2018年も無事、渓流釣りのシーズンが開幕しました。4年ほど前より東北の多くのダム湖や渓流でイワナの釣果が激減していますが、はたして、今年はどの様なシーズンになるのでしょうか。シーズン当初はまだまだ残雪が多く、車で林道に入れない事から、釣りのできるダム湖も限られていて、まだ状況ははっきりとは判りません。しかしながら、既に下越・山形の3つのダム湖へ釣行に赴いており、部分的にではありますが、釣果の回復してきているダム湖もある様に感じています。今年も健康で変わらぬ釣行を繰り返せる事を願いつつ、シーズン開幕のレポートをしたためています。
釣行レポートに入る前に、例によって少しだけ今冬の状況を確認しておきたいと思います。下表は私の主な釣行エリアに近い下越・山形の6か所の気象観測測定点における、積雪深、気温、降水量の推移を見たものです。降雪量は5〜7年程度で周期的に増減している様ですが、昨年あたりから雪の多い時期に入った様で、今年の降雪も2012年以来の非常に多い状況であったことが判ります。気温も2月までは低めに推移していましたが、しかし、3月に入ると現在まで非常に高温な状況が続いたため、平野部の残雪は一気に融けてしまいました。 ただ、標高の高い場所では気温が比較的低く、残雪は未だに多く残っている様であり、強く濁った雪代が今後しばらくは釣り人を悩ませてくれそうです。ただ、私の主な釣りの対象であるダム湖の標高は比較的低い場所が多く、幸いにも早くから林道が開放されていて、今年は既にボートの釣りが可能となっています。ダム湖では前線(=当サイトの用語:川からの冷たい流入水が暖かい湖水の下に潜り込み、表層の水温が急激に変化する地点の事)より手前では雪代の影響を受けることは殆ど無く、普通に釣りを楽しむことができています。
【4月12日(木)】 さて、今シーズンは4月11日夜より下越入りしました。12日は午前中に下越の1つ目のダム湖での釣りを試みましたが、残念ながら残雪が多くて林道がまだ開放されておらず、仕方なく30分ほど歩いて釣り場へと入渓しました。しかしながら、この日は春の嵐が吹き荒れる強風の日で、ほとんど釣りになりませんでした。おりしもこの日、ダム湖畔の林道では除雪作業の真っ盛りで、私が釣りをしているすぐ後ろで、ブルドーザーが大きな音を立てながら作業を繰り返していました。除雪作業をされていた方には頭が下がります。
午後からはもう一つの別のダム湖に入渓しています。こちらの釣り場は幸いにも残雪が少なく、徒歩無しで入渓することができました。午後からは風も弱まり、夕方15時ころから岸釣りで頑張りました。釣り始めて数投目で30cmほどのイワナがヒッしましたが、残念ながら取り込み寸前にバラシ。更に30分ほど同じポイントでミノーを投げ続けていると、下写真の尺ちょうどのイワナがヒット。小さなイワナですが、今年初の獲物はとても嬉しいものです。その後ももう1尾の小さなイワナのバラしがあり、2時間で3回の魚信があったことになり、このダム湖では魚影が少しは回復してきている様に思えました。
【4月13日(金)】 翌日は写真撮影のために山形県内へと移動しましたが、夕方に同県内のダム湖で少しだけロッドを出しています。こちらのダム湖は4年ほど前までは大型のイワナやサクラマスが良く釣れた釣り場ですが、ここ3年ほどは全く魚影が見られなくなっていました。このダム湖は比較的標高が高く、周囲にはまだ分厚い残雪が多く残されていました。この日はそれほど気温も高くなく、強い雪代も出ておらず、釣りにはとても良い条件の様でした。そして、夕方のベストな時間帯を2時間ほど粘りましたが、結局この日も魚信は全く見られず、魚影は未だ回復していない様に思えました。5月に入ってからもう一度、魚影を確かめに訪れてみたいと考えています。
【4月14日(土)】 さて、ここで余談になりますが、実は昨年秋にエレキを新調していて、現在は写真下左のモーターガイド社製の無段変速40ポンドを使っています。新潟のBuuさんが同じエレキを1年前から使用していて、燃費(バッテリの持続時間)がとても良いと聞いていたため、先に使っていたミンコタ製エレキも古くなって出力が落ちてきた事もあり、買い替えたと言う訳です。実際に使ってみると確かに燃費はバツグンに良く、ミンコタ社製RT40Sと比べると倍ほども走れる様です。以前は丸一日の釣りにはボイジャー製バッテリ105Aを2個用意していましたが、新しいエレキでは1個だけでもなんとか足りています。
ちなみに、ここで少し寂しいお知らせがあります。おなじみの新潟のBuuさんですが、都合により今シーズンの釣りには参加できないそうです。そのため、今シーズンは私単独の釣行が多くなりそうなのです。ただ、Buuさんの親戚のもっくんやそのお友達が参戦してくれるそうで、ミニオフも少しはできそうな気配ではあります。さて、この日は12日午後に入渓したダム湖にボートを持ち込み釣りました。岸からの釣りで魚影がやや回復している様に見えたため、ボートで本格的に釣ってみようと言う訳です。このダム湖はそれほど大きくないため、ボートの移動には先のエレキのみを使用しました。
あまり期待せずにいた事もあり、入渓したのは実は真昼間の12時ころでした。しかし、この日はうす暗い曇天で、しかもこの時期にしては比較的暖かい釣りには絶好の日和でした。そのためか、釣り始めて30分も経たないうちに上写真の見事なイワナ君がヒットしてくれ、超ビックリ。なぜそんなに驚いたかというと、このダム湖では5年ほど前までは40cm超の良型イワナが数多く釣れていましたが、ここ数年は殆ど魚がいない状態になっていたからです。このダム湖でこのサイズを釣り上げたのは実に5年ぶりだったのです。これは相当に魚影が回復しているのでは?・・・と大いに期待して釣り続けましたが・・・
しかし、ところがそうは問屋が卸してくれませんでした。続いてヒットしてきたのは尺にも満たない超おチビちゃんでガッカリ。その後はインレットまで移動しましたが、どうやらまだ本格的に雪代が出ていないらしく、前線を超えると超ジンクリアになってしまい、魚影は全く見られませんでした。仕方なく出船した付近まで戻ってきて再度仕切り直しましたが、ヒットして来るのはなぜか尺前後のおチビちゃんばかり。どうやら最初に釣れた大物は単なるラッキーだった様です。このダム湖も、数はある程度回復してきているようでしたが、大物はまだまだ少ない様でした。
【4月19日(木)】 この日は平日でしたが、やはりボートで前回と同じダム湖に繰り出しました。他にも入渓できるダム湖はありましたが、どうもこのダム湖の釣果が気になって仕方なかったからです。この週は日曜の大雨とその後の暴風の日が続いていて、ようやくこの日、なんとかボートを出せる状況になったばかりでした。ただ、この時期の荒天は強い雪代と大量の流木やゴミの流下を招き、ダム湖面はゴミだらけでほとんど釣りになりませんでした。なにせ、ルアーを流すとすぐに細かなゴミがミノーに引っかかってくるのです。非常にイライラしながらの釣りを余儀なくさせられました。
この日は10時近くののんびりした出船でしたが、ゴミの少ないエリアを探しては釣り始めると、それでもおチビちゃんはなんとかヒットしてくれました。ただ、この日はまともに釣りのできる場所が余りにも少なく、あっと言う間に前線を超えてインレット付近までやってきてしまいました。ただ、この日のインレットは快晴の良いお天気でしかも非常に暖かい日であったためか、11時半ころにはほどよい雪代の濁りが入っていて、インレットの少し下流部で36pがヒットしてきました。そして、インレットの最奥部に到着したのは12時前でしたが、ここで昼食を兼ねて釣り場を少し休ませることにしました。
インレットの岸辺に上陸し、おにぎりを食べながら、或いは付近の野草の写真を撮影したりして、1時間近く場を休ませた後は、なるべくエレキを使わずに、流れに任せてゆっくりと静かにボートを下流方向に流しながら、要所でミノーをキャスティングして釣る作戦としました。これが奏功したのか、先に36cmの釣れたポイントとほぼ同じ場所で、今度は下写真の45pの良型がヒット。これには再度、非常に驚きました。なぜなら、4月中旬のこの時期はまだ、多くの大物は前線の手前の水温の高い(と言っても10℃以下)場所にいて、インレットの直下でこのサイズが釣れたことが殆ど無かったからです。
どうやら今年は3月以降、異様とも思える暖かい(暑い)日が続いたため、季節がメチャクチャになってしまっている様でした。ただ、この1尾を釣り上げた直後には、泥濁りに近い非常に濁った雪代が一気に流れ込んできて、インレットでの釣りはここでおしまいに。その後は出船したあたりでもう1尾の尺ものを追加しただけでこの日は終えました。さて、先にも述べましたが、このダム湖でこのサイズが釣れたのは5年ぶりです。ただ全体として、数はまだまだ少なく、しかも小物が中心の様です。多少の魚影の回復は確認できましたが、さて今後、このダム湖や付近のダム湖の釣果がどの様に推移してくれるのか、多いに楽しみですね。
【今回使用のタックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE30lb(2号)+SeaguarGrandmaxFX2.5号、 D-Contact63チャートヤマメ、Sukari60Deepイブキ/赤金/OB鮎、Sukari50ssDeepオイカワOB、他 |