今年の初夏の北海道は大雨に祟られています。北海道には梅雨は無いと言われますが、温暖化で本州化が進み、梅雨が当たり前になりつつある様です。今回は6月22日に北海道入りしましたが、本流での大物釣りが出来たのは当初の4日ほどだけ。その後は長雨と冷夏に悩まされ続けました。そんな中、昨年に引き続き、今年も山形渓遊会釣行に参加しました。しかし、渓流はどこも強烈な濁りで、ルアーの釣りはほとんど不可能な状況でした。ただそれでも、餌釣りの2人にはそれなりの釣果が見られ、一安心でした。 【7月1日(日)〜2日(月)】 渓遊会の佐谷名人と朝日さんのお2人に再会したのは、新年会以来の半年ぶりでした。最近は会長さんが山歩きばかりで都合が悪く、春の例会もやらずじまいになってしまいましたが、昨年からたまたま同じ時期に北海道を訪れる3人で、キャンプ釣行を楽しむ様になりました。ただ3人とも北海道ではそれぞれの目的があるため、別々に車で道内へ入り、キャンプ釣行の後は、またまた別行動となります。私も7月の1週目だけを渓遊会釣行のために予定を空けていましたが、どうやらこの1週間が最悪のタイミングだった様です。
というのも、前夜の未明から台風に刺激された前線(北海道には梅雨は無い事になっているので梅雨前線とは言わないそうです)の影響で、全道で被害の出るほどの豪雨に見舞われたのです。そのため、道南や道央では浸水被害や土砂崩れ、通行止めなどが頻発していた様です。翌日の夕方に合流した我々は、雨の中でどうすることもできずに、ただただ宴会をして過ごすくらいしかありませんでした。その翌日も渓の濁りで釣りは出来ず、なぜか新冠の某牧場を見学したりして過ごしました。 【7月6日(金)】
その後は大きく十勝方面へと移動しましたが、3日にも強烈な豪雨が有り、更に状況は悪化しました。雨でキャンプはほぼ不可能のため、2人はその後、十勝の旅館で過ごされていた様です。私は一旦、2人とはお別れし道東方面へ移動しましたが、泥濁りの状況はどこへ行っても全く変わらず、結局、私もその後の2日間は、釣りは全く無しでした。そして、釣りはしばらくはもう不可能だろうと思いつつも、6日になり、今度は北見近辺の某キャンプ場で、再度2人と合流しました。 【7月7日(土)】
翌7日は小雨模様でしたが、それでも竿を出さずにはいられない3人ですので、朝起きるやいなや、キャンプ場の横を流れる渓で、ズック靴のまま、とりあえず糸を垂れてみる事に・・・しかし、これが意外な結果を招いてくれました。餌釣りの2人もこれほどの濁流では釣れるハズが無いと考えておられた様ですが、朝日さんが強い流れの脇のゆるい巻き込みに餌を投入し、私と雑談すること数分・・・あれれ、のべ竿に明確な魚信が出ているではありませんか。慌てて釣り上げてみると、35cmの良型のイワナが釣れてしまいました。
どうやらイワナやニジマスたちは、強い餌の臭いに誘われて喰い付いてくる様で、竿を全く動かさずにじっと1分以上も待つのがコツの様でした。朝日さんの釣果を見て佐谷名人もすぐに釣りはじめましたが、最初は竿を流れに合わせて動かしていたためか、イマイチ釣れませんでした。しかし、強い流れの脇のほとんど流れの無い場所で餌をじっと垂らし続けることで、佐谷名人にも釣果が見られ始めました。ただ、ルアーでは臭いがしないためか、あの手この手で釣れないかと試してみましたが、サッパリ反応無しでした。
【7月8日(日)】 翌日は8日ぶりに青空の綺麗な日となってくれました。太陽を体一杯に浴びるのは本当に久しぶりでした。この日で最後の豪雨から3日目でしたが、キャンプ場横の本流は相変わらずの濁流のままです。朝一番は前日に入ったと同じ上流のポイントを釣りましたが、やはり変わらずに餌釣りには小ぶりのイワナが釣れてきます。しかし、ルアーには全くの無反応です。朝日さんにはそれでも尺ちょっとのイワナが釣れ、満足の様子。ダム湖のイワナと比べるとサイズがだいぶ違いますが、釣り方が違うので比較してはいけないのです。
しかし、豪雨から3日も経過しているのに、かなり源流に近い場所でもご覧の通りの強い濁りが続いていました。北海道の渓は傾斜が非常に緩やかなため、東北の渓の様に土砂が急流ですぐに流されてしまう事は無く、濁った水がだらだらと長い間、流れ続けるのです。2年前の3連台風の後は、十勝のニジマスの渓では1ヶ月間も、また十勝川本流では半年間も濁りが取れませんでした。一旦泥濁りになると、ルアーで釣りが可能になるまでは、本流筋では1週間から1ヶ月程度もかかってしまうのが普通なのです。まぁ、ルアーではまず釣りにならず、2人が釣るのを指をくわえて見ているしかありません。
私が全く釣れていないため気を利かせてくれたのか、お昼ころには別の支流の透明度の比較的高い沢へと移動しました。しかしながら、ルアーを投げども投げども全く反応がありません。流れの脇の水流の弱い場所にはオショロコマが泳いでいましたが、ルアーには興味が無い様子。餌釣りでもかなり長い間、餌を垂らしていないと喰い付いて来ません。どうやら水温が低下して機敏には餌を追えない状況の様でした。結局、このポイントでは餌釣りの2人にも小さな小さなオショロコマが数尾釣れただけで、最後は再度、本流の強い流れのポイントへ移動して釣ることに・・・。
そして、このポイントでは尺足らずのイワナが餌釣りで入れ食いでしたが、私のロッドにはやはり反応はありません。ただ、このポイントのすぐ上流側に太い支流が入り込んでいて、よく見ると流れはルアーでなんとか釣りになりそうな透明度でした。しかし、今にもヒグマが出そうな雰囲気の渓であり、佐谷名人に付き合ってもらって、少しだけその支流の本流への出口付近を釣ってみることに・・・すると、写真の小さなオショロコマ2尾がようやくミノーにヒットしてきました。今回の渓遊会釣行で、これが初の獲物でした。濁った渓では、やはり餌釣りには敵いませんね。
【今回使用のタックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE30lb(2号)+SeaguarGrandmaxFX2.5号、 Sukari50ssDeep赤腹ヤマメ/ハヤ、Ryuki50S赤腹ヤマメ、他 |