皆さんにとって、2009年はどの様なシーズンでしたでしょうか。思い出に残るシーズンになったでしょうか。それとも、あまり良いシーズンではなかったのでしょうか。毎年禁漁に入った時期に、そのシーズン全体を振り返ることを恒例にしています。さて、今年はどの様なシーズンだったのでしょうか? (注:このレポートは山形県内の渓流釣りを想定して記述しており、気候や水量などの状況は他府県と異なる可能性があります。) 今年の渓流釣りシーズンは、ラニーニャから始まりエルニーニョで終わりました。毎年、シーズン初の残雪量が夏ころまでの釣果を大きく左右すると考えていますが、今シーズンの残雪は異様に少なく、少ない雪代にがっかりさせられました。逆に夏から初秋にかけての雨はとても多く、まことに異常な気候の年だったと思います。(ラニーニャは雨量を減少し暖冬を、逆にエルニーニョは雨量を増やし冷夏を招くと言われています。) 今年のダム湖の釣りは、平年の半分程度の少ない残雪で早期に始まり早期に終わってしまいました。例年4月2週目ころから始まるダム湖の釣りは3月初旬に始まり、少ない雪代はダム湖の大物イワナの数を少なくしてしまったと考えられます。特に下越のダム湖では、2年ほど前から源流部への釣り人の入渓が増えており、その影響で釣果は全体に小ぶりで数も少なかった様です。 堰堤プールの釣りも同様に早期から始まり、平年より2週間ほど早く終わりました。最近は、一つの堰堤プールで良く釣れ出すと、その源流部へ入る釣り人が急増して、2年程度でパッタリと釣れなくなる現象が起きています。私が過去に良く出かけていた堰堤プールでも、今では魚影が全く見えなくなった釣り場が幾つか存在します。昨年非常に良く釣れた堰堤プールも今年は急速に釣果が落ち、恐らく来年は殆ど釣れなくなるのではないかと考えています。常に新しい堰堤の釣り場を開拓し続ける必要がありそうです。 そして、8月に入ってからの気候は今年も全く異常でした。梅雨明け宣言も無く、また、平年気温を大きく下回り、昨年同様に土日毎に決まって雨の日がやって来ました。近隣の河川は土日毎に強い濁りの状況が続きました。そのため、源流部への入渓の出来ない日が9月初まで続いてしまいました。今年の後半もサンデーアングラーには全く辛い年であったと思います。 一方で、今シーズン全体を振り返ってみると、昨年後半に起きた景気後退と株価急落が、予想通りに渓流釣りの世界にも暗い影を落し始めている様に思えます。ここ数年、釣り人の数は少なく、本当に渓流釣りの好きな人たちだけの平穏な世界が保たれていたと思えるのですが、今年はあちこちで釣り人が急増している様に見えてなりません。景気後退はレジャーの鉾先をお金の掛らない釣りの世界へとシフトさせます。早くもその傾向が今年の後半には見られていて、来年以降の魚影が非常に心配な状況です。 私の個人的な09シーズンは、昨年に引き続き大物が良く釣れてくれました。昨年同様にエレキ付ボートが大活躍してくれ、ダム湖での大物の釣果が15尾と大半を占めました。一方で、堰堤プールと渓流での大物は各1尾づつと、例年になく少ない状況でした。ダム湖での釣りは大掛かりな装置が必要であり、釣り人口の急増はあまり考えられませんが、堰堤や渓流では釣り人の増加がそのまま釣果の低迷に繋がってしまったのではないかと考えています。 もう一つの私の楽しみである源流釣りも、昨年と同様に最盛期の休日にお天気に恵まれない日々が続き、最後まで源流らしい源流に入れなかったのは非常に残念でした。来年以降も源流の釣りは続けたいと考えていますが、今年58歳になった私にはそれほどの体力も残っておらず、いつまで重いザックを担いで活動が出来るのかと、考えてしまう事が多くなりつつあります。 最後に、今シーズンも沢山の楽しい思い出をプレゼントして頂いた、TLF掲示板・山形渓遊会・釣り仲間の皆さんに、この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
●2009年の記録 毎年、ごく簡単な形式で釣果の記録を行っています。今年も下越のダム湖が絶不調で大型不在の状況でしたが、県内のダム湖が昨年同様に良く健闘してくれ、ダム湖の大物は15尾と前年とほぼ同様でした。一方で、堰堤プールは不調のままで、数こそ出たものの大物は1尾だけに終わりました。渓流域でも42cmが出ていて、合計で40pオーバーの大物イワナは17尾とまずまずではありました。なお、今年の釣行回数は58回と例年並みでした。 2009年の釣果記録 管理釣り場、及びC&R区間を除く |