今夏も北海道へ遠征釣行にやってきました。今回も水温が上昇して釣りにならなくなる頃まで、7月中旬から下旬ころまでの1ヶ月余りを予定しています。例によって細かな予定は一切立てず、体調と相談しながら自由きままに釣り歩きたいと考えています。2年ほど前から宗谷のイトウ釣りを止めたため、最近は道東での釣りが中心となっています。また、年々少しづつ釣りのウエイトが少なくなっており、観光や写真目的の旅が多くなってきています。今回も、その日に起きた様々な出来事を、写真と文章で日誌形式で綴って行きたいと思っています。 (下写真は、十勝のニジマスの渓) 【7月1日(月)】 午前中は所用があり、午後15時ころから少しだけ十勝のニジマスの渓を釣ってみました。ただ、この日はなぜか冷たい風の吹く寒い日でした。ニジマスと言う魚は実にデリケートで、こういった急に寒くなった日は、大物は物陰でジッと動かずルアーには見向きもしてくれません。餌釣りでも小物しか釣れないのが普通です。しかも、月曜だというのに、2か所の入渓ポイントで、2か所とも釣り人に鉢合わせするという、なんとも釣り人の多さに呆れ果てる始末でした。3時間ほど頑張りましたが、結局、下写真の様なおチビちゃんが3尾釣れただけで、終了としました。
出会った釣り人と当然の様に情報交換となりましたが、聞くとやはり今年は大物が全然釣れていないと口を揃えて答えが返ってきます。数日前に少し下流で47cmを釣ったと言うと、一人は「えー!」と驚かれ、もう一人はウソをつくなとばかりの顔つきをされ、無視されました。どうやら47cmでも今シーズンはかなりの大物だった様です。でも、なんだか寂しいですよね。東北でも北海道でも、年々釣れなくなってきていますが、ここ十勝のニジマスの渓でも同様です。世も末ですね。 【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+ShockLeader16lb、 Ryuki50S赤腹ヤマメ、Sukari50SSクラシック、他 【7月3日(水)】 大きな湖でボート釣りをするためには、おおよそ風速4m以下の風の穏やかな日であることが条件になります。この日は最大でも風速3mで、しかも曇天の釣りには打ってつけの天気予報でした。こんな日は週に1日か2日くらいしかありません。ただ、この薄暗い曇天が曲者だった様です。この日は朝から調子良く釣れてくれましたが、なぜか巨大なアメマスばかりが連続してヒットしてくるものの、大型のニジマス・サクラマスはサッパリでした。7時少し前に出航し、まずは7時ちょうどにアメマス42cmがヒット、10分後には同45cmもヒット、更にその10分後には待望のニジマス44cmがヒット。こりゃ大ニジマスも期待できるかな、と思ったのですが・・・。
しかし、その後はなぜか大型のアメマスばかりがヒットしてきました。7:40時にはこの日2番目のアメマス53cmが、10分後には45cm、更に10分後の8時には、この日唯一のおチビちゃんのアメマス32cmがヒット。どうやら時合いはここまでだった様で、その後は10時半にアメマス45cm、そして12時ちょうどにアメマス50pがヒット。お昼近くに少しだけ風が強くなり波が出てきたため、一旦、車に戻って昼食と昼寝タイムとしました。そして、14時過ぎに再び出航すると、14時半にはアメマス51cm、15時に53cm、10分後には46cm、そして、16時前にこの日最大のアメマス55cmがヒット。その後はなぜかまた反応が無くなり、17時には納竿しました。
結局、この日の釣果は、アメマス55,53,53,51,50,46,45,45,44,42,32cmとニジマス44cmの合計12尾と、数と大きさだけを見る限りでは大漁でした。しかしどうやら、湖で透明度の高い水中を、高速で泳ぎまわるニジマスやサクラマスは、昼間の明るくて見通しの良い時間帯に活性が高くなる様で、この日の様な薄暗い曇天の日は、非常に遠くにあるミノーを見つけられないのでしょうか、さっぱりヒットして来ない様です。そして、海岸線を良く見ると、いつもは10人以上も見られるフライ・ルアーマンの姿が、この日はたった1人だけでした。どうやら地元の釣り師たちもニジマス狙いの人が多く、こんな日はアメマスばかりになることを知っているのでしょうか。
ただ、東北のイワナでもそうですが、アメマスはこんなとても薄暗い日に良く釣れます。そのため、この日は大型のアメマスばかりが良くヒットして来たと思われます。それにしても良く太った50p超えのアメマスは、ヒットするとその引きは強烈で、一瞬、良型のニジマスではないかと錯覚させられるくらいです。それはそれで楽しいのですが、魚体を見てガッカリが続きました。また、この日はいつもより少し深い水深10m前後のラインも釣ってみましたが、時おり魚探に出るヒメマスらしき魚群の付近で、大型のアメマスが良くヒットしてくる様に思えました。35cmほどもあるヒメマスを50pのアメマスが捕食しているのでしょうか。不思議な現象でした。 【使用タックル】 TailWalkKeison(鮭鱒)90、Biomaster3000、PE2号+ShockLeader16lb SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+SeagarGrandMax2.5号、 Sukari60Deepクラシック、Sukari85DXS/緑、プロビア20/30g/緑/赤金、他 【7月4日(木)】 前日のボート釣りで疲れ果ててしまった私は、午前中は清里の「神の子池」などを観て時間を過ごしました。この池は摩周湖の伏流水が流れ出ているとの事で、青く澄んだ水を湛えた小さな池には、沢山のオショロコマが泳いでいました。午後からは近くの源流に少しだけ入り、オショロコマ釣りを楽しみました。なぜか3か所の入渓点には、既に釣り人の歩いた跡が多数見られ、最近はオショロコマ釣りをする人が随分と増えてきている様な気がします。ただ、オショロコマは人の釣ったすぐ後でも、愛想良く平気でルアーに喰い付いてくれます。その愛苦しさが大好きで、本当に小さな魚にも関わらず、ついつい釣ってしまうのです。
この日も午後からのほんの3時間ほどで、軽く20尾以上の釣果が見られました。殆どは緩い流れを選んで、下流側へ小さなミノーを投げ、ゆっくりとリーリングしてくることでヒットしてきました。オショロコマの遊泳速度は意外と遅く、横方向に早くルアーを引いて来ても、大抵の場合、喰い付いてこれないのです。そして、この源流の脇を流れていたごく浅い小さな沢には、写真下中央の様な、ほんの数センチの小さな小さなオショロコマの稚魚たちが群れ遊んでいました。やがて彼らも大きくなって私たちをまた楽しませてくれるのでしょう。こんな源流がいつまでも残ってくれる事を心から願うばかりでした。
【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+SeagarGrandMax2.5号、 Ryuki38S/45S/50S/チャート/赤腹ヤマメ、他 【7月5日(金)】 6日土曜に十勝で所用があるため、この日は大きく移動しました。神の子池近辺から帯広市までは約200km、3時間の道のりですが、途中には沢山の渓流や小さなダム湖があり、釣り場に事欠きません。天気予報は終日雨とのことでしたが、大外れで夕方まで蒸し暑い曇天だったため、移動中に少しだけ竿を出してみました。この日は、ブラウントラウトが釣れるらしいというダム湖のインレットで午後の3時間だけ釣りました。今シーズンの道東地方はどこも大渇水となっていて、このダム湖も、本来のインレットの真上に掛かる橋の上から見てみても、インレットが遥か下流に遠ざかっていて見えない始末です。これではロクな釣果は期待できそうもありません。
しかし、釣り始めるとすぐに反応があり、2投目で30pほどのニジマスが釣れてしまいました。13時から16時までのたった3時間でしたが、結構な魚信があり、全部で12回ほどお魚さんが遊んでくれました。ただ、バラシも多く、釣れたのは32cmまで7尾。まぁ、それでもこの短い時間でこの数が出たのは、魚影はそれなりに濃いということの様です。ただ、本命のブラウンは1尾も釣れてはくれませんでした。恐らく、ブラウンは湖の中にいて、この日釣ったインレット上部の流れの早い渓では、ニジマスが優位なのでしょうね。雨で移動のみの予定が、結局はこの日もおチビちゃんと戯れてしまいました。
【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+SeagarGrandMax2.5号、 Sukari50SSdeep/赤腹ヤマメ、Ryuki60S/赤腹ヤマメ、他 【7月6日(土)】 前日に大雨の予報が全くハズれ、結局、この日の十勝のニジマスの渓は、前週までと全く同じ、水の少ない寂しい渓のままでした。この日もいつもの橋の上から渓を眺めると、車2台と釣り人が6人も見える状況で、相変わらずの大混雑でした。この日は午前中に所用があり、午後からまたまた少しだけ竿を出してみることにしました。ただ、この日は土曜にも関わらず、ずっと上流の方でユンボ2台で大掛かりな河川工事をやっているのを早朝に目撃していて、その下流部の数kmは、恐らく工事の始まる朝8時ころから夕方17時ころまで、工事の強い濁りで誰も釣ってないだろうと思われました。或る意味、工事の濁りはチャンスでもあるのですね。
勝負は夕方の17時過ぎからと考えましたが、ヒマに任せて13時ころ、ポイントを確認するために、工事現場の下流部へ様子を見に行ってみました。すると、工事で茶色く濁った渓水の透明度がみるみる上がってきました。どうやらお昼の休憩でユンボが一時的に止まっている様で、これはチャンスとばかりに、大急ぎでロッドを取りに行きました。そして、写真右上の大場所でSukari50SSdeepを投げ込むと、1投目でなんと、44pの良型がヒットしてきました。その後も少し下流のポイントで36cmやおチビちゃんが2尾、次々とヒットしてきて、ほんの30分ほどでしたが、実に楽しいひと時を過ごすことができました。
ちなみに、夕方17時以降にも更に下流部を攻めてみましたが、なぜか冷たい風が吹いてきて寒く、おチビちゃんが3尾出ただけで大物は姿を見せてはくれませんでした。湖でもそうですが、高速で泳ぐニジマスは、蒸し暑い様な日の真昼間の明るい時間帯に活性が上がるものです。過去にもこの渓で釣れた50pオーバーの大物は、大部分が9時〜15時の明るい時間帯に釣れています。それにも拘わらず、早朝の薄暗い時間から多くの釣り人達が次から次へとやってきて、ルアーやフライでポイントを叩きまくり、釣れるものを釣れなくしているだけなのですね。有名な渓のお魚さんたちも、大変ですね。
【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+VarivasShockLeader16lb、 Sukari50SSdeep/クラシック、Ryuki60S/赤腹ヤマメ、他 【7月9日(火)】 7日(日曜)は人が多いため、洗濯と買い物で1日を過ごしました。8日は午前中に所用があり、午後からはまたまた道東の巨大カルデラ湖へと3時間の移動をしました。この日も午前中は無風に近い凪のボート日和であり、今シーズン4回目のカルデラ湖釣行としました。そして、いつもの様に早朝6時過ぎに出航しましたが、この日はこれまでとは少し状況が異なっていました。釣り始めて2時間半もの間、全くの魚信無しだったのです。9時前になって、アメマス42cmがようやくヒット。その後も魚信は全く無く、11時半になって、今度はアメマス25cmのおチビちゃんがヒット。どうも水温が上がって来ていて、魚たちの泳層が深くなってきているのが原因の様に思われました。
しかし、午後になって風が吹き始めると状況は一変しました。風と波は表層の湖水をかき混ぜてくれるため、表層水温がやや下がってくれたのです。まず12時半にアメマス34cmがヒット。続いて13時過ぎに同37cm、そしてその5分後には同55cmがヒット。更に5分後には、ニジマスらしき強烈な魚信があり、ドラグを5秒ほども唸らせ走ったのですが、なんと、PEラインの高切れでアウト。そして14時には、下写真のイトウ60cmがヒットしてきました。このカルデラ湖にはイトウも生息していると話には聞いていましたが、人が釣ったのを見た事もありませんし、魚体を見た時には本当にビックリしました。でも、しっかりと生き残っているんですね。慎重に蘇生させ、リリースしました。
その後も14時半には再びアメマス50p、15時にはサクラマス44cm、そして16時ちょうどに、今シーズン最大のアメマス57cmがヒットしてきました。午前中は余りの反応の無さに、もう今夏のシーズンもおしまいかと思ったものですが、終わってみれば、イトウ60cm、サクラマス44cm、アメマス57,55,50,42,37,34,25cmの全部で9尾と、結構な大漁でした。ただ、4回のカルデラ釣行で、ニジマスは回を重ねる毎に小さくなり、ついに今回はニジマスの釣果は無しとなってしまいました。私も北海道に通い始めてもう14年になりますが、北海道で釣って一番楽しいのはやはりニジマスです。川でも湖でも、大ニジマスはどんどんと遠ざかりつつある様で、本当に寂しい限りです。
【使用タックル】 TailWalkKeison(鮭鱒)90、Biomaster3000、PE2号+ShockLeader16lb SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+VarivasShockLeader16lb、 Sukari60Deepクラシック/OB鮎、Sukari85DXS/緑、プロビア20/30g/緑/赤金、他 【7月10日(水)】 この日は再び大きく移動し、知床半島の羅臼までやってきました。どちらかと言うと写真と観光が目的ですが、この地にくると必ず竿を振りたくなるのがオショロコマです。小さな魚ですが、最近はこの釣りも市民権を得たようで、結構な数のオショロファンの釣り人が見られる様になりました。ただ、オショロは警戒心が少ない魚ですので、誰かが釣ったすぐ後でも、平気で釣れてしまいます。この日も15時から17時までのたった2時間ですが、オショロの入れ食いを楽しみました。釣り場は或る河口からすぐ上にある大きな淵とその上のもう一つの淵だけ。下の大きな淵では、殆ど連発で22尾も釣れてしまいました。
ただ、ここでは1尾だけ小さなニジマスがヒットして来たのが、とても気になりました。近くの某渓流では、上流にある池に誰かがニジマスを放流したため、源流から河口まで殆どオショロが釣れなくなってしまっているのです。こういった闇放流を防ぐ方法は無いものなんでしょうか。ただ、オショロの敵はニジマスだけではありません。こちらは自然現象ですので防ぐ必要はありませんが、オショロはカモメたちの良い餌になっています。面白い事に、私がオショロを釣っていると、ほんの数mの距離までカモメが寄ってきました。釣られた魚が良いターゲットになっている様です。
釣ったオショロは全てすぐにリリースする訳ですが、中には弱ってフラフラと泳ぐオショロがいます。するとすかさずカモメが滑空してきて捕らえ、美味しそうに食べていました。他にもオショロはクマやキタキツネなどの良い餌になっているそうで、釣り場には「オショロは野生動物の重要なエサ資源、C&Rにご協力下さい。」などと書いた看板が立てられています。もっとも、ニジマスと違って、動物たちが幾ら食べてもオショロが絶える事はありません。ニジマスと釣り人こそが最大の敵でしょう。そしてこの日は、なぜか大型が良く釣れてくれ、オショロでは最大級の25cmが1尾と、24cm級が5尾ほどヒットしてくれ、楽しめました。 【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+VarivasShockLeader16lb、 Ryuki45S/テネシーシャッド |