このところホームページの更新をサボっていましたが、それには理由がありました。源流はすっかり夏の様相を呈しているこの時期ですが、遅ればせながら今シーズンのダム湖の釣りについて最後のレポートをお届けします。今年は残雪が多く、ここ数年と比べるとダム湖の釣りは数では比較的好調な年ではなかったかと考えています。ただ、なぜか型がいまいちで45cmを越える様な大物はあまり釣れませんでした。それでも、今年もダム湖の釣りを十分に堪能させて頂きました。山とイワナ達に感謝しながら、このレポートを書いています。 【5月23日(日)】 なぜホームページの更新をサボっていたかと言うと、実はこの6月に、私の身辺に大きな変化が有ったからです。現在59歳ですが、定年を1年早め、早期定年退職に踏み切りました。まぁ、簡単に言えば会社から「肩叩き」を受けた訳ですが、退職金の結構な上乗せもあって、有り難く喜んで肩を叩かれてしまいました。なぜなら、私には自分でやってみたい事が山の様にあるからです。やりたい事の無い人には早期定年退職は苦痛かもしれませんが、釣りに投資に音楽にと忙しい私には、実に最高のプレゼントでした。ただ仕事を辞めるというのは相当な雑務が控えていまして、HPの更新がままならなかったと言う訳でした。
もう1ヵ月以上も前の出来事で、とんでもない時期外れで申し訳ないのですが、5月の23日にレポートの最初は遡ります。この日は新潟のBuuさんと一緒に県内のダム湖に出没していました。途中からは地元の斉藤さんも丘っぱりで頑張っておられました。ボートでの釣りでしたが、まずはインレットへの移動途中に小型ではありますが、私に31・30cmの釣果が見られ、幸先の良いスタートでした。ダム湖は既に減水を始めていて、満水時に水面下にあった斜面がむき出しになってきていて、風景はいまいちですが、雪代の適度に入った湖は、最高の条件でした。
インレットに到着すると、今度は3尾目に41cmが釣れ、どうもこの日の私は絶好調の様です。しかし、今年絶好調のハズのBuuさんのロッドが全く曲がりません。お昼近くになり、Buuさんと私は少し離れた場所で釣っていましたが、私には更に38cmを追加して大満足の日でした。お昼のラーメンタイムが近づくと、Buuさんがなにやら満面の笑顔でこちらに近づいてきます。あれれ?、どうしたのかなぁ・・・と思っていると、魚籠代わりの大きな洗濯袋の中に見事な大物が入っています。私の気が付かない間に、大物を仕留めていたようでした。
見ると50cmほどの超大物です。しかし計測してみると、うーーーん、どうしても5mmほど50cmに足りない「泣き50!」。悔しがるBuuさんでしたが、それにしてもこの獲物は、仲間内では今期最大の大物であることは間違いなく、しかもこの丸々と太った魚体はどうでしょう、これほどまでに見事なコンディションのイワナも久しぶりに拝見させて頂きました。見るほどに惚れぼれとしてしまうその迫力に圧倒されてしまい、この日絶好調と思っていた私は、あれま、一発満塁逆転ホームランを喰らってしまったと言う訳でした。
しかしなんですね、私の41cmの小さく見えたこと。一応、記念撮影はしたものの、なんだか迫力不足で寂しくなってしまいました。普通なら十分な釣果のハズなんですが、やはり50の声を聞くと迫力が全然違いますネ。
【5月30日(日)】
南東北では、毎年ダム湖の釣りの最もエキサイティングな時期は5月の初〜中旬であり、やはり大物もこの時期に釣れています。翌週の日曜もBuuさんと別のダム湖に繰り出していますが、5月の末ともなると、梅雨の大雨に備えてダム湖の減水が激しくなるため、湖水での釣りは最後のチャンスでした。お天気は最高で湖畔のツツジやフジの花がとてもきれいでしたが、気温が高くしかも湖の透明度が上がり始めていて、少々釣り辛い状況でした。この時期の釣り場はインレットのみとなり、夜明けとともに迷わずポイントへと直行します。
インレットの付近には産卵のために集まったワカサギを狙ってイワナ達が集まっていますが、まだ水温は7〜8℃と低めでイワナ達の遊泳力も最大ではなく、本流からの水流が湖に入り、流速が緩やかに止まりかける辺りに魚たちは定位する様です。そんなポイントでまずはBuuさんに42cmのイワナがヒット。同じポイントで何尾かの釣果が見られるかと思ったのですが、透明度がかなり高く、1尾釣ると他の魚にも見られてしまうためか、あとが続きませんでした。インレットの流速の早い場所には通常、元気の良い小型のイワナたちが入り込んでいて、小物は沢山釣れるのですが、大物は殆ど見られません。
インレットではBuuさんが33cmを追加。それにしても今年のBuuさんは絶好調ですねぇ。流速の早い場所ではこのサイズが限界の様なのです。私はと言うとこの日は不調で、インレットで28cmまでのイワナを数尾ゲットしただけで終わってしまいました。午後もインレットを狙いましたが、気温が異様に高く、強く濁り過ぎた雪代が入り込んでいて、全く釣りにはなりませんでした。 さて、ダム湖の釣りもこの日が最終週であり、その後暫くはダム湖の上流部に居残った大イワナを狙う釣りへとシフトして行くことになります。
【6月14日(月)】 6月末を以て早期定年退職となった私ですが、実は6月の11日から残った有給休暇を取得していて、実質的にはこの日はもう仕事を辞めていました。平日に堂々と釣りに行けるなんて、サラリーマン時代には夢の様な話でしたが、いざ仕事を辞めてみると心境は大きく変わってしまっていました。いつでも釣りに行けると思うと、「まぁ、明日でもいいか」と釣りに力が入らなくなってしまったのです。HPの更新をサボっていたのも、そんな気持ちが手伝っていたであろうことは間違いありません。
本当はダム湖の上流部で最も大物が狙えるのは、ダムが減水を終えた直後の6月初なのですが、この日はすでに6月も半ばとなっていて、しかも今年は雪代が豊富で、この日はまだ水量が殆ど衰えていませんでした。そのため、険悪な谷間にあるこのインレット上部の本流は、ゴウゴウと流れる水で遡行は不可能でした。入渓地点のすぐそばで写真上の33cmが釣れてくれたものの、遡行の出来ない渓では身動きがほとんど取れず、結局、釣果はこの1尾だけという寂しい結果でした。でもま、ダム湖に注ぐ本流の流れは実に清冽で、気分だけはそれでも最高でした。 【6月26日(土)】
さて、今シーズンのダム湖関連の釣りも6月末をもって終了です。ダム湖上流に居残った大イワナ達も、産卵のために更に上流を目指すのか、或いは下流のダム湖へと戻ってしまうのか、理由は良く判ってはいませんが、減水後1ヵ月程度で姿を消してしまう様なのです。この日はもう限界の26日であり、しかもこの釣りをする釣り人が昨年あたりから急増したため(多分、当HPで釣り方を詳しく紹介したため?かも)、足跡だらけの中を釣る羽目になってしまいました。入渓してすぐに「こりゃ釣れんな」と予感がしたのですが、結局はその通りになってしまいました。
そして、今年最後のダム湖育ちの獲物は、インレットのすぐ上流部で釣れた尺ちょっとまでが2尾だけと、実に寂しいものでした。インレットから更に上流部へ1kmほども釣り上がりましたが、イワナの魚影は皆無であり、ウグイと巨大なコイが群れ遊ぶだけの世界になっていました。 さて、ダム湖の釣りが終わると次には堰堤プールの釣りが待ち受けています。既に堰堤の釣りは5月初から始まっていますが、私の場合はダム湖の釣りが忙しいため、最近は6月に入ってから楽しむ様にしています。すでに堰堤プールへは3回ほどの釣行を重ねていて、豊富な雪代と相まって釣果も良好です。そして、渓は既に夏の様相を呈し始めていて、堰堤プールの次に控える本格的な源流釣りのシーズンが近いことを我々に教えてくれています。 【今回使用のタックル】 Zehpyr Boat ZR-220MH、MinnKota RT40S(28in)、Voyager 105A/80A、Hondex HE-57C Wellner 8ft TroutRod、Shimano BiomasterC2000、Kureha SeagerAce1.2号、PE0.6号 WiseMinnow50FS若鮎/ヤマメ(5.2g)、D-contact50S鮎、他 |