2020年の記録

2020 Seazon's Trophies


皆さんにとって、2020年はどの様なシーズンでしたでしょうか。思い出に残るシーズンになったでしょうか。それとも、あまり良いシーズンではなかったのでしょうか。毎年、禁漁に入った時期に、そのシーズン全体を振り返ることを恒例にしています。さて、今年はどの様なシーズンだったのでしょうか?
(注:本レポートは新潟県下越地方、及び北海道の釣りを想定しており、気候や水量等の状況は他府県と異なる可能性があります。)




波乱の2020年

2020年のシーズンは、コロナ禍に始まりコロナ禍に終わりました。4月初には緊急事態宣言が発令され、移動の自粛により釣りに行くことそのものがはばかれる状態が5月末ころまで続きました。6月以降は移動自粛が解除されましたが、北海道など遠方への釣り客は、例年より大幅に少ない状態が続きました。もっとも、渓流釣りという行為は人との接触の殆ど無い、言わば感染対策そのものの様なものであり、近場への釣りは、キャンプなどとともに静かな流行になっていた様です。北海道でも6〜8月は道外からの釣り人が激減していましたが、代わりに道内の釣り人で賑わいました。


飯豊玉川から残雪の飯豊梅花皮岳を望む   山形県小国町(4月8日)

一方で、今年も12〜1月の降雪がとても少なく、しかも1〜3月の気温が非常に高く推移したため、平地での大渇水と2週間以上も早い季節の中での釣りシーズンの開幕となりました。東北地方では4月以降に降雨が多くなり、その後の渇水は免れた様ですが、北海道の道東地方ではその後も少ない降雨が続き、渇水状態は9月まで続きました。しかも、今夏の北海道は霧雨ばかりの非常に長い蝦夷梅雨が続き、7月から9月まで、晴れる日がほとんど無い状態が続きました。そのため、日差しが殆ど無いにも関わらず、道東の渓流では延々と渇水状態が続き、淡水の釣りには辛いシーズンになりました。

こういった気候も温暖化の影響を否定できませんが、これは確実に渓魚たちの行動にも影響している様です。道東のアメマスの渓ではますます渓魚の数が減り、十勝や多くの大ニジマスで有名だった渓では小型化が進み、ウグイが増えた様に思えます。また、道南・道央のブラウンの渓でも渓魚の小型化に歯止めがかかりません。渓魚たちは僅かな気候の変化にも、実に正直に反応してしまう生き物なのです。あと何年、北海道の釣りが楽しめるのか、心配でなりません。

南東北(肘折・大井沢・小国・下関・津川・守門)の平均気温との差(℃)、平均降水量との比(%)

道東(帯広・糠平・白糠・川湯・中標津・根室)の平均気温との差(℃)、平均降水量との比(%)

私の2020年

私自身も今シーズンはコロナ禍に振り回されました。例年、4月から6月初は新潟のダム湖で釣りを楽しんでいますが、コロナ禍のため林道が開放されず、一部のダム湖へ入れませんでした。そのため、初春の釣り場が限られてしまい、思った様なダム湖の釣りは殆どできませんでした。また、ここ数年は6〜7月と9〜10月の2回の北海道釣行を行っていましたが、今シーズンはコロナの感染を避けるため、6月初から10月末まで、実に5ヶ月間もの長期間を北海道で過ごす事になりました。しかし、8月の北海道は新しい発見がありました。これまで夏の北海道は水温上昇と渇水で釣りにならないと思い込んでいましたが、実際には8月でも大型の渓魚が沢山釣れることが判りました。


白鳥の舞う、紅葉のカルデラ湖   北海道釧路支庁(10月21日)

最後に、今シーズンも沢山の楽しい思い出をプレゼントして頂いた、山形渓遊会、釣り仲間の皆さん、下越や北海道でお会いした釣り人の皆さまに、またFaceBookなどSNSにてお付き合い頂いた皆さまに、この場を借りてお礼を申し上げます。お付き合い頂いた皆さま、本当にありがとうございました。
2020年11月30日 K++(片山 浩)


2020年の大物記録

今年もますますボートフィッシングの割合が増えました。また、今年は遂に、山形県など、新潟県・北海道以外での釣行は皆無になりました。加齢とともに行動範囲が狭くなってきていますが、一方で、北海道の渓流では、数十年ぶりにフライフィッシングを再開しました。十勝の1本の渓で釣り人が激増し、ルアーではほとんど釣れなくなってしまったためです。行動範囲とは逆に釣行日数はここ数年増加し続けていて、今年は113日と10年前のほぼ倍になっています。コロナ禍で5月の釣行はゼロになりましたが、反面、6月から10月まで5ヶ月間の北海道滞在で釣行日数が増えました。

釣行日数の増加は確実に釣果に寄与している様です。渓流・海で50cmを超える大物は、アメマス70cmを含む3尾、ニジマス54cmを含む3尾に加え、記録更新サイズのブラウントラウト51cmを釣り上げる事ができました。また、ボートフィシングでは、湖アメマス80cm、湖イトウ74cmと記録を大幅に更新できました。ただ、本州でのイワナは、一部のダム湖に入渓することが出来なかったことが響き、残念ながら50cmを超える大物は見られませんでした。そして全体として、50cm以上の大物は、ニジマス昨年14尾→今年20尾、アメマス18→31尾、イトウ2→4尾、ブラウン1尾、湖サクラマス1尾、と過去最高の大漁でした。なお、釣魚は全て生きたままリリースしています。

イワナの最大の釣果:49cm、4月25日、新潟県、晴れ、透明度高い、Sukari60DeepOB鮎
Report:ありません
新型コロナの緊急事態宣言発令のため、Webサイトでのレポート掲載を中止した後に釣れた大物。

アメマスの最大の釣果:80cm、8月5日、釧路支庁、曇り、透明度非常に高い、TrollingPepper100#056
Report:北海道釣行日誌2020(7)
イワナ属の自己記録を大幅に更新するサイズ。真夏のカルデラ湖のレイクトローリングによる釣果。金アメマス。
今年は、渓でも70cm(日高支庁、8月9日)まで、海でも62cm(釧路支庁、6月7日)まで釣れている。

湖サクラマスの最大の釣果:51cm、7月17日、釧路支庁、晴れ、透明度非常に高い、TrollingPepper100#056
Report:北海道釣行日誌2020(5)
初夏のカルデラ湖でのレイクトローリングによる釣果。今年はこの湖では、中型のサクラマスが多く釣れた。

ニジマスの最大の釣果:59cm、10月21日、釧路支庁、快晴、透明度非常に高い、Sukari60deepOB鮎
Report:北海道釣行日誌2020(15)
今年のカルデラ湖では、60cm超えは出なかった。ニジマスの数・大きさともに減少している様に思えた。
今年は渓でも、フライで54cm(十勝支庁、9月7日)まで、ルアーで52cm(十勝支庁、6月23日)まで釣れている。

ブラウントラウトの最大の釣果:51cm、8月14日、日高支庁、曇り、透明度高い、Sukari60deepイブキ
Report:北海道釣行日誌2020(8)
ブラウンは真剣に釣ったことが少なく、この大きさでも自己記録を更新するサイズ。

イトウの最大の釣果:74cm、10月27日、釧路支庁、晴れ、透明度非常に高い、Sukari60deepOB鮎
Report:北海道釣行日誌2020(15)
この湖ではこれまで最大のサイズ。この湖には数年前にイトウの稚魚が放流されたらしく、年々大型化している。

オショロコマ:25cm、7月21日
北海道釣行日誌2020(6)
今年は渇水気味で大型が出なかった
ブルックトラウト:22cm、8月18日
北海道釣行日誌2020(8)
ブルックは年々釣れなくなっている
ヒメマス(チップ):35cm、10月24日
北海道釣行日誌2020(15)
チップの数は例年通りの様だった

ヤマメ:小物のみ、10月12日
北海道釣行日誌2020(14)
今年は遂に尺ヤマメが釣れなかった
遡上サクラマス:55p、8月25日
北海道釣行日誌2020(9)
今年はサクラマスが大豊漁だった
シロザケ:75cm、9月9日
北海道釣行日誌2020(10)
昨年よりは漁獲が回復した様だ

2020年の釣果記録(抜粋) 単位:尾・cm、管理釣り場及び放流C&R区間を除く