今夏も北海道へ遠征釣行にやってきました。今回も水温が上昇して釣りにならなくなる頃まで、7月中旬から下旬ころまでの1ヶ月余りを予定しています。例によって細かな予定は一切立てず、体調と相談しながら自由きままに釣り歩きたいと考えています。2年ほど前から宗谷のイトウ釣りを止めたため、最近は道東での釣りが中心となっています。また、年々少しづつ釣りのウエイトが少なくなっており、観光や写真目的の旅が多くなってきています。今回も、その日に起きた様々な出来事を、写真と文章で日誌形式で綴って行きたいと思っています。 (下写真は、道東の巨大カルデラ湖) 【7月11日(木)】 この日も知床半島に留まり、いままで入渓したことのないオショロコマの小河川を釣ってみました。写真左下は羅臼から知床半島の先端方向に車で行けるところまで行った先にある車両侵入禁止の看板です。そこから更に徒歩で20分ほど北上すると、次の小河川に到達します。オショロは知床ではどこでも幾らでも釣れるため、わざわざヒグマ地帯を20分も歩いてこの渓を釣りに来る人はほとんどいないと思われます。つまり、手付かずに近い状態のオショロの渓を釣ることができるのではないか、と考えた訳です。勿論、この付近はヒグマの高密度生息地帯です。熊鈴に爆竹に熊スプレーの3点セットを用意して、慎重に向かいました。
目的の渓のすぐ近くまで、一応はガタガタの道路が有って、番屋の人たちのみが車で往来している様です。ただ、20分ほど歩くと流石に番屋も少なくなり、渓の手前で道路も無くなっていました。そして、浅い渓の流れにミノーを投入すると、1投目から小さなオショロがぞろぞろと追いかけてきて、連発で釣れ始めました。釣り始めたのは13時半ころでしたが、2時間ほどは入れ食いが続き、すぐ上の大き目の淵では、なんと36尾ものオショロがほぼ連発で釣れ続きました。恐らく、誰も釣っていない渓でのオショロの本来の姿は、こんな状態なのだろうなと想像できました。
ただ、オショロの密度はとても高いのですが、数が多すぎて大きく育たないのか、釣れるのは殆どが20cm以下のおチビちゃんばかり。この日の最大もたった21cmで、釣っても釣っても大型は出て来てくれませんでした。36尾釣った上記の淵では、実はまだまだ釣れ続けていたのですが、大型が出てきてくれそうもないために途中で釣るのを止めたのです。ちなみに、その淵の中ほどの深さ50pほどの深みには、30尾ほどのオショロが群れをなして泳いでいるのが見えていました。誰も釣らない渓では、一体どれほどのオショロコマたちが楽園を作っているのでしょうか。知床のオショロはまだまだ安泰に違いないと、なんとなく安心して納竿としました。 【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+VarivasShockLeader16lb、 Ryuki45S/テネシーシャッド 【7月12日(金)】 この日は羅臼から知床横断道路を経てウトロ側へ移動、5分だけ某小河川でオショロコマを1尾だけ釣り、写真に納めました。このところ曇天続きで良い写真が撮れないのが悩みでしたが、幸いにも一時的に日差しが出てくれたため、大慌てでスニーカーのまま車のすぐ横の渓に飛び降り、1尾だけ釣って激写したと言う訳です。太陽に照らされた渓水の中のオショロコマは、本当に宝石の様に綺麗でした。ただ、釣りをしたのはその5分ほどだけで、その後は北見市まで大きく移動しました。翌日からの3連休は、3日とも大雨の天気予報であり、便利な都市でのんびり過ごした方が良いと考えたからです。
【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+VarivasShockLeader16lb、 Ryuki45S/テネシーシャッド 【7月13日(土)】 大雨の天気予報がまたまた大外れして、この日は時折雨がパラつくものの、ほぼ曇天の1日でした。前日に湖の大物釣り用にリールとロッドを新調していた私は、新品のタックルを試したくて仕方ないため、小雨を良いことに、結局、午後から2時間ほどだけですが、北見市郊外の渓で釣ってしまいました。この渓は最近になって80cmを超える大物ニジマスが釣れているそうですが、まぁ、ダメ元で適当な場所を選んで入渓してみました。すると、たまたま入渓した地点の20mほど下流に、下左写真の様な倒木が水面に覆いかぶさっている場所があり、上流からミノーをポンと投げ込んで、倒木の前でチョンチョンと誘ってみました。すると・・・
なんと、新品のタックルのたった2投目で、ガツンと結構強烈な魚信が出て、上写真の40cmの綺麗なニジマスが釣れてしまいました。ただ、ロッドは大物用の8.3フィートのミディアムライトに16ポンドのリーダーだったため、何の抵抗も無く、いとも簡単にランディングできてしまいました。その後もこの渓を少しだけ釣り上がりましたが、3回ほど小さなニジマスと思われる魚信があったものの、鉤に乗らずバレてしまいました。当然の事ですが、やはりMLでは最低でも40pくらいの獲物でないと、荷が軽すぎてうまく鉤に乗らない様です。でもま、新しいタックルを試したくて仕方なかった訳ですので、どうしようも無いですよね。 【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S83ML、VanquishC3000、PE2号+ValivasShockLeader16lb、 Sukari50SSdeep/クラシック、Ryuki60S/赤腹ヤマメ 【7月15日(月)】 14日は大雨のため、北見市内でほとんど何もせずにのんびり過ごしました。この日は北見市から十勝方面へ移動中に、以前から気になっていた某源流で少しだけ釣ってみました。時間は16時から17時までの1時間ほどだけ。本当はオショロコマか小さなイワナが釣れることを期待して入渓してみた訳ですが、なんとまぁ、釣れるのはニジマスばかり。尺ニジマスを筆頭に、小さなニジマスが4尾ほどヒットしてきました。この渓はかなりな源流部で熊でも出そうな場所なのですが、イワナやオショロコマは放流ニジマスにすっかりと駆逐されてしまっていました。
知床でもそうですが、結構な細い流れでも、ニジマスの繁殖に適した渓であれば、簡単にオショロやイワナを駆逐してしまう様です。ただ、渓の水温や水質など、ニジマスの繁殖に適さない渓もあり、代わりにブラウンが定着していたり、アメマスがしっかり残っていたりと様々です。ちなみに、十勝の渓はニジマスに向いている渓が多いらしく、今やどこでもニジマスが釣れますね。我々の様な内地からの外来者は、オショロやイワナを釣りたい人が多いのですが、どうやら地元の人たちにとっては、派手な釣り味で、しかも晩ごはんのおかずにもなるニジマスが、なんと言っても一番の魚の様です。 【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+VarivasShockLeader16lb、Ryuki50S/赤腹ヤマメ 【7月16日(火)】 前日までの3連休は雨ばかりでしたが、ようやく朝から良く晴れてくれました。この日は早朝から阿寒湖でボート釣りを楽しみました。しかし、釣り始めてすぐにガッカリしました。予想外に表層水温がすでに18℃近くまで上がっており、これでは魚たちの泳層がかなり深くなっていて、ハンドトローリングでは恐らく殆ど何も釣れないだろうと考えられました。そして、午前中の5時間を頑張りましたが、釣れたのは38cmまでのアメマスが3尾だけ。途中、何度か小さな魚信が出てはすぐに外れるということがありましたが、この水温なら、恐らくウグイではないかと思われました。ウグイだけは高温でも元気ですね。
これ以上に釣れそうもない事に加え、お昼ころには風が強くなってきたため、午後からは阿寒川のC&R区間で少しだけ過ごしました。今年の道東は、ダム湖だけでは無く阿寒湖でも水が少ないらしく、C&R区間の水量は例年の半分ほどしかありません。川を歩くのは楽ちんなのですが、透明度も非常に高く水量が少ないため、ルアーではなかなか釣れずに手こずりました。Sukari50SSdeepのハヤで唯一釣れたのは、何度も釣られて体じゅう傷だらけの、しかも尻尾が殆ど無くなった、とても痛々しい姿のニジマス君でした。それにしても、今年は梅雨寒で気温が低く、もう少し湖の釣りも可能では?と考えていましたが、少なくとも阿寒湖は、今季は既に終了の様です。
【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S83ML、VanquishC3000、PE2号+ValivasShockLeader16lb、 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+VarivasShockLeader16lb、 Sukari60deep/OB鮎SingleBurbless/イブキSB、Sukari50SSdeep/ハヤSB 【7月17日(水)】 午前中に帯広で所用があり、午後からは洗濯したりした後、15時過ぎから少しだけ十勝のニジマスの渓へ様子を見に行ってみました。渓を覗いてみて、おや?っと思ったのは、水量が昨年と同じくらいに回復していた事でした。どうやらこの所の長雨で、上流にあるダム湖の水位が回復したのでしょうか、平年通りの放流に戻された様です。ただ、今年の特徴は水量だけではありません。もう一点、不思議でならないのは釣り人の多さです。この日は平日でしかも小雨模様、なおかつ夕方の15時でしたが、最初の2つの入渓しようとした地点には車が停まっていて、釣り人が3人ほど見えました。この釣り人の異様な多さは、一体なんなんでしょうか。
それでも3か所目の入渓地点で、1時間ほどだけ入渓してみました。すると案の定、たった今釣ったばかりの様な草の踏まれた跡が有り、ルアーを投げても全く反応がありません。仕方なく、大場所だけで奥の手を出して釣りました。写真右上の様に水流が一本に集まり、ある程度の深さがある場所を選び、上流からSukari50SSdeepを遠投し、最初はゆっくりと底付近をリーリング。ダメなら2回目は十数秒ほどミノーを水流の中で止めて誘ってはまた少しリーリングする、といった方法を試みました。Sukariは強い流れの中で止めると、上下左右に複雑な動きをしてくれるのです。すると上写真の33cmがなんとかヒット。スレていてもこの方法なら多少の釣果は見込める様です。 【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+VarivasShockLeader16lb、 Sukari50SSdeep/ハヤ改、Ryuki60S/赤腹ヤマメ 【7月18日(木)】 この日も小雨模様でしたが、行く当ても無いし、10時過ぎから少しだけ十勝のニジマスの渓を釣ってみました。ただ、なぜかとても冷たい霧雨の様な雨が降ったり止んだりしていて、昨日より少し気温が下がった様子。デリケートなニジマスはこういう日は大抵の場合、ロクな釣果はありません。しかし、それにも関わらず、私の入渓しようとした地点には、車が停まっていて必ず釣り人がいます。仕方なく、誰かが釣っただろう跡を、例の奥の手で攻め続けてみましたが、やはり天候には勝てませんね、ニジマスのおチビちゃんが3尾釣れただけで、大物はとても釣れそうもないため、あっさりと納竿しました。
午後からは、またまた大きく移動して、遠軽町の近くのキャンプ場へと向かいました。山形渓遊会の朝日さんが、天候不順で山登りが出来ず、早めにキャンプ場に到着したとのことで連絡が入り、私もそちらに合流することにしたのです。このところ、2週間ほどもお天気は曇天ばかりで、青空の見える日は殆どなかったのですが、それでも川も湖も水温は予想以上に上がっていて、源流の釣り以外は既に北海道の釣りもほぼ終わってしまったように感じています。明日以降しばらくは、山形渓遊会のメンバーとのミニオフになるかと思います。 【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+VarivasShockLeader16lb、 Sukari50SSdeep/ハヤ改、Ryuki60S/赤腹ヤマメ 【7月19日(金)】 湖も本流も水温上昇でロクな釣果を得られなくなったこともあり、早めに渓遊会のメンバーと合流し、キャンプを楽しむことにしました。前夜遅くに到着した私は、朝日さんと半年ぶりに再会。この日はのんびりと起き出し、10時過ぎからキャンプ場近くの渓へと釣りに繰り出しました。ただ、このキャンプ場でも意外にも釣り人が多く、いつもの朝日さんのお気に入りのポイントの横の駐車スペースには、なんと水戸#の車の先客がありました。それでもまだまだこの付近の渓には手付かずの場所が残っていて、少しだけ入渓点をずらして適当な場所から入渓してみました。
ただ、道東でもそうでしたが、この地でも大渇水の状況は変わらず、昨年・一昨年と比べると、水量は数分の一しか無く、これでは型の良い獲物は釣れそうもありません。それでもこの付近では、小さなイワナやオショロコマ、それに稀に小さなヤマメが良く釣れ、3時間ほどの短い時間でしたが、飽きる事無く楽しめました。この日もお昼近くの入渓にも関わらず、イワナを主に20尾近い釣果が見られました。朝日さんは私がルアーでポンポン釣るのをみて、珍しくルアーロッドで釣っておられましたが、勝手が違う様で、ミノーで3尾ほどしか釣れなかった様子。それでも、練習とばかりに、十分に楽しんでおられた様でした。レポートは「山形渓遊会2019 in 北海道」へ続きます。
【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+VarivasShockLeader16lb、 Sukari50deep/クラシック、Ryuki50S/赤腹ヤマメ、他 |