クラブ釣行レポート

山形渓遊会 春季例会(4月29-30日)


山形渓遊会の春の例会に参加してきました。今年は残雪が例年並みに多く、あまり奥へは入れませんでしたが、それでも釣果は申し分無く、十分に春を満喫できました。この時期の源流の釣りはルアーフィッシングには向きませんが、野草花・山菜や新緑の風景に、今年もまた命溢れる春がやってきたことを実感できるのが、何よりも換え難い魅力です。半年ぶりに再会したクラブのメンバー達と、焚き火を囲みながら、今年も1年の活動を約束してきました。

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【4月29日(木)】

例年であれば、まだ誰も渓に入っていない連休初日の早朝に集合し、1日釣ってからキャンプを開始するのが常ですが、今年は会長さんが忙しく、珍しく初日の夕方に集合、翌日と翌々日に釣る計画となりました。・・・となると、メインの宴会は2日目の夜になる筈でしたが、残念ながらこれまたメンバーが集まりません。今回の参加者は渡邊会長、福島のS氏、佐谷名人、宇都宮の朝日さん、それに私K++の5人のハズでしたが、S氏が忙しく2日目の夜は帰ってしまうというのです。それに朝日さんは2日目夜でないと来れないというのです。

里に近い渓で、食糧調達放流物らしきイワナが適度に釣れる前夜祭のつもりが・・・

やはり忙しい年代のクラブはうまく行きませんね。仕方なく初日の夜に軽く宴会し、2日目も軽く宴会し、3日目は・・軽く宴会をしてお茶を濁すことになってしまいました。・・・なんだかなぁ・・・

で、初日は夜の集合でしたが、私は里に近い道路脇の渓で、1回目の宴会用にイワナの調達です。夕方のほんの1時間ほどの釣りでしたが、実はこれが今回、一番釣れました。ただ、放流モノの様でして、食糧としてはまぁ我慢できるのですが、やはり源流のイワナとはその輝きが違います。でもねぇ、やっぱ、骨酒だけは呑みたいですよねぇ。そんなこんなで、半年ぶりにメンバーたちと再会を祝い合いました。

Sさんと佐谷名人渡邊会長のペースが速いなんとか骨酒だけは確保
ネコノメソウニリンソウスミレサイシン

【4月30日(金)】

翌朝は意気揚々と林道を歩きだすが今年も釣るゾと気合が入る陽春の渓は輝いていた

翌日は某本流を釣る予定でした。意気揚々と4人で林道を歩きだすと、渓は春の息吹に溢れていて、適度に雪代の入った流れは、如何にも釣れそうです。しかし、3人が餌釣りでポイントを探り始めますが、これがさっぱり反応が無いのです。1km近くも釣り上がったでしょうか、全く魚影すらなく、「??どうなってんの?」と首を傾げていると、なにやら遥か前方に焚き火の煙が立ち込めるのが見えてきました。そういえば駐車エリアにはもう一台、関東#の車が停まってましたっけ。彼らが前日からキャンプをしていた様で、たぶん早朝にこの辺りは釣られてしまったのでしょう。釣れないのは当たり前でした。

・・・しかし、釣れない全く反応すらないキャンパー発見、釣れないワケだ
紫の綺麗なキクザキイチゲイワウチワエゾエンゴサク

まぁ、キャンプをして先行している人達を追い越してまで釣り上がる訳にもいきません。釣り師のルールを曲げる訳にもいかず、ここは潔く釣り場を変えるしかありません。幸いにも、隣の渓の源流部へ山越えで入れるルートがあり、予定を変更してそちらへ入渓することにしました。この山越えは何年か前にも経験していて、結構な辛い思いをしたことがあるのですが、まぁ、仕方ありません。しかし、歩き始めてすぐに後悔しました。今年初めての山歩きでいきなり1時間の山越えは、私の様な老体には結構堪えますね。

仕方なく山越えで隣の渓へ辛い山越えのご褒美は見事な絶景・・・しかし疲れる・・・汗だくだ
この辺りの山はそれほど標高が高く無いが、それでもまだ残雪は多かった山を越えると山菜の宝庫だった

山越えの辛さは一方でとても素敵なご褒美を頂けるものらしく、ご覧の様な素晴らしい絶景を楽しめました。遥か彼方には、これから我々の入る予定の源流部が見えていて、峰から吹き上げる心地よい春風が、汗だくの体に一服の清涼剤を与えてくれます。そして下りの坂道を一気に降りると、そこには清冽な流れと野草花の楽園、そして山菜の宝庫が待ち受けていました。全く手付かずのコゴミやワサビがそこかしこに芽を出し、山菜を囲む様にイチゲやエンゴサク・ニリンソウ・ネコノメソウ・カタクリなどが咲き乱れていて、正に春の楽園でした。

コゴミアブラコゴミワサビ
早速、会長に獲物が・・・次々とイワナがヒットしかし、渓が細いためか小型ばかり

山越えの途中にあった雪の上には足跡が全くなく、どうやらこの渓に今年入渓するのは我々が最初の様子。釣りの方ですが、イワナ達も手付かずの様子で、結構な数の魚影が見られました。まずは渡邊会長が餌釣りで攻めますが、次から次へと獲物が掛ってきます。しかし、ご覧の様な細い流れの渓のためか、大物は見られず、25cmくらいまでのおチビちゃんばかり。それでもまぁ、今年初めての源流の釣りの感触は十分に楽しめた様で、ポイントを順繰りに回しながら、みなさん、それなりに楽しそうに釣り上がって行きます。

L字ポイントで粘るSさんしかし、釣れるのは小型だけ沢の合流点で粘る佐谷名人
水温は5.5℃だが、ルアーにも来たなんとか私にも釣果があった連休初日とは言え、すこぶる寒い

この時期のルアーフィッシングと言えば、水温が低くてイワナの遊泳力が乏しいために、教科書通りに釣っていてもまず何も釣れないのが普通です。まぁ、私にとって源流での釣果は無くてもまるで構わないのですが、やはり目の前に清らかな流れを見てしまうと、一応は竿を出さざるを得ません。で、どうやって釣るかと言うと、上流側へ静かに回り込み、下流へミノーを軽く投げ、藪沢の流し釣りの要領で軽いアクションを加えながらゆっくりとゆっくりとミノーを流れに平行に引っ張って来るのです。透明度が低いとイワナから姿を見られてしまってうまく行きませんが、幸いにもこの時期は雪代で多少の濁りがあるもので、なんとか釣れてくれました。

沢分けをして佐谷氏と釣り上がるおチビちゃんがルアーにヒットカメラを構えて自分を撮影する私
結局この日の最大は28cmほど魚止めまでは結局行けなかったしかし数は良く釣れた日だった

途中にある二股から上流は、沢分けをして、一方に会長とSさん、もう一方に佐谷名人と私が入り釣り上がりました。しかし二股からは上流は更に水量が乏しくなり、流石にルアーでは釣りになりませんでした。釣りは佐谷名人に任せて、私はもっぱら写真班に徹しました。お陰で、実に見事な野草花の写真や残雪の源流の風景を沢山撮影することができました。後日、壁紙に仕上げて掲載しますので、ぜひお楽しみに。しかし小型ばかりではありましたが、手付かずの渓は魚影が濃いですね。佐谷名人のロッドは曲がりっぱなしでした。

源流の水で珈琲が堪らない苔蒸した源頭に近い渓を釣る佐谷名人
アズマシロガネソウ野草花の女王、カタクリミヤマカタバミ

さて、こうやって今年も源流の釣りの季節が始まりました。今年は季節の流れが遅く、山菜の出方もかなり遅かった様ですですが、このレポートを書いている5月の2週目あたりには、山菜も最盛期を迎えているのではないでしょうか。山には残雪はまだまだ多く、豊富な雪代はイワナ達を確実に大きく育ててくれることでしょう。ここ数年は暖冬気味で、夏になると水が枯れてあまり良い思いをした記憶が少ないのですが、今年こそは良いシーズンになってくれるであろうことを祈願して、このレポートの筆を治めたいと思います。

昼食タイムの後は、また山越えが・・中央の分岐点の先まで釣り上がった山越えの辛さを春の風が癒してくれる

【今回使用のタックル】
KenCraft SuperTroutSpecial60LT(Telesco.PackRod)、Shimano SensiLite MG2500、
Kureha SeagerAce1号(6lb)、D-contact50S鮎、他