単独釣行レポート

10年ダム湖の釣り始動(3月20-21日)


今年も渓流釣りのシーズンが始まりました。今年の残雪はやや少ないものの平年に近い状況であり、今シーズンの釣果に期待が持てそうです。今年の初釣りは春の3連休を利用して、いつものダム湖へと繰り出しました。道路にはまだまだ残雪が多く、釣り場は私一人の貸し切り状態でしたが、人が少ない分、しっかりとイワナ君がお相手をしてくれました。初釣りはどうやら幸先の良いシーズン開幕の様であり、今年も山と渓を存分に楽しんでみたいと意気込んでいます。(いつもは数回分の釣行をまとめてお伝えしていますが、今回は初釣りの模様のみであり、写真・記事が少なくなっています。)

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


2010年度の新潟・山形県内共通遊漁証PENTAX K-7

さて、本編をお伝えする前に、今シーズンからデジタルカメラが入れ換わったことをお伝えしておきます。これまで使っていたPENTAX *istDL2は、土砂降りの中や極寒のスキー場など、過酷過ぎる環境で使い続けたためか、たった3年でおシャカになってしまいました。新しくワンクラス上のPENTAXのK-7を使い始めましたが、このクラスの一眼レフの中では最も小さくて軽く、また防滴・防塵・耐寒-10℃と、釣り師のために作られたカメラではないかと思えるほどの仕様となっています。そして画質も機能も以前より格段に向上しました。恐らくフィールドカメラとしては、これ以上のものは無さそうです。

まだまだ残雪の多い山形の3月、フクジュソウが陽春に輝き始めた  2010年3月20日13:50時 / PENTAX K-7 /
smcPENTAX-DA18-55mmF3.5-5.6ALWR / f5.6 絞り優先 1/8000sec ISO800 SpotAF-S AWB HiLight補正on Shadow補正2/3

【3月20日(土)】

例年であれば、この時期のダム湖へは新潟の仲間が何人か、呼びかけることもなく必ず集まって来るのですが、今年はちょっと様子が違いました。この不景気にとても良い事なんですが、新潟のBuuさんは仕事が忙しいらしく、この3連休は無理とのこと。水戸に転勤された風玉さんも、遠くなってしまってそう簡単には来れません。加えて、雪が多くキツイ雪上歩行を要求されそうなことからか、例年なら集まって来る地元の顔だけ覚えている仲間たちも、姿が見えません。という訳で、今回は2日とも完全な単独釣行になってしまいました。

残雪の美しい飯豊山系少し山間部に入ると・・・久しぶりのフィールドは素晴らしい

さて、3連休の初日は午後の遅い時間からの出陣でした。前日夜遅く山形に到着した私は、この日、お昼近くまで寝てしまいました。下越へ2時間半の移動をし、釣り場の入口に到着したのはもう午後の3時半でした。実は今回、このダム湖の情報はほとんどなく、まだ結氷が融けているかどうかも判らない状態でした。車でダム湖畔まで入れることができれば簡単なのですが、この時期まだ残雪で道路が覆われていて(写真下左)、40分ほどは歩かないと湖面を見ることすらできません。登り道の雪上歩行は、冬の間にナマッた私の体には思いのほかキツく、難儀させられました。

しかし辛い雪上歩行が待っていたまだ結氷が僅かに残るダム湖釣り始めて20分、今年のお初は38cm

そして、へとへとになってお目当てのポイントに到着すると、結氷は対岸に少し残っているだけで、すっかり湖面の解放されている状態に一安心。しかし、到着したのはもう16時を回っていて、夕暮れまで1時間半ほどしかありません。ただ、残雪が人を阻んでくれているためか、他に釣り人は誰もいません。しかも私の選んだポイント付近の雪上には全く足跡が無く、今年このポイントにルアーを投げ込むのはどうやら私が初めての様です。天候はポカポカ陽気の絶好の釣り日和であり、20分ほどミノーを投げ続けると、あっさりと38cmがヒットしてきました。今年お初の獲物に、なぜか懐かしさと忘れかけていた感動が甦ってきます。

この日は終日高気圧に覆われ、ポカポカの陽気で快適だった17時過ぎに来た尺イワナ

これはイケるかなと思ったのですが、しかし後が続きません。17時過ぎになってもう1尾の30cmちょうどほどのイワナ君が出てきてくれましたが、その後はあっと言う間に暗くなってしまい、結局この日の釣果はこの2尾だけでした。もう少し早く到着していれば、あと何尾かは釣れた可能性もあるのですが、寝坊の罰ですから仕方ありません。まだ今日は3連休の初日であり、明日以降に賭けようと、17時半ころ、残雪の道をひとり寂しく帰路に付きました。半年ぶりの山歩きは、疲れた体とは正反対に、脳内は十分にリフレッシュされ、非常に冷たい透き通った空気が心地良く感じられました。

春の使者フクジュソウフキノトウもようやく芽吹き始めた

【3月21日(日)】

しかし2日目は一変して嵐の様な天候でした。天気予報で或る程度は予想していたのですが、朝6時ころ起きてみると、市街地にも拘わらず、まるで台風の様な暴風雨が吹き荒れており、しかも辺りはなぜか真っ暗でした。車の窓ガラスがまるで泥でも被った様に異様に汚れていて、どうやら非常に濃い黄砂が低気圧に引き寄せられて、日本列島までやってきている様子でした。この時期のこの暗さと気温の急低下では、朝一番は釣りにならないだろうと、車の中で2度寝を決め込んでしまいました。再び起きだしたのは9時過ぎで、まだ薄暗く風雨も強かったのですが、やわら釣り場へと車を走らせました。

翌日は一転して嵐の様なお天気に強風時はロッドを収めて休憩WiseMinnow50FS若鮎

釣り場入口に到着し、またまた40分ほどの雪上歩行を経てポイントに到着したのは、もう11時過ぎでした。予想通りに海岸には釣り人らしき人影は全く見当たりません。なぜなら、時おり立っていられない程の強風が吹き荒れ、雨具がバチバチと唸る様なミゾレ混じりの雨が降って来るのですから当然です。ここまでしてなぜ釣りを続けなければならないのか、私にも良く判らなくなる様な日でした。しかしこういう日こそが実はチャンスなのかも知れません。WiseMinnowを強風に煽られながら投げ続けると、ちょうど12時ころ、下写真の45cmが、これまたあっさりとヒットしてきました。

12時ちょうど頃にヒットした45cm このダム湖では十分な大物だイワナ45cmと私

このダム湖は規模が比較的小さいためか、過去の記録を見ても45cmは、実は最大級なのです。普通、シーズン初は小型が中心で、初釣りから最大級のイワナが出るのは稀なことであり、ビックリしてしまいました。釣り場は付近より斜度のかなり緩くなった海岸で、1箇所に立ち、恐らく深さ4〜5mのラインを、海岸線に斜めに沿って、底付近をミノーを泳がせてくることでヒットしました。水温はまだ4℃と低く、沖合よりも海岸線付近でワカサギなどを待ち伏せしていた様でした。この時期は、風雨が一時的に弱まり、人がフッと暖かく感じる様な時に魚も活性が上がるものです。雨が止んでほんの数分間だけ無風状態になった一瞬にヒットしてきました。

リリース直後のイワナ午後は台風の様な天気に・・・生命力を見せつけるタラの木

予報では午後からは風雨が更に強まる気配であり、粘ればまだまだ釣れたかも知れないのですが、流石にこの悪天候には勝てませんでした。1尾だけですが大型の釣果も見られ満足し、13時前にはそそくさとその場を立ち去りました。湖面から残雪の道路に上がる急斜面には、深い雪にももろともせずに直立するタラの木が芽を膨らませ始めていて、山にも春の訪れがすぐ目の前に来ていることを告げていました。今年も渓流釣りのシーズンが始まりましたが、さて今年はどの様なシーズンになるのでしょうか、楽しみです。

【今回使用のタックル】
Wellner 8ft TroutRod+Shimano BiomasterC2000+Kureha SeagerAce1.2号、
WiseMinnow50FS若鮎(5.2g)のみ