今年も無事、ダム湖の釣りのシーズンが始まりました。昨年は最後には大物に恵まれたものの、全体としては過去最悪の不漁の年でした。加えて、体調不良から釣行回数が激減してしまい、私にとっては、過去最悪の年となってしまいました。体調の方は治療により現在回復中ですが、さて、イワナ達の魚影の方は回復してくれているのでしょうか。1年の釣運を占うシーズンスタートのダム湖の釣行は、釣友に大物が出たものの、なんとも微妙な結果となってしまいました。ただ、それでも1年の始まりは実に清々しく素晴らしいものです。春を思う存分、楽しませて頂きました。 【4月18日(土)】 私の昨年はほんとうに最悪の年でした。一昨年の秋に発症した心房細動という不整脈がいよいよ悪化し、春のダム湖のシーズンはこの不整脈発作に悩まされ続けました。結局、秋には手術を受ける羽目になり、北海道遠征を断念せざるを得ない状況になってしまったものです。釣果の方も、一か所のダム湖を除いて、全ての下越・山形のダム湖で、攻めても攻めても何も釣れない、全くの壊滅状態でした。今回訪れたダム湖も、昨年の今頃はチビイワナすら釣れない状況が何回も続いていましたが、それでも釣り師はまた春になるとフィールドに向かわざるを得ないのです。
今年は昨年よりは残雪が多かったため、下越のホームのダム湖の結氷の融けたのは、3月の25日頃でした。そのため、本当は4月4日から釣行開始の予定でしたが、ただ、体調がイマイチ優れなかった事や、突然の車の故障に見舞われた事で、大幅に出遅れてしまったと言う訳です。シーズンのスタートはまず、下越地方のこのダム湖を訪れる事にしています。ただ、相当に出遅れていて、残雪はほとんど見られず、現場に到着するとすでに車でかなり奥まで入れる状況になっていました。既に多くの釣り人に攻められてしまっている・・・かと思ったら、土曜にも関わらず釣り人は皆無。足跡も殆どありません。去年の貧果から、釣り人も諦めているのでしょうか。
この日は朝からお天気も良く、ポカポカした陽気のもと、午前9時ころからのんびりと釣り始めました。10時前に32cmの非常に綺麗なイワナ君がお相手をしてくれ、まずは初釣果にホッとしたのですが、跡が続かず、午前中はこれでおしまい。休憩を挟んで午後からも同じダム湖を攻めましたが、12時頃から急に強風が吹きはじめ、14時ころには波と風で立って釣りが出来ないほどの状況になってしまい、納竿せざるを得ない状況になってしまいました。本当は午後からボートを出してのんびりと釣りを楽しみたかったのですが、こんなお天気ではどうしようもありません。
【4月19日(日)】 翌日曜は新潟のBuuさんとミニオフでした。昨年は北海道へは行かなかったため、Buuさんとは10ヶ月ぶりの再会です。今年も元気に2人で釣りが再開できたことに、まずは感謝でした。私の体力的な理由から、昨年からBuuさんのカヌーに便乗させてもらう事が多くなっていますが、今回も甘えさせてもらいました。なにせ、こちらのダム湖はまだ林道が奥まで開通しておらず、合計100kg近くにもなる重いボートのセットを、急な斜面を上り下りしながら運ぶのは、今の私には到底無理なのですから。
このダム湖には2つの大きな支流がありますが、朝8時ころ、まずは西側の本命の支流へと向かいました。かつての銘ポイントを2人で次々と攻めて行きますが、しかし何の反応もありません。今年もまた何も釣れない状況が待っているのではないかと、イヤな予感がよぎりはじめます。・・・ところが9時ころになって、Buuさんが諦め気味にインレットから遥か離れた広い湖面のド真ん中に何気なくミノーを投げると、あれま、27cmのイワナがヒットしてきました。これにはBuuさんも苦笑い。我々がポイントと考えている様な場所にはイワナは居ないのでしょうか。
その後は再び何の反応も無いままに、アッと言う間にインレットに到着してしまいました。ただ、この日はお天気がとても良く、インレットの滝のある流れは、それはそれはもう天国の様な非常に美しい風景でした。ここではコーヒータイムを楽しみましたが、何も釣れなくても、ただじっとそこに居るだけでも、それだけで十分に幸せでした。ただ不思議に思ったのは、普通インレットではこの時期、小さなイワナやウグイが見られるものですが、この日は幾らルアーで探ってみても、魚の気配は一切ありませんでした。
今年は4月初ころから寒暖の差の激しいとても不順な天候が続いていて、暑い日は強い雪代が、雨の日は濁流が、恐らく交互にインレット付近には流れていて、魚たちもインレットから離れた雪代に影響されないエリアに退避していたのではないかと思われました。もう少し雪代が落ち着いてこないと、インレットでの釣りはままならないのかも知れません。仕方なく、休憩後は再び前線(ダム湖の暖かい水の下に川からの冷たい水が潜り込む地点=ゴミが溜まっていて、表層水温も急激に変化する)よりもかなり下流側まで移動し、ポイントを探り直す事にしました。
ボートを移動させながら、トローリングとキャスティングを交互に組み合わせながらポイントを次々と探って行きますが、はて、さっぱり反応がありません。ひとしきり探った後、Buuさんが先ほど27cmを釣った時と同じ様に、湖面のど真ん中の同じ様な場所にDコンタクト63S黒金を諦め気味に遠投してみると・・・な、なんと、今度はミノーの着水と同時に、魚が大きく跳ねながら喰い付いてきました。しかも、サイズがデカい。これにはまたまた2人ともビックリ仰天させられました。今日は普通のポイントには魚たちはいない様です。何年この釣りをやっていても、イワナたちの気持ちは良く判りませんねぇ。
しかしこのイワナ君、後ほどしっかり計測してみると、見方によっては50cmにも見える超大物でした。ただ、幾ら測り直しても50cmに5mmほど足りない「泣き50!」なのです。Buuさん大物おめでとう、と同時に、5mm残念でした。ただ、このイワナは斑点のとても大きいアメマスの様に見えました。恐らくダム湖内で急速に大きく育った魚体であって、どうやら源流から落ちてきた大物では無さそうでした。この時期にしては、丸まると非常に良く太っていたことも、アメマスであることを伺わせました。
さて、午後からは別の大きな支流に入りましたが、こちらは更に状況は厳しく、ほとんど全てのポイントを隈なく探りましたが、魚のトレースすらも全く見られないヒドい状況でした。こちらの支流は道路が広く比較的入渓しやすいためか、源流部で餌釣り師たちに釣り切られてしまっているのでは無いかと思われました。午前中に入渓した支流も、数年前までは大型イワナが良く釣れていましたが、4年ほど前に雑誌に掲載されたらしく、源流部に節操の無い餌釣り師たちが殺到する様になって以後は、さっぱり釣れなくなってしまいました。その状況は現在も続いています。
そして、昨年はその不漁のピークだったのかも知れません。このダム湖全体で極端な不漁となり、昨年は6回の釣行でチビイワナが2尾だけと言う悲惨な状況でした。今年はアメマスとは言え、50cmクラスが既に釣れてくれたことは喜ばしい事ではあるのですが、このなんとも微妙な結果からは、さて、魚影は多少は回復してくれていると言えるのでしょうか。今後の状況を見てみないと、まだ早計な判断はできない様です。ダム湖の春はまだ始まったばかりです。さて、今シーズンは一体、どんなドラマが待ち受けてくれているのでしょうか。
【今回使用のタックル】 Daiwa LibertyClubEging832ML、SensiLiteMG2500、PE2号+シーガーエース1.2号、Kanade60S稚鮎 D-Directチャートヤマメ/鮎/TS、D-Contact63チャートヤマメ/鮎Ryuki60S鮎、Sukari50SSDeep鮎、他 |