ミニオフレポート

2019ダム湖の釣り終了(5月29日〜6月3日)


例年であれば6月の中旬ころまで続く下越・山形のダム湖の釣りですが、今年の5月は例年にない高い気温と快晴の明るい日が続いたため、アッと言う間にシーズンの終了を迎えてしまいました。6月初にも関わらず、各ダム湖の湖水の透明度は真夏並みに高くなっていて、ルアーを投げども投げども、魚が追いかけて来るがヒットしない事が多くなりました。そんな中、神戸から6年ぶりに釣友の黒瀬さんがやってきました。あの手この手で苦労しながらも、なんとか大物を手にすることはできましたが、最後の最後には、超大物の大バラシという、非常に悔しくもありますが、なんだか楽しい結末が待っていました。

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【5月29日(水)】

この日は4日前にもっくんと釣りに入ったダム湖の状況が気になり、湖畔に車中泊しての2日連続の釣りを試みました。奥地のダム湖畔は、ネットはもちろんTVも電話も全く通じない隔絶された空間ですが、例年この時期に1度はやってみないと気が済まないのです。素晴らしい大自然の中にひとり身を置いて、星空を眺めながらの悠々としたひと時は、何ものにも代えがたい魅力なのです。そして、この日は夕方16時頃に湖畔に到着し、すぐにボートを用意してハンドトローリングを始めました。しかし、17過ぎに突然、カミナリとともに5oほどもあるヒョウが降り始め、その後は水温が急降下したためか、小さなサクラマスが2尾釣れただけで、サッパリでした。

17時過ぎ、小さなサクラマスが来た17時半頃、5mm超の雹の降る大雨に水温が急降下したのか、良型は来ず

【5月30日(木)】

夕立はすぐに上がり、その後は良く晴れた星空の綺麗な夜でした。そして、一夜明けて早朝5時に起床。湖畔には、快晴のもと、朝靄に包まれた素晴らしい景色が広がっていました。この時、真っすぐに本流のインレット方面に向かうか、広い湖面をトローリングで攻めるか悩みました。ただ、この時期のインレットの水温は未だ5℃以下と低いことが多く、時合いは8時以降だろうと考え、とりあえずはトローリングで主にサクラマスを狙うことにしました。しかし、これが間違いでした。ついついトローリングを粘り過ぎて、インレットに入る時間が予定よりかなり遅くなってしまったのです。

翌朝は朝5時に起床、この日も快晴だ最近はカワウが増え、被害が多い40pのサクラマスで出だしは良好
快晴でダムの風景は最高だったインレットには先に釣り人が・・先に釣られた渓では釣れない

トローリングでは6時前に水深6mほどの湖底の平坦な場所で、40cmちょうどのサクラマスがヒット。出だしは好調でした。ただ、透明度が非常に高く、その後は小さなサクラマスが4尾ほどヒットしただけで、イワナも大サクラも反応はしてくれません。キャスティングも一部で試みましたが、高透明度のせいか、やはり魚が追い掛けてくるだけで喰い付いてくれないのです。そうこうするうちにすっかり時間が過ぎてしまい、本流インレットに到着したのはもう9時過ぎでした。しかし、本命のポイントには、このダム湖の常連のMさんが先に来ていて、既に釣られていて、私には何も釣れませんでした。

インレット下流部でサクラ35cm30cm台の中型はポツポツとヒットしかし、大型のイワナはどこへ・・

Mさんとはこれまで何度か付近で出会っていて、顔なじみです。話を聞くと、8時頃にインレットに到着し、なんでも50cm超を含む大物を5尾ほど釣り上げたらしいのです。上手な人が先に釣ってしまうと、しばらくは何も釣れません。平日であり、私以外にはボートの釣り人など来ないだろうとタカを括っていた私が間違っていたのですが、それにしても大失敗でした。その後はインレットの下流部で中型のイワナやサクラを5尾ほど釣りましたが、大物は姿を見せてはくれません。ただ、夕方まで粘った甲斐があって、16時半ころに朝と同じ場所で、今度は43pのサクラマスがヒット。最後はなんとなく満足して、2日連続の釣行を終えました。

16時半頃、早朝に40pの釣れたのと同じ場所で、再びサクラマス43cmがヒットサクラマス43pと私
タムシバとヤシオツツジミツバツチグリ湖畔に藤の花が美しい

【6月1日(土)】

6月に入ると、6年ぶりに神戸から釣友の黒瀬さんがやってきました。年初にBuuさんが亡くなられた事を知り、弔いを兼ねて久しぶりに東北の渓に来られたという訳です。3日間の釣行予定でした。ただ、本当の事を言うと、もう少し早く・・・5月の中旬ころまでに来られる様にお願いしたのですが、仕事が忙しいらしく、この日しか日程が取れないとのこと。この5月は異常な天候が続いていて、正直、6月に入ってからでも、黒瀬さんに良い釣果が見られるのか、とても不安でした。空路で到着したのは朝の9時でしたが、珍しくこの日の午前中はどんよりと曇っていて、多少の期待が持てるかもと思い、ダメ元で真っすぐにダム湖へと向かいました。

風玉さん,Buuさん,黒瀬さん(13年5月)お昼ころからいつものダム湖へ黒瀬さんの初ヒットは50pの鯉

しかし、お昼前にダム湖に到着してガッカリしました。やおら雲が晴れ、またまた青空が広がってきたからです。それでもインレットの下流2qほどのところからトローリングを始めると、案の定、何も反応がありません。30分ほどゆっくりとトローリングを続けていると、インレットの下流400mくらいまで来て、やっと黒瀬さんのロッドが大きく曲がりました。いきなり良型のイワナかと思ったのですが・・・、鉤に掛かった魚を見てビックリ。なんとまぁ、50cmほどもある鯉でした。透明度が上がってくると、鯉やウグイのヒットする事が多くなるんですねぇ。

12時半ころ突然、尺イワナがヒット同じ場所ですぐに今度は41cmが出た黒瀬さんとイワナ41cm

ただこんな日でも、ごく稀にですが、何かのはずみで一時的に喰いが立つことがあります。12時半ころになって、黒瀬さんのキャスティングしたミノーに尺イワナがヒット。あれ?っと思いながら写真を撮影していると、あれま、全く同じ場所で、すぐに今度は41pの良型もヒット。ただ、釣れたのはこの2尾だけで、その後はまた反応が途絶えてしまいました。上流で崖崩れなどが起き、一時的に餌となるものが沢山流れてきたりすると、こんな事が起こるのではないかと考えていますが、理由はハッキリとは判りません。ただ、とりあえずは黒瀬さんに大物が1尾釣れてくれ、ホッと一安心でした。なにせ、このお天気と水況ではほとんど釣果は見込めないのですから。

余りの暑さに木陰で遅い昼食タイム湖水は既に超の付くジンクリア帰り道で釣れた尺イワナ
16時半を過ぎ、ようやく時合いが到来した インレット下流で46cmがヒットイワナ46cmと私

その後は4時間ほども無反応で、ある意味予想通りの展開でした。残った手は、夕方に大物が動き出すのを待つ以外ありません。遅い昼食を取り、下流部でトローリングを試みたりして時間を過ごし、16時を過ぎたころから再びインレット下流部の一番のポイントへと戻りました。そして16時半ころでした。まずは私のロッドが大きく曲がり、46cmの見事なイワナがヒット。17時過ぎに時合いのピークを迎えたのか、すぐ近くのポイントで、今度は黒瀬さんのロッドが唸り始めました。天国でBuuさんが気を使ってくれたのでしょうか、この条件下でこの大物は正に奇跡的でした。49pの非常に綺麗な大イワナをタモ網で救い上げた瞬間、二人の歓喜の声が渓に響き渡りました。

笑顔の黒瀬さんとイワナ49p17時過ぎ、時合いのピークがやってきたのか、49cmの大物が飛び出してきた
オオバキスミレズダヤクシュ紫のエゾエンゴサク

【6月2日(日)】

2日目はもっくんが参戦してきました。もっくんは前日の土曜に友達と2人でもう一つのダム湖で釣っていましたが、釣果があまり芳しくなかったとのこと。黒瀬さんの大物の話を聞いて、俄然やる気を出して参戦してきました。そのため、黒瀬さんも少し遠慮があったのか、良いポイントをもっぱらもっくんに譲って、眺めているばかりでした。ただ、前日にこのダム湖で大物が釣れたのは17時過ぎであり、ポイントから出航地へ戻り、ボートを片付けて宿まで戻ったのは、もう20時近くになっていました。もっくんは仕事の関係で夕刻まで釣りを続けることができないため、早朝だけの勝負となりました。

2日目はもっくんも参戦一番のポイントでも尺イワナがやっと黒瀬さんにも尺足らずのイワナ
帰り路をトローリングで攻めた私に帰りがけの駄賃の37cm12時半頃、もっくんにも38cm

6時過ぎに待ち合わせ、すぐにインレット下流部のポイントへ向かいましたが、この日も気温の高い快晴の明るい日で、一番のポイントにまずはもっくんがミノーを投げ込みましたが、あれま、数投目でヒットしてきたのは、尺イワナが1尾だけ。付近を皆で釣り続けましたが、その後は黒瀬さんに尺足らずが1尾釣れただけで、どうやら朝の8時でも、既に早朝の時合いは終わっている様でした。この日は午前中で切り上げる予定であり、のんびりとトローリングをしながら出航地へ戻りましたが、途中で私が37cm、もっくんが38cmを追加して、この日は終わりました。午後の時間は、二人で付近の観光と、黒瀬さんの大好きなラーメン店巡りとなりました。

もっくんとイワナ38cm結局この日は大物は不発だった午後からは観光とラーメン店巡り
ミズバショウシロバナイカリソウミヤマカタバミ

【6月3日(月)】

そして黒瀬さんの最終日は、午前中は付近の観光に充て、同じダム湖の同じポイントを夕方の2時間だけ攻めるという、イチかバチかの作戦に出る事にしました。なにせお天気が良く、汗が出るほどの気温の高さが続いていて、早朝と夕方の2時間以外は釣りになりそうもないのです。お昼のラーメンを町でゆっくりと食べた後、出航地には14時過ぎに到着。ボートを用意してのんびりとトローリングをしながらポイントへ向かいました。ただ予想通りに、インレット近くまでは何の反応もなく、16時前に私に33cmがヒットしてきただけで、トローリングの成果はほぼ無しの状態でした。

この日の午前中も観光に充てた夕方の2時間だけを釣る作戦に出た途中、トローリングで私に33cm

16時頃にはインレットの下流1qほどの所に入り、キャスティングで攻めましたが、中型のイワナが追い掛けてくるものの、ヒットに至らない状態が続きました。そして、この日は2日前よりもかなり遅い、17時を過ぎたころからヒットが出始めました。最初は黒瀬さんにおチビちゃんがヒットしてきましたが、次に、この付近で一番のポイントで私が粘っていると、突然ロッドに強烈な魚信が出て、魚が大暴れし始めました。一瞬ですが、浮き上がって来た魚の姿は紛れもない大イワナで、そのサイズは恐らく50p前後・・・かと思った時でした。次の瞬間、なぜかフックが外れて大バラシ。あまりの悔しさで、涙が出そうになりました。

17時頃までチェイス有るがヒット無し17時過ぎ、おチビちゃんが来た薄暗くなると反応が出始めた

そして17時半を回ったころ、今度は黒瀬さんのロッドが大きく曲がりました。大暴れする魚は、先ほどよりも更に一回りも大きな50cmオーバーの大イワナでした。しかしこの魚、馬力が凄く何度も潜っては大暴れして、黒瀬さんがいなそうとしても言う事を聞いてくれません。タモ網を持って構えていた私の方にちっとも寄って来ないのです。魚の姿は何度も見えていて、せめて1枚でも写真を撮れれば良かったのですが、それも無いまま、大暴れの末にこれまたフックが外れて大バラシ。これには二人で悔し涙・・・かと思いましたが、終わってみれば、こんな素晴らしいやり取りは久しぶりであり、なんだかとても愉快な気持ちになり、この日は二人の大きな笑い声が渓に響き渡りました。

こんなポイントで50p超の大バラシ大バラシ後に来た黒瀬さんの34cm渓はもうすっかり夏の景色だ

さて、本レポートの写真を見ての通り、6月初で既に湖水の透明度は真夏並みとなっていて、朝夕のごく短い時間帯以外は、既に釣りにならなくなっています。例年であればこの様な状態になるのは6月下旬以降であり、如何に季節が早く進んでいるかが判ります。温暖化のせいか、少しづつではありますが、年々、釣りのシーズンが短くなってきているのは間違いありません。こんな調子であれば、十年もすれば解禁即シーズン終了などと言う時がやって来るかも知れません。いつまでこの釣りを続けられるのか、とても不安に感じながら、薄暗くなった帰り道の湖面を帰路に就きました。

【今回使用のタックル】
ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE30lb+SeaguarGrandmaxFX2.5号、
Sukari60Deepイブキ/OB鮎/クラシック/アクアマリン/赤金、Sukari85DXSイブキ/OB鮎、他