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ミニオフレポート

北海道釣行日誌2021(5)(8月11日〜20日)


台風崩れの低気圧の通過後、北海道は突然、秋風の吹く季節になりました。9・10日の両日に待望のまとまった雨が降り、山や渓は1ヶ月ぶりに潤ってくれました。降雨量の割には渓の濁りはそれほどでも無く、水温の低下とあいまって、渓流の釣りにはむしろ好条件となってくれた様です。今年は海水温が異常に高く、遅れていた鮭鱒類の産卵遡上も、この雨を契機に本格化してくれそうです。1ヶ月近い猛暑の季節はようやく終焉を迎え、間もなく秋の釣り本番が始まります。(下写真は、夏の十勝のニジマスの渓)

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【8月11日(水)】

8日午後から10日朝にかけ、台風9号崩れの低気圧が道内を通過し、十勝でも100mm前後の大雨が降りました。通常であれば渓は泥濁りになり、暫くの間、釣りは不可能になるものですが、朝9時ころに渓の様子を見に行くと、なぜか濁りはそれほどでもなく、透明度は1m近くありそうな状況でした。十勝では7月中旬以降、ほとんど雨が降らず、地面がカラカラに乾いていたため、雨は地面に大量に吸収されてしまい、思ったほどの濁りにはならなかったのでは無いかと考えられました。本当は様子見だけのつもりでしたが、そんな状況を見てしまうと竿を出さざるを得ないものです。

大雨の直後で流石に釣り人は見えない近づくのも怖い様な激流だった結局、この日も34cm止まりだった

急いでいつものお気に入りのポイントへ行くと、釣り人は誰もおらず、貸切状態でした。しかし、橋の上から見たのとは違い、実際に渓に近づいてみると、写真上中央の様な近づくのも恐ろしい程のとんでもない激流で、ほとんど釣りになりませんでした。仕方なく、脇や下流部の緩い流れを探してフライを流す作戦に変更。しかし、まだ濁りが強すぎるのか、幾らフライを流してもおチビちゃんばかりで、大物は出て来てはくれませんでした。結局、この日の釣果は34cm止まりの11尾ほど。やはり、夏の渓流のニジマスは難しいですね。連休だったり大雨の直後だったりと、正直、条件は余り良く無い状況が続いていますが、これで遂に3連敗です。最悪です。

【使用タックル】
ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、NanodaxShockLeader12.5lb、ビーズヘッド付オリーブ・ウーリーバガーTMC3761#8、プリンスニンフTMC3761#8、他

【8月12日(木)】

雨後2日目で、水量も濁りもちょうど良さそうな具合になったと思ったら、お盆に入った事もあって、十勝のニジマスの渓は釣り人で溢れていました。この日もお気に入りのポイントへ向かいましたが、既に車が一台停まっていて、入渓点には真新しい濡れた足跡がクッキリ。他のポイントも同じ状況だろうし、諦めてそのまま入渓しました。アウトリガーで釣る人は少ないため、餌釣り師以外であれば、人の釣った後でも案外釣れるので、気にしません。しかし、釣り始めてガックリきました。まるで反応が無いのです。極たまにおチビちゃんがヒットしてくるだけでした。

お盆に入った途端、釣り人だらけにこの日もせいぜい尺止まりなぜか尺近いヤマメ?も釣れた

すぐに上流から釣り人がやってきたので話を聞くと、やはり全く反応が無いらしい。実は前日から十勝には低温注意報が出ていて、最高気温も20℃以下でした。4日前までは30℃超えの猛暑が続いていましたが、余りにも急激に気温が下がったため、体が付いて行けず、私自身、体調がイマイチでした。いつも不思議に思うのですが、気温が上がって上着を脱ぎたくなる瞬間に時合いがやってきたり、暑くてフラフラの日は魚も活性が落ちたりと、我々人間サマの気持ちがお魚さんたちにも判るが如くです。低温注意報が出るほどの気温急低下は、やはりお魚さんたちの活性を落としてしまうのでしょうか。と言うことで、14時には納竿し、移動に当てました。

【使用タックル】
ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、NanodaxShockLeader12.5lb、プリンスニンフTMC3761#8、他

【8月14日(土)】

この日は2週間ちょっとぶりに山形渓遊会の朝日さんと合流し、別海町のキャンプ場でのんびりしました。昼の間は根室まで出かけ、花咲ガニを買いに行きました。しかし、温暖化のせいか、花咲ガニは今年、最大の不漁だそうで、大きいカニは一杯5000円近い高値が付いていました。とても手が出ませんので仕方なく、小ぶりの安い花咲ガニを買ってキャンプ場に戻り、二人で楽しみました。なおこの日も季節外れの低温が続いており、日が落ちると気温は10℃以下となり、こんなお天気の日は、釣りをしても何も釣れなかったでしょう。

お盆で釣りにならず別海のキャンプ場へ渓遊会の朝日さんと合流、乾杯北海道へ来て3回目の豪華宴会

【使用タックル】
ありません

【8月15日(日)】

この日は午後から渓遊会の朝日さんと、超有名なブルックトラウトの釣れる湧水の渓へ繰り出してみました。3年ほど前まではルアーで小イワナが好きなだけ釣れたものですが、最近は節操の無い餌釣り師が、小さなイワナまで釣っては持ち帰っているらしいとのウワサが聞こえて来ていて、実際、めっきりと釣れなくなっています。それでもエサ釣りならなんとかなるだろうと、朝日さんにエサ釣りで試してもらいました。一方、私は小さなミノーともう一つ、ルアーロッドにアウトリガーニンフの仕掛けを付けて釣ってみました。

ブルックの釣れる渓へ朝日さんと意外にもクロカワ虫などが大量に小物ばかりだが調子よく釣る朝日さん

朝日さんはエサ釣りですが、暫く釣りをしていないためエサがありません。仕方なく渓で川虫を探してみましたが、驚いた事にこの渓はクロカワ虫やピンチョロが実に沢山取れることが判りました。恐らく、湧水の渓のために水温が安定していて、川虫の棲息には適しているのでしょう。以前は小さなイワナやブルックが大量に釣れたものですが、この豊富な川虫が渓魚を育てていたと言うことだったと理解しました。ただ、釣り始めてガッカリしたのは、エサ釣りの朝日さんですら、思ったほどは魚が釣れなかった事です。3時間ほどの釣りでしたが、朝日さんに12尾ほど、私にはルアーで3尾、ニンフで3尾ほど釣れただけでした。

このくらいのサイズが最大ルアー竿にフライで釣ってみた私はルアーとフライで6尾ほど

【使用タックル】
ShimanoCarddiffNX/S72L、VanfordC3000HG、SunlineCastawayPE25lb(1.5号)+NanodaxShockLeader17.5lb、
Ryuki45S/赤腹ヤマメ、プリンスニンフTMC3761#8+4B錘、他

【8月17日(火)】

前日の16日は別海から大きく十勝まで4時間の移動で、釣りはありませんでした。この日はかねてよりの朝日さんのご希望で、十勝のニジマスの渓を案内することに。午前中は朝日さんのテントを設営したりして過ごしましたが、午後13時から3時間ほどだけですが、二人でニジマス釣りをして楽しみました。朝日さんはエサ釣りですが、ニジマスを専門に狙ったことは殆ど無い様で、竿もラインも鉤も、源流のイワナ釣りのタックルそのままで釣っていました。そのため、それほど大きくも無いニジマスを掛けては、何度かラインを切られたりしていました。

朝日さんをお気に入りのポイントへフライでもエサ釣りには敵いませんニジマス38cmと格闘する朝日さん

この日のハイライトは何といってもいつもの私のお気に入りの倒木のポイントであり、ここでは朝日さんに最大38cmまでのニジマスが10尾近くヒットしていました。ただ、ニジマスの38cmはイワナ釣りのタックルでは力不足であり、なんとか私がタモで掬い上げる事ができましたが、ほとんどタックルの限界でした。より大物を釣るためには、硬調のもっと太い竿でないとエサ釣りでは到底敵わないのでは無いかと考えられました。それにしてもなんですね、私がフライで1尾釣る間に、朝日さんのエサ竿には3〜4尾のニジマスが喰い付いてました。フライを以てしても、エサには全く敵いませんね。

この日の最大は朝日さんの38cmニジマス38cmと満面の笑みの朝日さん私の釣果は尺足らずまで

【使用タックル】
ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、NanodaxShockLeader12.5lb、プリンスニンフTMC102Y#9、他

【8月19日(木)】

18日は前線の通過に伴ない、終日、雨の続く日でした。そのため、朝日さんと買い物などで1日を過ごしました。翌日のこの日は朝からとても良いお天気となり、前日の雨も20o程度で濁りも殆ど出ず、11時ころから十勝のニジマスの渓で再び釣りを楽しみました。一昨日は朝日さんの餌釣りで釣り竿が細く柔らかすぎたため、この日は私の持っていた磯釣り用3号5.3mの磯竿を使ってのエサ釣りとなりました。ただ、朝日さんは磯竿の経験が無かったため、穂先にラインを絡めたりと、最初のうちはトラブル続きでした。

まずは前々日に入渓したポイントへ朝日さんに35cmのニジマスがヒットお気に入りのポイントを釣る朝日さん
どじょうを呑み込んでいたニジマスどじょうでニジマスを狙う朝日さんどじょうで33cmほどが釣れた

そのうち、私の釣った35cmほどのニジマスの口からどじょうが出てくるのを見て、途中からはどじょうを網で捕まえ餌にして釣っていました。ただ、どじょうが大きすぎて、チビニジマスが突くだけでヒットしません。それでも、粘りに粘って、遂に33cmほどのニジマスをどじょうで釣り上げることに成功し、朝日さんは大喜びでした。ただ、この日は2日前と違って、エサ釣りよりも私のフライフィッシングの方が遥かに反応が良く、私の釣果は36,35,34cmなど全部で24尾でした。一方で朝日さんは35cmを筆頭に、十数尾の釣果でした。エサ釣りよりフライの方が良く釣れる日があるんですね、驚きでした。

夕方は少し上流のポイントへ入渓朝日さんの最大は35cmほど私の最大は36cm、全部で24尾

【使用タックル】
ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、NanodaxShockLeader12.5lb、プリンスニンフTMC102Y#9、他

【8月20日(金)】

この日は早朝に渓遊会の朝日さんとお別れし、午前中だけ単独で十勝のニジマスの渓で遊びました。そして、午後は道東のカルデラ湖まで大きく移動し、翌日のボートフィシングに備えました。この日は朝から雲一つ無い快晴で、気温も午前中からグングン上昇し、帯広では久しぶりに29℃を記録した様です。釣り場へは10時過ぎに到着し、まずはいつもの様にプリンスニンフで釣り始めました。写真中央の大岩の下流部の緩い流れの部分に大物が定位している事が多いため、少し上流側にアウトリガーでニンフを投入。すると1投目ですぐに魚信が出て、大きく合わせると下右写真の39cmがヒットしてきました。

快晴の青空の下、単独でニジマスの渓へ大岩の下流に大物が定位しているプリンスニンフに来たニジマス39cm

真夏のニジマスはとても難しいもので、このところ、十勝では大型のニジマスが釣れていません。この日は単独で釣った事と、快晴で水温が急上昇していたタイミングにうまく合わせられたであろう事で、なんとか40cm近いニジマスがヒットしてくれたものと考えています。しかし、このニジマス君、何度測っても39cmちょっとしか有りません。その後はおチビちゃんが何尾かヒットしたものの、大型は皆無でした。1尾目に泣き40cmでしたが、まぁ、この真夏の条件下ではこの程度が限界なんだろうと、無理やり満足して、今回の十勝のニジマスを終えることにしました。午後は移動中、鶴居村から見た雄阿寒岳のシルエットが、とても美しく快晴の青空に映えていました。

鶴居村から見た雄阿寒岳 久しぶりの快晴の空に、シルエットが美しい

【使用タックル】
ShimanoBrookstone906、NoBrand1850円WF-6Fライン、EchoIonFlyReel4/5、TiemcoStandard0X9F、NanodaxShockLeader12.5lb、プリンスニンフTMC102Y#9、他