北海道に来て2ヶ月半になりました。猛暑の夏も終わりに近づき、サケやアメマスたちはそろそろ産卵の準備に入っている様です。今年は長い蝦夷梅雨の影響で日照が少なかったのですが、その割には暑い日が多い夏でした。湖の表層水温は9月中旬ころまでは20℃を下回りませんが、渓の水温は気温とともに下がり始めていて、残暑次第ではありますが、そろそろ秋の渓流釣りのシーズンが始まろうとしています。引き続き、細かな予定は一切立てず、体調と相談しながら、自由きままに釣り歩いて行きたいと考えています。今回も、その日に起きた様々な出来事を、写真と文章で日誌形式で綴って行きます。(下写真は、ミニオフを楽しんだ巨大カルデラ湖) 【8月21日(金)】 この日も風の無い晴れの予報となり、カルデラ湖のボート釣りを試みました。この日は、なぜこの湖でニジマスが釣れないかを探ってみようと、あれこれ釣り方や釣り場を変えながら釣ってみました。昨年はこの湖で6月中旬から7月末までの1ヶ月半ほどの間に、3回の釣行で52、50、44、42cmの4尾、18年も同時期に2回の釣行で44、25cmの2尾のニジマスが釣れていますが、今年は同時期に10回もの釣行を重ねているにも関わらず46、27cmの2尾、8月に入って51pの1尾が釣れているだけです。一方でアメマスは今年、大物も数も昨年までとは比べ物にならない釣果が見られています。温暖化などで年々ニジマスがアメマスやウグイに置き換わっている可能性もありますが、本当の理由は良く判りません。
出航は8時過ぎでしたが、釣り始めて5分ほどでいきなり上写真のアメマス37pがヒット。この日は終日、曇天のそれほど明るくない日であり、その後も10時、11時、11時半ころに、小さめのアメマスがポツポツとヒットしてきました。しかし、この時期のお昼前後は無反応になりがちで、その後はやはり13時過ぎまでまたまた沈黙が続きました。魚探にうつる魚群の泳層がこれまでよりやや深い事が気になっていて、ここで写真下左の様に、リーダーの中間に5号の重り2個を連結し、無理やりラインを沈めるという荒業?を試みてみました。すると、この後は連続して魚信が出る様になり、その後は56pを頭に40p台を中心に7尾と小型のサクラマス、ヒメマスもヒットしてきました。
この日は午後の良く釣れる時間帯を中心に、ミノーをトローリングペッパーやSukari60deepだけでなく、いくつかの違うミノーに取り換え、水深5m(レッドコア3色)から水深30m(レッドコア10色+錘5号×2個)までを、魚群の見える場所で試しています。また、水深の浅い場所ではSukari60deepでのハンドトローリングを、更に、ボイルの見える場所(水深4〜10m)では、キャスティングも試みています。特に水深8m付近では、巨大なワカサギの魚群が見られていて、その付近をハンドトローリングやキャスティングでしつこく釣ってもみましたが、やはりアメマス・ウグイ以外は釣れません。結局この日は、いずれの場所、方法でもこの日はニジマスは釣れませんでした。どうやればニジマスが釣れるのか、結局良く判らずじまいでした。
【使用タックル】 TrollingRod110、チタノス舟GT3000、MasonLeadCore18lb、NanodaxShockLeader20lb、TrollingPepper100#056、RedPepperBaby75、Sukari60deep/OB鮎/イブキ、Dコンタクト63鮎/チャート、他 SHIMANO_CarddiffN/S83ML、VanquishC3000、SunlineCastawayPE30lb(2号)+NanodaxShockLeader17.5lb、Sukari60deep/OB鮎/イブキ、他 【8月25日(火)】 酷暑の中、19日と21日のボート釣りですっかり体調を崩してしまったため、22日から24日までの3日間は、釣りをせず休養日としました。未だ体調は万全ではありませんでしたが、我慢できずに午後から、体力のあまり必要ないお手軽釣り場である湧水の渓へと向かいました。1週間前に入渓した時も、遡上サクラマスがヒットしてきて困ってしまいましたが、今回はたった1週間の違いにも関わらず、サクラマスの個体数が激増していました。あちこちにサクラマスが泳いでいて、大場所の淵には十数尾が群れを成して遊弋していました。サクラはシロザケなどと異なり、目の前にミノーが落ちてくると、邪魔者扱いしてガブリと喰い付いてきます。ただ、気を付けていても、バイカモの下などにサクラが定位していて、その横にミノーを落としたりすると、ガツンとヒットしてしまいます。
盆明け以降の渓では、サケやサクラがいつヒットしてくるか判らないため、小さなミノーに17lbなどの太いリーダーで釣っています。シロザケの場合は大抵の場合、スレで背中などに掛かるため、自然にミノーのフックが伸びて外れる事が多いものです。しかし、サクラの場合は口を使い、しかもミノーを丸のみするため、ミノーのフックが2本とも引っ掛かったりして、外れなくなることが良くあります。この日も2尾のサクラを掛けてしまい、閉口しました。ただ、面白いと思ったのは、狙いのイワナはほぼすべてサクラの群れのすぐ後方で釣れていて、他の場所では2尾だけしか釣れませんでした。サクラの産卵の下流で、こぼれてくる卵を狙ってイワナが口を空けて待っている様です。サクラの群れのすぐ下流で、9尾のイワナがヒットしてくれました。付近は早くも秋の花が咲き始めていました。
【使用タックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE25lb(1.5号)+NanodaxShockLeader12.5lb、 Ryuki50/45S/チャート/赤腹ヤマメ、Sukari50SS/イブキ/ハヤ、Dコンタクト63/鮎、他 【8月26日(水)】 新潟からボート釣り仲間の竹井さんがやってきました。今回はなんと、新潟からご自分のアルミボートを牽引して、道東までやって来られました。長の移動、お疲れさんでした。この日は朝から竹井さんのボートに便乗させて頂き、2人でレイクトローリングのミニオフとなりました。ただ、いつもの巨大カルデラ湖はこの日、最高気温が31℃を記録する、この地にしては酷暑の日でした。のんびりと朝10時過ぎに出航しましたが、直後から強い日差しでバテバテでした。恐らく、お魚さんたちも同じ様に暑さでバテバテなのでしょうか、この日はマス類の活性のほとんど感じられない日でした。
まずは11時半ころに私のロッドに魚信が有り、アメマス38pがヒット。しかし、後が続きません。この日は魚の喰いが浅く、ロッドがガクンと引き込まれるのに、鉤に乗らずヒットにつながらないことが多くありました。そんな釣れない魚信が私のロッドに6回ほどもありました。また、この日は2人とも同じトローリングペッパーというミノーを使用していましたが、私は反射率の高いワカサギカラーだったのに対し、竹井さんは反射率の低いオリーブカラーでした。朝から太陽の日差しが非常に強く、同じレッドコアライン6色長に合わせていたにも関わらず、目立ち過ぎない竹井さんのミノーにばかり、ヒットが見られました。
ただそれでも、明るいうちは鉤に乗らない魚信ばかりが続き、結局、夕方16時過ぎまでに釣れたのは、竹井さんも私も1尾づつだけ。しかし、夕方17を過ぎて薄暗くなってくると、ようやくバタバタと魚信が出はじめ、結果、釣れたのは、竹井さんにアメマス最大52pで5尾、私には41pと38pの2尾となりました。竹井さんにはなんとかそれなりの釣果が見られましたが、私には恐らく、この湖では過去最低の釣果となってしまった様です。やはり、酷暑の日はお魚さんたちにも辛い様で、こんな日は木陰で昼寝でもしているのが正解なのかも知れませんね。グッタリでした。
【使用タックル】 TrollingRod110、チタノス舟GT3000、MasonLeadCore18lb、NanodaxShockLeader20lb、TrollingPepper100#056、他 【8月27日(木)】 この日は竹井さんのお兄さんもカルデラ湖の釣りに参戦されました。お兄さんは前日、道東某所でカラフトマスを岸釣りで20尾ほど仕留めたとのこと、兄弟で釣り好きなんですねぇ。ただ、お兄さんは海釣りが主体だそうで、湖でのレイクトローリングはこの日が初挑戦とのこと。この日もカルデラ湖での最高気温は29℃の予報が出ていて、この地方では滅多に無い酷暑の日でした。しかも、ほとんど雲の無いドPカンの快晴で、恐らく釣りには1年で一番最悪の条件の日ではなかったかと思います。そんな日にレイクトローリングデビューされるとは、なんとも運が悪いこと。
この日は竹井さんのアルミボートにお兄さんが同乗され、私は自分のボートで参加、最初は並走してトローリングを試みました。しかし、快晴で明るすぎて魚の反応はほとんどありません。それに、並走すると50m以上も長いラインを出しているため、絡んでしまいそうになるため、お互いのボートに近づくことができず、話もできません。結局、途中からは2艇バラバラになって釣る羽目になってしまいました。私はこのところの寝不足で、お昼ころは適当に岸辺の木陰に入ってお昼寝タイムでしたが、その間に竹井さんはコンスタントに釣果を上げていて、結局、この日はアメマス6尾にヒメマス2尾の釣果だったそう。
一方、竹井さんのお兄さんは1尾だけアメマスの釣果が見られたとのこと。この日の様な最悪の条件下での初挑戦ですので、1尾釣れただけでも良しとするべきでしょう。そして、私はというと、前日に最悪の釣果を刻んでしまっていましたので、この日は夕方のまずめ時に必死に釣果を上げて、なんとかアメマス48pを頭に5尾を釣り上げました。前日もそうでしたが、最高気温30℃前後で快晴の明るい日は、お魚さんたちも暑くてルアーに喰い付いてくる元気もないのでしょうね。釣り人もお魚さんもバテバテで、釣りになりません。北海道では、この時期にこの様な暑い日が何日も続くのは非常に珍しく、一体、どうなっているんでしょうね。
【使用タックル】 TrollingRod110、チタノス舟GT3000、MasonLeadCore18lb、NanodaxShockLeader20lb、TrollingPepper100#056、他 【8月28日(金)】 この日は竹井兄弟とのミニオフ最後の日となりました。しかし、最高気温は前日(29℃)・前々日(31℃)とほぼ同じでこの日も30℃と、この地のこの時期にしては異様な酷暑の非常に良く晴れた日でした。たった3日間のミニオフの全ての日が、有り得ない様な最悪の条件になってしまったのは、不運と言うほかありません。本当はアメマスに加え、ニジマスの大物の超スリリングな引きを味わって頂きたかったのですが、それも叶いませんでした。ただ、竹井さんが初日に52p、レイトロ初挑戦のお兄さんもこの日、51pのアメマスを釣り上げることができ、また少ないながらも数の上がったのは、良かったのではないかと思います。
この日も竹井さんたちとは2艇のボートで別行動で釣りましたが、悪条件の中で私は一つの目標を持って釣っていました。今年はなぜかニジマスが殆ど釣れていませんが、昨年は10月にワカサギの大きな魚群の付近で大ニジマスが沢山釣れていました。実は、前日・前々日に水深8m前後の比較的浅い複数のポイントに、幾つかの巨大なワカサギの魚群を見つけていて、そういった場所をしつこく釣ってみようと言う作戦でした。ワカサギの魚群は6月から7月中旬にかけて、産卵のためなのか、ほとんどみられませんでした。そのため、水深15m以上の深い場所ばかりを攻めていて、アメマスばかりが釣れていたのです。
この日はのんびりと9時過ぎに出航しましたが、まずは前日にワカサギの魚群の沢山見られたポイントに直行し、水深8m、レッドコア4色で釣りました。最初はウグイの連発でしたが、しかし11時ころになって、巨大なワカサギの魚群の上を通過した後、40秒ほどしてから強烈な魚信が出て、上写真のニジマス52cmがヒットしてきました。ただ、その後もウグイしか釣れず、15時ころになって20pほどの小さなニジマスがヒット。あまりの釣れなさに飽きあきして、その後はまたまた水深15m以上のポイントを釣ることに。その結果、アメマス最大56pまで3尾を追加して納竿としました。
水深の浅いポイントはウグイだらけでしたが、確かに大ニジマスも遊泳している事が確認できたことは、この日の大きな収穫でした。ただ、その数は余りにも少なく、狙って釣るほどではありません。しかし、10月に入ってアメマスが産卵で付近から姿を消すと、またニジマスの連発が見られる可能性もあり、僅かながらも期待は持てました。さて、竹井さんたちお二人は、不運な天候で今回の釣果はイマイチでしたが、決して魚たちは逃げる訳ではありません。機会があれば、ぜひまたこの巨大カルデラ湖で一緒に釣りを楽しみたいと思っています。楽しい時間をありがとうございました。 【使用タックル】 TrollingRod110、チタノス舟GT3000、MasonLeadCore18lb、NanodaxShockLeader20lb、TrollingPepper100#056、他 【8月31日(月)】 29・30日の北海道は一時土砂降りの大雨に見舞われ、釣りは中止としました。十勝など一部で100mmを超す豪雨も見られ、道内の多くの河川は泥濁りとなってしまいました。そのため、数日間は主要な河川での釣りは不可能となっています。しかも、なぜかここ数日は風の強い予報の日が続いていて、ボートの釣りも出来ません。仕方なく、この日は7月後半に訪れたダム下のオショロコマの渓へ向かいました。現場に到着してみると、ダム下の渓は透明度も高く普段通りでしたが、なぜかダムの横を流れる本流も、大して雨が降らなかったのか、僅かな笹濁りで釣りが可能でした。ラッキーでした。ただ、ダム下の渓は水温16℃も有ったのに対し、本流は13℃しかなく、ダムに溜まった暖かい水が影響している様でした。
まずはダム下のいつものお気に入りのポイントへ入渓してみました。この渓は7月後半に訪れた時は、水温が19℃もあり、魚影が全く見えませんでした。恐らく高水温で魚たちが沢に逃げ込んだか、あるいは酷暑で食欲が無く、ルアーに反応しなかったのでは無いかと考えています。しかし、この日も広い所でルアーを投げてみましたが、全く魚影が見当たりません。水温などは問題無いはずなので、不思議に思って付近を歩いてみると、なにやら大きな魚が背びれを出しながらバシャバシャと逃げていくのが見えました。サクラマスでした。今年はサクラマスの当たり年らしく、こんなダム直下の最源流部までサクラマスが入って来ているのを見たのは初めてでした。そして、彼らは渓の広い所にはおらず、支流や浅瀬で既に産卵を開始していました。
そして良く見ると、サクラマスの産卵床のすぐ下流部に、なにやら小さな魚たちがズラリと並んでいるではないですか! そうです。オショロコマ達は、サクラマスのおこぼれの卵を狙って下流側に犇めいていたのです。そのため、渓の広い場所では魚影が見られなかったと言う訳でした。更に良く見ると、付近には何十匹というサクラマスたちが産卵床を作っていて、うっかり産卵床の下流にミノーを放り込むと、またまたサクラマスがヒットしてしまいました。7月に訪れた時は魚影が全く見られなかったため非常に心配していましたが、この場では10尾ほどの元気なオショロを釣り上げ、例年通りにオショロ達に出会う事ができ、一安心でした。
午後からも時間が有ったため、この日はこれまで未だ入った事のない本流の最源流部へも入渓してみました。本流でも中流部はサクラマスがウヨウヨと泳いでいて、オショロコマはなかなか釣れてくれません。不用意に産卵床の下流部へミノーを投げると、またまたサクラマスが喰い付いてきてしまうからです。幸い?この渓の源流部には幾つかの堰堤があり、2m以上の高い堰堤の上であればサクラマスはいないハズです。車で堰堤の状況を見ながら源流部へ移動して行くと、やがて3m以上はある大きな堰堤が現れ、その更に上流部へ入渓してみました。流石にここまで奥地に来るとオショロも型が良くなる様で、この日は23pまでのオショロ31尾、小ヤマメ3尾の釣果が見られました。 【使用タックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE25lb(1.5号)+NanodaxShockLeader12.5lb、 Ryuki50/45/赤腹ヤマメ、他 |