車が・・・ずっと下流側の良く入るポイントにも釣り人の車が停車していて、万事休す。実は着替えが無くなっていて、洗濯しなければならない状態でもあったため、取り合えずコインランドリーへ。
そして、午後2時過ぎに、再び定点観測地点へ。ただこの時、嫌な予感がしました。なんだか急に冷たい風が吹き始め、防寒具を来ていてもブルブルと寒いのです。こんな風に急に気温が下がった時は、デリケートなニジマス君たちは脇の流れの緩い場所に退避して寝てしまいます。案の定、最初のポイントでは全く反応が無りません。大物が陣取っているとおチビちゃんが釣れなくなる事があるため、フライを30回以上も流しましたが、最後まで反応なし。次に倒木のポイントへ移動しましたが、ここでは写真のおチビちゃんが1尾釣れただけ。今季のこの渓で、最低の釣果でした。ガッカリでした。 【使用タックル】 ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、GrandMaxFx2.0号、プリンスニンフTMC3761#8/TMC102Y#9、他 【11月3日(水)】 道内は1日夕方から寒波を伴なう雨が降り始め、予報では4日の夕方まで3日間もの長い間、雨が降りそうです。10月にも2日間を超える長雨が2回もあり、これでは多くの渓魚の産んだ卵や稚魚が流されてしまい、釣れなくなるのも当然です。この日も朝から結構な雨が降っていましたが、ただ不思議にも、外へ出てもそれほど寒くはありません。むしろ2日前と比べると暖かいくらいです。予報を見ると、うまい具合にお昼頃に雨が小康状態になり、なんとか釣りもできそうな気配でした。そこで11時頃、定点観測地点へ様子見に向かいました。
ところが、雨で釣り人はほとんど見当たらないにも関わらず、よりによって定点観測地点だけに、地元#の車が停車していました。どうも私のWebサイトを見て、このポイントにやってくる人が増えているのは間違いなさそうです。ただ、釣りを終わって帰る途中だった様で、聞いてみると何も釣れなかったらしい。そりゃそうでしょう、こんなに寒波で寒い時期は、お昼ころに短い時合いが有るか、全く時合いが来ないかどちらかです。朝から釣っても釣れる訳がありません。そして、お昼を食べに一旦ポイントを離れ、12時半ころ、再度、定点観測地点へ入りました。まず一番下流側のポイントを釣り始めると、手前の緩い流れでおチビちゃんがすぐにヒットしてきました。
どうやら時合いが来ている様で、粘っていると再び魚信が出て、40pくらいの良型がヒットしてきましたが、これは暴れられて大バラし。結局、このポイントでは32cmまで3尾の釣果でした。時合いは短そうなので、大慌てで今度は一番上流側の倒木のポイントへ移動。すると、流れの強い場所では全く反応が有りません。仕方なく、倒木の根の横の緩い巻き返しにフライを投入すると、すぐに魚信が出て、下写真の45pがヒット。5日前の45cmもそうでしたが、何やら釣られまくられているニジマス君の様で、下顎が短く、簡単にランディングできてしまいました。でもま小雨の中、良型が釣れてくれて満足です。14時半頃には雨が強くなり納竿しました。
【使用タックル】 ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、GrandMaxFx2.0号、プリンスニンフTMC3761#8/TMC102Y#9、他 【11月4日(水)】 この日は終日、雨の予報でしたが、朝起きてみると予報が変り、お昼頃までは降らない様子。10時半ころにのんびりと例によって定点観測地点へ向かいました。しかし、釣り場に着いて上流側を見ると、なにやらフライマンさんが釣り下ってきます。釣り人の多い釣り場なので、こんな事はしょっちゅうですんで、気にせずに釣り始めると、3回ほどニンフを流したところ40p弱ほどのニジマスがヒット。しかし、これは暴れられてフックアウト。すると、そのフライマンさんが声を掛けてこられ、良く見ると、あれま、我が師匠のTさんとお友達でした。1年ぶりの再開に、あれこれお話をさせて頂きました。なんでも、一つ上流側のポイントで48pを釣られた様です。でも、目の前のポイントはお二人に譲りました。
しかし、どうやら話をしているうちに気温が下がってきたのか、なにやら冷たい風が吹き始めました。先ほどまで小さな虫が飛び交っていたのが、いつの間にやら見えなくなっています。案の定、折角お二人に釣り場を譲ったにもかかわらず、反応が全くありません。その後、私は、上流側の倒木のポイントへ移動して釣りましたが、流れの中は無反応で、前日に釣った根の横のゆるい巻き返しで、尺までのおチビちゃんが2尾釣れただけで、反応はさっぱりでした。更に上流側のポイントでも釣ってみましたが全く反応無し。その後、師匠を追い掛けてみましたが、やはり僅かにおチビちゃんが釣れただけで、サッパリだったとのこと。
2日ほど前から道東南岸に寒気を伴なう低気圧がほとんど停滞していて、長雨を降らせています。低気圧は渦を巻きながら、北の冷たい空気と南の暖かい空気を吸い込み続けていて、その渦のちょっとした動き具合で、妙に暖かい時間帯と、急に冷たい風が吹いて寒くなったりする時間帯ができる様です。それも、一瞬で空気が入れ替わります。3日前も午後から同じ様な冷たい風が吹き、おチビちゃんが1尾だけ、という日がありました。早くこの寒冷渦がどこかへ行ってくれないと、ロクな釣果は望めそうもありません。しかし、それにしても、この時期の冷たい風は、本当に天敵ですね。 【使用タックル】 ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、GrandMaxFx2.0号、プリンスニンフTMC3761#8/TMC102Y#9、クロカワ虫フライTMC3761#8、他 【11月5日(金)】 5日間も続いた寒波と長雨が、ようやくこの日で終わりそうな予報となっていて、前日までよりは期待していつもの定点観測地点へ向かいました。ただ、前日は時合いが予想よりも早く訪れて、すぐに釣れなくなったため、この日は少しだけ早めの10時ころから出漁しました。ところが、現場に到着すると、なにやら冷たい風が吹いていて、嫌な予感がしました。案の定、最初のポイントではおチビちゃんすら相手にしてくれません。それでも、通すラインを変えながら粘って50回ほどもニンフを流しましたが、30分以上も全くの無反応でした。
次に倒木のポイントへ移動して釣り始めましたが、これまた全く反応がありません。どうやらこの日は気温が低く、時合いが予想よりかなり遅くなりそうな気配。仕方なく、このポイントの前でボケーっと休憩に・・・そのうちウトウトと半分寝てしまい、うっかり渓水に落ちそうになり、焦りました。1時間ほども待った頃、ふと倒木の前を見ると、何匹かの小さな虫が飛んでいるのが見えます。すわ戦闘開始です。すると、前日にも釣った倒木の根の横の緩い流れで、まずは35cmがヒット。写真を撮ったりして間を明けてから釣ると、同じポイントでまた魚信が出て、下写真の41pがヒットしてきました。気が付けば、早朝の寒さは無く、ほんのりと暖かくなっていました。
そして、時合いが到来したと判断し、最初に釣ったポイントへ急いで戻りました。2時間ほど前に50回ほども筋を変えてニンフを流しまくった同じポイントですが、アウトリガーで釣り始めると、なんと3投目で極小さな魚信が出て、合わせるといきなり大物が暴れ始めました。ドラグを唸らせながら下流側へ30mほども走られましたが、このポイントは障害物も無く広々としていて、やがて降参してくれたニジマス君は、この渓で今年2尾目の50p超えの大物でした。今年は猛暑で8月以降、ロクな釣果が見られていませんでしたが、ようやく釣況が戻って来た様です。翌日は阿寒湖でボート釣りを予定しており、早めの2時頃には納竿し移動しました。
【使用タックル】 ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、GrandMaxFx2.0号、プリンスニンフTMC3761#8/TMC102Y#9、他 【11月6日(土)】 この日は1週間ぶりに、またまた阿寒湖でボートフィッシングを楽しみました。長く続いていた寒波と長雨は前日には終了したはずでしたが、この日もなぜか朝から異様に寒く、冷たい風で釣れそうにもありません。晴れの予報に反して、朝からどんよりと厚い雲に覆われていました。9時過ぎに出漁しましたが、案の定、11時ころまで全く反応が無く、しかも、防寒着を来ているのにも関わらず、寒くてブルブルと震える寒さでした。前週はウグイとアメマスを避けるため、少し沖合を時速7q程度の高速でトローリングをして、大型のニジマスを釣っていましたので、この日も同じく沖合の高速トローリングに徹しました。
しかし、最初に釣れてきたのはやはりアメマスで、しかも産卵後の黒く細いイワナでした。その後は、岸からかなり離れた水深が20m以上もある様な場所をトローリングしましたが、それでも平気でアメマスが次々と喰い付いてきます。一体、どこからアメマスたちはやってくるのでしょうか、不思議でした。恐らく、かなり遠くからミノーの光を見つけ、追い掛けてきて喰っているのではないかと想像できました。というのは、寒いと言っても前日よりは幾分暖かく、寒波が明けたばかりのため、恐らくアメマスの活性が非常に高い状態になっていたのではないかと思われたからです。ただ、曇っていて、こういう日はニジマスの活性は上がってくれません。
この日は一つだけ珍しい釣果がありました。阿寒湖名物は黄金色のアメマスですが、1尾だけ赤銅色の非常に綺麗なアメマスがヒットしてきた事です。勿論、金アメマスやごく普通の銀色のアメマスも釣れましたので、この日は金・銀・銅の3色揃いぶみになったと言う訳です。そして、12時半ころ、ほんの一瞬だけ太陽が出て、ふわっと暖かくなった時間帯があり、その一瞬に、この日唯一のニジマス40pがヒット。他は全てアメマスばかりで、51pが3尾、40p台13尾、40p以下8尾の合計24尾と、6月ころの阿寒湖を彷彿とさせる釣果となりました。疲れました。
【使用タックル】 SHIMANO_CarddiffN/S83ML、VanquishC3000、SunlineCastawayPE30lb(2号)+NanodaxShockLeader17.5lb、Sukari60deep/銀黒SBL改、Ryuki70S/赤腹ヤマメSBL改、他 【11月7日(日)】 この日は阿寒湖から大きく移動して、再び十勝へ舞い戻りました。ただ、日曜とあっていつものニジマスの渓は釣り人で一杯だろうと敬遠し、少し前に地元の人から教えて頂いたニジマスが釣れるという別の渓を見に行ってみました。ただ、魚影はそれほどでもなく、虫が沢山飛び交っている時間帯にも関わらず、おチビちゃんが1尾だけの釣果でした。平地を流れる渓ですが、不思議にも非常に水量が多く、調べてみるとどうやら湧水の河川の様で、源流部は釧路のブルックの釣れる湧水の渓とそっくりでした。夏でも水温が低そうで、大ニジマスも釣れる様です。
そして、午後は更別にある管釣り「更別ファミリーパーク」へ3ヶ月ぶりに行ってみました。こちらも日曜とあって、お客さんが沢山釣りを楽しんでいました。この日は午後からのため、4時間券で1800円と格安中の格安でした。この管釣りのC&R池では、他のお客さんを殆ど見た事が無く、大抵は私一人だけの貸切状態です。そのため魚がスレておらず、活性の高い日はいろんなフライで簡単に釣れてしまいます。この日もKフライに良く反応してくれ、たった2時間ほどで75pまでのドナルドソンが6尾ほど釣れました。ただ、巨大な魚ばかりのため、1尾掛けると取り込みに結構な時間がかかり、いつもの事ですが腕が痛くなってきて15時ころには納竿しました。
【使用タックル】 ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、GrandMaxFx2.0号、プリンスニンフTMC3761#8/TMC102Y#9、他 3000円の#5/6中古フライロッド、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard1X9F、GrandMaxFX1.75号、Kフライ、他 【11月8日(月)】 この日は午前中に十勝から日高まで大きく移動しました。日高に到着したのはお昼ころでしたが、午後から新ひだかのブラウンの渓に入渓してみました。日高は道東と比べると気温が少しだけ高い様で、紅葉がまだ終わっておらず、山肌は赤や黄色の美しい景色が広がっていました。まず最初に入渓したポイントは、ダム下の流れと支流がぶつかる超有名ポイントで、恐らく朝から何人もの釣り人が入っているに違いない場所でした。ただ、私の様な複雑な釣り方をする釣り人は殆どいないため、それでもいつも何尾かの獲物を得ています。
この日も、太い流れの対岸ギリギリにミノーを投入し、少し沈めてからチョンチョンと誘い、ゆっくりとリーリングすることを、上流側から下流側まで繰り返しました。ただ、喰い気のある魚はほとんどおらず、上写真の小さなブラウンと35cmほどのアメマスがヒットしただけでした。次に入渓したのは、必ずチビブラウンが釣れるが、大物は釣れた事の無いお手軽釣り場。こちらでは予定通りにチビブラウンが2尾と、なぜかチビニジマスが1尾ヒットしてきました。温暖化の影響か、この地でも少しづつニジマスが蔓延り始めている様です。
【使用タックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE25lb(1.5号)+NanodaxShockLeader17.5lb、Eden50H/ヤマメ(赤腹改)、Sukari50SS/イブキ/緑、他 【11月9日(火)】 この日は、知合いの牧場2ヶ所に寄り道をしながら、更に南下しました。そして、途中、何軒かの管理釣り場に寄り道をしながら、数日をかけて帰京となります。しかしながら、道内での自然河川の釣りは、前日の新ひだかの渓が最後となるため、今シーズンの北海道釣行日誌を、この日で終えたいと思います。6月末から実に4ヶ月半にも渡る長い釣行日誌を、最後までお読み頂き、ありがとうございました。また来年も、健康が許せば、この北海道の地を間違い無く訪れたいと考えています。皆さまには長い間お付き合い頂きまして、心よりお礼申し上げます。
【使用タックル】 ありません。 |