2017年の渓流釣りシーズンが開幕しました。3年前より山形・下越の多くのダム湖や渓流で、イワナの釣果が激減していますが、今年はさて、どの様なシーズンになるのでしょうか。下越の複数の釣り場で既に竿を出していますが、昨年からやや回復を見せていた1つのダム湖でまずまずの釣果が見られた以外は、今のところ、状況は昨年までとさほど変わらず、魚影は相変わらず少ない様に思えます。銘ダム湖の貧果に陥って4年目に入った今シーズンは、これまでとは別のダム湖の開拓も予定しており、過去の栄光から決別できる様にありたいと願っています。
釣行レポートに入る前に、少しだけ今冬の状況を振り返ってみたいと思います。下表は私たちの主な釣行エリアに隣接する山形・下越の6か所の気象観測測定点における、積雪深、気温、降水量の推移を見たものです。昨年は2007年以来の稀に見る暖冬で、シーズンの開幕は1ヶ月近くも早やかった記憶がありますが、今年はどうやら積雪も降水量も平年並みの様です。ただ、気温はやや高めに推移していて、残雪の融けるのはどうやら早そうな気配です。ダム湖へ通じる林道も、今年は平年並みに残雪のデブリが幅を利かせていて、入渓は4月中旬までお預けとなってしまいました。
【4月16日(日)】 今年は4月14日に山形入りしていますが、いずれのダム湖も雪が残っていて入渓地点まで車で入る事ができず、釣りはお預け。今年最初に入渓したダム湖は、結局、下越のいつものホームのダム湖でした。ただ、ここも残雪が多く、車で湖畔まで入れず、ボートを出す事が出来ません。仕方なく、林道を少し歩いての岸からの釣りとなりました。この日は10ヶ月ぶりに再会したBuuさんとお供達Nさんが一緒でした。ただ、このダム湖ではここ3年ほどロクな釣果が見られておらず、私はすっかり気合が入りません。2人が釣る姿を後方から眺めるばかりでした。
しかし、釣り始めて30分程経った9時半過ぎに、Nさんに35pのイワナがヒット。ちなみにNさんはこれまで尺上のイワナを釣った事が無かったそうで、初の尺上イワナのゲット!おめでとうございます。Nさんの35pは、少しだけ斑点の黄色い非常に綺麗な源流育ちらしいイワナでした。そして更に30分ほど経過して、今度はBuuさんに31pのイワナがヒット。正直、誰かが釣れたら真剣に釣ろうとか思っていた私には、結局、この日はノーバイトでした。他人に釣れてる時こそが時合いであって、その後に釣り始めても釣れる訳が無いのですよね。その後は風が強くなり、近くのキャンプ場で釣り談義となってしまいました。
【4月21日(金)】 4月17日から数日間は、季節外れの寒波の襲来で、大荒れの異様に寒い日が続きました。途中、管理釣り場に行ったりはしましたが、結局、フィールドでの釣りは無し。次に竿を出したのは、21日の金曜でした。この日もホームのダム湖に入渓し、本当はボートを出して釣りたかったのですが、やはり残雪がまだ林道を塞いでいて、徒歩での岸釣りしかできませんでした。ただ、この日も寒波が残っているのか、異様に寒く、夕方の2時間ほどだけ竿を出しましたが、全く何の反応も無く、結局ノーバイトとなってしまいました。
【4月22日(土)】 翌日は天候が回復し、時おり陽射しの覗く、少し暖かい日となってくれました。この日はお昼頃から下越地方の、とある堰堤プールへと繰り出しています。ただ、残り寒波のせいか、雪代が殆ど出ておらず、プールは底がぼんやりと見える程の超ジンクリア。これでは真昼間からは到底釣れないだろうと、諦め気味に岸釣りを試みましたが・・・やはり全くのノーバイトでした。仕方なく、堰堤プールの上流側へ1時間近くを歩き、源流の風景や野草花の写真を撮影して時を過ごしました。それにしても、久しぶりの源流遡行は、その美しい風景に魅了されっぱなしで、それはもう気分最高でした。
【4月23日(日)】 翌日曜日は再びBuuさんとのミニオフでした。その様子を紹介する前に、少しだけ新しいボートのお話をしておきたいと思います。以前使っていたゼファーの220pのボートは、昨年導入した2馬力船外機には荷が重すぎ、スピードを出すとバウアップが激しく少々危険でした。そのため、仕方なく小型のパワーボートに買い換えたと言う訳でした。今回導入した新艇は、Joycraft製のLaPoche(ラポッシュ)290。この日はこのボートの進水式となり、Buuさんと2人で乗ってみましたが、前のボートとは比べものにならない程、高速走行時の安定性が高く、スピードも出る様です。
このボートの特徴は、チューブのPVCの厚みを薄くする代わりに繊維の本数を増やし、強度を落とさずに軽くした事の様です。確かにチューブ本体の重さは、以前の220pの時よりも軽いくらいで、持ち運びもし易く感じます。逆にエアフロアはPVCの厚みが以前のものより相当厚く作ってあり、高い剛性がありますので、これが走行時の安定性を増している様です。加えて、後方に本体より太く設計されたチューブが40pほど伸びていて、これがバウアップを抑えてくれる様です。以前のボートは10年使っていましたが、この新艇で、また10年は遊べそうです。
さて、この日はBuuさんと2人で、前週とは別のダム湖へと繰り出しました。こちらのダム湖はホームのダム湖より少し標高が低く、残雪も少ないため、前日に林道が解放された様でした。そのため、車で湖畔のすぐ近くまで入れる様になり、今年初のボートフィッシングとなった訳です。ただ、誰もが同じ様な事を考える様で、このダム湖には他にもボートが3艘ほど浮かんでいました。そして、良くよくみると、あれま、もっくんとそのお友達がいるではありませんか! なんでも早朝5時頃からボート釣りを開始したらしく、早朝にお友達が35pのイワナを釣り上げていました。
我々はと言うと、のんびりと朝7時半ころから釣り始めていて、この日はお天気が良く、既に早朝の時合いは完全に終わっています。それでも8時半ころ、私のロッドに強烈なアタリが有り、スワ大物か!と思いましたが、どうも引き具合がイワナとは異なる様子です。そう言えば、このダム湖にはスモールマウスバスが泳いでいて、水温が上がるとイワナの代わりにヒットしてくるのですねぇ・・・、40cmほどの憎たらしい顔のバス君でした。その後は暫く反応がありませんでしたが、11時半過ぎになり、何年か前にも真昼間にヒットが連続した水深5m程の棚のあるポイントに差しかかった時、またまた強烈な魚信が出てくれました。
「またバスかよ!」と一瞬、思いましたが、引くにつれズルズルとイワナらしい引きに変わって来て、魚体を見て一安心。今季初の獲物は44cmの立派なイワナ君でした。このダム湖は餌の状態が良いのか、良く太っていて、素晴らしいパワーでロッドを曲げてくれました。そのため、ヒットした直後の引きは、まるでバスそっくりなのでした。そして更に1時間ほどが過ぎた12時半過ぎに、またまた強烈な引きがロッドに伝わってきました。んーー?、今度こそはバスだな?、と思ったのですが、こちらもまるで小錦(古い?)の様に丸々と太った42pのイワナ君でした。この位まで太ると、イワナもバスそっくりな引きをするんですねぇ。
ところで同乗していたのBuuさんですが、実は私がこの2尾を釣り上げた時間帯には、真昼間でどうせ釣れないだろうと、新しく考案された潜行板のテストをしておられたのでした。潜行板を使って私より相当深い層を釣っておられた訳で、まだ水温の低いこの時期には、釣果には結び付かなかった様です。その後、Buuさんも慌てて潜行板を止め、普通のハンドトローリングに切り替えられましたが、時既に遅しでした。14時過ぎになってBuuさんにも強烈なアタリがありましたが、残念ながらこれも40cmほどのスモールマウスバス。時合いはいつやってくるか判らないのがダム湖なんですよね。
その後は更なる水温の上昇で、どうやらバスの活性が上がってしまい、イワナよりも先にバスがルアーに喰い付いてしまう状況となった様で、2人にはバスばかりがヒットしてきました。15時半頃には、なんとBuuさんと私に同時にヒットがあり、バスのダブルヒットと言う、なんともガックリとくる状況に・・・近くで見ていたバサーには、垂涎の状況だったかも知れませんけどね。結局、この日の釣果は、私に44,42pのイワナとバスがなんと5尾、Buuさんにバス2尾、もっくんにもバス、もっくんのお友達にイワナ35pとバスでした。なお、釣れたイワナは生きたままリリースしていますが、バスはエラを切り、陸上に捨てています。 【今回使用のタックル】 ShimanoCarddiffNX/S72L、StradicC3000、SunlineCastawayPE30lb(2号)+SeaguarGrandmaxFX1.75号、 Sukari60Deep/イブキ/OB鮎、D-dyrect/チャートヤマメ/鮎、Ryuki70/60/ヤマメ赤腹/チャート、他 |