皆さんにとって、2017年はどの様なシーズンでしたでしょうか。思い出に残るシーズンになったでしょうか。それとも、あまり良いシーズンではなかったのでしょうか。毎年、禁漁に入った時期に、そのシーズン全体を振り返ることを恒例にしています。さて、今年はどの様なシーズンだったのでしょうか? (注:このレポートは山形・下越での渓流釣りを想定して記述しており、気候や水量などの状況は他府県と異なる可能性があります。) シーズン初期は残雪の量に釣果が大きく影響されますが、2017年の南東北の渓流釣りのシーズンは、ごく平年並みの残雪で始まった様です。昨年同様に、山形・下越での6測定点での平均の残雪量の平年値との乖離を表にしています。残雪の量は6〜7年ごとに周期的に増減を繰り返している様ですが、今年からはまた残雪の多い周期に入って来ている様に思えます。気温もやや平年を下回る程度で推移し、今年は釣りのシーズンのスタートも概ね平年通りに始まりました。
山形県小国町 フクジュソウの大群落とフキノトウ (4月17日) そして、4月末頃からは気温の高い日が続き、ダム湖での良い釣りが出来ました。6月中旬までは比較的気温の高い状況が続き、雪代もやや早く消失した様です。6月末から私は北海道入りしたため、南東北での気候の推移については詳しくは判りませんが、データで見る限りは、今年の夏・秋は雨の多かった年の様です。特に7・8月と10月に雨が多く、7月に気温が異常に高かった点は、北海道と全く同様だった様です。東北においても、7月は酷暑と豪雨でほとんど釣りにならず、また、8月・10月は長雨に悩まされ続けたのではないでしょうか。北海道においても、10月の低温と長雨は、著しく釣果を落としてくれました。
気象データ収集 : 気象庁電子閲覧室>過去の気象データダウンロード 私自身は首都圏に転居して今年で4年目となり、冬の数か月を除く全ての季節を、キャンピングカーを利用して長期の釣行に出かけるスタイルが定着しました。今年からは新たに6月末〜7月末にも北海道へ赴き、9〜10月と合わせて実に計77日2ヶ月半に及ぶ北海道遠征釣行を行いました。数年前の男性更年期によると思われる体調不良もすっかり姿を消し、体調はすこぶる良好となっています。今年も健康で釣りを存分に楽しめた事に、心から感謝しています。
北海道 道東の巨大カルデラ湖の紅葉 (10月14日) 最後に、今シーズンも沢山の楽しい思い出をプレゼントして頂いた、TLF掲示板・山形渓遊会・釣り仲間の皆さん、山形・下越や北海道でお会いした釣り人の皆さまに、この場をお借りしてお礼を申し上げます。お付き合い頂いた皆さま、本当にありがとうございました。
2017年の大物記録
2014年から魚影のほとんど見られなくなっていた山形・下越のダム湖ですが、ここへ来てやや魚影の回復してきているダム湖もある様です。山形では1つのダム湖で僅かに釣果が見られる様になりましたが、他のダム湖は未だに魚影が全く見られない状況が続いています。下越では複数のダム湖で魚影が回復しつつありますが、往年の勢いは未だに有りません。そのため、今年も4月末ころまでは、ほとんど釣果の無い寂しい日々が続きました。 ただ幸いにも、昨年から新たに開発した下越の1つのダム湖でGWから釣りが可能となり、以後はまずまずの良い釣りができ、結果的に、ほぼ例年通りの釣果を得る事ができました。しかし、現在でも良く釣れているダム湖は、餌釣り師の手の届かない様な巨大なダム湖ばかりで、しかも、その釣果はトローリングによるものが殆どとなってしまいました。岸からのキャスティングで容易に釣れる様な釣り場では、最近はほとんど魚影が見られなくなっています。 ダム湖や渓流での不漁の原因はよく判っていませんが、ここ数年の温暖化による豪雨と渇水の繰り返しが、魚たちの生息環境を大きく変え、また、産卵活動に悪影響を及ぼしているのではないかと考えています。北海道においても渓魚たちの小型化は著しく、恐らく温暖化により日本全体で生息環境が大きく変化することにより、その地域に繁殖できる魚種がダイナミックに入れ替わる現象が起きているのではないかと推測しています。来年以降の山形・下越での釣果を見守りたいと思います。 一方、堰堤プールの釣りでは、下越の良く釣れていた1つの堰堤プールで、山形の餌釣り師による乱獲が横行し、魚影が全く無い状態になってしまったのが非常に悔しく残念です。既に山形県内では、乱獲によって魚影の消えた釣り場ばかりとなっていて、山形・下越で良く釣れる堰堤のプールはもう見当たりません。多くの釣り場では、実はほんの1人か2人の乱獲者によって、魚影が全く見られなくなるという事が起きています。一部の非常に身勝手な餌釣り師を、なんとか規制できないものでしょうか。 2017年の釣果記録(抜粋) 北海道での釣果記録 今年は初めて初夏にも北海道を楽しむことができました。6月末から7月末のほぼ1ヶ月間を、花であふれる北海道で過ごす事ができたのは、新たな喜びでした。ただ、釣りが主目的ではなかったため、釣行回数はほんの僅かでした。しかし、初夏の北海道は秋の同地に負けず劣らずの釣り天国であることも良く判り、来年以降はもう少し釣行を増やして旅行を楽しんでみたいと思っています。 さて、5年ほど前から始まった道東のアメマスの小型化は、今年も更に進んでいる様に思えました。20pにも満たない小さなアメマスばかりが幅を利かす状況が見られたのです。しかも、今年はその数も激減しており、もはや道東のアメマス釣りは終焉を迎えたと言わざるを得ません。ただ、ごく一部ですが、道内の他の地域で、アメマスの巨大化の起きている河川が見られています。そんな河川を探し歩くことで、今年のアメマスの釣果はやや上向いてはくれました。 一方、北海道では、9月一杯は平年並みの気候でしたが、10月に入ると季節外れの強い寒波が繰り返し襲来する様になり、秋晴れの殆ど見られない寒い暗いお天気が続きました。そのため、10月下旬に予定していた宗谷でのイトウ釣りは諦めざるを得ませんでした。仕方なく、それほど寒冷にならない日高や胆振でのブラウントラウトなどの釣りに途中から切り替えましたが、それでもなお釣りには厳しく、10月後半は殆ど釣りになりませんでした。 気候だけでは無く、今年は幾つかの異常な現象もみられました。日高地方を除く、道東・十勝・オホーツクの全ての河川で、シロザケの遡上がほとんど見られませんでした。日高以外の地域では、アメマスなどを釣っていてもサケ類がヒットすることは全くありませんでした。また、私の見る限り、今年はカラフトマスやサクラマスの河川遡上が皆無でした。これも温暖化の影響なのでしょうか。 最後に、今年はボートを2.9mの大き目のものに入れ替え、新たに湖での2馬力船外機を用いたトローリングなどに挑戦しました。まだ2つの湖での試みでしかありませんが、一部では成果も見られました。北海道ではボートを使える釣り場が意外にも沢山あり、来年以降はより多くの湖・ダム湖で、トローリングや新たな釣りに挑戦してみたいと考えています。
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