皆さんにとって、2015年はどの様なシーズンでしたでしょうか。思い出に残るシーズンになったでしょうか。それとも、あまり良いシーズンではなかったのでしょうか。毎年禁漁に入った時期に、そのシーズン全体を振り返ることを恒例にしています。さて、今年はどの様なシーズンだったのでしょうか? (注:このレポートは南東北での渓流釣りを想定して記述しており、気候や水量などの状況は他府県と異なる可能性があります。) 2015年のシーズンは、前年12月に積雪が非常に多かった割には、1月以降は比較的暖かく雪が少なかったため、残雪は平年並みかやや少ない状況で始まった様です。3月〜4月は更に暖かく降水量も少ない状況が続き、4月の解禁時以降はとても釣りに適した状況が続いた様です。 5月に入ると気温は更に高くなり良いお天気が続きました。一気に残雪は消失し、渓流やダム湖では例年よりかなり早く透明度が上がってしまった様です。暖かい気候はその後も続き、8月のお盆前まで続きました。そのため、6月以降は東北では渇水状態が続き、例年よりかなり早くから多くの堰堤でプールが干上がってしまいました。
山形県大井沢地区の寒河江川から望む、残雪の大朝日岳 ただ、お盆の頃から一転して気温が平年を下回る気候へと変化し、雨も多く降る様になってくれたため、心配された渇水による作物や飲料水への影響はほとんど見られず、なんとか平年並みの秋を迎えられた様です。渓流においても、9月以降は平年並みの水量を確保でき、終盤には良い釣りを楽しめたのではないかと推測しています。 9月から私は北海道入りしましたが、北海道では逆に寒冷な状況となり、9月は度重なる台風と爆弾低気圧の襲来により晴れた日が少なかった様です。10月に入ってからも北海道では例年よりかなり寒く、10月下旬には早くも降雪が見られ、北海道からの早期の撤退を余儀なくされてしまいました。
紅葉の始まったころの、北海道屈斜路湖 私個人の2015年は、首都圏に転居して早や2年が経過し、春から初夏にかけて山形・下越へキャンピングカーを利用して長期の釣行に出かけるスタイルが定着しました。また、今年は2年ぶりに北海道に遠征しました。体調は未だに万全ではありませんが、ほぼ車中泊のみで2ヶ月近くを無事に北海道で過ごすことができた事は、現在の私にとって大きな喜びであり、とても感謝しています。 最後に、今シーズンも沢山の楽しい思い出をプレゼントして頂いた、TLF掲示板・山形渓遊会・釣り仲間の皆さん・北海道でお会いした釣り人の皆さんに、この場をお借りしてお礼を申し上げます。中でも、春に毎週の様にお付き合い頂いた新潟のBuuさんにはとても感謝しています。皆さま、ありがとうございました。
2015年の大物記録
昨日春、余りにも突然に、山形・下越の渓流から大型魚の姿が消えてしまったのは記憶に新しいところですが、今年もその状況は大きくは変わってはいない様です。特に、山形県内の複数のダム湖では、今年も魚影の殆ど見られない釣り場が多くある様です。ただ、私個人や仲間の釣果を鑑みると、その状況は昨年よりはやや回復傾向にある様には思えます。 個人的には4月のダム湖は壊滅的であり、数・型ともに昨年以上の貧果が続き、過去最悪でした。5月に入りやや持ち直しましたが、それでも例年を大きく下回る状況が続きました。久々に渓遊会の釣行にも同行しましたが、渓流でも釣果は散々でした。ただ、これも昨年同様ですが、5月末のたった1か所のダム湖で大型魚の爆釣がみられ、全体としては何とか平年並みの釣果を確保することができました。 今年は春から暖かい気候が続き、特に5月は稀にみる渇水と高温となりました。そのため、多くの堰堤ではプールが早期から干上がり、私自身も6月19日の堰堤の釣りを最後に、今年の東北での釣りを終了せざるを得ない状況でした。そのため、今年も堰堤プールの釣りは悲惨な状況のまま終わってしまいました。 上記の不漁の原因は未だによく判っていませんが、2013年夏の数十年ぶりの豪雨で多くの魚が流されてしまった可能性や、2012年の大渇水による産卵への影響などを考えています。この数年は夏に酷暑となり、渇水と豪雨が繰り返す気候に変化していて、北海道の渓魚の小型化と同じく、東北でも小型化が始まっているのではないかと考えています。来年以降の南東北での釣果を見守りたいと思います。 2015年の釣果記録(抜粋) 北海道での釣果記録
道東では、アメマスの小型化が3年ほど前から始まり、今年はその状況が更に進みました。中には名人と呼ばれる人たちによって80pクラスの大型も釣られてはいる様ですが、多くの釣り人にとって、50pのアメマスですら釣るのは至難の業となってしまいました。加えて、ニジマスやブラウントラウトについても、従来大型が釣れていた道内の多くの河川での小型化が著しく、大型魚がほとんど釣れない状況となってきています。 ただ、良い知らせも無くはありません。ごく一部の河川ではありますが、過去には釣れなかった大型のアメマスやニジマスが突然釣れ始めた渓がある様です。いずれもオホーツク海に面した非常に寒冷な地域の河川ですが、過去には見られなかった80p級のニジマスや、70p越えのアメマスが釣れ始め、地元の釣り師たちを驚かせている様です。 北海道を釣り歩いていて思うことは、見かけは同じ様な河川でも、水温・水質・水量などが河川ごとに異なるため、魚種ごとに大型化し易い川とそうでない川が存在する事です。これまで道東のアメマスで有名だった河川では、温暖化による水温上昇で大型化する条件が損なわれてしまい、小型化が始まったのではないかと考えています。漁協のアメマス駆除や釣り人の急増が原因であるとする説もありますが、根本的な原因となる程の影響力は無いのではないかと考えています。 そして、来年以降は、従来の大型魚で有名だった釣り場を攻めることは止め、新たに大型化が進んでいるであろう河川を探しながら釣ってみたいと思っています。過去の栄光は、釣りの世界でも通用しない様です。 2015年北海道遠征(抜粋) |