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クラブ釣行レポート
山形渓遊会、春季釣行(5月14-15日)
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山形渓遊会の春季釣行に参加してきました。例年であれば春の例会はGWの前半に行うのですが、今年は季節の移り変わりが2〜3週間ほど遅く、5月の中旬にずらしました。この時期の源流釣行の目的は、魚を釣ることよりも山菜や野草花にウエイトが高く、時期選びが大切なのです。予期せぬ増水で釣果はイマイチでしたが、可憐な野草の花々にも巡り合え、1年ぶりの山菜づくしに舌鼓を打ち、焚き火を囲んでの釣友との至福の時間を過ごすことができました。
注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。
【5月14日(土)】
毎年、山形渓遊会の春の例会は、ほとんど同じ内容のレポートになってしまうのですが、申し訳ありません。正直、この時期の源流では、ルアーでお魚さんは殆ど釣れません。しかし、春の例会に参加する私は、それでも楽しくて仕方ないのです。まぁ、なんと言うか、年に一度はやらないと気の済まない、とっておきの恒例行事なのです。新緑の美しい景色の中で、野草の花々を愛でながら、採取してきた山菜の料理を食べ、久しぶりに再会した釣友と杯を交わす・・・これが目的なのです。だから同じ様な内容になってしまうのですネ。すみません。
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珍しく金曜夕方に全員そろった | 佐谷名人、渡辺会長、朝日氏 | 入口は古い林道で歩き易い |
ただ、今年は幾分変わった事もありました。昨年の6月に私はサラリーマン生活を辞め、フリーの身になっていて、時間に余裕が出来ていました。これまで私は忙しくて金曜の夜には現地入りなどとても出来ませんでしたが、今年は金曜17時には現地入りしていました。会長さんも19時過ぎには到着し、珍しく前夜の早い時間に全員が揃ってしまいました。今回の参加は、渡辺会長、佐谷名人、宇都宮の朝日氏、それと私の4人です。いつもの福島のSさんは、震災関連で忙しく、今回は×でした。
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| 予想外に水量が多く、釣り辛い | 清冽な流れに竿を出す渡辺会長 しかし魚信は少ない |
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佐谷名人に、まず22cm | ポツポツと魚信が出始めた | 朝日氏に大きな魚信が・・・ |
また例年であれば、ゴールデンウィークの初日に春の例会を開催しているのですが、今年は残雪が異様に多く、季節の移り変わりも2〜3週間ほど遅かったため、5月の第2週にずらしました。恐らくGWの始めであれば、野草の花も山菜も、ほとんど何も出ていなかったでしょう。目的が目的だけに、開催時期はとても重要なのです。さて、今回入渓したこの源流は、これまで2回ほど訪れているお馴染みの渓でした。途中まで杣道が整っていて歩き易く、しかも下越の標高の低い渓のため、残雪もそれほど多くは無いという、この時期の釣行にはうってつけの渓なのです。
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まずまずの良型だ | 佐谷名人にも鋭い魚信が・・・ | この源流にはヤマメも生息している |
ただ残念なことに、木曜夜から金曜午前にかけて、この地方にはかなりの降雨がみられました。この時期の雨は雪解けを促し、水温を急激に低下させてしまいます。しかも、残雪が多いために水量もハンパではなくなってしまいます。少しばかり不安を抱きながら入渓しましたが、悪い予想がそのまま的中してしまいました。ちょっとしたゴルジュでは全く徒渉もできず、しかも魚の活性も水温低下で最悪でした。なお悪いことに、なぜかこの日は暗い曇天で異様に寒く、風もやたら強く、カッパを防寒着代わりに着ていましたが、それでもブルブルと震える様な寒さで、これではお魚さんも元気が出ないでしょうね。
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会長も負けじと釣り上げる | この位のサイズが多かった | この日の最大サイズは28cm |
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支流の魚止めも狙ったが・・・ | 軽いゴルジュでも徒渉困難なほど水量が多く、予定の半分以下で撤退 |
それでもまぁ、私以外の餌釣りの3人は、ポツポツとイワナ君がお相手をしてくれました。ただ、サイズも数もイマイチで、前回訪れた時とは状況が全く違います。恐らくこれではルアーには全く反応もしないだろうと、結局私は写真班に徹することになり、最後までロッドを出しませんでした。お天気が良く水温がもう少し高ければ、恐らく餌でもルアーでも尺物間違い無しの渓なのですが、まぁ、お天とうの神様には勝てませんね。本当はもっと奥まで釣り上がる予定でしたが、あまりの寒さと水量の多さでメゲてしまい、予定の半分も遡行せずに、11時前には撤退となってしまいました。
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突如ゼンマイ氏に変身した会長 | 佐谷名人も山菜袋をぶら下げ始め・・ | いつの間にやら山菜採り大会に・・・ |
ただ、幾ら釣れないからと言っても、我々はタダで帰ってくるつもりはありません。時間が早い分、この日はのんびりと全員で山菜採りに専念できました。この渓では、ゼンマイ・シドケ・タラの芽・ウルイ・コゴミ・アブラコゴミ・イワダラなどが採り放題で、お土産の分までタップリと採取してきました。・・・んで、あれ?、会長さんだけがなんだか山を降りてくるのが遅いなぁ・・・と思っていたら、大きなリュックにゼンマイをてんこ盛りにして戻ってきました。まぁ、これもこの時期の楽しみですんで、ヨシとしましょうか。
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ネコノメソウ | コシノコバイモ(越ノ小貝母) | エンレイソウ |
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時間が早く、マキだけは大量に集めた | 山菜は、これでも全体の一部 | 渡辺料理長?が腕をふるう |
さてさて、夜はメインイベント?の山菜パーティーです。14時ころにはテン場に戻ってきてしまいましたので、いつもよりは3時間ほども早い宴会が始まってしまいました。時間がタップリあるので、皆でいつもより大量のマキを集め、長い夜に備えます。この時期の源流キャンプでは、まだ夜はかなり冷え込むため、やはり焚き火がなくてはならない存在なのですね。そして、春の宴会の主役はなんと言っても山菜の料理でしょう。我が会長さんが突如、料理長に変身して腕をふるってくれました。テンプラ・お浸し・胡麻和え・骨酒などに加え、皆が持ち寄った食材とアルコール類が宴を盛り上げてくれます。
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源流キャンプに焚き火は欠かせない | 山菜はテンプラが一番 | 山形の銘酒も登場して・・・ |
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各種山菜のテンプラ | シドケのお浸し |
コゴミの胡麻和え | ウルイのお浸し |
イワナの骨酒 |
しかしなんですねぇ、毎年同じ様な山菜の料理を食べ、骨酒を呑み、最後はイワナ焼きで〆めるだけなのですが、この時期に一度はやらないと気が済まないのは、一体なぜなんでしょう。それは恐らく、春を直接口にしながら、春を実感してみたいからなんでしょう。東北人は暗く冷たく長い冬にじっと耐え忍び、やがて来る新緑の季節を心から待ちわびているのです。その春の象徴がスプリングエフェメラルズ=雪解けとともに花を咲かせる野草たちであり、春の山菜たちなのです。今年も無事に同じ様に春を迎えることができたことに心から感謝しつつ、宴の夜は更けて行くのでした。
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宴の最後はイワナ焼きに舌鼓 | たっぷりの焚き火を前に、1年ぶりの会話が弾んだ |
【5月15日(日)】
翌日は、前日の寒さと暗さがウソの様な、雲一つ無い非常に良いお天気でした。ただ、前夜に騒ぎ過ぎて起床は7時ころ。宇都宮の朝日さんは用事があるらしく、この日は朝一番で帰路に着かれました。残った我々3人で、どっかに入るべ・・・と相談しますが、ハイシーズンの日曜とあって、おもだった渓には既に釣り人が入っているはず。仕方なく、昨日入った渓の支流の一つに入ることにしました。はーー、しかし、お天気が良くて水温も上がるでしょうけど、小さな支流じゃルアーの出番はありませんがな・・・。でもま、いっか。どうせ野草の花の写真と山菜がお目当てだから・・・
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翌朝は近くの支流に足を運んだ 今年は5月中旬でもまだ雪渓が多い | しかし、魚影は極端に薄い |
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かなりの源流部まで来て・・・ | やっとこのサイズが1尾だけ | 会長と佐谷名人は魚止めまで遡行 |
ただ、入渓してすぐにガッカリしました。歩けども歩けども、餌釣りの2人の竿は全く曲がりません。かなり奥まで入ったところで沢が二股に分かれ、やがて大きな滝が現れました。この滝の少し下流側で、ようやく佐谷名人に20cm程のイワナ君が1尾だけ。滝では全くの不発でした。魚止めの滝は更に上流にあるそうですが、わたしゃもうすっかりクジケてしまっていましたので、途中で2人と別れて一人で山菜採りと写真撮影に専念することに・・・。なんでも魚止め滝では25cmが釣れたそうですが、それにしてもこんなに釣れない沢も久しぶり。
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魚止めでは25cmが釣れたらしい | 途中からやはりゼンマイ氏に変身 | お天気も良く、山の喫茶店を楽しんだ |
2人と別れた後は、一人で峪をのんびりです。お天気も最高で、コーヒーを沸かしながら山の喫茶店を開店し、楽しみます。付近は新緑が眩しいほどに輝き、山菜は採り放題、春の野草花たちも競い合って咲き誇っています。そして、空はどこまでも青く、山上には真っ白な残雪が山肌との見事なコントラストを描いています。暖かいコーヒーを一人すすりながら、何も考えずに、悠久の時間をゆったりと過ごす・・・こんな最高の贅沢を味わえる幸せを体一杯に感じながら、渓をあとにしました。
【今回使用のタックル】
今回、私のタックルの使用はありませんでした。
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