ホームグランドのダム湖を含む下越・山形のダム湖では、多少の魚影の回復も見られてはいる様ですが、今年も昨年同様に早期から釣果が芳しくありません。南東北のダム湖では、5月中旬を過ぎるとワカサギたちが産卵のためにインレットに集結し始め、それを追って大イワナたちもインレットに集まり始めます。この時期は正に大イワナ釣りの最盛期となるのです。昨年から釣れなくなった付近のダム湖ですが、昨年は最後の最後に大物の釣れてくれたダム湖が1つだけ有りました。当然の様に、今年もそのダム湖に最後のチャンスを賭けることになりました。 【5月17日(日)】
実は、最後の最後に大物の期待できるダム湖が待ってはいるのですが、残念ながら林道の開通が非常に遅く、この日はBuuさんと2人でホームグランドのダム湖でお茶を濁すことになってしまいました。ただ、今年は残雪が少なく、源流部の標高の低いこのダム湖では、既に雪代はほぼ消えてしまっていました。2年前までであれば、このダム湖でもこの時期、インレットにワカサギが集結し始めていて、インレットの雪代の強い流れの中で、大イワナが何尾も釣れていました。しかし、今年は魚影が殆ど見られない上にインレットの透明度が非常に高く、簡単には釣らせてはくれません。
この日は下流部の深いポイントで、まずはBuuさんにハンドトローリングで36cmがヒット。しかし後が続かず、あっと言うまにインレットに到着してしまいました。インレット直下の緩い流れの部分は、既に雪代がほぼ終わっているため、底が丸見えの状態で、恐らくおチビちゃんくらいは居たのでしょうが、まるで反応がありません。インレットではもう少し流れが強く水面に波ができていて、人影が魚から見えにくいため、なんとか釣りになってくれた様です。まず私に31cm、続いてBuuさんに35cm、最後に私に40cmジャストのイワナがヒット。ちなみにこの40cmが今季の私のこの時点での唯一の大物でした。
【5月24日(日)】
翌週は、いよいよ待望の大物のダム湖への林道が解放されました。昨年も同時期に、このダム湖では50cmオーバーを含む大物が何尾も釣れていて、今年もあまり釣れていない私には、最後の砦の様な存在でした。1年ぶりに訪れたこのダム湖でしたが、お天気はドピーカンで釣りにはあまり相応しくはありません。それでも期待して早朝から入渓すると、朝8時頃、インレットのかなり下流部の前線(注)の前後の狭い範囲で大物たちの反応があり、一時は入れ食い状態になりました。 注:前線=ダム湖の暖かい水の下に渓流からの冷たい水が潜り込む地点で、通常、水面にゴミが溜まっている。
まずは私がトローリングで48cmをヒット。その後、付近でキャスティングを試みると、あれよあれよと言う間に、6尾の大型のイワナがヒットしてきました。Buuさんにはいきなり51cmがヒットし、このダム湖のポテンシャルの高さを再確認させられました。ただ、この入れ食い状態は長くは続かず、ほんの30分足らずで終わってしまい、その後は更にインレット方面へ向かってトローリングとキャスティングを続けましたが、残念ながらそれ以上の釣果は見られませんでした。インレット付近は早朝で水温も低く、そのためか透明度が非常に高く、釣りにはならなかった様です。
その後、9時半頃にはインレット近くの沢に上陸し、写真撮影とコーヒータイムを楽しみましたが、ここでは驚きの出来事がありました。2人でコーヒーを飲みながら談笑していると、Buuさんの30mほど後ろに見える緩い流れの中に、あれれ、なにやら黒い棒の様なものが数本、浮いたり沈んだりしているのが見えるではありませんか! 2人で良く見ると、どうみても40cmを超える様なイワナばかりが、4〜5尾も遊弋しているのが確認できました。写真を撮影しようとしましたが、実は我々が立ち上がった瞬間に、大イワナ達は岩陰へと素早く姿を消してしまいました。写真も撮らせてくれない警戒心の強さに、改めて驚かされました。
その後、しばらく時間を置いてから魚たちの遊弋していた付近にミノーを投入してみましたが、ジンクリアで魚たちからこちらが丸見えなのでしょう、まるで魚などいないかの様に、何の反応も有りません。正に「見える魚は釣れない」の格言の通りでした。実は相当数の大イワナたちがこの付近には泳いでいた様なのですが、透明度が非常に高く、カヌーで近づいただけで逃げられてしまっていた様です。想像以上にイワナたちの警戒心は強い様であり、透明度の高い時間帯は、下流部の水深の深いポイントでの遠投もしくはトローリング以外では、どうやら釣りにはなりそうも無い様でした。
昼食の後はしばらく休憩し、午後から雪代で透明度が下がるのを待ちました。この日はこの時期にしては異様に暑い日であったためか、2時頃には少しづつでしたが反応が出始め、3時ころには薄い青白い雪代の濁りに流れが変化しました。こうなってくると、今までまるで魚の反応の無かったポイントが、まるで全く別の渓流であるかの様に姿を変えてくれます。インレット直下から下流部へ向かって、再度トローリングとキャスティングで探りを入れると、またまた次々と大イワナがヒットし始めました。結局、午後も二人で大物ばかり5尾の釣果が見られ、大満足のうちにこの日は納竿しました。
【5月27日(水)】 Buuさんはお仕事のために日曜しか釣行できませんが、この週の私は平日も下越・山形に滞在し、写真を撮影したり管理釣り場に行ったりして過ごしています。この日は単独で今年最後のホームグランドのダム湖を攻めてみることにしました。既にこのダム湖の釣期は終わっている様にも思えましたが、いわば最後の〆のつもりでダメ元で出かけました。しかし、この日は長野から来たムーチングで餌釣りをするという2人組が先行していて、下流部の一番のポイントは早朝からボートが浮かび、全く釣りになりませんでした。
ただ、なぜか彼ら2人にもこの日は全く釣果が無かった様で、8時ころにはさっさと帰って行ってしまいました。残された?私は、インレットに上陸したり下流部をトローリングしたりとのんびり釣りを楽しませて貰いましたが、しかし、釣果の方は全くの予想通りであり、インレット直下の流れの中で30cmと28cm2尾の釣果が見られただけで、大物の魚影は全くありませんでした。今年は残雪がかなり少なかったことに加え、暑い日が続いたせいか、この日、既にダム湖の水位は2週間ほども早めに減水を始めていて、このダム湖ももう来年まで訪れることは無いだろうと、最後のお別れをして納竿しました。
【今回使用のタックル】 Daiwa LibertyClubEging832ML、SensiLiteMG2500、PE2号+シーガーエース1.2号/1.75号 Sukari60Deep鮎/メブキ、D-Directチャートヤマメ/鮎、D-Contact63チャートヤマメ/鮎、Ryuki70S鮎、他 |