今秋も北海道遠征にやってきました。今回も雪が降るまでの2ヶ月弱の日程を予定していますが、例によって細かな予定は一切立てていません。体調と天候に相談しながら、各地を気ままに巡り歩きたいと考えています。今回で北海道遠征も12回目となりますが、釣りのウエイトは少なめにし、観光やのんびりと休養する時間を大事にしながら、のんびりと日々を過ごしてゆきたいと思っています。今回も、その日に起こった様々な出来事を、写真と文章で日誌形式で綴って行きたいと思います。 (下写真は、紅葉の始まりかけた阿寒湖) 【10月2日(火)】 台風24号の豪雨で、道東のほぼ全ての河川は泥濁りとなってしまいました。概ね50〜60mmの降雨量だったため、恐らく1週間程度で濁りは引いてくるかとは思われますが、中流・本流の釣りはそれまで不可能となってしまいました。こういう時の頼みの綱と言えば、大きな湖とそのアウトレット河川、知床などの小河川、湧き水の渓の3種だけです。この日は迷わずに今釣行初めて某湧水の河川へと向かいました。この渓はそれほどの大物は釣れませんが、イワナが数多く釣れ、ニジマス・ブルックトラウト・ヤマメも稀に釣れる稀有な渓です。
午後から入渓しましたが、なんと、釣り始めてすぐに43cmもある良型イワナがヒット。この渓ではこのサイズは過去最大でした。この日の午前中は雨で、恐らく土曜の台風以後、誰も入渓していなかったため、魚たちの警戒心が緩んでいたのではないかと思われました。実は2尾めにも35cmほどのイワナがヒットしてきましたが、こちらは写真を撮影しようとしていたら、惜しくも逃げられてしまいました。ここのイワナは青白い斑点の個体とアメマスっぽい白い斑点の個体が共存していて、この43pは青白い斑点のイワナでした。
そして、この日はもう一つ嬉しい事がありました。この渓では10年ほど前まではイワナとブルックがほぼ1:1程度の割合で釣れていたのですが、最近はイワナばかりになっていて、ブルックの姿をめっきり見なくなっていたのです。そんな状況下で、今回、26cmもある、明確にブルックトラウトの特徴を持つ個体が釣れたのです。サイズも北海道で釣れた自然繁殖しているブルックでは過去最大であり、なおさら嬉しいものがありました。結局、夕方17時まで釣り続け、イワナ21尾、ニジマス2尾、ヤマメ1尾、ブルック1尾の大漁となってくれました。
【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+SeagarGrandMax2.5号、 Dahlia30ss/RedBerryヤマメ、Ryuki50S/45S/赤腹ヤマメ、Sukari37ssDeep/クラシック(いずれもシングルフック1本) 【10月3日(水)】 未だ本流の濁りは全く取れておらず、この日は天気も良かったことから、写真撮影を兼ねて某巨大カルデラ湖へ行ってみました。午前中はご覧の様な雲一つ無い快晴で、最高の写真日和。しかし、水を見てしまうと竿を出したくて我慢できなくなるのが釣り師のサガ。10時ころ、カルデラ湖のアウトレット河川で少しだけロッドを振ってみました。寒気が入って朝はとても寒かったため、ニジマスは快晴で水温の上がる9〜11時ころに大物が動き出すことがあり、そんな僅かな確率に期待をして小一時間ほど頑張りましたが、残念ながらこの日は全くの不発でした。
お昼頃、写真を撮りに小河川が何本か流れ込む海岸へ行ってみると、フライマンが2人だけ頑張っていました。2人とお話ししていると、なにやら足元には既にチップ(ヒメマス)が産卵で接岸し始めているとの事。ダメ元でピンクのミノーをキャストしてみると、程なくして下写真のチップが1尾だけ釣れました。チップの体色が産卵時期に赤く染まるため、同じ赤いミノーを投げると、別の魚が恋の邪魔をしに来たと勘違いして、噛みついて追い払ってくるため、こんな色で釣れてしまうのです。ただ、未だ接岸数はごく僅かで、本格的なシーズンまでは、まだ1週間ほどは早い様でした。
【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+DaiwaMorethanXtremeN16lb、 Sukari50ssDeepハヤ/クラシック、Ryuki50Sヤマメ(ピンクに着色) 【10月4日(木)】 この日は朝から快晴のとても良いお天気で、しかも風もほとんど無い天気予報のボート日和でした。そのため、まだ少し早いかも・・と思いながら、今季2回目の阿寒湖に入渓しました。2週間前の前回は水温が高過ぎ、アメマスと小さなニジマスが釣れただけ。ただ、この日も水温はまだ16℃前後といくぶん高く、先が思いやられます。やはりこの時期の湖の釣りは、表層水温が15℃を下回らないと魚たちが岸近くへ寄ってこないのです。案の定、阿寒湖一番の河口のポイントにも、尻駒湾のポイントにも、釣り人は誰もいませんでした。
ただ、上写真の河口のポイントでは、ボートで近づき沖からキャスティングをすると、39cmと36cmの2尾の金アメマスがヒット。しかし、このポイントで多くの釣り人が狙うニジマスは釣れませんでした。その後は尻駒湾方面からヤイタイ島、チュールイ島を軽油して、大崎から滝口、大島、小島と阿寒湖を時計回りにぐるりとトローリングしながら1周しました。まだ本格的なシーズンinでは無いのか、ポツポツとヒットはあるのですが、全てアメマスばかり。14時ころ、1度だけ明確なニジマスの魚信がありましたが、大暴れされてバレてしまいました。
結局、この日はアメマス53、51、47、42cm、40cm以下5尾の全部で9尾の釣果でした。ちなみに、昨年は10月8日に阿寒湖を訪れていて、アメマスの他に良型のニジマスやサクラマスにチップまで混じって、全部で16尾ほどの大漁でした。たった4日しか違わないのですが、今年は季節の進むのが遅いのか、こんなに釣果が違ってしまうとは思ってもみませんでした。ちなみに昨年10月8日は紅葉がほぼ最盛期で、有名ポイントには釣り人がずらりと並んでいる状態でした。今年はと言うと、ようやく紅葉が始まりかけたばかり。紅葉の綺麗な時期に、もう一度この湖のボートの釣りに挑戦してみたいと思っています。
【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+DaiwaMorethanXtremeN16lb、 Sukari50/60deepチャートヤマメ/クラシック/ハヤ、Ryuki50S赤腹ヤマメ(いずれもシングルBL) 【10月5日(金)】 道東のアメマス釣りはもう終わったものと感じていた私ですが、複数の釣り人から「去年よりは数が多い、型も良い」などと聞くことがあり、気になって再度、3週間前に釣った道東のアメマスの渓を訪れました。前日のボート釣りで疲れていたため、釣りを開始したのはもう8時半ころからでしたが、午前中は3週間前に良く釣れていたポイントを再度釣りました。本当は幾つかの橋の上から双眼鏡で鮭がバシャバシャとしぶきを上げながら産卵している場所を探して、その下流を釣ろうとしたのですが、既に産卵は終わっているのか、そんな場所は見つからなかったのです。
台風の豪雨で泥濁りになった渓も、5日目のこの日は上写真の様なルアー釣りには最適な濁りでした。増水で新たな産卵遡上組が渓に入ってきているかも・・、と期待したのですが、残念ながら3週間前よりも遥かに魚影は薄く、ごくたまに20cm足らずのおチビちゃんがヒットしてくるだけ。こりゃ釣り師の得意なホラ話に騙されちゃったかなと思い、もう諦めて引き上げようかと思い始めた頃でした。13時過ぎ、突然のとんでもないドラマがやってきたのです。そのポイントだけは日陰になっていて薄暗く、しかも流れが太く1本に集まっていて、かなりな深さのあるポイントでした。
そんなポイントで、上流側からRyuki50Sチャートを逆引きで流していると、突然、ロッドに強烈な衝撃が加わりました。最初は鮭かサクラマスを引っかけてしまったかと思い、しまった!と思わず声を出してしまいましたが、鮭にしては引きがそれほどでも無く、やがて姿を現したその獲物は、なんと54cmもあるアメマスでした。ただ、産卵後らしく、がっくりと痩せていて元気がありません。それでも、今釣行では最大のアメマスであり、嬉しさはひとしおでした。この1尾でもう充分に満足でしたが、そのすぐ後には、更に驚く出来事が待っていました。
写真を撮影して15分ほど後に、再度、同じポイントに同じミノーを投げ込むと、またまた強烈な魚信があり、あれれ、今度は35cmのウグイが釣れました。ウグイが釣れるということは、産卵の卵などの餌が豊富なポイントである証拠です。更に5分ほど間を空けて、同じ様にミノーを投げ込むと、今度は41cmのアメマスがヒット。更にその5分ほど後には、全く同じポイントで今度は50cmのアメマスがヒット。同じ場所で3尾の良型+ウグイには、本当に驚いてしまいました。ただ、その後は2時間ほど釣り歩き続けましたが、やはりごくたまにおチビちゃんがヒットするだけで、先ほどのあのフィーバーぶりは一体何だったのだろうかと、実に不思議な日でした。 【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+DaiwaMorethanXtremeN16lb、 Ryuki50S/チャート、Sukari50ssDeep/チャート 【10月6日(土)】 台風24号の豪雨は60mm程度と少なめだったため、4日ほどで濁りは治まり、この日は急遽、十勝のニジマスの渓へと舞い戻りました。洗濯と買い物で午前中は忙しく、釣り始めたのはもう11時過ぎでした。それでも、釣り始めるとすぐに小さなニジマスが飛び出してきて、活性は高そうでした。気温も20℃近くと高めで、暗い曇天で、しかも笹濁りのニジマス日和だったのです。ただ、それでも釣れるのは相変わらず25cmくらいまでのおチビちゃんばかり。3連休の初日で朝から釣り人が絶えず、スレている様です。そのため、ポイントの上流側に立ちこみ、ディープダイバーを下流へ大遠投し、根掛かり覚悟で流心の底を探る作戦を試みてみました。
ただ、この方法でも釣れるのはやはりおチビちゃんばかり。15時頃、とあるポイントへ移動すると、あれま、78歳の老夫婦(お元気!)がルアーで釣っています。すでに釣った後だったのですが、非常に良いポイントだったため、念のために私も釣ってみる事に・・・。左下写真の撮影位置からミノーを大遠投し、右へ手を伸ばして流心の真下をゆっくりとリーリングしていると、5mほども巻き取った所でガツっと根掛りの様な魚信が・・・、大慌てで川から上がり、同写真左の草むらのあたりへ30mほども走り、魚を流れの緩い広い場所へと誘導しました。その時、ギラりと一瞬光った獲物の姿は、50cm台後半か、恐らく60cmを超える超大物でした。
ただ、私の姿を見て驚いたのか、直後に流心の深みへ向かって猛烈な速さでドスンと突進。その瞬間にフっとラインテンションが消えました。「あ〜〜〜〜〜〜〜っ」と思わず大声を出してしまい、しばしの間、その場に茫然と立ちすくむ私の姿がありました。 実は、この渓では8月以降、大物が釣れていないとの話が多かったのですが、良く調べてみると、8月以降は猛暑で特に9月は例年の2/3〜半分程度の雨しか降っていません。50oを超える様な大雨は7月初以来だったのです。9月は発電放流で水量は多かったものの、やはり雨で支流などから餌となるものが流下して来ないと魚の活性は上がらないのでしょう。そして、次の台風25号の豪雨の後には、超大物のチャンスが再びやって来るであろう事は判りましたので、折をみて再度この渓で挑戦してみたいと考えています。 【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+DaiwaMorethanXtremeN16lb、 Sukari50ssDeepオレンジベリー鮎、Ryuki50/60S赤腹ヤマメ 【10月8日(月)】 7日は台風崩れの低気圧の通過で釣りは無しでした。ただ、今回の雨は予想に反して30mm前後と少なく、一旦は黒く濁ったものの、この日の朝には釣りの可能な状態にまで透明度が上がっていました。しかし、低気圧の通過で朝からやたらと寒く、こんな日はニジマスは動いてくれません。朝一番に様子見に行きましたが、3連休にも関わらず、釣り人はほとんど見かけません。ただ、一人だけ餌釣り師を見かけたため、15分ほど観察してみました。竿の振り方などから相当なベテランの釣り師の様でしたが、見ている間は結局、何も釣れていませんでした。餌で釣れないのにルアーで釣れる訳がありません。この日はオショロ狙いに切り替えました。
この日まず入ったのは9月26日に行った場所でした。2回の大雨が降っているため、新たにオショロが入って釣れるかと思ったのですが、前回同様に1時間ほどで1尾だけ。やはり相当に餌釣り師に釣り切られている様です。ただ、産卵時期に入っているため、オショロ達が最源流部へ移動している可能性もあるかと思い、滅多に入らない林道を熊スプレーと鈴を持って15分ほど歩き、上右写真の様な源流部のとても細い沢で橋の下だけ釣ってみました。すると、1投目でオショロが5尾ほどゾロゾロと追い掛けてきて、そのうちの3尾がすぐに釣れてしまいました。ただ、3尾とも産卵の後なのか、お腹のあたりの細い痩せた個体ばかりでした。
その後は少し標高の低い源流に入ってみました。こちらも熊が出そうでしたが、気にせず道路沿いの渓を釣り下がります。標高はいつものオショロの渓と比べるとほんの80mほどしか違わないのですが、こちらではオショロは全く見られませんでした。代わりに少し緑かかった斑点のとても綺麗なイワナと、恐らく相当な数の放流がされているのでしょうか、ヤマメがやたらと釣れました。1か所だけ、木の陰になっていて上流側が見え辛くなった、結構な深さのある理想的なポイントがあり、33cmの非常に綺麗な源流イワナが釣れてくれました。オショロはイマイチでしたが、なんとなく満足して早めの納竿となりました。 【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+DaiwaMorethanXtremeN16lb、 Ryuki45/50S赤腹ヤマメ/チャート 【10月9日(火)】 前日の天気予報では、この日は良く晴れた暖かい日になるハズだったのですが、朝起きてみたら結構な雨で、しかも異様に寒い。お昼ころに天気予報を見ると、なにやら寒気が入って大気不安定で、留萌で竜巻が発生しているらしい(気象庁のアホ!)。こんな日はニジマスのご機嫌は最悪のはずなので、雨が止むまで待機して、お昼頃にいつもの渓の隣の渓へ。こちらは小ニジマスがうじゃうじゃいて、普段なら1時間もやれば尺以下ばかりですが10尾ほども釣れてしまう、お手軽な釣り場です。
しかし、ニジマスのご機嫌の悪い日は、結局どこへ行っても釣れないと言うことなんですね、2時間ほどやって27cmまでが4尾だけ。それでもまぁ、お魚さんの顔が見れただけでもマシ、と無理やり納得してこの釣り場は終了。そして、15時ころにはホームの十勝の渓へ戻り、夕マズメの2時間ほどを釣ってみました。しかし、こちらは川も大きく元々魚影も薄いことからか、釣れたのは上右写真のおチビちゃんが1尾だけ。今釣行で最悪の1日となりました。翌日以降も寒波でもっと冷え込む予報が出ており、とりあえず十勝の大ニジマスは神輿として飾る事にしましょうか。 【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+DaiwaMorethanXtremeN16lb、 Sukari50ssDeepオレンジベリー鮎、Ryuki50/60S赤腹ヤマメ 【10月10日(水)】 前日の天気予報では、この日は曇天になり寒波でもっと冷え込む日になるハズだったのですが、今度は逆に大外れで、朝からご覧の様な綺麗な青空が広がる良いお天気に(気象庁のドアホ!)。気温も太陽のお陰か、前日よりは少し暖かい。釧路方面へ移動の予定を少し変更して、午前中だけ十勝のニジマスの渓で悪あがきをしてみました。9時過ぎに釣り始めてすぐにおチビちゃんがヒットしてきたので、こりゃイケるかな、と思いましたが、その後は大した事がありません。やはり風が冷たく、魚たちの活性は前日よりは上がっている様子でしたが、大物はまだ寝ている様でした。
それでも11時近くになると少しだけポカポカとした陽気になり、泣き40cmがヒット。よし!次は50cmオーバーを!!と釣りの神様にお願いしましたが、12時過ぎに尺物ともう1尾のおチビちゃんを追加しただけ。午後からは雲が広がり冷たい風が吹いてきたため、活性も下がるだろうと早めに納竿しました。ところで、十勝で釣りをしていると、ときおり袋をぶら下げて何かを拾っている人を見かけます。この地では十勝石と呼ぶ黒曜石が川原で採取できるそうで、教えてもらって私も拾ってみました。釣りをしながら足元を注意して見ていると、結構な数の十勝石が手に入りました。綺麗に洗って、自宅に飾っておく事にでもしましょうか。
【使用タックル】 SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+DaiwaMorethanXtremeN16lb、 Sukari50ssDeepオレンジベリー鮎、Ryuki50/60S赤腹ヤマメ |