ミニオフレポート

11年ダム湖の釣り 終了(5月15-29日)


南東北の2011年のダム湖の釣りは終焉を迎えています。今シーズンのダム湖の釣りは近年に無い不漁となり、最後の最後まで苦戦を強いられる結果となってしまいました。その理由として幾つかの事象が考えられますが、本当の原因が何であったのかについては、未だに定かではありません。来年以降のダム湖の釣りに早や思いを馳せながら、少しばかり寂しい釣果ではありますが、今シーズンのこの釣りについてまとめておきたいと思います。

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【5月15日(日)】

Buuさんと風玉さんがダム湖へ水戸の風玉さん風玉さんに綺麗な43cm、オメデトウ

実はこの日、私は山形渓遊会の春の例会のため、下越の某源流に入渓していました。水戸から風玉さんが来られていたのですが、同じ下越のダム湖でBuuさんと2人だけのミニオフになったと言う訳です。ただ、遠路はるばる来られた甲斐が有ったのか、風玉さんにはこの日43cmの良型がヒットし、大満足で帰還された様です。このイワナ、写真で見る限りでは、非常に綺麗で斑点も小さく、正に源流育ちの大物です。ちなみに、今年釣れた良型は多くがアメマスであり、この様な源流育ちの良型はあまり見られておらず、貴重な1尾です。

キバナイカリソウヤシオツツジネコノメソウ

【5月21日(土)】

なぜか毎週金曜に雨が降り・・・県内のダム湖は泥濁り透明度の高い湖水では反応が無い

翌週の土曜は、地元のダム湖に入渓しています。しかし、5月はなぜか金曜・土曜に大雨が降り、この日もインレットはかなり濁っていました。恐らくこれでは釣れないだろうと半ば諦めぎみでボートを繰り出したのですが、インレットに近づくと遠目とは違って泥濁り。全く釣りにならない状況でした。仕方なくインレットから少し離れた透明度の高い湖水域でキャスティングとトローリングを試みましたが、すでにこの時期の湖水は水温が10℃を上回っていて、結局、魚影を見る事はありませんでした。やはり5月の後半ともなると、インレット以外では殆ど釣りにならない様です。

白いイワカガミミヤマカタバミエゾエンゴサク

【5月22日(日)】

朝から結構な雨で増水していたが、濁りはそれほどでも無かったインレットではチビが大漁

翌日曜は、下越のいつものダム湖でBuuさんとミニオフでした。このダム湖も梅雨に備えて大きく減水をし始め、なおかつ雪代もそろそろ落ち着きを見せ始める頃でもあり、この釣り場は今年最後のチャンスでした。しかし、今年のお天気の神様は意地悪ですね。この日も朝から大雨で、インレットのポイントまで移動する間に、2人ともびしょぬれになってしまいました。ただ、大雨にも関わらずインレットはさほど濁ってはおらず、どうもこの渓では雪代がほぼ終了している様子でした。しかも最近の大雨のせいか、インレットはすっかり砂で埋まっていて、いつものポイントは50cmほどの深さしかありません。

Buuさんにもおチビちゃんが・・・20〜25cmが次々と・・・しかし、大物はどこへやら・・・
土砂降りの雨の中で休憩タイム午後からやっと釣れた35cmBuuさんに良型のトレースが・・・

これじゃあ釣れんべ・・・と諦めぎみでルアーを投げてみると、あれま、20〜25cmほどのおチビちゃんの入れ食いでした。小さなポイントなのですが、私に6尾、Buuさんにも4尾のおチビちゃんがお相手をしてくれて、大物は皆無でしたが、それなりにまぁ、楽しい時間を作ってはくれました。午後からは釣り場を別の支流に代え釣りましたが、こちらはまだ雪代が多少は残っている様子で濁りも有り、午後2時ころになって、丸々と太った35cmの中型がヒット。Buuさんにも良型のトレースが見られましたが、残念ながらヒットには至りませんでした。しかしなんですね、今年は大物が少なく、35cmでもやたらと大きく見えてしまうのは、なぜなんでしょうね。

ニリンソウ野生のシャクナゲオオバキスミレ

【5月28日(土)】

翌週の土曜はもう5月の最終週であり、いよいよダム湖の釣りのシーズンもこれでおしまいです。南東北の多くのダム湖では、梅雨の大雨に備えて、5月後半から6月初にかけて水位を大きく低下させます。同時に雪代も落ち着き、透明度が上がってきます。そのため、5月末ころがシーズンの最後となる訳です。この日は久しぶりに県内のとあるダム湖に繰り出しましたが、このダム湖でも既に減水が始まっていて、ボートを出すのに大変な苦労をされられました。インレットで40オーバーの強烈な魚信が1度だけあったのですが、3m程の距離でジャンプし、逃走して行きました。ジャンプ時の姿はイワナではなく、ニジマスでした。

既に減水を開始していた景色は最高に美しかったが、イワナの反応は見られなかった

さて、前回のダム湖のレポートで、今年のダム湖の不漁の原因を下記の様に推測しました。そして、とりわけ大きな原因として4・5番の季節の遅れと低水温を疑っていました。しかしながら、ダム湖の釣果は終盤になっても全く改善せず、どうやら季節の遅れや低水温は真の原因ではなかった様なのです。

1.大震災以降GWころまで、たび重なる強い余震に見舞われた。魚の行動への影響が有ったのでは?
2.ダム湖はGW頃に満水となるが、今年は電力不足のため発電効率の高い水位(60〜95%)に保たれている。
3.昨夏は記録的猛暑であり、渓の渇水が著しかったと考えられる。産卵への影響が有ったのでは?
4.残雪が多く、5月に入っても昨年の4月初と変わらない。そのため、特に早朝の水温が低い。
5.長期予報は大きくハズれ、3月以降は3週間程度季節が遅い(寒い)状況と少雨が続いている。
6.当HPや雑誌掲載などで、下越のダム湖は有名になり、ここ数年、源流部への入渓者が激増した。


遅咲きのイワウチワカキドオシ本ワサビ

【5月29日(日)】

では何が原因だったのでしょうか? 正直、あまり考えたくは無いのですが、3番の昨夏の記録的猛暑が怪しいのではないかと考えています。50日以上も続いた真夏日と少雨は、標高のそれほど高くない南東北の源流部では、相当な大渇水を招くと同時に非常な高水温をも招いていただろう事が容易に推測できます。その結果、豊富な餌を必要とする大物たちの多くが源流部で死に絶えてしまったのではないか? また、これは同時に産卵活動にも大きな影響が出ていると推測され、今年を含めた数年間の釣果の低下が非常に気になるところです。

2投目で出た31cmだったが・・・雨の中、インレットへ・・・ワカサギは10cm程に

ただ、標高が非常に高く水温の上がりにくいダム湖や、北東北以北のダム湖では、猛暑の悪影響はそれほどでもなかったのではないかと考えられます。実際、ネット上で見る奥只見湖や北海道での釣果には、さしたる変化は無かった様に見えるのです。しかし残念ながら、我々が主に釣行しているダム湖では、いずれも源流部が低く、猛暑・・・温暖化の影響を受けやすい釣り場ばかりだった様です。これまでも温暖化によってイワナ達が北へと追いやられてしまうのではないかと危惧してきましたが、それが現実になりつつあるのかも知れません。・・・もちろん、これはあくまで私の勝手な推測であり、大ハズレになってくれることを祈るばかりです。

インレットを狙うBuuさんお昼近くまで粘ったが、しかし、イワナの反応は見られなかった

さて、5月の最終日曜日のこの日は、Buuさんと山形県内の比較的標高の高いダム湖に入渓しました。時期的に遅く、少しでも水温の低いダム湖を選んだのです。インレットで釣り始めて2投目に私のロッドに、丸々と太った31cmがヒットし、こりゃイケるかな・・・と思ったのですが、この日午前中一杯粘ったものの、この1尾が最初の最後でした。地元の釣り師の話では、インレットのすぐ上流で40cmクラスのイワナが釣れたらしいのですが、ダム湖内のイワナたちは産卵の準備のため、既に遡上を開始し始めていた様でした。

【今回使用のタックル】
AlphaTackle LakeMarquis80H、Shimano BiomasterC2000、PE0.8号+Kureha GrandMax1.5号
D-Contact50S鮎、D-Direct鮎、WiseMinnow50FS鮎/chart、TigrisDENS50ヤマメ、他