今年の初夏の北海道は良く晴れた日は最初の数日だけで、その後は、北海道には無いはずの梅雨の様な曇天と小雨が続きました。しかし、雨量はさほどでは無く、全道の河川は春から続く極端な渇水の中にある様です。湖や本流も早ばやと夏の水温になってしまい、大物釣りの季節は既に終わってしまいました。そんな中、今夏も山形渓遊会釣行を行いました。しかし、渓流はどこも大渇水で水量が極端に少なく、また、透明度が非常に高く、最源流域でさえ大型の獲物を釣るのは至難の業となっていました。それでも小さな獲物たちはすこぶる元気で、久しぶりに源流の釣りを皆で楽しみました。 【7月19日(金)】 会長さんがすっかり登山の人となってしまったため、殆ど例会の開かれなくなった山形渓遊会ですが、なぜか3年ほど前から、会長さん抜きでこの時期の北海道に集まる様になっています。今夏も定年退職組の3人が4日間ほど某キャンプ場に集合し、源流の釣りを楽しませて頂きました。ただし、渓遊会は基本的に餌釣り師の集団です。餌釣りとルアー釣りをごっちゃにしたレポートで申し訳ありませんが、ご了承下さい。初日のレポートは「北海道遠征釣行2019初夏 釣行日誌(3)」の最後にも掲載していますが、キャンプ場のすぐ近くの渓で3時間ほどだけ、お茶を濁しました。この日のメンバーは宇都宮の朝日さんと私だけで、釣果は27cmまでのイワナやオショロコマの大漁でした。
【7月20日(土)】 2日目も朝日さんと2人だけのミニオフでした。この日は朝から小雨模様で、キャンプ場の横を流れる渓とその下流のダムのインレットで午前中は過ごしました。渓流では小さなイワナが数尾釣れただけでしたが、ダム湖ではちょっとしたドラマがありました。時間はもう10時近くでしたが、インレットの奥にRyuki60S赤腹ヤマメを投入すると、なにやら大きな魚がゆらゆらとミノーの後を付いてくるのが見えました。こういう場合は大抵の場合、そのままでは喰い付かずに逃げてしまう事が多いものです。そこですかさずロッドを少し送り込んでミノーを沈め、底付近でチョンチョンと誘ってみました。すると、その魚はゆるりと反転し、ミノーに喰い付くのが見えました。
「よっしゃーー!」と一瞬喜んだのですが、次の瞬間、ロッドがガクンとひったくられ、バチンと大きな音がしてリーダーが切れてしまいました。実は2日ほど前にPEラインを交換していて、その時にドラグをきつく締めつけたまま忘れていたのです。逃げた魚は50cmは優にあるニジマスで、直後に5回ほど大ジャンプを繰り返して暴れていました。本当は口に掛かったミノーを外そうとしてジャンプしているのですが、私には「バカヤロー、テメーなんかに釣られてたまるかぁ!」とでも言われている様に見えて、悔しくて悔しくてたまりませんでした。午後からは朝日さんと雨の中、近くの別の源流へ入渓しましたが、1時間ほどで土砂降りとカミナリに祟れ、退散しています。
【7月21日(日)】 本当は、私もこの日このキャンプ場に入る予定でしたが、湖や本流での水温が上がり、大物が釣れなくなってしまったため、2日ほど早く朝日さんと合流したのでした。ただ、小さなイワナやオショロコマの釣りにはすぐに飽きてしまっていて、この日も2時間ほどだけのチョイ釣りで、あとは買い出しやお喋りで1日を過ごしました。なにせ久しぶりに出会うと、あれこれと話が湧いて出てくるもので、時間をこなすには苦労はありません。釣りの方は10時ころからまたまたキャンプ場の近くの渓に入り、相変わらずの小物釣りで終始しました。このあたりの渓流や源流では、25cmくらいまでのイワナやオショロコマなら幾らでも釣れますね。
そして、夕方には山形の佐谷名人もキャンプ場に合流し、3人で盛大に?大宴会となりました。良く考えてみると昨年は忘年会もやっていないため、2人と出会うのは丸々1年ぶりでした。そのためか、合流するなり話が尽きず、あっと言う間に深夜近くまで話込んでしまいました。ただ一つ気になったのは、やはり皆さん年齢を重ねるに連れ、体力の低下とそれに伴う行動の変化です。体力勝負の山の釣りはすっかり影を潜め、どこでも幾らでも釣れる北海道の釣りがぴったりの様です。それに皆さん、お酒の量もガックリ減りました。やはり歳には勝てませんね。
【7月22日(月)】 そして、翌朝はのんびりと7時過ぎに起き出し、10時ころから某源流へと向かいました。車の通れない道路沿いに1時間ほど歩き、ほとんど誰も釣っていない渓を釣ってみようという訳です。ちなみに、北海道の地元の釣り師たちにとっては、大型のアメマスやニジマスにサクラマス、それに鮭類が釣りの王道であって、小さなイワナやオショロコマを本気で相手にする人は殆どいません。たまに源流部でイワナを釣っている姿を見かけますが、そういった人たちは、ほぼ間違いなく内地からやってきた釣り人たちです。1時間も歩けば、手付かずに近い状態の渓が幾らでもあるのです。
ちなみにこの日入った源流は、朝日さんのお気に入りの渓であり、以前は40cmを超える良型イワナが何本も釣れたそうです。しかしながら、この日は予想はしていたものの、やはりガッカリでした。1時間も歩いたにも関わらず、大物は皆無で、殆どが25cmくらいまでの小物ばかりでした。なにせ大渇水で水量が少なく、しかも透明度が半端無く高いのです。恐らく大物もそこかしこに泳いでいたのでしょうが、釣り人の姿が丸見えで、特に、近づき過ぎなければならない餌釣りではお手上げなのです。ルアーでももちろん釣れますが、概ね餌釣りの2人にポイントを融通していたこともあり、小物のオンパレードでした。
最初の入渓地点での釣果があまりにも小さいため、その後は更に30分ほども歩き、より源流に近いポイントへ移動しました。ただ、この日はここ2週間ほど殆ど無かった快晴の日で、しかも平地では30℃近い猛暑の日でした。そのため、普通のウェーダーを履いて歩いていた佐谷名人と私は、もう汗だくのグダグダでした。それでも、2つ目の入渓地点は、写真の様に深い森に囲まれた如何にも源流らしい風景が広がり、渓に降り立つと空気がひんやりとしていて最高でした。久しぶりに源流の雰囲気を満喫しながら、のんびりとコーヒーを沸かし、昼食としました。
そして、このポイントでは最初の入渓地点よりは釣果が少し改善し、佐谷さんにイワナ31cmが、朝日さんにも28cmがヒット。私にも16時ころになって尺ちょうどのイワナがヒット。また、ここで釣れるオショロコマは25cm近い良型が数多く釣れてくれました。しかしながら、例年の水量の多い時の釣況とは、全く比較にならないほどの貧果であり、お天気にはやはり勝てません。ただ、快晴の非常に明るい空のもとで、沢山の素晴らしい源流の写真を撮影することができたのは、私にとって幸いでした。さて、夕方は3人で再度、宴会を楽しみ、そして翌朝には、また来年もこの地でお会いできることを約束し、2人とお別れしました。
これにて「北海道遠征釣行2019初夏」の釣行日誌を終了致します。長い間、長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。次回の北海道遠征釣行は、本年9月初からの予定です。 【今回使用のタックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+ShockLeader10lb、 Ryuki60S/50S/45S/38S/赤腹ヤマメ/チャート/テネシーシャッド、Sukari50SSdeep/赤腹ヤマメ、他 |