越後・南東北の6月のダム湖は、正にレイクトローリングの最盛期です。しかし、6月中旬を迎え、わたくし的にはダム湖の釣りを終える事としました。実を言うと、潜行板やレッドコア・ダウンリガーを使って深い層を釣れば、まだまだ渓魚たちを釣り続けることは可能なのですが、幾つかの理由が有って、今シーズンは早々にダム湖の釣りを終えました。ダム湖でも堰堤プールでも、大型の渓魚は年々釣れなくなってきています。今も良く釣れているダム湖でも、次第に釣れなくなりつつあるのではないかと思わせる様な結果が出ていて、今後が非常に気になるところです。(下写真は水面を泳ぐサクラマス44cm) 【5月28日(日)】 5月も下旬を迎えると、なぜか金曜に低気圧が通過して雨が降り、土日に寒波で悪天候となる日が続きました。この日も朝から終日の雨。ただ、GWの頃と違って、むしろこの時期は雨やどんよりと曇った日の方が釣りには好都合です。快晴の暑くて明るい日は、朝夕のほんの短い時間を除いて、ほとんど釣れなくなってしまうからです。この日もダムサイト近くの水温は14℃と、金曜に降った大雨のおかげで丁度良い感じです。この時期になると、雪代もそろそろ終盤となっていて、ダム湖の透明度が一気に上がり始めます。つまり、トローリングに最適の季節到来となる訳です。
この日もBuuさん・もっくんと私の3人の釣りでした。ただこの日は直前の大雨のせいでダム湖はかなり濁っていて、トローリングでの大物の釣果は期待薄。それでもハンドトローリングをしながらインレット方面に向かう途中、ダム湖の屈曲部のちょっと手前でロッドが大きく曲がり、47pの大イワナがヒットしてくれました。その後はBuuさんにイワナ28p、もっくんにも25pがヒット。インレット下流部の流れの緩いポイントに到着すると、今度はキャスティングでBuuさんにイワナ40p、私にグッドサイズの46cmがヒット。Buuさんは更に31pと32cmを追加。途中、雨でびしょ濡れになりながらの釣りでしたが、11時ころまでにかなりの釣果が見られました。
そして11時頃、ちょっとおもしろい出来事がありました。スレない様にとミノーを時々入れ替えて釣っているのですが、Buuさんがインレット下流の流れの強い場所で、試しにとスカリ60Deepのレッドスポットピンクという超ド派手なミノーを投げていると、どう見ても軽く50pオーバーはありそうな巨大なイワナがユラユラと追いかけてくるではありませんか! それも3人で何度も何度もミノーを投げ続けていた場所ででした。そしてこの大イワナ君、目の前で突然、ピンクのミノーに突進してきたのです。これには3人ともビックリ。ただ、残念ながら・・・本当に残念ながら、喰い損ねてそのまま逃げて行きました。ド派手なミノーもたまには投げてみるものですねぇ。
その後は一旦喰いが悪くなり、休憩と昼寝タイムでした。ただ、この時点でもっくんだけにまだ大物が釣れておらず、彼はかなり焦っていた様子。午後からは雨も小降りとなり、気温が急低下して湖面は靄に包まれてしまいました。こりゃ、万事窮す・・・と思っていたら、もっくんも頑張りますね。16時前になって、インレットから遥か下流の支流の合流点の前で、なんとか40pのイワナをゲット。3人とも40pオーバーの釣れる良い日となってくれました。その後はイワナ33cm・サクラマス28pを追加して、16時頃、早めに納竿となりました。 (以下に掲載の高山植物は、6月14日に訪れた白馬栂池自然園のものです。)
【6月4日(日)】 6月に入ると、いよいよ雪代も終わりダム湖の透明度は上がって来るハズ・・・でしたが、この週も金・土曜に大雨が降り、ダム湖は薄っすらと白濁した様な状況でした。しかも、この時期にしてはかなり強い寒波が襲来していた様で、朝から非常に寒く、しかも横殴りの雨と強風の吹き荒れる最悪の天候でした。この日は久し振りに東京から風玉さんがやってきて、Buuさん・もっくんと4人の釣りでしたが、この天候では手も足も出ません。おまけに風玉さんは2週間ほど前にちょっとした事でお尻の骨にヒビの入った状態で、私のボートに同乗してもらいましたが、座っているだけでもかなり辛そうな状況でした。
こういう悪い予想は大当たりするものなんですねぇ。この日は4人がかりでルアーを投げども投げども何の反応もありません。インレット近くまで行ってやっと反応が出たかと思ったら、私とBuuさんに25pほどのウグイ。イワナやサクラマスの気配は全くありませんでした。風も強く寒いため、午後からはダムサイト近くに戻り、付近をトローリングで攻める事に・・・大雨直後でも、ダムサイト近くまで来ると、透明度はかなり高く保たれているんですね。ただ、大物は望むべくも無く、結局、私に小さなイワナが2尾ヒットしただけで、他の3人はノーバイトに終わってしまいました。風玉さん、これに懲りずに又来てちょうだいね。
【6月11日(日)】 この週は私は東京に帰っていて、釣りはお休みでした。この日はBuuさんともっくんの2人で先週のリベンジにと、同じダム湖に繰り出した様です。写真を2枚だけ送って頂きましたが、なんとまぁ、2人とも大物をゲットして大満足の様子。特にBuuさんのサクラマス48pはなんとも立派です。天候は曇りで雨も風も無く、釣りにはまずまずの状況だった様です。ダム湖の透明度も一気に上がり、インレット近くでは底が丸見えになる程のジンクリアだったとの事。こういう状況になると、やはりサクラマスがトローリングで良くヒットして来る様になるようです。他にBuuさんにはサクラマス37p、もっくんにもサクラマス37pとイワナ28pが釣れたとの事でした。
【6月15日(木)】 さて、今シーズンの平日は、私は仲間と良く行くダム湖での釣りをしていませんでした。しかし、この日は訳あって、平日釣行を強行しました。6月中旬ともなると、雪代もすっかり終了してダム湖の透明度は一気に上がってきます。ただ、水温も急激に上昇し、この頃からは表層水温が20℃を超え始めます。すると渓魚たちは表層から姿を消し、深さ数m〜10m程度の水温躍層の下へと移動してしまいます。そうなると春に効果を発揮してくれたハンドトローリングでは釣れなくなってきます。潜行板やレッドコア、或いはダウンリガーといった大道具を使って、より深い層を狙わないと釣れなくなってくるのです。
ただ残念ながら、こういった大道具は釣りの楽しさを損ねてしまいます。とにかく水圧の抵抗が大きく、異様に重くて疲れる上に、魚がヒットしても引きが明確には手に伝わってきません。レッドコアで10色も出して釣ると、100m先で尺イワナがヒットしていても気が付かない程なのです。そのため、私はこういった大道具を使った釣りがあまり好きではありません。加えて、かねてより、花の咲き乱れる初夏の北海道を訪れてみたいと言う願望が有り、体調の良くなった今年は、6月下旬より北海道入りする予定がありました。つまり、時間が無かったのです。平日釣行を強行して、少しでも結果を残そうとしたのでした。
【6月16日(金)】 15日は夕方にダム湖畔へと入り、16時半ころから薄暗くなる19時過ぎまで頑張りました。そしてそのままダムサイト付近で車中キャンプをし、翌朝は5時から釣り始め、午前中一杯を釣りました。この時期ともなると既に雪代は消失していて、インレット直下の釣りは終わっていますので、もっぱらインレットから遠く離れた場所でのトローリングが主体となります。ただ今年は、雨が多かったせいか、この時期にしてはまだ表層水温がそれほど上がってはおらず、両日とも16℃〜18℃付近であり、ハンドトローリングでもなんとかギリギリ釣りになる状況でした。
釣果は概ね写真の通りで、15日は晴れでしたが、イワナ39pばかりが4尾と36cm、30pの計6尾。他に薄暗くなった19時頃に40pクラスのサクラマスがヒットしましたが、これは大バラシ。翌16日は雨のち曇りでしたが、サクラマス45p、21p、イワナ35p、32cm、32cmの計5尾でした。他に10時過ぎになって、やはり40pクラスのサクラマスと思われるヒットがありましたが、バレてしまいました。不思議なのは、サクラマスの大物が釣れ始めたのと入れ代わる様に、イワナの大物がさっぱり釣れなくなってしまった事です。私は大イワナを釣りたい訳でして、この状況も、早々にダム湖の釣りを止めてしまった理由となっています。
【6月18日(日)】 さて、この日が私の今年最後のダム湖の釣りでした。この日もBuuさんともっくんとの3人です。金曜にまとまった雨が降っていましたが、土曜もこの日も雨は無く、表層の透明度はかなり高い状況で、トローリングでの釣果が期待されました。しかし、この日はいつもより早く5時過ぎから釣り始めたにも関わらず、9時近くまで全く反応が有りませんでした。恐らく、2日前の雨で渓魚たちの泳層付近にはまだ濁りが残っていて、明るくなるまでは魚からルアーが見えなかったのではないかと想像しています。ただ、インレットに近いポイントで頑張っていた岸釣りの人には良い釣果が有った様です。恐らく、キャスティングには濁りはむしろ好都合だったのでしょう。
そのため、辺りが明るくなり気温も上がり始めた9時頃になり、突然、バタバタと小さなイワナやサクラマスが釣れ始めました。そして9時過ぎになり、今度はBuuさんのロッドが大きく曲がり、どう見ても50p近い大物のサクラマスらしき魚影がチラリと見えました。しかし、これもなんとも残念ながら、獲り込み寸前にバレてしまいました。スカリ60Deepの腹部のフックがもぎ取られていたのです。このミノーは非常に良く潜ってくれるため、この釣りには不可欠な存在なのですが、残念ながら腹部のフックの付根に細軸のサルカンが埋め込まれていて、超大物がヒットすると、このサルカンのワイヤが伸びて外れてしまうと言う重大な欠点を持っているのです。
その後、10時過ぎになり、2馬力エンジンによる6q/時程度の高速なハンドトローリングを試みていると、上写真の45pのサクラマスがヒット。更にすぐ近くで38pも追加。ただ、同じ時間帯に近くで釣っていたBuuさんにも強烈な魚信があり、やはり大型のサクラマスだった様ですが、残念ながらこれもまたまた大バラシ。この日のBuuさんは運に見放されている様でした。お昼ごろに一旦、喰いが悪くなったため、昼食と休憩としましたが、再度出航して12時半ころ、今度はもっくんの竿が大きく曲がりました。こちらもかなり高速なトローリングで湖のど真ん中を走行中に2尾のイワナがヒット。明るくなると高速なトローリングに効果がある様です。
更に15時を過ぎた頃、私のロッドにサクラマス44cmとイワナ36pがヒット。ただ、16時ころ、今度は私のスカリ60Deep赤金にBuuさんと同じ悲劇が襲いかかって来ました。下写真のポイントで強烈な魚信が有り、巨大なサクラマスが大暴れ。しかし・・・魚体が見え隠れしはじめたその瞬間に、やはり腹部の細軸サルカンのワイヤが伸びてフックが外れ、折角の大物をバラしてしまいました。スカリ60Deepはヒット率も高く、手放せないアイテムなのですが、この欠点だけは納得が行きません。メーカーのimaさん、なんとかならないでしょうか。
さて、このダム湖は今年、まだ良く釣れてはくれていますが、これでも地元の釣り師に言わせると「3〜4年ほど前から全然釣れなくなった」とのこと。数年前にはポイント争奪のため、早朝にまるでボートレースの様相を呈していたとの事ですが、現在は釣りのボートが本当に少なく、多くは我々仲間内の貸し切り状態です。釣果の方も数年前と比べると、確かに今年は数も少なく、なによりもイワナの大物がサッパリ釣れていません。かつては50p前後の大イワナがインレットでバカ釣れしたこのダム湖も、じり貧の様な気がしてなりません。私が老いて釣りが出来なくなるのと、イワナがこの地からいなくなるのと、はて、どちらが早いのでしょうか。 【今回使用のタックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE30lb(2号)+SeaguarGrandmaxFX2.5号、 Sukari60Deep/イブキ/メブキ/オレンジべりー鮎/アクアマリン/赤金、他 |