今年も北海道へ遠征釣行に出かけました。期間は9月8日から10月中旬までの40日間。定年退職後のあり余る時間を利用して、今回は、いつものアメマス、イトウ、オショロコマ、イワナ、ヤマメに加え、ブラウントラウト、ニジマス、シロザケ、カラフト、ブルックトラウト、ミヤベイワナ、サクラマスと、この時期に釣れる北海道のトラウトのほぼ全魚種を狙って釣り歩くことを企てました。そして今回は、その日に起こった様々な出来事を、写真と文章で日誌形式で綴っています。(下写真は、道南のブラウントラウトのダム湖) 【9月8日(木曜)】
遠征釣行の初日は、ゆっくり移動でした。山形市を朝早く出発し、現在、下北半島の大間でこの記事を書いています。今回はたっぷりと時間の有ることを利用して、一切高速を使わず、のんびりと移動しています。車を運転する人には、誰でも大好きな道路と言うものがあると思いますが、私の場合、北東北で一番好きな道路は奥入瀬渓流沿いの道路です。次が角館から玉川温泉を経由して鹿角市へ抜ける道。どちらもひたすら森の中を走り続ける道ですが、その森が堪らないのです。途中、大湯の近くで昔通った渓に入り、少しだけ竿を振りましたが、釣果は無し。なぜか魚影は全く無しでした。 山形→秋田湯沢→角館→玉川温泉→鹿角→大湯→十和田湖→奥入瀬渓流→十和田→野辺地→大間 13時間かかって490kmの走行距離でした。のんびりしたものです。 【使用タックル】 AlphaTackle LakeMarquis80H、SensiLiteMG2500/Biomaster2000、PE1号+SeagarAce1.5号、D-Contact50S鮎 【9月9日(金曜)】 朝一番の大間→函館の津軽海峡フェリーで北海道入りした。函館から千歳まで大移動し、ネットの情報で目星を付けていたブラウントラウトの釣り場へと向かった。途中、居眠りをしてしまい到着が遅れたのが痛かった。4時半ころ釣り場に到着すると、フィッシングガイドさんが2人のフライのお客さんを連れて釣りに来ていた。ガイドが来るくらいだから、相当に有名な場所らしい。入渓地点はちょうどインレットになっていて、水流が止まる付近にカケアガリが出来ていて、その真下が一番のポイントになると考え釣り開始。
すぐに20cm程のブラウンが2尾ヒット(写真右上)。3尾目で大物がヒットしたが、グングンっと3回ほど引き込んだ直後に、ライン切れ。引きの強さから50cmは超えていたと思うが、大物が来れば耐えられないかもしれないと思いながら、実は1.2号のフロロのリーダーで釣っていたのが大間違い。慌てて太いリーダーに取り換えると、今度は35cmくらいのがヒット。しかし、目の前でバラシ。更に投げ続けると、今度は40cmほどのブラウンがヒット。ぐるぐると回りながら引き寄せてくると、これも5mほどの距離でバラシ・・・ブラウンは口が堅くて乗らないんですよねぇ。 カケアガリのかなり深いところに大物が潜んでいる様で、ミノーを底ギリギリにトレースしないと喰いついて来ない。それにしても、なぜガイドさんはもっと上流のブッシュ下ばかりを釣っていたのだろうか? ドライフライオンリーだったのか? でもま、釣り方も判ったので、明日の午前中は20lbのリーダーに代えて、もう一度この釣り場を攻める予定。しかし、土曜とあって、相当に早く入渓しないと、先に荒されてしまって釣れないかも知れない。どうなることやら・・・ 【使用タックル】 AlphaTackle LakeMarquis80H、Biomaster2000、PE1号+SeagarAce1.5号、 D-Contact50S鮎/TS/Chart、D-Direct鮎/Chart 【9月10日(土曜)】 昨夕のリベンジをするべく、タックルを重装備に代え、早朝5時半から昨日と同じ千歳近郊のブラウントラウトの釣り場を攻めた。しかし、土曜とあってか、私以外に5人もの釣り人が入っていて、思う様な釣りが出来なかった。一番のポイントでは30cm前後が4尾とチビが2尾ヒットしたが、7時ころ、日が高くなってくると早々に反応が無くなってしまった。もっとも他の釣り人は殆ど釣れていなかった。一番のポイントの上を平然とボートで通り過ぎて行って、全然釣れそうもない場所を攻めていた。地元の釣り師らしかったが、あれじゃねぇ・・・
日が高くなったが、ブラウンはイワナほどは警戒心が強くないため、ダム湖のイワナ釣りで良くやる手を使って釣れるか試してみた。インレットから500mほど離れた深い場所に移動し、3cmほどの赤金のスプーンを大遠投。付近の深さは5〜10m程度。スプーンを底まで沈めたら、砂煙を上げながらスプーンが底でダンスをする様に、ロッドをピクピクと動かしながらゆっくりとリーリング。この手法が奏功し、なんと真昼間の12時ころ、写真右上の39cmがヒットしてくれた。実はこのスプーン、安売りで200円?で買ったものに、厚さ1mmの鉛の板を貼り付けてチューンしたもの。こんなものでも理に適っていればちゃんと釣れるんですよね。
そして今度はフローターをゆっくり漕ぎながら、インレットから更に遠く深い場所を同様の釣り方でトローリングしてみた。ボートの釣り人が見ている目の前で、1時半ころ、今度は48cmの見事なブラウンがヒット。会心の出来栄えでした。実は野生のブラウンでこのサイズを釣ったのは初めてであり、嬉しさもひとしおでした。この1尾で十分に満足し、昨日からの寝不足と疲れもあり、3時ころには早々と納竿しました。その後は日高の静内町まで、またまた大移動し、レポートを書いています。明日も早朝からブラウントラウトを狙う予定。 【使用タックル】 AlphaTackle LakeMarquis80H、Biomaster3000、PE2号+ショックリーダー20lb、 D-Contact63鮎/TS/Chart、D-Direct鮎/Chart、鉛を貼り付けたSpeen赤金10g 【9月11日(日曜)】
昨夜、静内まで移動していたが、朝起きて川を見てビックリ。大増水のメコン川状態! とても釣りの出来る状況ではなかった。近くの釣り道具屋さんで聞いたところ、台風12・13号の影響で9月5日に降った豪雨の濁りが取れていないとのこと。豪雨から6日目だと言うのに、なんてこった! 店の話ではあと2〜3日は釣りにならないだろうとのことで、静内のブラウンは諦めざるを得ない状況に。仕方なく、濁りの少ない支流を狙ったり、少し離れた別のブラウンのダム湖を攻めてみたが、本日、唯一釣れた魚は、上右写真のチビニジマスが1尾だけ。今夜も大雨らしいので、明日も休養日になるかも。 【使用タックル】 AlphaTackle LakeMarquis80H、Biomaster2000、PE1号+SeagarAce1.5号、D-Contact50S鮎/TS/Chart 【9月12日(月曜)】
未明から土砂降りの雨。6時に起き出したが、辺りは薄暗く、大粒の雨は止みそうもない気配。道路がまるで川の様になっている。これじゃどこの川もメコン川状態のハズ。釣りは諦めて休養日にしようかとも考えたが、性分が許してくれない。濁りの入っていないダム湖で釣る以外はないと考え、ニジマスで有名な日高の某ダム湖へと向かった。かなり山奥で、熊でも出そうなヤバイ雰囲気だが、道路もダムも良く整備されていて、大雨でも土砂崩れなどの心配はまずなさそうと、安心して釣り場に向かった。まずは支流のインレットで釣ったが、案外濁りは入っておらず、すぐにチビニジマスとチビアメマスがヒットしてきた。
しかし流石に熊の恐怖には勝てず、川の釣りは200mほどで切り上げた。次にダム湖のインレット付近を遠投で攻めるが、チビアメマスが1尾ヒットしただけ。次に本流のインレットへ移動したが、流れが強烈で川では釣りに成らず。仕方なくダム湖を釣ると、今度は33cmのニジマスがヒット。小さい割には、強烈に良く引いてくれて、40cmオーバーかと思ったが、魚体が見えてガッカリ。先日のブラウンもそうだったが、本州から来た釣り人は、普段は管釣りでしか釣った事の無い魚ゆえ、魚体の小さい割に大暴れする北海道の野生のニジやブラウンには思いのほか手こずることになる。 【使用タックル】 AlphaTackle LakeMarquis80H、Biomaster3000、PE2号+ショックリーダー20lb、 D-Contact63鮎/TS/Chart、D-Direct Chart 【9月13日(火曜)】
今朝は帯広郊外でPキャンだったが、またまた未明からの大雨。夢の中で「また雨かよ・・・」と呟いた。案の定、朝起きてみるとニジマスの川は泥濁りで全くのお手上げ状態。この川は台風12号・13号時に400mmを超える豪雨が降り、被害の出たところ。本流は手も足も出ないため、濁りの少ない支流で竿を出してみたが、河原には至る所に薙ぎ倒された大木が転がっていて、周辺の豪雨の爪跡は凄まじいものが有った。しかし、こんな豪雨でも、魚たちは健在の様で、支流の細い流れの中から、型は小さいが非常に元気の良いニジマスが、ポツポツと釣れてくれた。
少し上流へ移動し、濁りの少ない大支流を探して入渓してみた。支流と言えども、雨の後で水量はハンパでは無く、徒渉には危険を感じるほど。透明度は1m程度だったが、今度は小さなアメマスが次々と掛ってくる。アメマスは道東の某河川で50cm以下なら幾らでも釣れるため、ここはニジマスが釣れて欲しいのだが、うまく行かないものだ。何尾目かにこれまでとは明らかに異なる強い引きがあり、ようやく35cmのニジマスが釣れてくれた。しかし・・・考えてみれば、この4日ほど行く先々で雨ばかり。大雨→本流は泥濁り→濁りの少ない支流で釣るしかない→小物しか釣れない・・・その結果が、このページの前半の魚たちの写真だ。運に見放されていては、どうしようもない。 【使用タックル】 AlphaTackle LakeMarquis80H、Biomaster3000、PE2号+ショックリーダー20lb、 D-Contact63鮎/TS/Chart、D-Direct Chart 【9月14日(水曜)】
1年ぶりに道東のアメマスの河川にやって来た。今日から2週間ほど、この地に滞在してアメマス三昧の予定。期待をふくらませ、午後から渓に立ったが、少々ショッキングだった。魚影が殆ど無いのだ。台風12号の影響で5日に豪雨が降ったらしいのだが、昨日まで断続的に降る雨で、この川は透明度の上がることは無かったらしい。しかも、豪雨でアメマスは海へ流されてしまったのか、河口付近で何尾かのアタリが有ったが、上流部では魚影を全く確認出来なかった。釣れたのは写真上右の40cmほどが1尾だけ。まぁ、おチビちゃんは何尾か釣れたけど、予想外の苦戦に明日からの釣りが思いやられる。 【使用タックル】 MajorCraft TROUTINO TT902H、Biomaster3000、PE2号+ショックリーダー25lb、D-Contact63/72鮎/Chart 【9月15日(木曜)】
昨日の釣果を気にしつつも、5時に起き出して河口に近いポイントでアメマスを狙った。河原にはまだ青々とした葉のついた大木が、根こそぎ薙ぎ倒されて転がっていた。台風12号の爪跡だ。午後からは釧路まで出て洗濯をしなければならないので、今日は早朝の3時間ほどの勝負だ。しかし、河口のすぐ上のガンガン瀬を釣っていると、ガツンとアタリが出て、その後はなぜか雑巾でも引っ張っているような感じで上写真の75cmの変な魚が釣れてしまった。アメマスにしてはやけに痩せていて力も無い。かと言って、シロザケやカラフトでは決してない。
釧路の釣りショップのランカーズクシロで写真を見てもらったところ、間違いなくアメマスらしい。なんでも産卵を終えたあとの下りアメマスらしい。この時期はこれから産卵に向かう、いわゆる登りアメマスが主体だが、7月ころの早くから産卵遡上して、今頃早くも下りアメマスになって降りてくる個体も、ごく僅かだがいるらしい。非常に貴重な釣果だった様だ。ただねぇ・・・この魚、釣った感じがしませんでした。ガツンと言う引きは最初の2〜3回だけでおしまい。やはり、最後までドキドキさせられる登りのアメマスを釣りたいんですよねぇ。登りで75だと、この魚の10倍は引いたと思います。はーー。 【使用タックル】 MajorCraft TROUTINO TT902H、Biomaster3000、PE2号+ショックリーダー25lb、D-Contact63/72鮎/Chart |