東京では緊急事態宣言が発令されていますが、私は前段階の蔓延防止措置発令以前の4月初に下越入りし、主にキャンピングカーでそのまま現地に滞在し続けています。そして、感染対策を行いながら、釣りなどの活動を続けています。今シーズンのダム湖の釣りを本格的にスタートさせましたが、釣り続けるにつれ、今年のダム湖はなんだか少し変です。なぜかどこのダム湖も釣果が芳しくないのです。天候不順の影響の可能性もありますが、理由は良く判りません。それでも、とあるダム湖で奇跡的に大イワナがヒットしてくれ、アメマスを除くイワナの自己記録を更新することができました。 【4月16日(金)】 東京では4月9日に新型コロナ感染症に関する蔓延防止措置が検討され始め、12日より適応されました。その後、大阪地区で感染拡大が続くにつれ、4月23日に東京でも緊急事態宣言が発令されました。ところが私はそのような事になるとは思わないまま、4月8日に下越入りしています。当初は2週間程度の間隔で帰京を繰り返す予定でしたが、県を跨ぐ移動の自粛が問われていることもあり、主にキャンピングカー使って、当面は下越に滞在し続けることとしました。高齢の私にとっては、人口の少ない地域で釣りなどを楽しむことは、人との接触を避けると同時に、免疫を上げる事にもなり、感染対策としてはもってこいなのです。
さて、数日に1回程度の割合でボートを使ったイワナ釣りを続けていますが、今年のダム湖は少々変です。とにかく魚影が薄く、数も型もイマイチなのです。この日入渓したダム湖は前回訪れたと同じ釣り場でした。しかし、朝9時過ぎから釣り始め、15時ころまで頑張りましたが、私に39cmまで3尾、もっくんにも30cmまで3尾しか釣果が無く、このダム湖でこの釣果は恐らく過去最低でした。GWまでのこの時期は未だ水温も低く、雪代で多少の濁りが入っていることもあり、快晴の暖かい日の昼間に良く釣れるものです。この日も朝から快晴の暖かい日でしたが、はて、理由が判りません。 【4月23日(金)】
快晴の良いお天気を選んで、この日も前回と同じダム湖にもっくんと2人で入渓してみました。しかし、朝からハンドトローリングで7時間ほども頑張りましたが、釣れたのは小物ばかりで、私に5尾、もっくんには2尾だけでした。この日はインレットにも入渓してキャスティングを試みていますが、渓水はジンクリアで雪代がほぼ出ていない状況であり、魚影は全く見られませんでした。この日も気温は比較的高く、渓水も入渓時には6℃以上あり、これまでのこのダム湖での状況を考えると、条件的にはむしろ最高の状況でした。結局、このダム湖にはこの日まで4回入渓しましたが、良型は2回目のもっくんの41cmだけで、他は小物ばかり。しかも数もかなり少な目でした。
【4月27日(火)】 この日は2つ目のダム湖への林道が開放され、今年まだ誰も釣っていないダム湖を釣る事ができました。ただ、このダム湖は規模が小さく、これまでも大型のイワナはそれほど多くは釣れていません。余り期待もせず、もっくんと2人で入渓してみました。そして、8時半ころ出航し、ハンドトローリングを開始すると、すぐにもっくんに38cmの中型がヒット。その後も30分ほどの間隔で私ともっくんに中型のイワナがヒットしてきました。10時前になり、ダム湖の中央部のちょっとした岬の先端部の沖で、もっくんに強い魚信が出て、下写真の45cmがヒットしてきました。このダム湖ではこのサイズは最大級であり、予想外の釣果に大喜びでした。
その後ももっくんと私にポツリポツリと魚信が出て、中型が釣れ続けてはくれました。しかし、型は全て30cm台の中型ばかりです。この日、私はすでに今年5回目のダム湖入渓でしたが、未だに40cmを超える大物は1尾も釣れていません。実は下越のダム湖の釣りで、これほどまでに大物が釣れない事は一度もありませんでした。最低の貧果を更新し続けていて、ここは何としても大物を釣りたいところです。しかし、時間切れの15時を過ぎても、私には中型ばかり7尾と、数こそ上がってはくれたものの、良型は音沙汰がありません。焦りました。
そこで、もう時間切れギリギリになり、一つの方法を試みてみることにしました。このダム湖には水深5〜8mほどの比較的浅い場所に広い棚田の跡が広がっていて、過去にこの棚の底で糸ミミズなどを漁っているイワナが何度も釣れていたのを思い出しました。もっくんには何も言わずにその棚の上へ移動し、Sukari60Deepで超スローのハンドトローリングを行ってみる事にしたのです。すると、釣り始めてすぐの16時ころ、水深6mほどの場所で、下写真の42cmがヒット。その後も5分置きに34cm、36cmがヒット。結局、2人に大物1尾づつと合計14尾の、まずまずの釣果となってくれました。それにしても、この42cmは実に会心の1尾でした。
【4月30日(金)】 GWを迎えると、なぜか日本海側は連日の雨でした。前日の29日に、今度は3つ目の、最も大物の期待できる大きなダム湖への林道が開放されましたが、あいにくの大雨で誰も釣り人は入っていませんでした。そして翌日のこの日、私ともっくんで、今年まだ誰も釣っていないダム湖をまた釣る事ができたと言う訳です。例年であれば首都圏からボートを携えた釣り人が数人やってくるのですが、この大雨と緊急事態宣言で、入渓者がいなかった様です。ただ、この日は気温が低く、曇天で時折雨のパラつく様な、この時期にしては最悪の天候でした。しかし、今年釣果に恵まれていない私たちには、お天気を待っているほどの余裕はありません。
8時過ぎに出航し、例年ハンドトローリングで良く釣れている区間をいつも通りに攻めてみましたが、やはり気温が低く、当初は水棲昆虫のハッチも全く見られず、まるで反応がありません。それでも10時半ころになって、インレットから400mほども下流の何でも無い場所までやって来た時、いきなりもっくんの竿が大きく曲がり、46cmがヒットしてきました。水温が上がり、虫が飛び交う様になった直後であり、絵に書いた様な時合いの到来でした。こりゃイケるかなと思ったのですが、しかし、なぜかあとが続きません。そのままインレット下流部200mほどに有る、これまで最も大物の良く釣れているスーパーポイントと呼んでいる場所に到着してしまいました。
スーパーポイントでは、岸辺にボートを固定して、キャスティングで大物を狙うのがこのダム湖の常です。この日ももっくんと交互にキャスティングを繰り返しましたが、はて、反応がまるでありません。実はこの日のこのダム湖は例年に無い超満水で、いつもより水深が2m以上も深くなっていたのが釣れない原因ではないかと考えられました。そこでSukariを諦め、めったに使わない31gもあるジグスプーンを繰り出してみたのです。これが正解で、水深6mほどの湖底でスプーンをユルユルと泳がせていると、流心の真下付近でガツンと魚信が出て、下写真の55cmがヒットしてきました。
実はこの55cmですが、アメマスを除くイワナの自己記録を更新するサイズでした。思わぬ超大物に大喜びでしたが、しかし、この日はその後も反応がほとんど無く、私の釣果はなんとこの55cmの1尾だけ。夕方15時過ぎになって、もっくんが41cmと37pの2尾を追加しましたが、結局、2人で全部で4尾だけという、これまでこのダム湖で経験した事の無い超貧果でした。これほどまでに釣れないこのダム湖で、なぜ記録更新サイズの大物が1尾だけヒットしてきたのか・・・これはもう奇跡としか思えません。よくも釣れてくれました。正に奇跡の大イワナでした。
【5月1日(土)】 貧果ではありましたが、奇跡の大イワナに誘われる様に、翌日も同じダム湖へと繰り出しています。ただ、この日も気温は低く、ときおり雨のパラつく日でした。しかも午後からは強風が吹き荒れ、まともな釣りはほとんど出来ませんでした。それでも、もっくんが10時ころに前日とほぼ同じポイントで、同じ様にハンドトローリングで43pをヒット。もっくんの執念の1尾でした。しかし、私はと言うと12時過ぎに34cmと33cmの2尾を釣り上げただけで、この日も大物はおろか、尾数も最低でした。
しかしそれにしても、今年のダム湖は一体どうなっているんでしょう。3つのダム湖のうち1つはなんとか例年並みではありますが、残りの2つは尾数が極端に少なく、大型もあまり釣れていません。この日のダム湖に関しては、2日とも気温が低く雨模様であったのが貧果の原因である可能性は残っていますが、それにしてもこの状況には納得がいきません。北海道でも東北でもそうですが、温暖化による季節外れの豪雨や渇水、カワウの進出などにより、渓魚がどんどん少なく、また小型化しているのは間違いありません。ただ、これほどまでに早く影響が出るものなのでしょうか。今後の釣果が心配でなりません。
【今回使用のタックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE30lb+Nanodax12.5lb、Sukari60DeepOB鮎 AdrowaProvia31g黒金/20gチャート金、Pintail20g赤金、他 |