南東北地方は今、ダム湖の釣りの最盛期を迎えています。毎年ゴールデンウィークの頃は、新緑の下に野草花が咲き乱れ、残雪の山々にぬける青空と、一年で最も自然の美しい季節となっています。ここ数年はダム湖の釣りに没頭し、この時期の風景と釣果を楽しむことにしています。今年は残雪が異様に多く入渓が困難な上、例年よりも季節の推移が2週間程も遅れていて苦戦を強いられていますが、それでも何とかダム湖の釣りを楽しんでいます。4月中旬から5月連休までのダム湖の釣りを、前半と後半の2回に分けてお届けします。 【4月17日(日)】 昨年6月に早期定年退職をしてからと言うもの、なぜか釣行回数が激減していましたが、この4月以降は例年通りの回数に戻りつつある様です。土日祝日は概ね釣りに充てることができていて、なんとかこのHPのレポートもこれまで通りのペースで掲載して行けそうです。ただ、今シーズンのダム湖の釣りは、例年とはかなり状況が異なっていて、相当な苦戦を強いられています。例年と比べると、釣果は大物・数ともに最悪の状況が続いているのです。そして、その理由も未だ判然とはしていません。
今年のダム湖の開幕は、例年より半月ほど遅れた4月2週目のスタートでした。これは、異様に多い残雪で結氷の融けるのが遅かったことと、季節そのものが2〜3週間も遅れて推移していることが原因でした。加えて残雪が異様に多く、ダム湖沿いの道路が雪崩で塞がれていて奥まで車で移動できない日がGW中も続きました。ボートを出すにも苦労が多いほか、この日訪れたダム湖では本流のインレットに続く渓谷が残雪でスッポリと覆われていて、インレットへは近づくこともできませんでした。
この日4月17日は今年初のボート釣りの日となりましたが、この日も早朝は異様に寒く、まるで魚の反応がありません。日が差し始め少し気温が上がってきた9時半ころになって、Buuさんのロッドにアタリが出て25cmほどのイワナが釣れましたが、しかしその後は全く魚の反応が無く、時間だけが過ぎて行きました。上陸してキャスティングを試みたり、釣り場を別のインレットへと大きく移動してみたりと、可能な限りの策を講じてみましたが、結局、夕刻まで何の反応もありませんでした。
【4月23日(土)】 翌週の土曜は私一人で別のダム湖へと入りました。このところ、木・金・土曜にお天気が悪く、日・月・火曜に良く晴れる日が続いている様ですが、案の定、この日は朝から冷たい雨の降る日となってしまいました。午後15時ころから入渓し、この時期の好ポイントを全て隈なく探ってみましたが、釣れたのは写真右下の40cmほどのバス1尾のみ。バスが釣れると言うことは、イワナが活動するには十分に水温は高くなっているということであるはずなのですが、はて?、イワナたちは一体どこへ行ってしまったのでしょうか?
【4月24日(日)】 翌朝は、同じ釣り場に新潟のBuuさんと、なんと水戸から風玉さんがやってきました。風玉さんは2年前まで新潟在住でよく一緒に釣りに出かけましたが、転勤で茨城県へ異動されたもの。彼が釣りのために新潟へやってきたのも2年ぶり。久しぶりに「3バカトリオ」が揃い踏みとなりました。風玉さんは震災の影響でボートやバッテリの手配が間に合わず、今回はフローターでの参戦でした。フローターは移動速度が遅いため、大きく移動するときは私やBuuさんのボートで牽引しましたが、さすがに久しぶりとあって、移動しながらも話が弾みます。
しかしなんですね、3人とも普段から掲示板やメイルでコミュニケーションを取り続けているせいか、久しぶりに出会った感じが全くしません。それでも面と向かって出会うと、色々と話が弾んでしまうのはなぜなんでしょう? あーだこーだと言いながら、釣っている時間よりも話している時間の方が長かった様な気がします。ただ、この日もお魚さんたちのご機嫌はうるわしく無く、早朝6時ころから釣り始めたにも関わらず、午前中はまるで反応がありませんでした。お天気も良く絶好の釣り日和なのですが、はて? 参りましたネ。
釣れないと疲れるもので、10時過ぎには3人でインレット近くのポイントへ上陸し休憩。その後もダラダラと昼食を食べながら話をしていると、あっと言うまに14時を回って午後のペストタイムが近づいてきました。少し早めにと、2時半に3人とも出船すると、上陸地点の目の前でBuuさんに待望のヒット。更に驚いたのは、ほぼ同時刻にすぐ近くで風玉さんにもヒット。いままでまるで魚の気配すらなかったのに、一体どうなってるんでしょうね? Buuさんは34cmのまずまずの型、風玉さんには尺ちょうどのイワナでした。・・・私もミノーを投げまくりましたが、このポイントでは×でした。
地合い到来とばかりに近くをトローリング開始しましたが、15時ころ、支流のインレット付近でBuuさんに2尾目がヒット。今度は38cmの良く太った良型で、まだ釣れていない私には少々焦りが・・・ そして15時半ころになって、ようやく私にも待望のアタリが・・・しかし、なんだか引きがイワナとは違います。グングンと勢い良く引き込むのを見ると、どうもバスがヒットしたのか・・・それにしても引きが強い、強過ぎる・・・5分ほど格闘した所で、湖底からギラリと黄色い魚体が見えてガックリきました。なんとまぁ、55cmもある黄金の鯉で、しっかりとDダイレクト鮎を口に咥えていました。
イワナのまだ釣れていない私は、その後もしつこくトローリングを繰り返しましたが、意外にもこれまで釣れたことの無い様ななんでもないポイントで35cmがようやくヒット。その後、更に21cmを追加しましたが、どうも納得が行きません。そうこうするうちに夕刻が近づいてきて、そろそろボート乗り場へ向けて移動しなければなりません。帰り道の移動中もしつこくトローリングを続けていると、17時ころ、インレットから500mほどの地点でしたが、支流のワンドの角のカケアガリになっているポイントで明確なヒットが出てくれ、帰りがけの駄賃で43cmをゲット。ようやく今年始めての40cmオーバーの大物に巡り合うことができました。
【4月30日(土)】 翌週はもうゴールデンウィークでした。実は29日金曜にも某ダム湖へ入渓していますが、午後16時から日暮れまでやって全くのオデコ。翌日のこの日も朝一番から同じダム湖を攻めましたが、7時半ころに下写真の21cmが釣れたのみで、全く反応が無く、仕方なく午後からはもう一つのダム湖へと移動しました。翌日は新潟のBuuさんと合流する予定となっており、軽く下見のつもりでしたが、あれれ、こちらでも全く魚の反応がみられず、結局2日間の釣果は、2つのダム湖を回ってチビイワナが1尾のみという、最悪の結果でした。一体どうなっているんでしょうね?今年のダム湖は。
【5月1日(日)】 日曜は再びBuuさんと一緒でした。ボートの調子が悪いらしく、この日は私のボートに2人で乗り、トローリングとキャスティングを繰り返しました。それほど寒くは無いのですが、お天気はどんよりと曇っていて、釣りには最適の日和に見えましたが、しかしやはり魚の反応はほとんど見られません。早朝6時からボートを繰り出しましたが、この日もやはり午前中は2人とも全くのオデコ。早々に午前の釣りを切り上げ、10時半ころから昼食兼休憩でダラダラと半日を過ごしてしまいました。前週も午前中は無反応でしたが、午後2時半から活性が上がったため、この日も2時過ぎから再度出漁することに・・・
しかし同じ様な事は続くものですね。2時40分ころ、まずはBuuさんのロッドにアタリが出て36cmをゲット。斑点の小さな非常に綺麗なイワナでした。釣れたポイントはこれまた何でも無い様な深さ5m程度の湖底が棚状に続くエリアでした。そして、同じエリアで引き続き今度は15時ちょうどに私のロッドにも36cmがヒット。更に同じ場所で15時半前に38cmがヒット。続いて10分ほど置いてまたまた私のロッドに2尾目の38cmがヒット。更に、16時ちょっと前になって、今度はBuuさんにまたまた36cmがヒット。たった1時間半の間に、全く同じエリアで38cm2尾・36cm3尾がヒットした訳ですが、その後はパッタリと魚信が途絶えてしまいました。
この様にレポートを書いていると、今年のダム湖も良く釣れている様に思われるかも知れませんが、しかし、ここ数年の実績を顧みると、GWの前半までには40cmオーバーの大物が10尾程度は釣れていますし、50cm近い大物も出ています。釣りの回数はそれほど変わらない(むしろ今年は多い)にも拘らず、今年の大物はまだ2尾。しかも全体の数も例年の半分以下であり、如何に今年のダム湖が不調であるかが良く判ります。他の釣り人の他のダム湖での情報が今年はなぜか殆ど無く、全体の状況が良く見えないのですが、はて?、不調の理由が良く判りません。
さて、このレポートを書いている5月中旬は、既にダム湖の水温も高くなり、あちこちのダム湖ではインレットの釣りの最盛期を迎えていると思います。絶不調ではありますが、もう暫くのダム湖の釣りを楽しんでみたいと思っています。 本レポートは「盛期のダム湖の釣り 後半戦(5月3-8日)」へと続きます。 【今回使用のタックル】 AlphaTackle LakeMarquis80H、Shimano BiomasterC2000、PE0.8号+Kureha GrandMax1.5号 D-Contact50S鮎、D-Direct鮎、WiseMinnow50FS鮎/chart、TigrisDENS50ヤマメ、他 |