ミニオフ・単独釣行レポート

14年堰堤の釣り終了(5月23日〜7月5日)


今年も堰堤プールの釣りはおおむね終了しました。今年前半はダム湖でも堰堤プールでも貧果が続いていましたが、その後の堰堤プールの釣果も、ダム湖ほどではありませんが、全体に型が小さく、数も少なめでした。ダム湖では最後の最後に大物に巡り会えると言う幸運がありましたが、残念ながら堰堤プールでは、最後まで状況が大きく変わることは無かったのでした。ただそれでも、この時期は気候も良く水温も適当で、魚たちもすこぶる元気であり、その釣りを存分に堪能させて頂く事ができました。

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【5月23日(金)】

今頃になってレポートをお届けするのも時期外れになりつつあり、申し訳ありませんが、GW以後の堰堤プールの釣りについてお伝えします。5月はダム湖の釣りに忙しく、GW以後に堰堤の釣りに入ったのは、もう5月も下旬でした。下記は今年前半の山形・下越への釣行日の一覧ですが、土日は主にダム湖でのミニオフに充てたため、堰堤プールの釣りは殆どが平日となっています。

今年の下越・山形への釣行日:4月7日〜14日(8日)、4月24日〜5月7日(14日)、5月17日〜26日(10日)
5月31日〜6月9日(10日)、6月14日〜20日(7日)、6月30日〜7月8日(9日)、合計58日(内、釣行は32日)


GW以来の久々の堰堤プール1投目でいきなり良型がヒット魚体の非常に綺麗な36cm

5月一杯くらいまでは、まだまだ山の季節は春そのものです。雪代も豊富に流れていて、イワナ達も産卵遡上の準備を始めるころです。この日、午後から入渓した山形の堰堤プールも、雪代でほどよく濁りの入った晩春を思わせる雰囲気でした。緑が深くなりつつあり、水温も10℃を超えていてフローターでも寒さを感じることは無く、気分は最高でした。そして、この日は第一投目から36cmの良型がヒットしてくれたものの、その後は大型は出ず、13時から17時半頃まで釣って、中・小型ばかりが5尾だけの、ちょっと寂しい釣果でした。

この時期の堰堤プールは新緑から深緑へと緑が美しく変化して行くイワナ36,31,26,ヤマメ23,22cm
リュウキンカミズタビラコアカツメグサ

【6月4日(水)】

6月に入ると、山形の堰堤プールもようやく初夏の様相を呈し始めます。この日は1年ぶりに最上地方の堰堤プールに入りましたが、流石に山形の標高の高い山の残雪はまだまだ豊富な様であり、強い日差しの午後から入渓したために、インレットは強烈な雪代でミルクコーヒー色の泥濁りでした。しかも半端ない水量で堰堤プールは超満水。この堰堤にはこれまで何度も足を運んでいますが、こんなに水が多くて水位の高い状態は初めてでした。それでも、フローターを漕いでインレットまでは出向いたのですが、強い濁りで全く釣りにはなりませんでした。ガッカリでした。

1年ぶりの堰堤プールは超満水濁りが強くて釣りにならない雪代でインレットは濁流

【6月6日(金)】

深緑の薫る山道を30分ほど歩いて入渓したインレットで唯一釣れた36cm

1日開けて6日にもまた別の堰堤プールへと向かっていますが、こちらでは逆に雪代がほぼ無くなり、プール全体がジンクリアの非常に釣り辛い状況でした。小さなライズがあちこちで無数に見られましたが、釣れたのは最初にヒットした36cmの1尾だけ。小魚のトレースが4回ほど見られたものの、他は全く反応がありません。恐らく1尾釣っただけで、プール内の隅々から魚の暴れるのが見えてしまい、あっと言う間にスレてしまったのでしょう。あれだけのライズが見られたと言うことは、小さなイワナやヤマメが沢山泳いでいたハズなのですが、お魚さんというのは気難しいものですね。参りました。

コウゾリナシロバナニガナヒヨドリバナ

【6月15日(日)】

この日は新潟のBuuさんと今シーズン前半の最後のミニオフを予定していました。この時期に林道が解放され、毎年決まってBuuさんと一緒に入渓している堰堤プールにまずは向かいました。過去には大物が何本も釣れた往年の銘釣り場であり、1年ぶりに訪れたこの釣り場は、昨年と何も変わらず青々とした水を湛えていて、如何にも釣れそうな雰囲気が一杯でした。しかし、ご多聞に洩れず、最近はどこの堰堤プールも釣果は落ちてゆくばかり。この釣り場もここ数年はかつての面影は有りません。早朝6時半ころから入渓しましたが、最初に2人に仲良くおチビちゃんが釣れただけで、サッパリ反応がありません。

1年ぶりの下越の堰堤プール1尾目は26pのおチビちゃんBuuさんにも25pがヒット
散々釣った後に出た39pイワナ39pと私午後からは別の堰堤プールへ

ただ、不思議なのですが、あちこちに散々ミノーを投げまくり、流石にもう釣れないだろうと諦めかけていた9時ころになって、なぜか私のロッドに大きな魚信が有り、39cmの丸々と太ったイワナが釣れてしまいました。インレットの流れが急激に緩くなる開きの部分の底ギリギリを、Dダイレクトチャートヤマメで探っていた時でした。朝一番は寒くて水温が低かったため、太陽が出て少し暖かくなるこんな時間になるまで、魚たちはどこかで寝ていたのでしょうか。しかし、2人でその後もお昼近くまで粘りましたが、残念ながら魚影はこの3尾以外には見られませんでした。

ロッドが水面に突き刺さったが・・・28pの良型ヤマメもヒット35,34cmとBuuさんのヤマメ28p

午前中の堰堤プールの魚影が余りにも薄かったため、午後からは大きく移動して別の堰堤プールへと入渓しています。こちらでは途中、Buuさんのロッドに強烈な魚信があり、写真上左の様に、まさしくロッドが水面に突き刺さりました。恐らく40pを遥かに超える大物ではないかと思われましたが、残念ながら鉤を外して逃走して行きました。あれだけの引きを示す大物は、堰堤プールでは珍しく、とても悔やまれてなりません。ただ、この釣り場では、私に35,34cmが、Buuさんにも28pの良型のヤマメとおチビちゃんがヒット。なんとなく満足してミニオフを終了しました。

エゾアジサイニガナ白いシモツケソウ

【6月17日(火)】

夏の雲が眩しい初夏の陽気この日は好調に釣れ続いたミミズは少なくユスリカばかり

さて、6月も半ばを過ぎると水温も一気に上昇し始め、魚たちのパワーも全開となってきます。イワナたちの一部は産卵のため、既に源流部へと移動を開始している頃です。そして、このころが最も大物も数も釣れ、しかも魚の引きも強くなっていて、釣って楽しい時期なのです。堰堤の釣りの最盛期と言えます。この日は2週間前にも訪れた堰堤プールに午後から入渓しましたが、前回とは打って変わって雪代も落ち着いていて、とても釣りやすい状況になっていました。インレットまでフローターを漕いで移動し、流れの脇にDコンチャートヤマメを投入すると、すぐに魚信が出始めました。

インレットの水も穏やかだ35,34,32,30,30,28,28cm,他4尾最大は35cm止まりと寂しい

この釣り場はインレットが広々とした砂浜になっていて、釣れたポイントは殆どがインレットの強い流れの脇でした。減水中のために付近の泥を巻き上げて多少は濁っていたのですが、それでもお構いなしにイワナ達はルアーにアタックしてきました。そして、13時過ぎから釣り始め17時までの4時間足らずの釣りでしたが、全部で11尾の釣果が得られ、まずまず満足行く結果となってくれました。ただ、最大は35cm止まりであり、昨年までであれば40cmを超える大物も混じって釣れていたことを考えると、少々寂しい釣果ではありました。

ハマヒルガオギンリョウソウアザミと黒アゲハ

【7月2日(水)】

7月に入ると今年は一気に気温が上昇し、既に真夏の様相です。6月末は一旦横浜に帰りましたが、どうしても気になる堰堤プールがあったため、暑さを我慢して再び山形入りしました。同じ堰堤を2日連続で釣る予定を立て、この日は午後遅い15時過ぎからの入渓としました。この遅い入渓は、暑くて昼間は釣れない事に加え、夕方の涼しい時間でないと体力が持たないと考えたからでもあります。そして、ほんの2時間足らずの釣りでしたが、なぜか28pまでのおチビちゃんばかりが6尾も釣れてしまいました。大物も間違いなく泳いでいるハズなのですが、どこに潜んでいたのでしょう。

夏空の下、堰堤の釣りも終盤だ夕方の入渓で濁りが強かったが小物ばかりが良く釣れた

【7月3日(木)】

そして翌朝も同じ堰堤プールに入渓しました。幸いにもこの日は曇っていて昨日よりはかなり涼しく、体力的にも魚の活性にも良い状況でした。ただ、昨日よりは水位が30cmほども下がっていて、インレット付近は泥が巻き上げられて昨日以上に強く濁っていました。そのためか、前日にあれだけ釣れた小さなイワナたちは全く姿を見せてくれません。仕方なくインレットから100mほども離れた、透明度のやや高い場所まで戻りミノーを投げ込むと、ようやく反応が出始めました。非常に広い範囲を時間を掛けて探って行くと、36cmを頭に、5尾のイワナがヒットしてきました。

減水して更に強く濁っていたがインレットから離れた所で・・36,31,28,20,20cmがヒット
源流部には5〜6人の足跡が・・しかし、魚影は見られなかった帰り道に釣れた34cm

昼頃になり魚の反応が途絶えたため、その後はこの堰堤の源流部を釣ってみる事にしました。ただ、残念ながらこの日は早朝から入渓者が有った様で、魚影は全く見られませんでした。河原の砂地を観察すると、既に5〜6人分の足跡があり、源流釣りの季節が既に始まっている様でした。堰堤のイワナたちも、やがて全て源流部へと移動し、殆どの個体が彼らに釣られ殺されてしまうのです。かろうじて残ったイワナたちが細々と産卵を繰り返し 、命を繋いでいるという日本の渓流の寂しい姿は、この水系でも同じでした。帰路に釣れた34cmのイワナが、今年の堰堤プールの釣りの最後となりました。

以後の野草花は、蔵王刈田岳の高山植物です 左から、ヤマホタルブクロ、、ハクサンチドリ、ベニバナイチヤクソウ

【7月5日(土)】

堰堤プールの釣りではありませんが、シーズン前半の最後に「ダム湖の居残りイワナ釣り」を試みています。この日入渓したダム湖は、例年、大型のイワナが数多く釣れている釣り場ですが、今年はGWに釣行にでかけたものの、小さなイワナが僅かに釣れただけの貧果でした。居残りイワナの状況を見て、魚影の濃さ(薄さ)を再確認しようと試みた訳です。そして、釣果の方は全くの予想通りで、ミノーを幾ら投げどもイワナの反応は皆無でした。おまけに、途中で巨大な鯉が釣れてしまい、ロッドを折ってしまう悲劇が起きてしまいました。応急手当をしてダムの満水時のインレットまで釣り上がりましたが、釣れたのは上記の鯉とウグイだけでした。

減水したダム湖上流へDコン63チャートヤマメと鯉68p応急手当して釣り上がったが・・・

さて、こうして私の今年の堰堤プールの釣りは終了しましたが、ご覧の様に今年の堰堤での釣果は、ダム湖ほどでは無いにせよ、例年と比べると型がかなり小さく数も少なめでした。今シーズン全体を見てみると、ダム湖においても堰堤プールでも、山形・下越の非常に広い範囲でイワナの魚影が激減していたことが判ります。その原因として、観測史上最大と言われる「平成25年7月山形豪雨災害(下越にも記録的豪雨をもたらした)」による大洪水により、イワナ達の多くが源流から下流部に流され、釣られてしまったのではないか・・・などと考えたりもしていますが、本当のところは良く判りません。

アカモノトキソウコマクサ

原因は何にせよ、源流で育つイワナの釣りは自然任せの世界であり、今後の経過を見守るしかありません。どうか来年以降に、またこれまでの様にイワナ達の元気な姿が沢山見られる様になる事を、心から願って止みません。そして、今年は年初から魚影の薄さと大型の少なさには悩まされ続けはしましたが、今年も多くの仲間と良い釣りが出来た事、そしてまた、この歳になってもなんとか健康で釣りが続けられていることに感謝しつつ、14年前半の釣りのレポートを終えたいと思います。

【今回使用のタックル】
AlphaTackle LakeMarquis80H、SensiLiteMG2500、PE2号+シーガーエース1.2号
D-Direct/チャートヤマメ、D-Contact50/63/チャートヤマメ、Ryuki60S鮎、他