昨年から不振が続く山形・下越のダム湖は、昨年と比較すると、魚影はやや回復傾向にある様に見えるものの、今年もその釣果は振るいませんでした。特に山形県内のダム湖で不振がひどく、他の釣り人の情報からもその釣果の悲惨な状況が伺えます。しかし、今シーズンも最後の最後になって大物のダム湖が結果を出してくれ、なんとか一年の帳尻を合わせる形で終わってくれました。一方で、非常に透明度の高いダム湖での新しい釣り方も、模索を始めています。 【5月31日(日)】 前回のレポートでお伝えした様に、前週24日に良い思いをしたBuuさんと私は、翌週も当然の様に同じダム湖に入渓しました。この日は朝から小雨交じりのとても寒い日で、早朝の寒いうちは水の冷たいインレット付近では恐らく何も釣れないだろうと比較的のんびりと出漁しました。ただ、ダム湖の表層水温はこの時期にしてはとても高く、19℃でした。そのため、カヌーを高速で走らせながら、ハンドトローリングをしながら移動することにしました。実は昨年、このダム湖を訪れた時から高速のハンドトローリングを試みていて、小さなサクラマスなどを釣った経験が有ったからです。
水温19℃は渓魚にとっては流石に高温過ぎるため、水温の少しでも低い深い層を探らなくてはなりません。そのため、DダイレクトやSukari60Deepなどの非常に深い層を泳いでくれるミノーを多用し、ラインも50m程度と長く出して釣ります。また、高速で移動するため、これまでの様に岸辺ギリギリをトレースするのではなく、岸から離れた場所をほぼ一直線に走り続けます。この日は2人ともSukari60Deepの鮎系統のミノーを流し続けましたが、Buuさんに36cmと25cmほどのサクラマス、36cmのイワナがヒット、私にも42cmの結構なサイズのイワナがヒットしてくれ、透明度の高いダム湖での新たな釣り方を模索する結果となっています。
さて、のんびりと出漁したのは釣りには正解でしたが、実はこの日、エンジンボートのルアーマン2人が後からやってきて、インレット方面へ移動中の我々を追い越して行きました。エレキのみの我々は速度が遅かったからです。無言で追い越し、先に良いポイントを釣ってしまう行為は明らかにマナー違反ですが、最近はこういったマナーを無視した釣り人が増えていて、とても嘆かわしく思います。そのため、インレットの一番のポイントは既に釣られてしまい、後から到着した我々には何も釣れませんでした。ただ、インレットに到着した8時半の時点では、雨模様でとても肌寒く、当初の予想通りであり、「これはまだ釣れないな」と思いました。
先に入った2人に釣果を聞いてみましたが、2人で2尾だけで、それほどの大物は出てはいない様子。先行の2人はその後、下流へと移動して行きましたが、我々はその場に上陸して暫く時間を置き、虫たちの飛び始めた10時を過ぎてから、インレットの更に一つ上の大きな淵を狙ってみる事にしました。この日は満水より5mほど減水していて、「居残りイワナ釣り」の考え方からすれば、イワナ達は上流部の淵にも多数泳いでいると考えられたからです。そしてこの作戦が功を奏し、10時半ころから大物が次々と釣れ始めてくれました。
まずはBuuさんが48cmを皮切りに、45cm、43cmをゲット。Buuさんは途中、50cmオーバーの超大物をヒットしましたが、残念ながら足元でバレてしまいました。私にも48cmと44cmがヒット。先行者が居たにも関わらず、ほんの30分ほどの間でしたが、今回も無事に爆釣タイムを味わう事ができた事にホッとしたのでした。ちなみに先行者に釣られてしまっていたインレットの一番のポイントは、結局、最後まで何も釣れませんでした。透明度の高い状況下では、活性が上がる前にルアーを投げてしまうと、やはりそれを見ていたイワナたちは、もうルアーには反応しなくなってしまう様です。
その後、11時半ころには釣れなくなったため、早めの昼食と休憩としました。ただこの日は時折晴れ間の見える曇天で、それほど明るくは無かったためか、13時ころには再び魚の反応が出始めてくれました。インレットから前線の間をハンドトローリングとキャスティングで探って行くと、Buuさんには44cmに続いて46cmが、私にも40cmを皮切りに39cm、36cmと最後に38cmのイワナがヒット。17時頃までポツリポツリと釣れ続け、楽しませてくれました。更に帰り道にも高速でハンドトローリングを行いながら移動し、小さなサクラマスが3尾釣れています。
それにしても、今年のBuuさんは本当に調子が良いですね。私と行けばほぼ毎回の様に大物を仕留めていて、今日までに40cm超えを14尾、51cmを2尾を釣り上げている様です。一方で私はと言えば、5月中旬まで大物はゼロ。このダム湖での2回の釣行で、なんとか40cm超え13尾まで追いつきましたが、50cm超えはもう釣れそうも有りません。ただ、実は面白い事実があります。今年はBuuさん単独での釣行が3回有ったそうですが、いずれも大物はおろか小物も殆ど釣れなかったらしいのです。んーー、これは一体、どういう事なんでしょうねぇ・・・??。 【6月2日(火)夕方〜6月3日(水)午前】 翌週は日曜に横浜で予定があったため、Buuさんとの釣行は1週間お預けでした。ただ、このダム湖も梅雨の洪水に備えて水位を大きく下げ始めていて、それに伴って大物の釣果は望めなくなってきていました。大物はダム満水時のインレットの付近に多く泳いでいて、下流へ行くほどに少なくなる様なのです。6月に入るともう大物は望めそうにありませんが、それでもこの日は珍しく単独で件の大物のダム湖へと入渓しました。単独釣行ですので、前日夕方に入渓し、ダム湖畔のボートの目の前でそのまま車中キャンプし、翌朝はまた午前中まで釣るという作戦でした。
初日に入渓した時刻はもう16時半ころでしたが、なぜかボートを出した直後に、トローリングで37cmと34cmがバタバタとヒット。インレットはなぜか全く反応が無く、帰り道に車の前まで来て納竿しようとした直前にまた34cmがヒット。やはり大物はもうこの付近には泳いではいないようでした。翌朝は5時ころには目覚め、すぐに入渓してトローリングを試みましたが、なぜか全くの不発でした。魚たちはある程度水温が上がるまで、どこかで寝ているのでしょうか。8時過ぎになって32cmの小さなイワナが1尾ヒット。その後も小さなイワナかサクラマスの魚信が2回ほど有ったのですが、魚が小さすぎてSukari60Deepには喰い付けなかった様でした。
【6月10日(水)】 その後、6月10日から山形のダム湖に赴いています。まず最初にトライしたダム湖では、地元ルアーマンと話す機会がありました。ホームのダム湖では、以前は行けば40〜50cmの大物が何本か釣れていたらしいのですが、昨年から急に釣れなくなり、今年は3回目の釣行でまだ1尾のイワナも釣れていないとのこと。別のダム湖に通う山形のルアーマンも、2年前までは40cm前後のイワナを数多く釣っていたが、昨年は30cm1尾のみ、今年はまだ全く釣果が無いとのこと。やはり山形県内と一部の下越のダム湖では、2年前に魚影が一気に消えてしまう様な、何か大きな出来事が有ったと考えざるを得ないのでした。
【6月14日(日)午後】 実は、この日は午前中にBuuさんと某堰堤プールへ入渓しています。ただ、結果があまり芳しくなく、午後からまたまた大物のダム湖へと転身してきたと言う訳でした。出航したのはもう15時前でしたが、この日はお天気が非常に良く、明る過ぎて夕方までは釣れそうにも無い雰囲気でした。しかし、高速でハンドトローリングをしながらインレット方面へ向かうと、カンカン照りの非常に明るい状況下にも関わらず、私のロッドにイワナ38cmと小さなサクラマスがヒット。5m以上の深い所を高速でミノーを泳がせるためか、お天気にはあまり関係なく釣れてしまう様でした。
インレットには16時過ぎのほぼベストな時間帯に到着しましたが、今年は残雪が少なく、また気温の高い日が多かったためか、この日、既に雪代はほぼ消失していて、ジンクリアとなっていました。これでは全くのお手上げです。そして、最後は帰り道のトローリングで、私のロッドに28cmの小さなイワナがヒットだけでこの日は終えました。なお、この日の午後はBuuさんはノーフィッシュでしたが、実は午前中の某堰堤では、Buuさんには中型イワナ2尾の釣果、逆に私がノーフィッシュだった事を申し添えておきます。
さて、毎年の事ですが、6月も半ばに入ると下越では水温が高くなり過ぎるため、ダム湖や堰堤ではそろそろ釣れる釣り場が無くなってきます。そのため、今シーズンのBuuさんとの釣行も、どうやらおしまいの様です。今年も長い間お付き合い頂き、また、毎回の様にカヌーに同乗させて頂き、Buuさんには大感謝です。本当にありがとうございました。加えて、今年もなんとか健康でBuuさんと一緒に釣りを楽しめたことは、私にとっては最大の幸せでした。来年以降もまた一緒に釣りが出来る様に、健康に取り組もうと思っています。 【6月18日(木)】
例年であれば南東北のダム湖の釣期は6月の第1週目位までなのですが、今年は大物のダム湖がまだ釣れ続けているとのことで、この日、最後のダム湖の釣りを試みました。もうすっかり雪代は消失していましたが、前日と前々日に平野部で雷雨があり、多少の濁りが入って釣果が見込めるのではないかと考えたからです。しかし、この時期の雷雨は非常に局所的なものであり、どうやら山間部ではそれほど降ってはいなかった様子で、早朝の時点で、インレットは既にジンクリアでした。ただ、インレットから離れた下流のやや深い所には雨で多少は濁った水が溜まっていたのでしょうか、魚が良く反応してくれました。
8時過ぎ、まずは前線の下流部500m程の地点でイワナ33cmがヒット。その後、前線に向かいながら37cmが、またインレットからの帰り道にも41cmが順調にヒットしてくれ、最後には31cmのチビイワナ君がお相手をしてくれました。超大型こそ釣れませんでしたが、この時期に41cmの大物が釣れてくれたのは、過去の経験から言えば奇跡的な出来事でした。加えて、帰り道には高速のトローリングで、炎天下の真昼間にも関わらず、小さなサクラマスが2尾釣れてくれ、なんとなく有終の美を飾るかたちで、今年度のダム湖の釣りを終えることができました。 【今回使用のタックル】 Daiwa LibertyClubEging832ML、SensiLiteMG2500、PE2号+シーガーエース1.75号 D-Direct/チャートヤマメ/鮎、D-Contact63/チャートヤマメ/鮎、Ryuki60S/鮎、Sukari60Deep/鮎/メブキ、他 |