ミニオフレポート

12年ダム湖の釣り終焉(5月13日-6月3日)


6月に入り、南東北の12年のダム湖の釣りは終焉を迎えた様です。今年は残雪が非常に多く、源流からのイワナの流下が多くなるだろう事を予想し、釣果に恵まれることを期待してシーズンをスタートしました。しかし蓋を開けてみれば、毎週の様にやってくる季節外れの寒波に翻弄され、週末の天候には全く恵まれませんでした。そして、終わってみれば例年に無い不漁に終わってしまった様です。本レポートでは、5月連休の翌週から6月初までの、新潟下越・山形県内でのダム湖の釣りの状況をお伝えします。

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【5月13日(日)】

ゴールデンウィークは前半の2日以外は全く天候に恵まれませんでした。それも、当初は良いお天気の暖かい日になるとの予報が出ているのですが、前日に予報がガラリと変わり、フィールドに立ってみると雷雨や強い風で、しかも異様に寒い日がとても多かったのです。5月下旬ころまでのダム湖の釣りでは、冷たい雨や気温の急激な低下は、イワナの活性を著しく落してしまい、殆ど釣りになりません。連休開け後も、土日毎に同じ様な天候に見舞われ、恐らく魚影は有ったのでしょうが、ロッドが大きく曲がることはあまりありませんでした。

新緑は美しかったが異様に寒いまずは私のロッドに22cmほどしかし後が全く続かない

この日も曇天で異様に寒い日でした。早朝に22pほどをゲットしたものの、お昼近くまで何の反応も無い寂しい状況。この時期、インレットでは小型ながら数尾のヒットが見込めるのですが、Buuさんに小型が1尾ヒットしただけで、他には殆ど反応が見られませんでした。そして、11時半ころ、これまで一度も釣れた事の無いちょっとしたポイントで、私のロッドが久しぶりに大きく曲がりました。しかし、全く予期もしておらず、ぞんざいにロッドを扱っていたせいか、手前まで来て大バラシ。42〜3pほどの結構な大物だった様です。

インレットは既に透明度が高いBuuさんに25pほどのイワナ40pオーバーの大バラシ

どうやら、異様に寒かったため、気温の上がる真昼間の12時前後に地合いが訪れた様でした。もう少し時間を置いて、水温の上昇を待ってからインレットに入れば、何尾かのイワナがお相手をしてくれていたかも知れないのですが、まぁ、後の祭です。この日は様々な種類の山菜が最盛期に入りかけていて、昼食はウルイを岸辺から摘み取り、ラーメンに入れて暖を取りました。そして、午後からは大きく場所を移動して、別の支流のインレットを攻めています。しかし、ここでも反応は殆ど見られず、インレットよりもだいぶ下流部の水温の高いポイントで、最後の最後に36pがヒットしてくれ、なんとか面目を保つ事ができたと言う訳でした。

ウルイ入りラーメンで昼食タイム午後からは場所を大きく移動やっと釣れた36p
ヤシオツツジが湖畔に美しいサワワサビ(本ワサビ)キジムシロ

【5月17日(木)】

薄暗く、異様に寒い日だった早朝、こんな崖の直下で2尾ヒット本流の水は雪代の濁りも薄い

毎日が日曜日の私ですので、一人でいつでも釣りに出かける事は可能ですが、やはり仲間が一緒でないとつまらないものなのですね。そのため、平日は自宅でPCと睨めっこをしている場合が多いのですが、今シーズンの週末は寒い曇天の日が多く、釣果に恵まれていません。仕方なく、天気予報を見て平日釣行に繰り出しました。しかし、この日も大きく裏切られてしまいました。前日夕方の天気予報では「快晴で最高気温22度の穏やかな日」のハズだったのです。ところが、釣り場近くまで移動し、就寝前に21時のニュースを確認すると、「この時期にしては強い寒波が・・・明日は天候が不安定・・・」と、たった3時間ほどで、手の平を返した様に・・・。

早朝に釣れた40pと38p このダム湖のイワナたちは良く太っているイワナ40pと私

そして、翌朝5時に起き出してダム湖畔に立ってみると、異様に寒く暗く、冷たい風と雨。それでもボートを繰り出し、インレット近くまで来ると、すぐに2尾のイワナがお相手をしてくれました。ここは山形県内のダム湖で、大物の実績のあるポイントなのです。ただ、いつもだと45pを超える大型がヒットしてくるのですが、この日は40p止まり。そのうち今度はゴロゴロと雷鳴が始まり、昼頃にはアラレの混じる強烈な豪雨となってしまいました。それでも途中で35pと39pを追加して、最近にない魚影を楽しむ事はできました。しかし、ボートには大量の水が溜まり、下着まで冷たい雨でグチャグチャに・・・。全くもって楽しくもない釣行でした。

その後、35pもヒット帰り道に、思いがけない場所で・・・39pもヒットしてくれたが・・・
湖畔にシャクナゲが映えるキバナイカリエンレイソウ

【5月20日(日)】

渓遊会の帰りに某ダム湖でチョイ釣りワカサギの産卵の最盛期だったイワナの反応は見られなかった

この週は山形渓遊会の例会でした。前週までとは打って変わってこの週末だけは非常に良いお天気で、特に日曜は雲一つない快晴の汗ばむ陽気でした。渓遊会は2時には解散となったため、帰り道の途中にある某ダム湖に寄り道をしています。しかし、この日は逆に暖か過ぎた事が仇となりました。インレットは強い雪代の濁りで全く釣りにならなかったのです。夕方、長井市から来ていると言う地元のルアーマン氏に色々とお話を聞いたところ、条件さえ良ければ40pオーバーの良型がインレット付近で釣れているとのこと。どうも今シーズンは、お天気が全て逆に作用をしている様でした。

ニリンソウオオバキスミレイワナシ

【5月27日(日)】

久しぶりにたかちゃん登場  Buuさん、惜しくもバラシインレットに上陸して、更に上流へ

この日は1年ぶりにBuuさんのご親戚のたかちゃんがやってきました。加えて、Buuさんの新しいカナディアンカヌーもお披露目の日でした。5月の下旬ともなると気温も20℃を超える日が多くなり、水温上昇とともにイワナ達の活性も上がってくるものです。しかしこの日もお天気はまずまず良かったのですが、午前中はご覧の様に真冬用の防寒具が必要なほどの寒い日でした。そのためか、インレットまで移動しながら3人でポイントを探りますが、全くのノーバイト。9時頃には早々とインレットに到着してしまいましたが、水温はまだ5℃台と低く、イワナの活性がイマイチでした。すぐにBuuさんに小型のヒットがあったものの、惜しくもバラシ。

インレット直下を狙うBuuさんなぜか私には尺イワナが・・・続いて32pに26pも・・・

その後は反応が無くなったため、インレットに上陸し、コーヒーを沸かしたりして水温の上がるのを待ちました。ミノーに反応の出始める水温は6℃と考えていますが、10時半ころになり目的の水温まで上昇したため釣りを再開。最初はポイントをBuuさんに攻めて貰いましたが、なぜかノーバイト。しかし、私が交代してミノーを投げるとすぐに反応があり、あれれ、32,30,26pの3尾が立て続けにヒット。どうやら、薄い雪代の強い流れの中で、チャートカラーの派手なDダイレクトを使ったのが奏功した様でした。その後はボートで更に上流側へと移動し、29,27pの2尾を追加。小型ばかりですが、全部で5尾の釣果でした。

ボートからは更に上流で29pと27pインレットはこんな感じこの日も午後からは大きく移動
二人には先行して貰ったが・・・結局、この日は私だけに・・・またまた34pが釣れてしまった

どうもこの日のお魚さん達は私の方ばかりを見ている様で、Buuさん・たかちゃんにはなぜかヒットがありません。その後は大きく移動して別の支流のインレットを攻めましたが、私は後方で2人が釣るのを見ているだけでした。水温も7℃を超え、透明度もちょうど良い具合の如何にも釣れそうな雰囲気だったのですが、なぜかこちらでも二人にはヒットがありません。インレットの一番奥のポイントまで行っても釣れず、二人が諦めた所で、私が一番奥の更に奥の深みにチャートのDダイレクトを投入すると・・・あれま、34pがヒットしてしまいました。こんな日もあるんですねぇ。

フデリンドウキケマンミヤマカタバミ

【6月2日(土)】

6月に入ると、南東北のダム湖の季節もいよいよ終盤です。多くのダム湖では、梅雨の大雨に備えて水位を大きく下げ始めるため、ボートを湖面に出すのが困難になるとともに、水温が高くなり過ぎ、イワナ達の泳層が深くなってしまうのです。この日訪れた県内のダム湖も、ほぼ満水に近い状態を保っていましたが、水位低下が始まっていて、今年最後のギリギリのタイミングでした。午後3時半ころ現場に到着すると、地元のルアーマンの親子が同じくボートのセッティングをしていました。聞くとこのダム湖へは良く釣りに来るらしく、インレットの岸からのキャスティングでは狙えないポイントを攻めるとのことでした。

地元の釣り師の親子も出漁していた地元ルアーマンに40pほどがヒット続いて私にも35pがヒット

その親子と一緒にポイントに入ると、17時ころになり、件のルアーマン氏のスプーンにヒット。40pほどの丸々と太った良型イワナでした。水温は7℃。気温が低かったため雪代の濁りもそれ程でも無く、夕方の地合いがやってきた様でした。そして17時半ころ、私にも待望のアタリがあり、ちょっと小ぶりの35pをゲット。そして18時ころには強烈なアタリが有り、久々にロッドが満月に曲がりました。そのままリーリングしてくると、獲物は2m程の距離でギラリと反転し、残念ながら大バラシ。ただ、反転した時の色が緑っぽかった事から、どうやら50p近いニジマスではなかったと推測しています。このダム湖にも、結構な大物が潜んでいるようでした。

35pと私 久しぶりの自分撮りその後、強烈なアタリが・・・18時半頃、地合いは終わった様だ
エゾエンゴサクスイセンスミレサイシン

【6月3日(日)】

そして6月の最初の日曜は、ダム湖の釣りの最終週でした。水位は一気に下がり始めていて、ボートを出すのにも一苦労でした。この日も3か所のインレットを狙いましたが、残念ながら2人ともノーバイト。実を言うと、2人に40pクラスを含む5回のイワナのトレースが見られたのですが、いずれもヒットさせる事ができませんでした。前週にチャートカラーのミノーで良い思いをしていた我々は、この日は最初から同色のDダイレクトとDコンタクトを使用していたのです。北海道のアメマス釣りでもそうですが、どうやら強い流れの中ではチャートは威力を発揮する様ですが、止水では派手過ぎて、追いかけてはくるものの、喰い付いてはくれない様でした。

下越のダム湖も大きく減水していたインレットで大物が・・・しかし、この日はノーバイトだった

さて、2012年のダム湖の釣りも終焉を迎えましたが、ふり返ってみると当初の期待とは異なり、大物の釣果の少ない年となってしまいました。今年は年初からとても寒く雪の多い冬でしたが、その強い寒波は5月になっても断続的に北日本を襲い、釣果を抑制し続けた様です。唯一釣れた超大物53pは4月29日でしたが、思い起こせばその日は今期の釣行で非常に数少ない、とてもお天気の良い暖かい日でした。また、非常に多い残雪は林道の開通を遅らせ、ダム湖に入渓できる日数を大幅に減らしてもくれました。少ないチャンスの中でも、或る程度の釣果を得られたのは、むしろ幸いだったのかも知れません。

【今回使用のタックル】
AlphaTackle LakeMarquis80H、Biomaster2000、PE1号+Kureha GrandMax1.5号、
D-Contact63S鮎/チャート、Sukari50SSオレンジベリー鮎、WiseMinnow50FS鮎、他