クラブ釣行レポート

山形渓遊会 禁断の平日釣行(7月8日・17日)


今年は全国的に異常な猛暑が続くこの夏ですが、暑い時こそ源流釣行に限るというものです。少しレポートが遅くなりましたが、渓遊会の渡邊会長と、なんと平日に某源流へと釣行してきました。また、対称的な釣行として、会長に佐谷名人を加え、普通の土曜の釣行の模様も合わせてレポートします。サラリーマンにとって平日の釣行など夢のまた夢でしたが、定年退職した今、いつでもどこへでも釣りに行ける環境にはなっていて、実に嬉しい限りです。

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【7月8日(木)】

この6月末をもって会社を早期定年退職したことは先にお伝えしましたが、実をいうと、全く同じ日に某会社を退職した人が他にもいました。我が山形渓遊会の渡邊会長です。別に相談した訳でもなんでもなく、全くの偶然だったのですが、退職日は6月31日と全く同じ日でした。この2人が同じ日に仕事を辞めてしまったらどうなるのか? さぞかし平日の釣行三昧・・・などと思われるかもしれませんが、実際には2人とも釣りの回数は減っていしまっている様です。いつでも行けると思うと、人は行かなくなるもんなんですねぇ。

10時過ぎ、準備中の渡邊会長黄色いゴロタ石の転がる峪さすが平日、すぐに釣果が・・

とはいえ、7月6日には2人で退職祝い?の祝勝会をやったりしまして、「明日もヒマだし、どっか釣りに行くべ」ということになった訳です。もちろんお酒にどっぷりと浸った次の日ですから、目が覚めたのはすっかり日の高くなった8時ころ。会長から「まだ寝てんかよ。釣りにいくど!」と携帯に電話が入ってきて、やっとその気になりました。なにせ平日ですし、釣り場にはどうせ誰もいません。遅い出陣で、釣り場に到着したのはもう10時過ぎ。長い急な下り坂を30分ほど下り、ロッドを出したのは11時を回っていました。

水量は適度、開けていて釣り易く、昼近くでも先行者は居ない型は小さいが数は豊富
倒木の下でキャストする会長しかし快調な会長25cm程度までが次々とヒット

日帰りのチョイ釣りが目的ですので、もともとそんなに奥へは入るつもりも全く無く、あまり人が入らず適度に釣れそうな場所ということで、この渓を選びました。ここは道路から離れていて、帰り道は河原から200m近くも急坂を登らないと道路に戻れず、夏は汗だく必須なのです。しかも釣り場となる渓の距離は短く、2時間ほどで釣りが終わってしまいます。そのため、早期には人が少ないのです。ただ、この渓が良く釣れるのは雪代の治まった直後の1ヵ月ほどであり、このレポートを書いている8月初には、釣り人が増えて、もう魚影は殆ど見られなくなっているはずです。このレポートを見て今から行かれても、何も釣れません。

ただし、大物は出ない会長がちょうちん釣りで狙うと・・・・・・良型が釣れてしまった

もう昼近い時間だというのに、この日は入渓してすぐに釣果がみられ、魚影はすこぶる豊富でした。特に会長の使っていたオレンジべりーのハヤカラーのDコンに反応が良く、しばらくは会長のロッドばかりが曲がっていました。私はDコン鮎を使っていたのですが、喰いつきが浅く、ヒットするのですがバラしてばかり。途中から腹部に赤マジックで色を付けると、途端に良く釣れる様に変化しました。ちょっとした色の違いで、随分と釣果に差が出た日でした。いずれにせよ、この渓は7月初の時点では素晴らしい魚影の濃さで、ほぼポイント毎にイワナが飛び出してくれました。

赤に配色されたルアーに反応したDコンに赤マジックで着色オレンジベリーのDコンが良かった
この時期の渓はとにかく気持ち良い成魚放流でない証、綺麗な尾鰭成魚放流物はこの1尾だけだった

やがてこの釣り場の終点である滝壺が近づくと、ますますイワナの反応は良くなり、ほとんど入れ食いに近い状況でした。しかも、釣れてくるイワナたちの尾鰭はとてもきれいで、成魚放流されたらしきイワナは、会長の釣った1尾だけ。他はすべて稚魚放流の大きくなった魚体か、天然物でした。そして、時間はもう午後2時近くでしたが、滝壺に到着。この釣り場のハイライトです。会長さんがまずはミノーを投げ入れますが、釣れてきたのは、この日のこれでも最大の26cmほど。非常に魚影の濃い状況でしたが、なぜかサイズはいまいちで、尺には遠く及びません。恐らく、すぐに人が増えて釣り切られてしまい、大型に育つ魚体が居ないのでしょう。

滝壺を狙う会長 手前の流れの緩くなる辺りに魚影が見えた滝壺の1尾めはまずまずのサイズ
オレンジべりーに出た26cmなぜか私にはニジマスが・・・尺ちょうどのニジマスと私

私もやおらミノーを遠投し、一番深そうな場所まで沈め、小刻みにトゥィッチを加えてやると、これまで見られなかった強いアタリが・・・しかし何か変な引きをします・・・あれ?、魚がジャンプした・・・ま、まさか・・・やはりニジマスでした。まぁ、この日の最大の尺ものではあったのですが、ガッカリでした。実はこの釣り場の上流に釣り堀があり、そこから逃げたニジマスが野生化して、時おり釣れてしまうのですね。そして、その後もイワナのヒットは見られ、結局この滝壺だけで7尾の釣果が見られました。この日、2人で釣ったイワナの数は恐らく40尾くらいになるでしょうか、久しぶりに源流の釣りを堪能できました。やはり「禁断の平日釣行」は良く釣れますね。

その後も滝壺では釣れ続け・・・全部で7尾の釣果が見られた帰りは辛い急な坂道が待ち受ける
シモツケソウが渓畔に美しい小さな小さなミズタビラコ可憐に咲くカタバミ

【7月17日(土)】

さて、17日からは3連休でした。とは言うものの、私と会長にとっては毎日が日曜日の生活ですので、連休の有りがたさが脳裏から消えつつありました。そんな折、佐谷名人からお誘いがあり、「折角の3連休だから・・・」と言うことで、初日だけ会長と3人で近場のプチ源流へと繰り出しています。ただ「折角の3連休」と言う言葉は、先日の平日釣行で味をしめていた私には、なにか嫌な響きに変わってしまっていました。この日も日帰りのチョイ釣りと言うことで、釣り場は山形市からほど近い某源流です。最初に入った釣り場は雨も降っていないのになぜか泥濁りでパス。2つ目に入った釣り場には、既に釣り人の車の隊列ができていました。

すっかり夏の源流を遡行するしかし、釣れるのは放流物だけ成魚放流物の証、カットされた尾鰭
下界では猛暑が続く。 この日も異様に暑い日だったが、やはり夏は源流の釣りに限る

やはり7月の3連休ともなると異様に釣り人が多くなるものです。それでも仕方なく、まだ人の入っていない場所を探して3人で入渓してみました。下界はこの日、33℃を越える酷暑の日が始まっていましたが、やはり暑い日は源流に限りますね。とにかく足を渓に一歩踏み入れると、天国なのです。ただ、魚影は予想通りで、ほとんど見られませんでした。釣れるのは、尾鰭のカットされた成魚放流物ばかりで、しかも型は20cmちょっとまで。人の多い有名釣り場と言うのは、常に釣り切られ、成魚放流によってのみ魚影がかろうじて保たれているだけなのですから、当たり前です。

しかし釣れない・・・釣れても型が小さく・・・しかも、全てが成魚放流物だった
この日の最大サイズは23cmほど岩陰を餌で狙う佐谷名人あの手この手の渡邊会長

本当は連休を利用して、人のあまり入らない奥地を目指せばよかったのですが、3人の予定が合わず仕方ありません。しかも今回の様な8時過ぎの遅い出陣では、釣り人の入っていない渓など残っているはずはありませんよね。全てが余りにも予想通りの展開に、3人して呆れて帰ってきました。・・・でもま、避暑には最高の一日ではありましたネ。

さて、お盆を過ぎると今年の渓流釣りシーズンもいよいよ終盤に突入です。気候が異常であることが正常な昨今ですが、今夏はこれまでみられなかった様な酷暑に悩まされてしまいました。酷暑の夏は冷ややかな秋を招き、早い冬につながると考えていますが、残り少ない今年の渓流釣りのシーズンはどの様になるのでしょうか。残り1ヵ月半の渓流釣りシーズンを存分に満喫したいものです。

釣果は寂しかったが、猛暑の季節にはこれが堪らない帰り道は酷暑の地獄だった
ヒメジョオンシロバナニガナオオウバユリは真夏の象徴だ

【今回使用のタックル】
KenCraft SuperTroutSpecial60LT(Telesco.PackRod)、Shimano SensiLite MG2500、PE0.6号
D-contact50S鮎/ハヤ、D-Direct鮎、赤マジック