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単独釣行レポート

北海道釣行日誌2020(2)(6月11日〜20日)


コロナ禍の最中ですが、6月に入り、県をまたぐ移動の自粛が解除されたため、北海道にやってきました。今回は釧路市内に小さな住居を構え、10月末ころまで短期移住の予定です。そのため、釣行範囲は道東方面が中心となりそうです。釣りに向かない真夏の1ヶ月ほどを除き、細かな予定は一切立てず、体調と相談しながら、自由きままに釣り歩きたいと考えています。最近は釣果にこだわらず、のんびりと釣りそのものを楽しむ様になってきていて、観光や写真目的の日々がますます増えています。今回も、その日に起きた様々な出来事を、写真と文章で日誌形式で綴って行きたいと思っています。(下写真は、新緑の巨大カルデラ湖)

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【6月11日(木)】

金曜日に良いお天気となりそうなため、良い写真を求めて知床方面に移動中、少しだけオショロコマの渓に立ち寄ってみました。6月初の源流はまだ新緑が綺麗で春の花も見られる状況のはずでしたが、今年は季節が早く、既に深緑になってしまっていました。渓へはちょいと寄り道のつもりが、釣り始めるとオショロが猛烈な入れ食いになり、気がつけば夕刻になってしまっていました。オショロも最近は温暖化による水温上昇に加え、むやみに放流されたニジマスによって、駆逐されてしまった渓が増えています。しかし、この渓は水温がいまだ低いためか、オショロ達も安泰の様でした。なにより、ニジマスが見えません。

いつものオショロの渓に寄り道入渓した途端に入れ食いにエゾクサイチゴ

ところで、この辺りの渓ではヤマメ(地元ではヤマベ)の放流が盛んですが、道東・オホーツク方面では5〜6月は禁漁となっています。そのため、時折、15cm足らずの小さなヤマメがオショロに混じってヒットしてきます。すぐにリリースしていますが、正直、オショロを釣る際には邪魔な存在で、困ったもんです。ただ、この釣り場には真新しい餌箱や折れたノベ竿が捨てられていて、結構な数の餌釣り師がヤマメの密漁をしている様でした。北海道ではこの時期、新子ヤマメを大量に釣り漁る悪習慣が未だ残っていて、資源保護とは程遠い状況の様です。

放流物のヤマメも釣れてしまうしかし、最大でも20cmほど小沢にはオショロの稚魚が一杯

【使用タックル】
ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE25lb(1.5号)+SeaguarGrandmaxFX2.5号、
Ryuki50/45/38S/虹鱒/赤腹ヤマメ/Tシャッド、他

【6月12日(金)】

この日は朝から快晴の予報だったため、知床半島へ写真目的ででかけました。しかし、予報に反して薄雲が取れず、しかも風の非常に強い全く写真日和では無い日でガッカリでした。そんな中、熊スプレーと熊鈴と爆竹を携え、ヒグマの出そうな高層湿原を目指して3時間ほど歩いてきました。ただ、最近は知床も温暖化が著しいためか、湿原の大部分は熊笹に覆われたタダの草原に代わってしまっていました。そのため、期待した高山植物は意外に少なく、再度ガッカリでした。それでも唯一の収穫は、これまで未だ見た事のなかったエゾコザクラの可憐で鮮やかなんピンクの花を見る事が出来た事でした。高山のサクラソウは、それはそれは、本当に綺麗でした。

エゾリュウキンカエゾコザクラ(背景は羅臼岳)ミツバオウレンの群落

【6月13日(土)】

この日は羅臼町側の知床半島で、3ヶ所の釣り場を巡りながら、オショロコマを楽しみました。朝一番に入渓したのは、羅臼町の少し北側の比較的水量の多い渓。例年であればこの時期、多くの本州からのフライマンなどが入渓しているのですが、今回はコロナの影響か、釣り人は誰もいません。2つの大きな堰堤を超えてヒグマの領域まで入って釣りましたが、意外と上流ほど釣れず、下流の太い流れで良い釣果が見られました。お昼近くになり、今度は知床半島の先端方向へ20分ほど歩いた所にある小河川へ移動。しかし、この日は全国的に猛暑・酷暑を記録した日であり、ここ知床半島でも28℃まで上昇。この時間帯はほとんど釣りになりませんでした。

羅臼近郊の熊の出そうな渓へ20cmちょっとまでが豊富に釣れた酷暑の海岸を歩いて小河川へ

そして、午後3時ころからは、羅臼町内のこの付近で最も水量の豊富な渓の中流部へ入渓。以前はこのあたりで小さなオショロコマが入れ食いになったものですが、どういう訳か、釣れたオショロは1尾だけ。渓を歩いていると、ほんの一瞬でしたが30cm強ほどの大きな魚が逃げるのが見えました。この時期、まだ鮭類は渓にはいないはずです。しかも、逃げた魚は青っぽく見えたため、恐らく、誰かが闇放流したニジマスかと思われます。北海道では、ニジマスのむやみな放流によって、オショロコマの駆逐されてしまった渓が沢山みられます。ここ知床半島も例外では無い様です。いずれ、半島全体がニジマスだらけ・・・そんな時代が早晩やって来そうです。

お昼前後は高水温でほとんど釣れずクリンソウ咲く羅臼町内の渓へオショロはニジマスに駆逐されていた

【使用タックル】
ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE25lb(1.5号)+SeaguarGrandmaxFX2.5号、
Ryuki50/45/38S/虹鱒/赤腹ヤマメ/Tシャッド、他

【6月15日(月)】

14日はまずまずの良いお天気だったため、知床半島の観光に充て、釣りはありません。そして、この日はまたまた大きく移動し、ブルックトラウトの釣れる渓へ入りました。ただ、最近は温暖化のせいか、ブルックは殆ど釣れなくなり、代わりにイワナとニジマスが幅を利かせています。前日まではこの地でも連日の夏日が続いていましたが、この日からは暖気が抜け、20℃を下回る平年並みの気温に戻りました。この渓では、いつもなら小さなイワナが数多く釣れるのですが、急に水温が下がったせいか、最初は殆ど何も釣れませんでした。おかしいなと思い、水流の集まる深みのあるポイントでミノーを十数秒も踊らせ誘ってみると、30cmほどのイワナがようやくヒットしてきました。

ブルックトラウトの釣れる渓へイワナの最大は32cm、他に尺1尾バイカモの花が最盛期だった

活性が著しく低いため、早いミノーの動きに魚たちが付いて来れない様で、大場所のポイントだけを選んで同様のしつこい誘いを繰り返していると、なぜか小さなイワナは殆ど釣れず、25cm〜32cmの、この渓にしては良型のイワナが次々とヒットしてきました。小さなイワナも沢山いたのでしょうが、強い流れでミノーに喰い付いて来れなかったのかも知れません。そして、とある橋の下の、この付近で最も期待できそうなポイントで、同様にRyuki50Sを15秒ほども泳がせ誘っていると、突然、ガツンと魚信が出て、下写真のニジマス41cmがヒット。大暴れして抵抗しましたが、この渓では大型のニジマスが時折ヒットしてくることを想定して、ショックリーダーを17lbの強いものに変えていたため、難なくランディング。会心の1尾でした。

15秒ほども激流の中でミノーを泳がせると喰い付いてきたニジマス41cm会心のニジマス41cmと私

【使用タックル】
ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE25lb(1.5号)+ShockLeader17lb(3.5号)、
Ryuki50S/虹鱒/赤腹ヤマメ、他

【6月18日(木)】

16・17日は雨のため、洗濯や写真の整理などで過ごしました。この日もまだ寒冷渦が北海道上空に停滞していて、雨模様でしたが、雨量は大した事も無く風も弱い予報だったため、思い切って1週間ぶりに巨大カルデラ湖でボートフィシングを楽しんでみました。ただ、この日は終日、どんよりと曇った寒い日で、しかも冷たい雨が時折パラついてきて、真冬用の防寒具を着こんでの、少しばかり辛い釣りでした。やはりボート釣りはお天気の良い日に限りますね。ただ、この所の寒波で先週より水温がやや下がり、なんとかハンドトローリングでも釣れる範囲だったため、この日は重くて楽しくないレッドコアシステムを封印し、ハンドトローリングのみで最後まで頑張ることにしました。

どんよりと曇った弱い風の日ワカサギの泳層は6〜10m、水温15℃釣り始めてすぐに尺足らずのアメマス

暗く寒い日でしたが、釣りにはむしろこういった日の方が向いている様で、11時ころ出航して、すぐに尺足らずのアメマスがヒット。これは幸先が良いかな・・っと思ったのは早計でした。その後しばらくは40cmもあるウグイの連発に閉口させられましたが、12時前になり、ガツンと強烈な魚信が出て、思わず大ニジマスか!っと喜んだのですが、意外にも釣れて来たのは下写真のイトウ58cmでした。イトウの引きはトルクがあるものの、鋭い引きではないのですが、このイトウ君はまるでニジマスの様な鋭角的な引きを楽しませてくれました。

水深6mほどの比較的浅い駆け上がりでヒットしてきたイトウ58cmイトウ58cmと私

しかし、その後は尺足らずのアメマスを2尾追加しただけで、17時ころまで頑張りましたが、ウグイ以外はほとんど何も釣れないつまらない日となってしまいました。やはり寒波の入った寒い暗い日は、お昼前後の水温の上がる時間帯が時合いになる様で、朝夕のマズメは逆に何も釣れなくなってしまう様です。ちなみに、朝一番から釣っていたというフライマンに話を聞いたところ、朝5時から10時まで全く反応が無く、10時過ぎに突然62cmのアメマスがヒットしてビックリしたそうです。やはりお魚さんも寒波は寒いんですね。

12時半ころアメマス51cmモンカゲの季節、釣り人は5人ほど最後まで暗く寒い1日だった

【使用タックル】
SHIMANO_CarddiffN/S83ML、VanquishC3000、SunlineCastawayPE30lb(2号)+ValivasShockLeader16lb、
Sukari60deep/イブキ/OB鮎、他

【6月19日(金)】

この日も冷たい雨の予報でしたが、風がほとんど吹かない予報だったため、2日連続でのボートフィッシングを選びました。ただ、状況は前日とほとんど変わらず、相変わらずウグイの猛攻の合間に、時折アメマスがヒットしてくるだけでした。6月中旬はモンカゲの羽化の時期であり、大勢のフライマンが岸釣りで頑張っています。そのため、ボートは岸よりを走行できず、沿岸から100m以内には近づけません。この日は最初から深いポイント狙いで、仕方なく、重いレッドコアのシステムで釣り続けました。しかし、フライマン諸氏は、はたして釣れていたのでしょうか。釣れている所を見たことがありません。立ち込まない方が釣れるのに。

モンカゲの季節はフライマンが多い水温15℃前後、泳層は5〜10m釣り始めすぐに47,44cmが連続ヒット

そして8時過ぎ、釣り始めてすぐに47、44cmのアメマスがヒットして、幸先が良いかなと思ったのですが、前日と同じでその後は大したことが有りませんでした。お昼ころに22〜27cmのおチビちゃん3尾が連続してヒットしてきた以外は、13時過ぎと15時過ぎにジャスト50cmが2尾釣れただけで、他は延々とウグイが釣れ続きました。前日とこの日の2日間で釣れたウグイは恐らく40尾くらいにはなりそうです。数年前まではこれほどまでにウグイが多くなかったのですが、これも温暖化のせいでしょうか、年々、ニジマス・アメマスは釣れなくなって来ていますし、サクラマスに至っては、もう2年間も姿を見た事が有りません。ここのニジマスもいつまで釣れてくれるのか、時間の問題の様に感じます。

13時半ころに来た痩せた50cmこんなおチビちゃんも3尾釣れた15時過ぎに来たもう一尾の50cm

【使用タックル】
TrollingRod110、チタノス舟GT3000、MasonLeadCore18lb、ShockLeader20lb、Sukari60deep/イブキ/OB鮎、他