ここ数年、3月から6月初ころまでの間は、ダム湖の釣りをメインに楽しんでいます。今年は平年並みに積雪も多く、源流部からの大イワナの流下が促進されているのか、大物に恵まれている様です。今年は昨年よりスタートが2週も遅かったにも関わらず、釣果は昨年とほぼ同じ水準であり、この時期の釣果としては過去最高を記録しています。今年は季節外れの遅い雪が舞い、イワナたちにとっては良いシーズンなのかも知れません。今後の釣果が実に楽しみなダム湖の釣りは、これからが最盛期です。 【3月27日(土)】 前週の初釣りで早くも45cmを釣り上げて気分を良くしていた私は、この3月末の週から連続して下越のダム湖へと繰り出してしまう事になってしまいました。しかし、今年は残雪が平年並みであり、ここ数年と比べるとかなり多いのです。下写真の様にダム湖畔の道路はどこも残雪に閉ざされていて、車で簡単に入れる様なダム湖は一つもありません。キツイ歩きを要求されるのを覚悟で、この週も前週と同じダム湖畔にやってきました。この日は夕方16時ころから入渓しましたが、雪の降る寒いお天気で、かろうじて33cmが釣れてくれたのが不思議なほどの日でした。
【3月28日(日)】
翌朝はBuuさんがやってきました。半年ぶりの再会です。昨年までBuuさんと一緒に良く釣りにこられていた「もっくん」は、今年は受験だそうで、今シーズンはBuuさんとだけの釣行が多くなりそうとのこと。実はBuuさんとは昨年来「キモン」の仲でして、2人だけで釣るとなぜかどちらかが全く釣れない日が続いていました。しかしこのキモンですが、そう長くは続かないハズ。半年ぶりならそろそろキモンも解けているだろうと思いながら釣り始めたのですが・・・非常に美しい雪景色とは裏腹に、結局この日は2人ともノーバイト。はて、キモンはまだ続いてるのでしょうか??
【4月3日(土)】 翌週ももちろん下越のダム湖でした。4月に入るとやや気温も上がり、前週ほどの寒さはありません。しかも、予想以上に早くダム湖のボート降り場まで車で通行ができる様になり、この日は今年初のボート釣行となりました。岸辺からのキャスティングは、それはそれで独特の面白さがあるのですが、やはり広くポイントを探ることのできるボートの方が格段に効率が良く、ボートが出せるとなると、キツイ歩きを要求される釣りはやる気を無くしてしまいました。この日は午後2時過ぎからの出漁でしたが、風が強くボートが煽られて難儀しました。しかしこういった日の方が釣果は良い様で、釣り始めて30分ほどで良型(写真下中央)がヒットしてきました。
そのまま風に苦労しながら釣り続けると、今度は17時過ぎに良く太った41cmがヒット。ただこの日はちょっと首をかしげる現象がありました。2尾とも何でもない様な真っ直ぐな斜面の海岸線でヒットしてきたのです。普通この時期は、ちょっとした岬の先端のカケアガリでヒットしてくるのですが、理由が良く判りません。風が強く波があるのためか、安全な場所にイワナたちも退避していたのでしょうか。そしてもうあたりが薄暗くなった17時半ころになり、やはり真っ直ぐな海岸線のなんでもないところで、今度は43cmの良型がヒット。なんと1日に大物3尾は、久しぶりのうれしい出来事でした。ちなみに、今シーズンの大物はこれで早くも4尾となりました。
【4月4日(日)】 翌朝もBuuさんがやってきました。この日は雲一つ無い快晴で、朝からほとんど無風状態の最高の釣り日和でした。ただ、寒くてどうせ昼頃でないと釣れないだろうと、待ち合わせ時間を遅くしたのが失敗でした。8時にBuuさんと出会い、私のボート1艘で出漁しましたが、すぐに直立した岩盤のポイントから40cmクラスがトレースしてきたものの、ヒットせず。8時半ころにBuuさんに32cm、続いて10時ころに36cmがヒットしてきたものの、この日はお天気が良すぎて午前中はこれでおしまいでした。この時点で例の「キモン」が頭をよぎりますが、こうなるとなんとしてでも私が1尾を釣り上げなければなりません。
ドピーカンでどうせ釣れないだろうと、昼食と休憩のため、一旦は駐車場に戻り3時ころまで不貞寝です。午後からも私のボート1艘で出漁しましたが、・・・ここでやっと私にも釣果が見られました。25cmと小ぶりでしたが、キモンを否定する貴重な1尾であり二人とも大喜び。その後、30分もしないうちに私のロッドに再び強烈なアタリがありましたが、これは残念ながら45cmのスモールマウスバスでした。お天気が良く水温が上がるとバスが暗躍し始めるのですね。(下写真数枚がモノクロになっていますが、これは今年から仕入れたPENTAXのK-7を使い慣れておらず、設定を間違ってしまったものです)
そしてこの日のハイライトは16時過ぎにやってきました。この日は前日と違ってちょっとした岬の先端のカケアガリで定石通りにイワナ達がヒットしていましたが、16時半近くになり、ほんの僅かに海岸線が湖側へ張り出した場所で私のロッドに強烈なアタリがありました。またまたバスかとも思えたのですが、釣り上げてみると、なんとこのダム湖では過去最大のイワナ48cmでした。更に17時半前には、今度はBuuさんのロッドに42cmのグッドコンディションのイワナがヒット。これで昨年来続いていた2人のキモンは約1年で完全解消した様です。まだ気温の低いこの時期でも、やはり快晴の日は朝・夕に釣れるものらしく、この日の釣り始めの遅かったのが悔やまれました。
【4月10日(土)】 翌週は前週とは逆に土曜にお天気が非常に良く、朝から山形市は快晴でした。当然、夕方はいつもの下越のダム湖に入る予定でしたが、道中であちこちに寄り道をして、野草花の写真を撮影したりして良いお天気を楽しみました。小国町の小渓では強い雪代の中で、久しぶりに流し釣りを試しています。良いお天気で気温が高い状況下の真昼間なら、4月初旬でもこの釣り方で釣れるのですね。下写真は雪代に磨かれた28cmほどのイワナで、非常に綺麗な魚体の可愛い子ちゃんでした。また、2時ころには別のダム湖畔でムササビらしき動物の死骸を見てしまいました。山は雪に閉ざされていますが、動物達はしっかりと活動を始めている様です。
そして夕方は前週と同じ下越のダム湖に入りましたが、快晴で透明度が高く、水温が急激に上がったのか、夕がたの17時でもブラックバスが釣れてしまいました。こういう快晴の日は、この時期でも朝夕の一時が地合いになる様子で、もう辺りが薄暗くなり回りの景色が見づらくなってきた18時ころになって、ようやく下写真の44cmがヒット。今年6尾目の大物です。ただこのイワナ君、非常に元気で大暴れをしてくれたため、ランディングネットにミノーとフックがグチャグチャに絡まってしまい、薄暗くて良く見えないところでリリースに非常に手間取ってしまい、ボート降り場に到着したのはもう19時ころでした。真っ暗で何も見えない中、撤収に随分と難儀させられてしまいました。
【4月11日(日)】
翌日はまたまた新潟からBuuさんがやってきました。Buuさんはどうもマイボートの調子が悪いらしく、前週もこの週も、実は私のボートに2人乗りでの釣行でした。ボートで移動しながらハンドトローリングとキャスティングを繰り返すのですが、私の2人乗りのボート(写真上左)でも、少し狭いのですが十分でした。この日は朝から異様に寒い日でしたが、そろそろダム湖の釣りも最盛期が近いのか、結構な釣り人が出ていました。岸からの釣り人も数人が見えましたが、10時ころになり、お馴染みの三条市のズミさんがやってこられました。なんでもアルミのジョンボートを新規に購入されたそうで、お子さん2人となにやら随分と楽しそうでした。
さて、釣果の方ですが、雨交じりで異様に寒いこの様な日は流石に早朝はノーバイト。こういう日は早朝よりも昼間に人が「フッと暖かくなったな」と感じる様な時にイワナはヒットしてくるものです。釣れるのはどうせ9時か10時ころだろうと2人で話していると、案の定、Buuさんのロッドに29cmの小型ではありますがヒットしてきたのは、一時的に晴れ間の広がり暖かくなった9時50分の出来事でした。更に1時間ほど経過した11時前になって、ちょっとした岬の先端をハンドトロールで攻めていると、Buuさんのロッドが大きく曲がりました。今年2尾目の大物42のアメマスっぽいイワナでした。今年のBuuさんは調子良さそうですね。
その後15時ころまでは一旦駐車場に戻り、暖を取りました。寒くて耐えられなかったのです。車の中で暖かいコーヒーを呑んでいると、萎えかけていた心が再び湖面へ向かって燃えてくるのが不思議ですね。15時ころから再び2人でハンドトローリングを行いましたが、釣り始めてすぐに今度は私のロッドに29cmの非常に斑点の細かな綺麗なイワナ君がヒット。少し経って16時ころには、対岸の岬の並ぶこの時期一番のポイントの前で、ズミさんが今年の初物となる36cm(写真2つ上の右)を釣り上げていました。そして17時ころ、今日は寒いので早めに切り上げようと話しながら、最後の岬のポイントを通過した後でした。
「あー、最後、来ませんでしたねぇ」と私がエレキのスピードを上げた瞬間に、Buuさんに35cmのイワナがヒット。岬のポイントから50mほども離れた距離でのヒットでした。前週もそうでしたが、私がエレキの操作をしていて、急に速度を上げたりボートを回転させたりした瞬間にイワナがヒットすることが多くありました。普通にストップ&ゴーを繰り返すだけではなく、大きく速度を上げたりミノーのコースを変更することが、どうもイワナの闘争心を擽ってくれる様です。たったひとりで釣っていても気の付かない出来事であり、ハンドトローリングにも、もう少し研究の余地がありそうですね。
さて4月も中旬を過ぎ、里には桜が咲き始め、野草の花たちも、そこかしこで虫たちに恋の語らいを始める季節となりました。いよいよ今年もダム湖の釣りのトップシーズンに突入です。今年は残雪も多く、イワナたちの源流部からの流下も順調の様です。前半戦は釣果もご覧の通りの絶好調であり、5月末ころまでは存分に楽しめそうです。やがて山には新緑が青空に映え、渓畔には野草花のお花畑が広がり、足元には沢山の山菜が芽を吹いてきます。一年で最も素晴らしいこの季節を、皆さんも存分に楽しんでみられては如何でしょうか。 【今回使用のタックル】 Zehpyr Boat ZR-220MH、MinnKota RT40S(28in)、Voyager 105A/80A、Hondex HE-57C Wellner 8ft TroutRod、Shimano BiomasterC2000、Kureha SeagerAce1.2号 WiseMinnow50FS若鮎/ヤマメ(5.2g)、D-contact50S鮎、他 |