7月に訪れた北海道では花や観光が主目的でしたが、後半には少しだけ釣りも楽しんでいます。釣りの対象魚は手軽なものばかりで、主にオショロコマ・イワナ・ニジマスでした。このうち、前半はオショロコマやイワナの釣りについてお伝えします。今年の7月の北海道は異様に暑く、帯広では東京以上に暑い日が何日か続いた様です。避暑のつもりで、かなり源流部へも入渓したりと工夫を凝らしましたが、それでもとにかく暑く、汗だくの釣りが続きました。そのためか大型の魚に巡り会う事も無く、どちらかと言うと数釣りになってしまったのが残念です。 【7月13日(木)】 今回の北海道旅行は、6月24日に出発し7月26日まででしたが、前半は渓遊会の釣行を3日ほど行っただけで殆ど釣りはしていませんでした。しかし、根っからの釣り好きな私ですので、後半になると釣りの虫が疼き出してしまいました。日の高くなってからの釣りばかりでしたが、13日以降は手軽な釣りを選んで楽しんでいます。今夏の北海道は異様に暑い日が多く、この日は帯広で35.3℃の猛暑日を記録していました。そんな日は涼しい渓流で過ごすのが一番と思い、例年良く訪れている道東のブルックトラウトの釣れる渓へと向かいました。のんびりしたもので、釣り始めたのはもう午後の14時半ころでした。
この渓に初めて訪れたのは2011年の9月でしたが、その頃は全く同じ区間でオショロコマやブルックトラウトが良く釣れ、イワナの姿は全体の半分以下だった様な記憶があります。しかし、温暖化で平均水温が上がっているせいか、年々イワナが多くなり、昨年あたりからはイワナばかりの渓になってしまいました。今回もその状況は更にひどく、釣れども釣れどもイワナばかり。これまでこの渓には9月・10月に訪れていて、遡上してきた鮭を避ける様にしてイワナ釣っていましたが、今回は鮭は全くおらず、とても釣り易い状況でした。そのため、夕方の4時間足らずの釣りにも関わらず、全部で36尾もの、とんでもない釣果でした。
しかし、そのほとんどが薄い茶色のイワナばかりで、ブルックトラウトらしき魚体は下写真の1尾だけ。他に釣れたのは、小さなニジマス2尾と小ヤマメ1尾だけで、今回は遂にオショロコマはゼロでした。イワナも年々小型化している様で、今年は結局、40pオーバーが1尾も釣れず、ガッカリです。地元の人に言わせると、60p超えのニジマスも釣れているそうですが、私にはとても信じられませんでした。ただ、ここのイワナはバイカモに守られているせいか、本当に警戒心が薄く、小型ミノーの流し釣りで幾らでも釣れてしまいます。本州の餌釣り師には天国の様な所でしょうね。もっとも、餌では簡単には釣れないらしいですけどね。
【7月14日(金)】 この日も翌日も帯広では猛暑日の予報が出ていて、涼しい源流部の釣りでお茶を濁すしかありません。そのため、この日も例年良く訪れているオショロコマの渓に入りました。写真の様な源流部のとても小さな渓流ですが、オショロコマの魚影はすこぶる濃く、避暑を兼ねて小魚を相手に遊ぶには最適の場所です。オショロコマはイワナ属ですが、イワナと違って警戒心の殆ど無い魚で、小型ミノーの流し釣りで簡単に釣れてしまいます。ポイントの上流側に立ち、下流側に流れにまかせて小さなミノーを泳がせていると、どこからともなくオショロコマがやってきて、やがてパクっと喰い付いてしまうのです。
大型になるとやや警戒心が強くなり、そう簡単には釣れてくれませんが、それでも雨で濁りが差すと、バカ釣れしてしまいます。ここ数日は全く雨が降っておらず、この日は非常に透明度の高い日でしたが、それでも真昼間の非常に暑い時間帯の6時間ほどで、あっと言う間に40尾ほどの釣果となってしまいました。ここでは最近、ヤマメが良く放流されているのか、この日も8尾ほどの小ヤマメがヒットしてきました。少し下流部では、地元の餌釣り師がヤマメ狙いで釣っている姿も見られました。
【7月15日(土)】 この日は帯広で37.1℃を記録し、熊谷や館林を押えて、遂に同日の日本で一番暑い場所となってしまいました。前日も前々日もオショロコマや小さなイワナばかりを釣っていて、本当はニジマスを釣りに十勝方面に行きたかったのですが、予報を見て老体にはとても耐えられそうもないと判断。結局、この日もオホーツク海流で涼しい知床方面へと向かい、例年良く訪れている羅臼町の近くの堰堤プールへ入渓しました。このプールへは2006年から訪れていますが、以前は25pくらいまでのオショロコマが良く釣れてくれたものです。しかし、ここも温暖化のせいか、年々小型化が著しくなっています。
加えて最近になり、オショロコマを大量に持ち帰って食べる地元の人が増えているらしいとの噂が流れていて、どうもこの釣り場も餌釣り師たちの餌食になっている様なのです。そのためか、プールでは15cmにも満たない本当に小さなちいさなオショロコマばかりが釣れる様になり、この日は20pを超える個体は下写真の1尾だけでした。しかも、試しにと羅臼町の街中を流れる本流でも竿を出してみたのですが、なんと、オショロコマの魚影が全く見えないという、本当に信じられない様な状況でした。オショロを喰い尽くすとは、世も末です。
【7月16日(日)】 この日も十勝の予報は真夏日でした。そのためもあって、かねてより試みてみたかった知床沿岸の小渓流でのオショロコマ釣りに挑戦してみました。これで4日連続の小物釣りですが、この猛暑では背に腹は代えられません。8月中旬以降になると、知床の小渓流の河口には産卵のために鮭やカラフトマスが大挙して遡上してくるため、秋の河口付近は鮭類で溢れます。鮭の密漁を疑われることもあって、これまで9月・10月には河口付近での釣りは実質的に不可能でした。でも、鮭類以外なら、実は釣っても構わないのです。鮭のいないこの時期であれば、思う存分、渓魚と遊べると言う訳です。
この日入渓したのは、知床半島の南東岸の何本かの小渓流でした。前日に羅臼町の本流で魚影が全く見られなかったためとても心配していましたが、羅臼町の前後の数本の小渓流では、なぜかオショロコマは健在でした。しかも、日曜とあってオショロコマを釣りに来ている結構な数のフライマンなどが見られました。ただ、こういう目立つ日には、食べる目的の餌釣り師はやっては来ない様でした。知床南東岸沿いには国道が走っていますが、車で移動しながら、橋を見つけると運動靴を履いたままで、ちょっとだけロッドを出してみると言う、実にズボラな釣りです。
しかし、知床のオショロ君たちは実に愛嬌が良いですね。国道の橋の上から小さなミノーを投入するだけでも、あっと言うまに数尾のオショロコマが釣れてしまいます。また、海までほんの数mの距離の所でもバンバン釣れてくれ、結局、合計で3〜4時間の釣りでしたが、この日も30尾近いオショロコマが釣れてしまいました。ただ、オショロを大量に釣って食べるのは羅臼町内だけではない様で、上写真の様な以前には見かけなかった看板も設置されていました。いつまでこんな風にオショロ君たちがお相手してくれるのか、時間の問題なのかも知れません。
【7月19日(水)】 17日以降は気温が下がったため、十勝方面へニジマス釣りに向かいましたが、1日だけ十勝の源流部でもニジマスを狙いつつオショロコマも釣っています。この日は午前中に十勝の本流でニジマスを釣り、14時過ぎからその源流部を釣りました。ヒグマの出そうな山奥ですが、国道がすぐ横に見える様な渓を選び、ほんの2時間ほどだけの釣りでした。この付近のオショロコマは内陸のためか白っぽい魚体が多く、アメマスに良く似ていますが、やはり警戒心はとても薄く、小さなミノーを上流から流して待っているだけで、次から次へと小さなオショロコマが向こう合わせで喰い付いてきます。
ただ、ここでもオショロコマの型はとても小さく、11尾の釣果がありましたが、最大は23cm止まりでした。より大型を狙うには、やはりヒグマの巣になっている様な奥地に入り込む必要がありそうですが、そんな勇気は私にはありません。さてここ数年は、温暖化による水温の上昇で、オショロコマの生育息がどんどん狭くなってきていると聞きます。加えて、一部の節操の無い餌釣り師による乱獲のため、今やオショロコマでさえ減少の一途を辿っている様です。ただそれでも、この小さな愛嬌のある魚たちは、まだまだ健在の様で、取り敢えずは安心する事ができました。
【今回使用のタックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE30lb(2号)+SeaguarGrandmaxFX1.75号、 Sukari37sDeep/クラシック、Ryuki45S/赤腹ヤマメ/ニジマス、他 |