例年6月の声とともにダム湖の釣りが終了すると、堰堤プールの釣りやダム湖上流部の居残りイワナ釣り(減水直後の釣り)へとシフトします。しかしながら、今年は6月中旬までダム湖の釣りが続き、加えて6月終盤からは個人的に釣りの出来ない状況が生じてしまいました。そして7月の中旬になると今度は豪雨が続き、これまた釣りにならない日々が続いてしまいました。そのため、今年は堰堤プールの釣りも居残りイワナ釣りも、思った様には出来ずじまいに終わってしまいました。数少ない釣行でしたが、6月中旬から7月末までの釣りについて、まとめてレポートします。 《ダム湖上流部の居残りイワナ釣り(ダム湖の減水直後の釣り)》 【6月6日(木)報告済】 この居残りイワナの釣りは、6月に入ってからの通常のダム湖の釣りでも、ついでに試みる事があります。ボートなどでインレット付近を釣りますが、この時期はダム湖が減水し始めていて、インレットから上陸して満水時のインレット付近までを釣ることがあるのです。そんな釣りを実は既に前回のレポートで少しだけ紹介していました。右下の写真は前回のレポートでも掲載したものですが、このうちの大き目の3尾がインレット上流部の強い流れの中で釣れたものです。ダム湖の水位が低下して湖であった場所が激流の川に変化しても、魚たちは同じ所に定位しているらしく、大きなイワナが満水時のインレットまでの短い区間で釣れるのです。
【6月20日(木)】 ただ、ダム湖の減水直後はまだ雪代が豊富で水量が多く、インレット上部が激流となっていて、遡行することの出来ないダム湖も多くあります。6月の半ばも過ぎてくると、徐々に水量が減って来て遡行可能なダム湖が増えてきます。この日入渓したダム湖はそんな釣り場の一つで、ネットの情報から水量を推察して、1番乗りを目指したと言う訳でした。しかし残念ながら、平日夕方にも関わらず、既に1番の座を奪われてしまっていました。山形市から来たと言うベテランのルアーマン氏にほんの30分ほど先を越され、大物は全て彼の手中に・・・、それにしても彼は60pほどの超大物をバラしてしまったとの事で、私以上に残念そうではありました。
【6月22日(土)】 この居残りイワナの釣りも概ね7月中旬ころで終了となってしまう釣り場が多い様です。大型のイワナ達は産卵のため源流部へと遡上して行きますが、そのスタートとなるのが梅雨の大雨による増水であると考えています。北海道のアメマスのファーストランも、8月前半ころの大雨の増水時であることが良く知られています。気温・水温の高い東北では、梅雨の大雨が遡上開始のトリガーとなると考えられるのです。ただ、今年は6月に入ってからの気温が異様に高く、しかも、雨の少ない日が続いていました。水温の上昇も例年より早く、魚たちは例年より早めに遡上を開始してしまうのではないかと心配していました。
この日はそんなタイミングで某ダム湖のインレット上流部へと入渓しましたが、案の定、魚影は既に薄くなっていて、2時間ほどの釣りで小さなイワナが2尾釣れただけ。ガッカリでした。この釣り場では上流でニジマスも放流していて、時折釣れてしまうため、もっぱらDコンタクト63のGチャートやチャートを多用していましたが、スレて反応が悪くなったため、鮎カラーに代えて同ミノーを遠投すると、なんと一投目で42cmもあるニジマスがヒットしてしまいました。最初は大イワナかと一瞬は期待しましたが、緑色の魚体が見えると更にガッカリでした。恐らく今年の様な高温続きの気候の下では、この居残りイワナの釣りも6月末頃までが限界の様です。
《堰堤プールの釣り》 【6月16日(日)】 さて、もう一つのこの時期の釣りである堰堤プールの釣りですが、こちらの方も今年の釣行回数は大幅に少ないものとなってしまいました。この釣りは例年であれば7月末の梅雨明けころまでが釣期となるのですが、今年は6月中旬までダム湖の釣りに没頭したことに加え、目の不調で6月下旬から7月中旬まで釣行に出る事が出来ませんでした。更に悪いことに、7月の中旬になると今度は梅雨末期の豪雨が南東北を襲い、河川は強い濁りが治まらず、釣りの出来る状態では無くなってしまったのです。そのため、今年この堰堤プールの釣りを楽しめたのは、6月後半の釣行のみとなってしまいました。
この日、Buuさんと訪れた堰堤プールは、数年前までは大型のイワナが数多く釣れた銘釣り場なのですが、最近は人が増えたのか、サッパリ釣れなくなっていました。そのため、あまり期待もせずに9時過ぎの遅い入渓となりました。ただ、釣り始めて間もなくの10時ころ、私のロッドに上写真の40cmがヒット。こりゃイケるかな、と期待したのですが、残念ながら後が続きません。11時頃になってBuuさんにも37cmのまずまずのイワナがヒットしてくれたのですが、これを最後に午前中の釣りはこの2尾だけでおしまい。昼寝などをして午後からも2人で粘りましたが、33cmとおチビちゃん2尾を追加したのみでこの日は終わってしまいました。
【6月20日(木)】 この日は夕方から某ダム湖上流の居残りイワナ釣りに出かけましたが、このレポートの上の方で述べた通り、先行者が居て釣りになりませんでした。そのため、少し移動して夕刻遅くにこの堰堤プールに入渓したと言う訳です。しかし、ダメな日は何をやってもダメな様で、こちらの堰堤プールでは水位が既に大きく下がっていて、どうやら大イワナたちは既に遡上を開始してしまった様子。ミノーを投げども投げども反応は無く、プールのインレットから遥か離れた何でもない様な変な場所で、20cmにも満たないほどの超おチビちゃんが2尾釣れただけ。この堰堤プールも今年の釣期は既に終わっていた様でした。
【6月23日(日)】 先ほども述べましたが、今年に入ってから目の調子が悪く、肩こりやめまいに悩まされていました。5年前に網膜剥離と言う面倒な目の病気になり、それが原因で左目が外傷性白内障になり、同年に受けた手術で左視力は回復はしたのですが、今度は右目も白内障が進み見辛くなっていたのです。右目も手術をすれば視力が回復する事は判っていましたが、術後は2週間は外出が出来なくなり、また2〜3ヶ月間は目の状態が落ち着かず、長期の旅行などは控えなければならなくなります。今年も9月に北海道遠征を予定していた私は、6月末ころまでに手術をしないと北海道が危うい・・・と6月26日に急遽手術を受ける事にしていたのでした。
つまり、私にとって今年の堰堤プールの釣りは、この日が最後になってしまう可能性が高かったのです。22日土曜は某ダム湖の居残りイワナ釣りをしていましたが、釣果はイマイチだったため、この日は片道3時間も掛けて最も期待のできる某堰堤プールへと無理をして入渓したと言う訳でした。ただ、無理をした甲斐はすぐに出てくれました。午後15時ころからの入渓でしたが、釣り始めてすぐに上中央写真の35cmほどがヒット。フローターでインレットへ向かいながら、小刻みにミノーを投げ続けると、まずまずの型が次々とアタックしてくれ、インレットに到着するまでには、右上写真の様に、8尾もの釣果が見られました。
その後は、一旦インレットで上陸し、写真撮影をしたりコーヒータイムを楽しんだりしました。そして、もう夕方遅くなり薄暗くなっていましたが、入渓地点までの帰り道に再度ミノーを投げていると、あれま、1度釣った同じポイントで、上写真の41cmがまたまたヒット。その後も入渓地点に到着するまでに更に4尾の良型がヒットし、結局、この日は全部で13尾の、久々の大漁となってくれました。今年の6月は異様に気温の高い状況が続き、多くの堰堤プールでは水温の上昇とともにイワナ達は早めの遡上を開始していた様ですが、この堰堤プールの源頭は標高がとても高く、大量の雪代で水温が比較的低く保たれていた事が幸いした様でした。
【7月20日(土)】 さて、その後の目の術後経過は順調で、7月中旬には釣りを再開しようと考えていました。しかし、今年のお天気の神様は本当に意地悪でした。今度は羽越水害(1967年)以来という非情な豪雨を降らせ、大井沢では24時間降水量が観測史上1位を記録するなど、県内に大きな被害を出しました。当然、川は泥濁り続きで釣りにならず、仕方なく、この週は雨の少なめだった下越地方へと繰り出し、比較的濁りの出ない堰堤プールへと入渓してみました。しかし、梅雨末期の豪雨は、逆に大イワナ達の遡上のトリガーとなる様であり、既に堰堤プールの中は産卵に参加しないおチビちゃんだけが留守番をしている状況となっていたのでした。
さて、大きな水害をもたらした今年の梅雨も、7月の末には明ける見込みの様です。梅雨が明けると東北の短い夏がやってきます。源流の釣りの季節がやってくる訳ですが、62歳になった私には、既に体力的な限界を超えていて、重い荷物を担いでの奥地への釣行は出来なくなってしまいました。しかし、ここ数年の不景気と釣り人の減少で、今年のダム湖・堰堤プールの魚影は僅かながらも回復している様に思えます。源流の魚影も当然回復していると考えられますが、そんな源流からの良い釣果の聞こえてくる事を期待しながら、短い夏をのんびりと過ごしたいと思っています。 【今回使用のタックル】 AlphaTackle LakeMarquis80H、SensiLiteMG2500、PE2号+シーガーエース1.7号 D-Contact63S/鮎/TS/ヤマメ/Gチャート、Dダイレクト/Gチャート/チャートヤマメ、他 |